「スーフリ事件」和田の「真相告白」に怒りの声。再燃する「広告塔でテレビ局アナ」正体やメンバー素性探し

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 16年前、400名以上の女子大生が性的暴行の被害者となり社会問題にもなった、早稲田大学の「スーパーフリー事件」。その主犯格として懲役14年の刑に処された和田真一郎氏が、「週刊新潮」(新潮社)のインタビューに登場し、騒然となっている。

 詳細は本誌をご覧いただきたいが、すでに44歳となった和田氏が刑期を終え、現在正体を隠してひっそりと働いていることや、女性への集団暴行を続けた経緯、その時の心境、服役中の更生プログラムによって自分の犯した罪の大きさを知ったこと、被害者への贖罪の意志などが述べられている。

 当然ながら「今さら何を」「同情してほしいのか」「罪は消えない」と、刑期を終えた途端表に出てきた和田氏への厳しい意見がほとんどの状況だ。

 また、過去に週刊誌で和田氏が別の収監者との文通で「反省ゼロ」の文面が明らかになり、彼の意見を余計信じられなくなっている部分もある。他の表現が見つからないほどに、懺悔が「今さら遅い」のだ。

「スーフリ事件」は、集団暴行の法律を一部変更させるほどの事件だった。いまだ被害者の中には苦しんでいる人もいる中、犯行グループの多くは社会に出ている。

 そして今回、和田氏が登場したことで「再燃」する人物たちもいる。

「『スーフリ事件』発覚後、すでにテレビ局に内定が出ていた女性アナウンサーが『スーフリに関与していた広告塔』と、一部で報じられ大きな騒ぎになりましたね。その人物はネット上で『特定』されるなどして、現在でも画像が残っています。他にも『広告に写っていた女性メンバーの写真』なども出回っており、事件に関わっていたと把握されている現一般女性も多いです。また、逮捕されず大手企業で働いている男性の名前と顔も出回っています。

スーフリの『ギャルズ』と呼ばれるメンバーは、暴行を手助けし、暴行された女性を慰めて泣き寝入りさせる役割を担っていたという話も。こちらも悪質極まりないものですが、和田氏が出てきたことによって、再びメンバーの洗い出しなどがネット上で起きそうです」(同)

 和田氏は裁判の際、他の逮捕されたメンバーに「和田の命令でやった」と一様にいわれたそうだ。現在は納得していると記事では語っているが、今回の登場は、和田氏なりの罪を逃れた連中への「復讐」なのだろうか。

池江璃花子選手・白血病、「早期発見」報道への疑問点…女子選手の定期的血液検査の重要性

池江璃花子選手(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 競泳女子の池江璃花子選手が12日、白血病を患っていることを公表した。来年の東京五輪では金メダルの有力候補と目されており、日本水泳界のみならず海外にも衝撃を与えているが、弱冠18歳の女性アスリートの勇気ある告白に、各界から応援の声が上がっている。

 白血病は「血液のがん」と呼ばれ、難病というイメージが強いが、近年では若い世代で白血病を発生した人のうち7割以上は治っているとされる。また、JALSG(日本成人白血病治療共同研究グループ)のHPによれば、日本における白血病発生率は2009年では年間人口10万人当たり6.3人(男7.8人 、女4.9人)となっており、骨髄性白血病が喫煙と関連があるために喫煙者の多い男性に多いという。

 白血病という病気について、血液内科医で元東京大学医科学研究所特任教授の特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長、上昌広氏に解説してもらった。

上昌広氏の解説


 メディアでは、『「白血病」治療のカギは“早期発見”』『池江は現在入院中担当医師「早期の発見だった」』などの報道が目につく。

 厳密に言うと、これらは医学的には誤りだ。白血病は血液の病気であり、血液は全身を循環する。胃がんなど固形がんのように1カ所で病変が生じ、全身に転移するものと違う。早期発見や手遅れという概念はない。

 白血病治療の予後を規定するのは、遺伝子や染色体の異常に基づく分類だ。早期診断か手遅れかという議論は、そもそもない。池江選手に関して、遺伝子や染色体の異常についての情報は公開されておらず、彼女の予後がどうなるか予断は許さない。

 私が気になるのは、1月13日に都内で実施された競技会で、自身の日本記録から4秒以上遅れたこと。18日からのオーストラリア合宿で、練習中に激しく肩で息をするなど異変が見られたといわれる点だ。おそらく、この時期に白血病による貧血が進んでいたのだろう。決して早期診断ではない。

 白血病の恐ろしいのは、突然死することだ。もっとも多いのは出血だ。特に脳出血は危険だ。2000年に急性前骨髄球性白血病で亡くなったアンディ・フグ選手がそうだったといわれている。

 池江選手の場合、脳出血による突然死を防いだという点では「早期診断」といえなくもない。ただ、貧血が顕在化するくらいだから、血小板も減っていたはずだ。出血しなかったのは、単に幸運だった可能性が高い。

 私が不思議なのは、池江選手のような一流の女性アスリートが定期的に血液検査を受けていなかったと考えられることだ。貧血は競技成績にダイレクトに影響する。男女を問わず、筋肉量が多いアスリートは貧血になりやすく、生理による出血がある女性はなおさらだ。最近は定期的に血液検査を受けるアスリートも珍しくない。精度は落ちるが、採血をしなくてもヘモグロビンの濃度が測定できる「アストリム」などの非観血的測定装置もある。選手やスタッフがやる気になれば、容易に実施できる。

 もし、池江選手がヘモグロビン濃度をチェックしていれば、1月の時点で本当の意味での早期診断ができていた可能性がある。白血病はもっとも進行が速いがんだ。数日の遅れが命取りとなる。逆に数日診断を早めるだけで、出血のリスクを相当減らすことができる。

 多くの人が池江選手の一刻も早い競技復帰を願っているが、医学的に一般的な事例と照らし合わせた場合、東京五輪は難しいかもしれない。焦らず完治させて、2024年の五輪を目指してほしい。

 一方、スポーツ界は今回のことをきっかけに、女性アスリートの健康問題、特に貧血問題に取り組んでもらいたい。定期的な血液あるいはヘモグロビン検査の導入を検討してはどうだろう。
(文=上昌広/医療ガバナンス研究所理事長)

東京23区、大規模スーパーが出店しても近くの商店街がシャッター通り化しない謎と答え

 全国の商店街が「シャッター通り化している」といわれるなかで、ひとり気を吐いているのが東京の商店街だ。銀座、表参道、浅草、かっぱ橋などといった特殊な商店街だけではない。日常の買物需要にこたえる「近隣型商店街」も、東京では今なお活況を呈しているところが少なくない。

 2016年度の「東京都商店街実態調査」によると、23区には1942の商店街があるそうだ。人口10万人当たりに換算すると、およそ21カ所。ちなみに、多摩地域は同じ人口10万人当たり約14カ所。中小企業庁の「全国商店街実態調査」による全国平均値は10万人当たり約12カ所なので、多摩地域は全国平均と大差ないが、23区には商店街が突出して多いことになる。

 14年の「商業統計調査」からも、東京の商店街の力が垣間見えてくる。図表1は、一般的な商店街での買い物とは購買動機が違う百貨店と、販売形態が異なる無店舗販売(通販など)を除いた業態別の販売額構成比を求めたものだ。23区ではスーパーマーケットのウエイトが低く、専門店のウエイトが高いことがわかる。一方、東京都多摩地域と埼玉、千葉、神奈川の各県をあわせた首都圏近郊部では、全国平均以上にスーパーのウエイトが高く、専門店のウエイトが低い。これは、専門店が集まった商店街パワーの強さが23区に特徴的な傾向であることを示す傍証にほかならない。


「東京の」あるいは「首都圏の」商店街が活力を保っているのではない。「23区の」商店街だけが特別に元気なのだ。

「郊外の大規模スーパーが原因」という嘘


 23区の商店街が元気を保っている理由として、「地価が高い東京では、大きな駐車場を備えた大規模スーパーが出店しにくいからだ」という説がある。だが、これは事実ではない。

 23区の専門店(すなわち、専門店の集合体である商店街)は大規模な総合スーパーとの競合以上に、食品スーパーをはじめとした専門スーパーとの競合に勝ち残っている。そもそも、メディアも識者も口を揃えて主張し、その結果、誰もが疑いを持たない「郊外部への大規模スーパーの出店が商店街のシャッター通り化を進めた」という考え自体に誤りがある。

 総合スーパー(あるいは総合スーパーを核店舗とした大規模なショッピングセンター)は、なるほど目立つ存在ではあるが、数が限られるため、その影響力はさほど大きなものではない。もう一度、図表1に戻ってほしい。総合スーパーの販売額シェアはたかだか5%ほどで、コンビニエンスストアよりも小さい。

 さらにいえば、総合スーパー(GMS:General Merchandise Store)は、その名が示す通り、消費者のワンストップ購買ニーズへの対応を大原則とする業態であり、基本的に人が集まりやすい場所を最適立地とする。その代表が駅前だ。たとえば、JR総武線での筆者の帰路ルートをたどると、新小岩駅前に西友が、小岩駅前にイトーヨーカドーが、市川駅前にはかつてと比べ規模は縮小したがダイエーが、船橋駅前にイトーヨーカドーが店を構えている。読者が住むまちの駅前にも、総合スーパーがあるのではないだろうか。

すでに内部崩壊が始まっていた商店街


 総合スーパーが郊外化を始めるのは、1992年に当時の大店法が改正施行され、地元との出店調整が廃止されて以降のことだ。これにより、総合スーパーは出店ラッシュの時代を迎え、本来は必ずしも好立地とされていなかった郊外部への進出に拍車がかかることになる。

 図表2は、過去35年間の専門店数の推移を追ったものである。なるほど1992年の大店法改正が商店街に打撃を与えたことに間違いはない。しかし、小売店の数はその前から減少トレンドを示していた。92年の法改正は、この傾向を後押しするものとなったにすぎない。大規模スーパーが郊外化し始める時点で、すでに商店街は内部崩壊を始めていたのだ。


 その後、小売店を取り巻く環境は、2000年6月の大店法の廃止と大店立地法の施行(地域経済的視点に基づく大型店出店規制の自由化=郊外化のさらなる促進)を経て、07年11月の改正都市計画法の施行によって、ようやく都市計画の視点に立った無秩序な郊外化の規制が始まることになる。

 しかし、図表2が示すように、政策的な郊外出店規制は商店街再活性化の効果をもたらすことができなかった。理由はひとつしか考えられない。商店街の内部崩壊は、絆創膏を貼るような目先の対応では解決できないレベルにまで達してしまっていたからだ。

メガストア激戦地でも元気な「砂町銀座」


 先日、久しぶりに江東区の砂町銀座商店街を訪れた。大規模なスーパーが少ない東京23区の中で、江東区は例外的なメガストアの激戦地だ。店舗面積1万平方メートル以上の総合スーパー(総合スーパーないしは大型の食品スーパーを核店舗とするショッピングセンターを含む)は23区に36店あるが、そのうち6店舗が江東区に集まっている。

 店舗面積ベースで見た江東区のメガストア集積度はもっと高く、6店の合計で23区全体の2割に及ぶ16万平方メートルを数える。2位の墨田区、3位の葛飾区がともに7万平方メートル強であることと比べると頭抜けて多い。なかでも、区内メガストアのビッグ3が集う砂町地区は激戦地中の最激戦地である。

 そんな厳しい環境に追い打ちをかけるように、10年には店舗面積3万平方メートル超のアリオ北砂が砂町銀座の目と鼻の先にオープンした。大規模スーパーが商店街のシャッター通り化をもたらしたのであれば、砂町銀座商店街は消えてなくなっていてもおかしくない。

 なるほど、人をかき分けないと前に進めなかったほどのにぎわいは影を潜めていた。それでも通りは多くの人であふれ、行列ができている店も少なくない。


 都営地下鉄大島駅前のサンロード中の橋商店街は、アリオ北砂から直線距離で1㎞強。2000台を超える駐車場を備えるアリオ北砂にとって、十分に商圏射程内にある。

 300mほどの間におよそ90店が軒を連ねるこの商店街の最大の特徴は、食料品店の多さにあった。その意味では、大規模スーパーの影響をより強く受けやすい。こちらは苦戦やむなしか。いや、今も4割を食料品店が占め、八百屋だけで6店が元気に営業中だ。

全国平均の2.3倍!「銭湯一極集中」の東京


「23区の商店街が活力を保ち続けているのは人口が増えているからだ」という説は正しくない。商店街が内部崩壊を始める1980年代後半、地方部の人口はまだ増加中であったが、23区ではその15年以上前から人口が減り続けていた。江東区の人口は近年急増しているものの、砂町地区は横ばい、大島地区も微増にとどまる。

 サンロード中の橋商店街には銭湯がある。砂町銀座も、商店街の中ではないが、近くに銭湯が営業を続けている。

 2016年の「経済センサス」によれば、東京23区には人口10万人当たり5.5軒の銭湯(一般公衆浴場業)があるという。全国平均(2.4軒)の2.3倍。人口シェア7%の東京23区に、我が国の銭湯の6軒に1軒にあたる17%が集まっていることになる。まさに「銭湯一極集中」だ。

 時代が進むとともに消えていく運命に見舞われていった商店街と銭湯。この両者が、世のトレンドの最先端を走る東京23区に残り続けている。その奥に何が潜んでいるのだろうか。

 今はもうすっかり様変わりしてしまったようだが、かつて銭湯がまちに息づいている地方都市が、筆者の知る限り2つあった。三重県伊賀市上野地区(旧上野市)と千葉県香取市佐原地区(旧佐原市)。いずれも名うての「まつりまち」で、まつりを担う地区ごとのサロンの役割を銭湯が果たしているというのが、地元の共通した意見だった。

東京の商店街や銭湯が過去の遺物にならない理由


 かつて小売店は10時開店、18~19時に閉店が普通だった。セブン-イレブンの名が示す通り、7時に開店し23時まで営業しているコンビニは、ほかの店が閉まっているときでも利用できる、一種の隙間産業として登場する。初期のセブンのキャッチコピーは「開いててよかった」だった。

 公共料金のコンビニ支払いが始まった1987年を境として、コンビニは急増していく。それは、コンビニが物販施設からコミュニティ施設へと進化していく過程でもある。「開いてます」だったローソンのキャッチコピーは、91年に「マチのほっとステーション」へと変わる。今やコンビニは、公共料金の支払いはもとより、各種チケットの発券、預金の預け入れや引き出し、通販購入商品の受け取りなど、物販施設の域を大きく超えた存在へと姿を変えた。

 そんなコンビニでも、店員との会話は無機質なマニュアル問答でしかない。これに対して、商店街での買い物はまずコミュニケーションから始まる。顔馴染みになると、話題が的を射てくるから会話も弾む。お年寄りや子どもたちの見守りも、商店街の大きな役割だ。2011年の東日本大震災は平日の昼に発生したが、住宅地でこの時間帯にまちの事情に精通している男手が集まっている場所は商店街くらいしかない。

 商店街の最大の存在価値は「まちのキーステーション」であること。東京では、今もその機能が保たれている。

 情報は東京から地方へと伝播していく。しかし、情報量が多くなれば、その内容は表面をなぞるだけのものになってしまう。たとえば、入浴の効果を高めるグッズやノウハウの情報はあふれていても、要するに興味の対象は「入浴」という行為だけ。だとしたら、銭湯はノスタルジーか物珍しさの対象にしかなり得ない。商店街もまた然りで、モノを買うだけの場所となれば、スーパーとの勝負は厳しい。かくして、銭湯も商店街も過去の遺物と化していく。

 しかし、情報の発信源である東京は銭湯や商店街のもうひとつの価値をしっかりと評価し続けている。

「東京ひとり勝ち」とは、パワーゲームの結果として東京だけが勝ち残ったのではなく、日常生活の価値評価において、地方が次々と白旗をあげていった結果だったのではないだろうか。一番肝心な人々の日々の生活のあり様を「東京発」という名ばかりの薄っぺらな情報に一方的に委ねた時点で、商店街と同じように地方は内部から崩壊を始めたのではなかったのだろうか。

 東京の商店街や銭湯を前にしたとき、筆者にはそんな想いがよぎってくる。
(文=池田利道/東京23区研究所所長)

アイデアが生まれる感覚を身体でつかむ~企画身体学

電通は、2018年の「電通インターンシップ」を東京本社、関西支社、名古屋支社で実施。参加した学生たちは、第一線で活躍する電通のクリエータ―やプランナーによる講義や演習を通して、人の心を動かすアイデア発想法を広く学びました。

本連載では、インターンシップの講師を務めた電通社員が登場。それぞれが自分の思考法や企画術、仕事の取り組み方などについて語ります。

第1回は、クリエーティブソリューション・ディレクターの小布施典孝が、アイデア力を身に付けるためのスキーム「企画身体学」を紹介します。

企画を考えることはスポーツに似ている

僕は、アイデア力を身に付けるためのスキームを「企画身体学」としてまとめていて、若いクリエーターに講義をする機会も頂いています。なので、ここではその内容についてお話しできればと思います。

まず、「企画身体学」を考えた経緯ですが、企画を考えることはスポーツに少し似ているな、と思ったのがきっかけです。

というのも、僕は学生時代に体育会野球部に所属していて、練習量だけは誰にも負けないぐらい頑張った自負があったのですが、悲しいことにさっぱり上達しませんでした。なので、ただやみくもに量をこなせば上達するわけではなく、うまくなるためにはセンスのようなものが必要で、そのセンスをつかむ方法を分かった上で練習をしないといけない、ということを強く感じました。

その後、電通に入社し、企画の仕事をしていく中で、どうすれば良い企画が出せるようになるのかを考えていました。知識をどんどん蓄えれば、ヒットする企画が生み出せるようになるのかというと、どうも違う。やはり企画が上手になるためのセンスのようなものが必要で、センスを高める方法が分からないままに量をこなしていてもアイデア力というのはなかなか身に付かないと感じました。

では、どうすればセンスを高められるのか?野球はヒットを打った時の感覚を自分の中に染み込ませていくことで、次第にヒットを打てる体質になっていくのだと思います。だとしたら、それを応用するとどうなるんだろう、と考えました。つまり、良いアイデアを思い付いた時の感覚、その時の脳の回路の使い方を自分の中にストックしていくことで、良いアイデアが出せる体質になっていくのではないか。

そこで、ヒットする企画を生み出せる人は、どのように脳の回路を動かしているのか、はたまた自分がいい企画を出せた時は、なぜその企画を生み出せたのか、それらを研究し、「企画身体学」としてまとめました。これは、アイデアの発想法や企画力を身に付けたい人のための手引きのようなものです。

「企画身体学」詳説!

「企画身体学」では、アイデアを生み出すための方法や企画を考える時のポイントなどを幅広く解説しています。ここからはその内容についていくつか紹介します。

●好奇心の毛穴が開く体験

人に面白いと思ってもらえるアイデアを生み出すためには、まずは自分が遊び心を持っていろいろな体験をして、好奇心の毛穴が開くような感覚をたくさんインプットしていくことが、何よりも大切です。

最近では、レビューを読むだけでも、行った気になったり体験した気になったりしがちだからこそ、きちんとその場に行って自分の肌で感じることが、とても重要です。なので、「自分の好きなものはコレ」と決めつけることなく、これも興味が持てるかもしれない、あれも好きかもしれない、そう思って、楽しんでみることが、企画体質になるための第一歩だと思います。

●初動脳のインストール

お題を出された時に、まずどこから考え始めればいいのかという、はじめの頭の動かし方の反射神経みたいなものを、僕は「初動脳」と呼んで重視しています。この「初動脳」を身に付けるためには、たくさんのケーススタディーを知識として頭の中に詰め込むだけでは不十分で、自分の身体を一度通す「追体験」によって、筋肉をつける必要があります。

自分がいいアイデアだな、と思うケースがあったら、そのアイデアが生まれた元々のお題はなんだったかを想像してみます。そして、そのお題が自分に与えられたとしたら、どう脳みそを動かすことで、その好きなアイデアにまでたどり着くのか、そのアイデアがポンっと生まれる追体験を自分の体を通して何度かシミュレーションしてみるのです。そうすることで、自分になかった筋肉をつくっていくことができます。知識のインプットよりも、筋力のトレーニングの方が、アイデア体質になっていく上では、重要だと認識しています。

●アイデアの腸内発酵時間

最新の学説では、「腸は第二の脳」どころか「腸は第一の脳」という説があるそうです。これは、人は脳ではなく腸で物事を考えていて、それが信号として脳に送られているという説です。自分の経験を振り返っても、アイデアというのは、考えたらすぐ出てくるものではなく、何かの拍子に突然ふっと脳に湧いてくることの方が多い。もしかしたら腸内細菌が一生懸命考えてくれていて、その中の面白いものを脳がキャッチしているだけなのかもしれません(笑)。

でも、そう考えると、腸内細菌に考えさせる時間=アイデアを発酵させる時間が必要で、そのために、課題や与件、ターゲットインサイト、最近面白いと思ったこと、話題になっているニュースなど、とにかく思いつく限りのことをごちゃごちゃに混ぜ込んで、体の中にカオス状態をつくることが重要です。なぜなら「カオス状態からの発酵」という時間があって初めてアイデアは出てくるからです。そもそもアイデアというのはロジックの延長線上には発見できないものなので、最初から理路整然と考えないことがポイントです。

●思考迷子を救う道しるべ

意図的にカオス状態をつくるわけなので、途中で何を考えればいいのか、何を考えていたのか、自分でも収拾のつかない局面がやってきます。慣れてくると、この局面になったということはゴールが近い、という気持ちになれるのですが、どのみち思考迷子になっている状態なので、この状況を打破する道しるべを持っておくと便利です。

基本的に、どんな領域のどんな企画も、「現状把握→課題→コアアイデア→エグゼキューション」の四段論法でまとめることができるので、この一本線を常に頭に入れておくことがいいと思っています。

アイデアは理路整然としたロジックからは生まれないので、意図的につくり出したカオス状態がまずあって、そこからモンモンとした発酵時間を経て、ある時、アイデアが突発的に生み出されるというプロセスをたどります。ですが、そこで生み出されたアイデアは、なんとなく直感的にはいいアイデアだと思えるのだけど、なぜだか分からない、という状態で生み出されるので、どんな一本線を引くと、誰にでも分かる4段論法として言語化ができるのか、最後は左脳でしっかりと整理していくことで、研磨されていきます。このプロセスはとても大切なので、インターンの学生たちにも重要な点として伝えています。

●偶発性を呼び込む環境設定

アイデアは、五感の受ける刺激が変化することで生まれやすくなるといわれています。例えば、夜寝る前に照明を落としたらアイデアが浮かんだ、などの話をよく聞きますが、それは身体感覚が変わるからです。音楽を聴いたり、シャワーを浴びたり、街を歩いてみたり、五感に与える刺激を変える環境をつくり出すことが、偶発的にアイデアが浮かぶきっかけになります。なので、外部刺激の与え方を、自分なりに工夫してみるといいのではないでしょうか。

一方で、これは逆の話ですが、「意図的にゾーンに入る」ことも大切だと思っています。スポーツの世界でよく言われる超集中状態を“ゾーン”と呼びますが、気がついたら2〜3時間たっていた、という超集中状態こそが、あらゆる無駄を削ぎ落とした切れ味鋭いアイデアを磨き上げてくれます。最近では、ひっきりなしにメールやメッセが飛んでくるので、そういうものを一切気にせずにゾーンに入れる時間を持てるかどうかが、生産性向上にもつながってくると思います。自分がゾーンに入りやすい時間帯や空間を、自分なりにどう確保しておくかがポイントです。

●アイデアジャンプで高く飛ぶための踏み込み台探し

企画における踏み込みとは、課題設定を指します。高くジャンプするためには、グッと踏み込む必要があるように、飛躍したアイデアを生むためには、課題をどれだけ深掘りできるかが重要です。

例えば、「肩凝り」という課題を解決するために、マッサージや鍼治療をするのは対処療法で、肩凝りの原因が目の疲れにあるなら、目を治さないといけない。つまり、踏み込み設定というのは、肩が凝っているから肩を治すアイデアを考えることではなく、肩が凝る原因を深掘りして、目が疲れているということに気付くこと。課題を深掘りすることで、本当に解決するべきことが見えてアイデアが生まれます。

●うなずき同調呼吸法

どんなにいい企画も、最後はお題を出してくれた依頼主に採用されないことには、何の価値もありません。そういう意味では、僕らクリエーターがクリエーター目線で、いきなりこれがいいアイデアです!と提示するのは、乱暴なことだと思っています。しっかりと依頼主の目線で納得してもらえるように、オリエンテーションの咀嚼から始めて、「まず僕たちはこう考えました。でもそれだとここに落とし穴があると思いました。そこで次にこう考えました。でもこの部分が足りないことに気付きました。そのためこう考えました…」という感じで、考えたプロセスをきちんと説明することが大切です。

そのために、企画書はだらだらとした文章ではなく端的にまとめたり、プレゼンテーションの場では、企画書をめくるタイミングや話すスピードなども調整し、息を吸う・吐く、というのもシンクロさせていくなど、いかに気持ちよくうなずいてもらえるか、聞き手の立場に立って考えつくすことがポイントです。

アイデア力が伸びる人は、素直な人

クリエーターとしての自分は、自分の中にある世界観を世の中に打ち出したい、という表現欲求よりも、誰も疑っていない常識や、当たり前の慣習に目をつけて、それをひっくり返すことで、多くの人に気づきを与えたい、という欲求の方が強いタイプです。

インターンに講師として参加し、学生たちと接していると、短期間ですごく伸びるタイプの学生がいることを実感します。一方で、社内の後輩で初めはまったく伸びずに、4・5年ぐらいたって、突然開花するタイプもいます。アイデア力が伸びる人ってどんな人なのでしょうか。自分も、多くの後輩たちを見てきましたが、スキルうんぬんよりも、実はその人の性格が大きく影響するのではないか、と最近感じています。

若手についていえば、アイデア力が伸びるタイプは、結局は何でも吸収しようとする素直な人に尽きる、と思っています。クリエーターだからといって個性的でなければいけないってことはない。でも意外と、個性的に見せているけど、すごい素直な子っていうのもいますよね。

一方で、思い込みが激しいタイプやプライドが高い人はあまり伸びない気がします。伸びしろにフタをしてしまっている感じでしょうか。なので、いかに自分のプライドを壊せるかというのは大切なポイントだと思います。「美学は持つべきだけど、壊せるものでもある」ということを本能的に分かっている人の方が伸びる気がしますね。

アイデアの出し方は、本来的には手取り足取り教えてあげるものではないと思っています。これまでの経験上、教えてあげる、というスタンスをとった時はあまりうまくいかず、一緒に成長していく、というスタンスの時の方が、自分も含めて一緒に成長していけた実感があります。「教育」というよりも、共に育つ「共育」の考え方ですね。

おそらくそれは、アイデアの仕事が、知識の伝達ではなく、身体感覚の伝授によって身に付くものだからではないでしょうか。一緒に走って、跳んで、汗かいて、感覚をつかんでいく。だからこそ、この先輩、自分の走り方とは違うけど、ちょっとまねしてみようかなって、自分の殻を軽やかに壊せる素直な人が伸びるのかもしれません。

チームづくりも同じで、完成された「できる人」だけでそろえたチームよりも、「できるようになりたい」と思っているガツガツした人たちでチームをつくる方が僕は好きです。そっちの方が、とんでもない爆発が起きることがあるからです。この勢いやハングリー精神みたいなものは、アイデアを生み出す仕事においてはかなり重要で、そのガツガツ度を嗅ぎ分ける嗅覚は、自分の中でいつも大切にしてチームづくりをしています。

「企画身体学」は、つまるところ自分の中にある感覚を取得する術です。野球の打撃フォームも人によってバラバラなように、アイデアでのヒットの打ち方も、人それぞれ違うはずです。僕自身も、まだまだ理想のフォームにたどり着けていないので、これからも引き続き模索していきたいと思っています。

桜田五輪担当相の池江選手への無神経発言は安倍政権の五輪至上主義が生んだ! 斎藤工主演映画の五輪描写にもクレーム

 安倍内閣の閣僚からまたもやとんでもない発言が飛び出した。  12日、東京オリンピックでの活躍が期待されている水泳の池江璃花子選手が白血病と診断されたことを明かしたが、桜田義孝五輪担当相は、池江選手の闘病に対してこのように述べたのだ。...

パチンコ「極限」仕様で「名機」復活! 初代DNAを引き継ぐ話題作が降臨!!【新台―徹底考察―】

 ゲーム性やシステムなど一風変わった機種を開発。コアなファンを獲得しているパチンコメーカー豊丸産業が、2019年も抜群の存在感を見せている。

 そんな同社が初の「設定付き」パチンコを発表した。

 演出を極限まで絞り音と動きで魅了。熱狂的なファンを創出した、あの「パチンコ名機」が復活を遂げる。

『P平家物語RELOADED』(豊丸産業)

4月8日導入予定
パチンコ「極限」仕様で「名機」復活! 初代DNAを引き継ぐ話題作が降臨!!【新台―徹底考察―】の画像1
豊丸産業HP」より

■大当り確率:1/145.6( 1/55.9)~1/129.8( 1/49.8)
■確変突入率:100%
■転落確率:1/53.0
■電サポ回数:0回or100回
■電サポ突入率:通常時 33% / 電サポ中 100%
■賞球数:4&1&3&8&11
■出玉:5R(400個)or 10R(1100個)
○○○

 2001年に発売された『CR平家物語』。多彩な演出が主流の時代に、あえて立ち向かって人気を博した本機は大きな反響を得ることに成功した。

そんな『CR平家物語』の正統後継機が登場。「SPリーチの真価を問い直す!」との言葉通り、発展するだけでアツくなれる「極限まで研ぎ澄ました」リーチ演出が特徴だ。演出×サウンドの圧倒的融合など、初代DNAを継承した仕上がりと言えるだろう。

スペックは新時代に対応した3段階設定マシン。確変割合は100%で、転落抽選による継続方式を採用した。電サポ中の大当り期待度が設定により変化するという新要素が取り入れられている。

「大当りは5Rと10Rの2種類ですが、特図1・2共に60%で10Rが獲得できます。まとまった出玉を得ることができそうですね。電サポ中はたとえ転落しても100回までは保証されるなど、広い層に支持されそうなスペックではないでしょうか。

パチンコ「極限」仕様で「名機」復活! 初代DNAを引き継ぐ話題作が降臨!!【新台―徹底考察―】の画像2
豊丸産業HP」より

初代の魅力を継承しているだけではなく、設定を搭載するなど新しい時代に合わせた要素も備わっていますしね。『CR平家物語』ファンはもちろん、初代を知らないユーザーも楽しめると思いますよ」(パチンコライター)

 プレーヤーの好みで演出タイプ(保留先読みの有無、演出モードの新or旧)をカスタマイズできるなど、誰もが楽しめる機種に仕上がった。

「17年越しのアンチテーゼ」と紹介された『P平家物語RELOADED』は、旋風を巻き起こすことができるのだろうか。導入は4月8日を予定している。


“池袋東口暴走事件”確定判決から考える「てんかん」という病気の本当の姿

事件現場となった池袋駅周辺の様子(写真:「Getty Images」)

 2018年11月13日、ある“交通犯罪”の判決が確定した。2015年8月に起きた“池袋東口暴走事件”。この事件において、自動車運転処罰法における危険運転致死傷罪を犯した容疑で逮捕、その後起訴された53歳(当時)の男性医師に対する刑事裁判の上告審判決が下り、最高裁は上告を棄却、懲役5年の実刑判決が確定したのだ。

 この事件でポイントとなったのは、脳に関する神経疾患のひとつである「てんかん」。男性医師にはてんかんの持病があり、事件当日の夕方分の薬を飲み忘れていたという。そのためか、事件直前にてんかんの発作が起き、男性医師の運転するベンツは暴走、結果として1人が死亡し4人が重軽傷を負う大惨事となったのである。

 これを受けてネット上などでは、「そもそもてんかん患者が免許を取れること自体がおかしい」といった過激な意見も出た。しかし、てんかん患者が一定の条件のもとで運転免許を取得できることになったのは2002年と比較的新しく、「適切な治療、投薬を続ければ発作を抑えることも可能であり、一律に免許取得を禁止するのは重大な人権侵害である」といった指摘もある。

 なじみの薄い者にとっては、「突然倒れてけいれんを起こす怖い病気でしょう?」といった一面的な認識だけが独り歩きしている感もある、この「てんかん」という病気。

 いったい、てんかんとはどのような病気で、その原因はどこまで解明されており、その治療法にはどのようなものがあるのか。精神科医で、精神科専門病院である昭和大学附属烏山病院の院長でもある岩波明氏が、その特徴や、てんかんをテーマにした文学作品を挙げながら解説を加える。

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 てんかんは古くから知られている疾患であるとともに、出現頻度の高い病気です。てんかんの有病率は0.5~1%程度であると考えられており、男女差はありません。つまり男女問わず100~200人にひとりはこの疾患を有するわけで、頻度の高い疾患であるといえますが、一方でてんかんに関して一般の方の理解度は高いとはいい難いでしょう。

 てんかんはかつて精神医学の分野においては、統合失調症、躁うつ病と並んで三大精神病のひとつとされていました。特に成人のてんかんについては精神科医が診療することが多かったのですが、現在では脳外科か神経内科が担当することのほうが増えています。

 てんかんは、脳の神経細胞の過剰な興奮により、さまざまな発作(てんかん発作)が反復して起こる慢性疾患であると定義されています。発病年齢として多いのは、小児期から思春期です。より詳しくいえば、生後1年未満の発症が特に多く、ほとんどが思春期までに発症します。脳の発達は乳幼児期がもっとも速く、3歳くらいまでに成人の8割程度まで完成するとされています。てんかんの発症は、この脳の発達速度に関連すると考えられているのです。

 10歳を超えるとてんかんの発症はまれになりますが、老年期になると脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷、脳変性疾患などが原因となり、再びてんかんは増加します。30代以降に初発したてんかんを「遅発性てんかん」と呼ぶことがありますが、この遅発性てんかんにおいては、脳の器質性疾患が原因のことが多いとされています。

 てんかんは、第一に病因により分類されます。これによって、原因不明で体質が関連する「特発性てんかん(原発てんかん、真性てんかん)」と、脳の器質性または代謝性の原因に基づく「症候性てんかん(続発性てんかん、二次性てんかん)」とに大別されます。

 さらに別の分類法もあります。発作型による、「部分てんかん」と「全般てんかん」です。部分てんかんとは、脳の過剰な興奮が大脳の一側半球の一部の部位から始まり、それが拡がっていくものです。一方で、脳深部の過剰な興奮が脳全体に一挙に拡がっていくものが全般てんかんです。

「Getty Images」より

「突然倒れてけいれんを起こす」は誤り

 てんかんの症例は、ギリシア時代から記載が見られます。ギリシア時代において、てんかんは「神意」の表れとみなされ、「神聖病」とも呼ばれていたといいます。ところがローマ時代になると、一転して「悪魔憑き」とされるようになっていきます。

 古くから知られている病気ではありましたが、一方でてんかんには検査手段もなく、そのメカニズムについても不明な時代が近代まで続きました。しかし、1912年の「脳波」の発見などを経て、てんかんが脳の器質的な疾患であることが次第に認知され、てんかんに有効な薬物も発見されるに至っているのです。

 てんかんに有効な薬物を、「抗てんかん薬」と呼びます。薬物の効果はさまざまで、完全に発作のコントロールが可能な例から、多くの薬物を併用しても発作が収まらないケースも存在します。日本ではあまり一般的ではないですが、てんかんの原因となっている脳の一部を外科的に摘除するといった治療も行われています。

 医療従事者でさえも、てんかんは「突然倒れてけいれんを起こす病気」という認識しか持っていない方も多くいます。しかし実際には、てんかんの発作は、脳のどの部位に異常(焦点)があるかによって違いがあり、さまざまな形で出現します。けいれんのないてんかんも存在していますし、意識障害が出現しないタイプもあるのです。

 一方で、完全に意識消失を示すもの、無意識のまま行動を継続するもの、既視感(デジャブ)や幻視などの精神症状を呈するものまで多彩で、他の疾患と誤診されることもあります。また逆に、ストレスなどをきっかけとして、てんかんに類似の心因性の発作が誘発されることもあります。

 歴史的に見ると、てんかんの患者は疾病そのものによるストレスだけでなく、社会的偏見などから受ける精神的、社会的不利を被ってきたことも知っておくことが必要でしょう。

精神症状を伴うことの多い「側頭葉てんかん」

 部分てんかんのなかに、精神症状を伴う頻度の高い一群があります。これは、脳の側頭葉になんらかの脳障害を持つもので、「側頭葉てんかん」と呼ばれています。精神症状を伴う発作においては、幻視や幻聴、夢幻状態、恐怖、怒りなどを伴うことがあります。

 側頭葉てんかんにおいてはなんらかの意識障害を伴うことが多いのですが、軽い意識混濁(なんとなくぼーっとしている)から完全な意識消失まで、その程度はさまざまです。

 この発作は徐々に始まり、数分間持続します。それまで行っていた行動が突然止まり、一点を凝視してぼんやりとした表情になって、問いかけにも反応しない……など、周囲との接触性が失われることが多いのが特徴です。

 発作中は、見当識障害(場所や時間に対する認識の障害)が認められることが多く、発作中のことを記憶していません。また「自動症」を認めることもありますが、これは発作直前までしていた動作をそのまま続けたり、習慣化した仕事の身振りをしたりするもので、口をくちゃくちゃと鳴らす「口部自動症」が特徴的です。

 無意味に室内を歩きまわったり、人混みの中を物や人に当たることもなく上手に障害物を避けて歩いたりする「歩行自動症」が見られることもあります。このような発作には、けいれんが伴うこともあります。

あの『ドグラ・マグラ』はてんかん患者がモデル?

 上記の側頭葉てんかんを主要なモチーフにしているのが、昭和初期に活躍した作家・夢野久作の長編小説『ドグラ・マグラ』です。この奇想あふれる探偵小説には、昭和初期における精神科治療について、興味深い記述が数多く見られます。

 この作品は、主人公・呉一郎の犯罪についての物語で、九州帝国大学の精神科病棟と保護室が主な舞台となっています。物語は、呉一郎が精神科の保護室に収容されている場面から始まります。彼は、自分の名前や来歴をまったく記憶していないのです。

 呉一郎の隣の部屋には若い女性患者が入室しており、「おにいさま、おにいさま」と一郎に呼びかけてきますが、一郎はまったく記憶が戻りませんし、自分がどういう状況に置かれているのかも理解していません。

 その後、呉一郎のもとに法医学教授の若林鏡太郎が訪れ、奇怪な物語を語り始めます。若林によれば、呉一郎は精神科教授の正木によって「狂人の開放治療」と名付けられた治療を受けていたのですが、その中途で病棟内において殺傷事件を起こしたため保護室に収容され、さらにその後、正木教授自身が自ら命を絶ってしまったというのです。

 この小説は、1930年代に執筆された作品にもかかわらず、「狂気」の本質を鋭く描いている上に、当時においては非常に先駆的な精神医学への見解が述べられています。たとえば、前述した精神科患者の「開放治療」は、1960年代以降になって初めて一般的になった治療法です。

 多くの評者は、この『ドグラ・マグラ』の主人公である呉一郎を、統合失調症であるとみなしているようです。しかし、おそらくそれは誤解であろうと思います。

 呉一郎は、正木博士によって遠い祖先である呉青秀の描いた絵巻物、それも美しい女の死体が次第に腐り朽ちていく経過を描いた絵を見せられたことによって精神的に錯乱し、母親と伯母を絞殺しました。さらに同じことがきっかけとなり、九州帝大病院においても殺傷事件を引き起こしてしまいます。

 しかしながら呉一郎は、呉青秀の絵を見るまでは、正常な青年であったとされています。美女の腐乱死体を描いた絵という視覚刺激を受けたせいで、彼は異常な行動を起こすことになった。しかも呉一郎は、自分の起こした行動についてまったく記憶していません。

 突然の意識消失発作を繰り返す疾患は、今回のテーマであるてんかんが代表的なものです。呉一郎は視覚刺激によっててんかんの発作が誘発され、意識が混濁したもうろう状態になったのだと思われます。似たような例として、テレビゲームの視覚刺激によっててんかん発作が出現したケースも知られています。

 さらに呉一郎の症状として、意識障害が見られる状態で、場の状況にそぐわない行動が出現する「自動症」も認められることから、診断的には「側頭葉てんかん」であったと考えられます。自動症が起きている時期の記憶は失われるため、発作については彼は、何も記憶していなかったのです。
(文=岩波 明)

●岩波 明(いわなみ・あきら)
1959年、神奈川県生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。都立松沢病院などで精神科の診療に当たり、現在、昭和大学医学部精神医学講座教授にして、昭和大学附属烏山病院の院長も兼務。近著に『殺人に至る「病」~精神科医の臨床報告~』 (ベスト新書)、『精神鑑定はなぜ間違えるのか?~再考 昭和・平成の凶悪犯罪~』(光文社新書)などがあり、精神科医療における現場の実態や問題点を発信し続けている。

野田市小4虐待死は他人事ではない…自分の子を殲滅の対象にする人間の本能と家庭環境

野田市のHPより

 千葉県野田市の小4女児虐待致死事件は、本当に痛ましい事件でした。父親に暴行されるだけでなく、真夜中に立たされ、真冬に冷水を浴びせられ、最期は父親に激しい暴行を受けて亡くなったそうです。誰にも助けられることも、救われることもなく――。多くの方が無念な思いを募らせています。

 母親、学校や児童相談所をはじめ周囲の何人もの大人が事態を把握していたにもかかわらず、「誰も助けてくれない」という絶望のなかでの死です。人は愛されることで痛みから救われる生き物ですが、愛を感じられずに逝くことになった苦しみは想像を絶します。こんな事件は二度と起こってほしくありません。では、どうすれば防げたのか、ここでは父親と母親の心理学から考えてみましょう。

母親はなぜ父親の暴力を止めなかったのか?


 この事件には多くの謎がありますが、まず、なぜ母親は父親を止められなかったのかを考えてみましょう。私には母親は学習性無力感、そしてストックホルム症候群に陥っていたように見えます。学習性無力感とは、何をやってもどうにもならない体験を繰り返すことで、状況を変える気力を失って何もしなくなることです。この状態では「何もしない」が唯一のできることだと思い込んでしまいます。実際、「(父親の暴力を)止めてもどうにもならない」と周囲に漏らしていたそうです。

 そして、ストックホルム症候群とは、自分に危害を加える可能性を持つ対象に協力的になることです。加害者と長期間生活を共にするなかで陥りやすく、立てこもりの銀行強盗に人質として監禁されていた人たちが多く陥ったことで知られています。恐怖によるマインドコントロールともいえます。母親は虐待に加担したと疑われているわけですが、本当に加担していたなら父親にマインドコントロールされていたと思われます。

環境に支配される人の心


 これは他人事ではありません。心は私たち自身のものでもありますが、実はかなり環境に支配されるものなのです。米スタンフォード大学の監獄実験で看守役に同一化しすぎた学生たちが、囚人役の学生たちを虐待して心的外傷を負わせた事件はあまりにも有名です。また、アイヒマン実験と呼ばれる社会心理学の実験では、場を支配する権力者に命令された人の65%は、罪のない人に高圧電流を流す操作(実際には電流は流れない)をしてしまいました。人の心は多分に環境に支配されているのです。

 学習性無力感とストックホルム症候群の両方に陥ってしまうような状況に置かれたら、私たちも良識的に振る舞うことができないかもしれません。また、助けを求めることさえもできないかもしれません。そのような環境をつくらないことが重要です。

父親はなぜ暴力をふるってしまうのか?


 では、父親はなぜ家庭をこのような環境にしてしまったのでしょうか。いたいけな子どもに暴行してしまったのでしょうか。

 虐待の加害者心理には多くの考察がありますが、私は人の心が持つ敵を殲滅する本能、そしてその本能を刺激する環境に根本的な原因があると考えています。

 家族は母親の実家である沖縄に住んでいたこともあり、40代の父親は沖縄県関連の東京事務所の嘱託職員だと伝えられています。嘱託職員は、一概にはいえませんが身分が不安定で低収入なこともあります。職場での立場も決して良くないことも多いようです。

 現代社会は格差社会化が進み、社会に余裕がなくなるなかで、世の中の自分への待遇に不満を持つ男性が増えているといわれています。役職定年や定年退職などでそれまでの厚遇を剥奪された中高年の不満は、鉄道関連暴力の統計にも表れていますが(※)、父親も自分に対する社会的な評価になんらかの不満を抱えていたのかもしれません。

子どもが敵に、子どもが罪人に見えてしまう心理

 
 不満で機嫌が悪い状態は、敵を殲滅する本能が発動しやすい状態です。イライラしている人に不用意に近づくと八つ当たりされますよね。この状態だと、誰でも彼でも敵のように見えてしまうのです。

 子どもは自由な存在で親の所有物ではありません。親の思い通りにならないのは当然のことです。しかし、イライラが募っていると、わざと自分に嫌がらせをする敵のように見えてしまって、虐待に至るケースが多いようです。特に自分が王様になれる家庭のなかでは、王に歯向かう罪人のように見えてしまって、さらに容赦がなくなってしまうこともありえます。

 もちろん、良識を強く持つことで自分を顧みることができるのが人間です。人間らしさを失って自分を顧みることができなかった父親の人間性も事件の大きな要因ですが、敵を殲滅する本能が発動しやすい状況にあったとはいえるかもしれません。

 事件の闇を説いても被害者は蘇りません。失われた命は戻ってきません。しかし、もう二度とこのような事件を起こさないために、心を支配されるような家庭やイライラが募るような環境を生まない社会の仕組みも必要です。子どもの安全を守れる社会に向けて、親が抱えるリスクもいち早く発見して、必要な手立てを取れる社会の設計をみんなで考えられればと思います。
(文=杉山崇/神奈川大学心理相談センター所長、人間科学部教授、臨床心理士)

【注釈】
※JR3社・日本民営鉄道協会ら(2014)「鉄道係員に対する暴力行為の件数・発生状況について」

日本財団 東京2020オフィシャルコントリビューターに

日本財団は2月9日、東京オリンピック・パラリンピック組織委と東京2020大会における「オフィシャルコントリビューター」契約を締結した。

同オフィシャルコントリビューターは、東京2020スポンサーシッププログラムとは異なり、大会のために貢献する非営利団体対象のプログラムで、貢献内容に基づいた呼称などの権利を国内で行使できる。

同財団の貢献内容は、ボランティア・同リーダーの研修プログラムのコンテンツ作成や講師の育成、ボランティア面談員の育成、ボランティア機運の醸成に向けたイベントや広報の実施など。

笹川陽平会長は「ボランティアは、世界中から集まる観客を迎え、大会を盛り上げ、日本の魅力を伝える重要な役割を担う。当財団は、これまで蓄積したノウハウや経験、ネットワークを使い、ボランティア運営に協力する。そして、ボランティアが大会終了後も社会を動かす原動力として引き続き活躍できるよう、将来を見据えたサポートを行う」とコメント。

組織委の森喜朗会長は「東京大会の成功の核となるボランティア活動において、ボランティア運営に関してさまざまな知見のある日本財団にサポートしてもらえることは大変にうれしく心強い」とコメントした。

新卒職員をあなたの施設に定着させる3つの秘策!

新卒職員をあなたの施設に定着させる3つの秘策!

そろそろ、2019年度の新年度、事業計画が出来上がる頃だと思います。

あなたの施設では新卒職員を獲得できました?

せっかく獲得した、やる気に満ちた若者を離職させてしまうのか?、確かな戦力として長年勤めた後、あなたの施設の中心スタッフとして活躍できるよう育て上げるのか?

園長の腕の見せ所ですね!

そのために、新年度の事業計画は、もちろん新任職員が職場に定着するための、きめ細かい方略が盛り込まれていますよね!

もし、新卒職員あるいは新任の職員をあなたの施設に定着させる工夫も方略もないのであれば、多分、一年以内、長くても三年以内にその職員はあなたの施設から逃げ出してしまうでしょう。

職員を定着させるための手段やノウハウや努力なしで、新卒職員や新任職員が離職しないなどということは、ほぼほぼないのです。

ただほっておいたら確実に退職してしまいます。

もし退職しないとしても、数年後、迷惑職員として存在しているでしょう!

職員を定着させ、信頼ある仕事ができるキャリアを積ませるためには、それなりのテクニックが必要なのです。

新卒職員の離職率、厚生労働省調べ

厚生労働省 平成27年調べによると(改ざん大好きな厚生労働省のデータだからどこまで信憑性があるかわからないのだが)

就職後3年間で離職する新卒者は、

高校卒39.3%   短大卒41.5%   大学卒31.8%

そのうち1年目で離職する率は

高校卒18.2%  短大卒18.1%  大学卒11.9%

となっている。これは、あくまで全職種データー。

医療・福祉業界の3年間以内の離職率は

高校卒 47.0% 短大卒 35.7% 大学卒 37.8%

高校卒と大学卒は、全職種と比べると、はるかに高い。

つまり、他の職業より福祉業界は、人が辞めやすいと言って良いだろう。

新卒者が三年以内に離職する本当の理由

「エンジャパン」という転職、派遣を本業とする会社が、調査したところ、実に47%の人が、離職の本当の理由を会社に伝えていない。

会社に伝えた離職理由で一番多いのが、「結婚・家庭の事情」で23%

ついで、「体調を崩したが」が18%、「仕事内容」が14%になっいる。

しかし離職の本当の理由『本音』は、

「人間関係」がダントツ25%

ついで「評価・人事制度」が12%

「社風」「給与」「残業・休日出勤」が同率11%になっている。

世間が福祉業界に抱く印象

あくまで、上のデータから読み解く私の考察だが、

どうやら世間では、福祉業界を、

「意地が悪い、ドケチで、人を正確に評価もできない、福祉に対する確たるポリシーも使命感も知識もない園長を先頭に、これまた新人いびりが大好きな意地悪で、人を正確に評価しない、福祉に対する確固たるポリシーも使命感も知識もない管理職や先輩がハバを利かせている業界!」

という印象で見ている可能性が大です。

もう一度言います、上のデータから読み解くと、世間ではそう見えるのではないだろうかという、あくまで私の想像です。

あることでチョー有名になった、とんでも老人ホームの管理者の発言。

「おまえらの代わりなどいくらでもいる! いやならやめろ!」

「職員のことなんか真剣に考えて、老人ホームの園長が務まるか!」

ん〜〜〜。何も言えない。

そんな人は無視するとして、

以下の3つが重要となる

施設長はプロとしてのマインドが必須

施設長の考え方、態度や発言で施設の職員は大きく変化する。

だから、プロとして、絶対とってはいけない姿勢があるのだ。

それは福祉の基本的理念から外れた行為を指す。

福祉の基本理念とは、人権と人としての尊厳が守られ、差別や虐待のない世界の実現だ。

これを基本とした行動を取らなければならない。

福祉の基本理念を施設内に浸透させる

福祉の基本理念を施設全体に浸透させるということは、単に、利用者やお客様に対しての接遇どうこうの話だけではない。

もちろんそれもすごく重要だが、ここで論じているのは、むしろ、施設長であるあなたを中心とした職員間のことだ。

職員間で人権の阻害や人としての尊厳を踏みにじったり、平等でない関係があったり、イジメやパワハラが横行するなら、利用者やお客様に対してもあなたの部下はそれをしていると考えた方が妥当だ。

そして、その引き金とたるのが、施設長であるあなたの職員に対する姿勢が引き金となる場合が多いことを自覚するべきなのだ。

あなたが、全ての職員に対し、その人権と人としての尊厳を尊重し、差別や虐待をしないということが担保されているかを今一度検証する必要がある。

職員との徹底した対話

時には個人的に、時にはグループで、全ての職員との対話の時間をできる限り多く取らなければならない。

その際に重要なのは、全ての職員に平等に接するということだ。

平等な機会を約束するということだ。

決して偏ってはいけない。

そして全ての職員に、健全な福祉思考を持たせなければならない。

丹念に、何度も対話を重ね、施設長であるあなたのことを、信頼できる福祉人と認識するまで実行しなければ、職場の雰囲気は絶対に変わらない。

本物の福祉人を育成する環境でなければ人は定着しない

新卒、新任の職員をあなたの施設で定着させ、数年後の中心戦力として育成するためには、まず、環境を整えない限り無理だ。

人は偶然その職場に定着するわけでも離職するわけでもない。

定着も離職もその理由が必ずある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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