原因不明の体調不良、銀歯や刺身が原因かも…重金属蓄積で免疫低下、糖尿病や認知症の恐れも

 我々は通常通りの生活を送るなかで、知らず知らずのうちに有害な重金属を摂取していることをご存じだろうか。何気ない体の不調は、重金属の毒性によるものかもしれない。また、重金属の蓄積は認知症を招くリスクにもなる。

 予防医療の意識が高まる今、蓄積した重金属による健康被害を防ぐため、キレーション治療が注目されている。

 キレーション療法とは、体内から有害な重金属や老廃物を取り除く治療のことで、血管内に薬剤を点滴して行う。キレーション治療を行う麹町皮膚科・形成外科クリニック院長、苅部淳医師に話を聞いた。

「キレーション治療は細胞外の重金属を排出することを目的とし、デトックス治療は細胞内の重金属を排出します。細胞の外に蓄積しているキレート剤が届く範囲の重金属は、腎臓を通して尿中に排出されます」

 重金属の蓄積は、後に大きな健康被害を引き起こすという。

「重金属の蓄積は血管の障害を引き起こし、高血圧、動脈硬化、心臓疾患、視力障害、肌の衰えなど、加齢に伴う変化すべてに関与します。血管の状態が若ければ、身体の若さを維持できるのです。キレーション治療によって、老化した血管を若返らせ、体に生じてくるさまざまな加齢現象の進行を遅らせることができます」

 マグロ、クジラなどの刺身を好んで食べる日本人は、水銀の蓄積量が欧米人に比べて2~6倍も高いといわれている。また、水銀は銀歯(アマルガム)、ワクチンなどからも知らず知らずのうちに体内に取り込まれている。特に妊婦に関してはマグロ類の摂取を控えるべきことは広く知られている。

「自然界に存在する無機水銀は消化管からほとんど吸収されませんが、人間がつくり出したメチル水銀は容易に吸収されます。体内に取り込まれたメチル水銀は、妊婦の胎盤を通じて胎児に移行したり、さらには血液-脳関門をも通過して脳に到達してしまいます。メチル水銀は神経系に作用し、高濃度に暴露するとヒトに神経障害や発達障害を引き起こします。胎児の発育中の脳はメチル水銀に対する感受性が高いため、比較的低濃度の暴露であってもその影響が懸念されています」

 水銀だけでなく、アルミニウム、カドミウム、ヒ素、鉛、ニッケル、ベリリウムなどの有害重金属は、食事、水、空気、日用品などから体内に取り込まれ、さまざまな不調を引き起こす。

「水銀に限らず有害重金属により、さまざまな疾患を引き起こします。たとえば、過敏性腸症候群や便秘、リーキーガット、リウマチ、骨粗鬆症、慢性疲労症候群、甲状腺ホルモン異常、副腎疲労、不妊症、自閉症、不眠、認知症、アトピー性皮膚炎、肌荒れ、免疫低下、アレルギー、糖尿病、肥満、やせすぎなど。重金属の解毒とそれぞれの疾患の治療法を併用することで、さまざまな慢性疾患の改善に役立ちます」

 原因不明の不調が続く場合は、有害重金属の蓄積を疑ってみることも必要かもしれない。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)



吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

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ニューノーマル時代の店舗とは。5Gが生んだ「AR接客」

電通のクリエイティブ横串組織「Future Creative Center」(FCC)は、広告の枠を超えて、未来づくりの領域をクリエイティビティーでサポートする70名強による集団。この連載では、「Future×クリエイティビティー」をテーマに、センター員がこれからの取り組みについて語ります。

今回特集するのは、KDDIが9月26日にオープンした「GINZA 456 Created by KDDI」。銀座の一等地に位置し、5Gを体験できるコンセプトショップとして誕生しました。コロナ禍の中、体験を軸にした店舗をつくるのは、さまざまな苦労があったといいます。FCCメンバーも店舗の空間設計からPRまで多岐に関わり、そのハードルをテクノロジーとクリエイティビティーで突破しました。

ニューノーマルといわれる時代の中で、企業と人の“接点”となる店舗にはどんな工夫が求められるのでしょうか。KDDIの坂本伸一氏(コミュニケーション本部宣伝部 ブランドマネジメント室長 兼 戦略グループリーダー)と、電通のプロデューサー加藤俊文氏、FCCメンバーである電通の南木隆助氏が振り返りました。

KDDIの坂本伸一氏、電通加藤俊文氏、電通南木隆助氏
(左:電通 加藤俊文氏、中央:KDDI 坂本伸一氏、右:電通 南木隆助氏)
※この取材は、オンラインで行われました。

「見る・触れる・集まる」が厳しい中、店舗はどうあるべきか

坂本:GINZA 456 Created by KDDI(以下、GINZA 456)は、5Gを体験できるコンセプトショップです。店名の「456」は、住所の中央区銀座4丁目5番6号が由来であると同時に、4Gから5G、その先へつなぐという意味も込めています。文化の発信地である銀座で、他のauショップとは異なる空間にしました。auではなくKDDIを冠した特別な店舗です。

「GINZA 456 Created by KDDI」
「GINZA 456 Created by KDDI」

加藤:山野楽器の本店が入っているビルの、B1F、1F、2Fが使われています。 私はKDDIさんの仕事をここ数年担当しており、テナント交渉からコンセプト設計、PRまで、企画全体を統括しました。

南木:僕は店舗のデザインとその統括を担当しました。店舗の企画・構想から、店内の空間デザイン、設計、外観まで。B1Fが5Gを体験できるイベントフロアとなっており、1Fはエントランスショールーム、2Fは販売ショップとなっています。この2Fも、KDDIの旗艦店として、最上級のおもてなしをする空間というコンセプトです。とはいえ、やはりGINZA 456の目玉となるのはB1F。5Gを体験できるスペースですよね。

坂本:はい。5Gの提供がスタートしましたが、本当の意味で浸透させていくには「体験」が重要だと思っています。例えば4Gのスタート期は、スマホというデバイスが同時に普及したタイミングで、消費者がスマホを新たに買う中で自然と4Gも普及していった。しかし今は、スマホがほぼ行き渡っており、4Gのようにデバイスの買い替えから普及させるのは期待しにくいでしょう。その中で5Gを浸透させるには体験価値が重要で、多くの方にとってまだ「想像」でしかない5Gを「体験」してもらうことで魅力を感じていただく。結果、5Gを使う人が増える。そんな場所にしたいと考えました。

加藤:この場所でどんな体験を用意すべきか、時間をかけ議論を重ねていたのですが、途中からコロナの問題が深刻化し……。密や接触を避けなければならない中で、どういった体験がよいのか、そもそも店舗はどうあるべきか。かなりの難題を突きつけられました。ニューノーマルの時代に求められることと、店舗での体験は相反する要素も多いですから。

坂本:まさに「見る・触れる・集まる」が難しい中で、さあどうしましょうと。皆さんとひたすら議論する中で生まれたのが、タレントの池田エライザさんによる「AR接客」でしたね。アイデアが出たとき、これを「ニューノーマル時代の接客体験」にしようと。

池田エライザさんの「AR接客」
池田エライザさんの「AR接客」

加藤:そうですね。GINZA 456では、予約されたお客さまに入り口で5G対応スマホをお貸しします。そうして店に入ると、そのスマホのARで池田エライザさんが登場し、案内してくれるのです。「GINZA 456を案内する池田エライザです」と自己紹介するところからスタートして。

坂本:AR接客は今後につながるアイデアだと感じています。お客さまとの新しいインターフェイスが、コロナ禍での店舗を考える僕らの議論の中で生まれて実現できたのはよかった。

コロナ禍を踏まえた体験コンテンツと、展示スペースの設計

南木:B1Fの体験コンテンツも、すべてお客さまの手にある5Gスマホを通して見るものにしました。世界中の好きな場所に行ける「au XR Door」や、バーチャル空間の横浜スタジアムを歩き回れる「バーチャルハマスタ」など。

地下1階の展示スペース
地下1階の展示スペース

加藤:この状況なので、人を集めるイベントは難しいですし、実物展示には多くの人が触れる、集まるリスクがあります。であれば思い切り舵を切って、お客さまが一人でスマホを見ながら体験できるものにしようと。なるべく感染リスクを抑えた形を選びました。このあたりは、KDDIさんと一緒に議論しながら、だんだんとアイデアが膨らんできたのを覚えています。

坂本:決して形式的な議論ではなく、本当にフリーハンドで雑談しながらでしたよね(笑)。リモートワークだったので、パワーポイントで出てきたワードや図をメモしながら。未来の店舗やサービスを考えるとき、言語化できないことはたくさんあります。それをプレゼンや会議で形式的な話すと、中身がぼやけたままになりやすい。むしろ、お互い自由に思いついたことをどんどんブレストしながら、アイデアを積み上げて明確化する方が合っていると思いました。

南木:未来を見据えるという意味では、B1Fの構造もポイントですよね。壁全面をスクリーンにし、その他に可動式の壁も設置。投影するプロジェクターも、自由に設置場所を決められるよう天井を工夫しました。その結果、B1Fは「展示を自由に変えられる仕様」となっています。これは、KDDIさんが企画当初から決められていたことですよね。

地下1階の展示スペース

坂本:未来の体験をテーマにしている以上、今後予測できない変化がたくさん起こるはずです。想像すらできないテクノロジーやサービスが出てくるかもしれません。さらにコロナ禍で先が読めない今、ハードも、どこまで柔軟に変化できるかが重要になります。いろいろな未来に対応できる空間設計にしたいと強く考えていました。

サイバー世界へのゲートを示す、エントランスのファサード

南木:地下の設計以外にも、KDDIさんは企画当初から一貫して大切にしていた点がありました。それがGINZA 456という店名と、エントランス(店舗入り口)の見せ方ですよね。エントランスには、LED映像が流れるファサードを設置。このデザインも僕が担当したのですが、使用するLEDを決める際に、工場まで足を運んで、見え方の確認をしようとLEDを簡易的に組んで実験したり。KDDIさんのこだわりを強く感じました。

GINZA 456のエントランス
GINZA 456のエントランス

坂本:5Gはサイバー世界の進化であり、エントランスは、まさにリアルからサイバーへの入り口。銀座の街中を歩いていた人が、サイバーの世界に飛び込む。そのゲートとしての世界観を表す必要がありました。5Gの普及に体験が重要な中で、どれだけ気軽に敷居をまたいでもらうか。ここが鍵でした。

加藤:エントランスの非現実感がサイバー世界へのゲートになっていますよね。そうして中に入ると、未来のコンテンツ・空間が広がっている。そういう体験設計になったのはよいかなと。

南木:ですので、ファサードのデザインは工夫しました。大きなファサードを取り付ければインパクトは出ますが、店舗の外壁面積には限りがあります。そこで、ファサードを外壁からエントランス、店内までうねるようにつなげて、奥行きを出しました。これにより、外から見たときのインパクトが生まれたと思います。

一方、エントランスのサイドに展示スペースを設けることを当初提案していました。これだけの土地なので、スペースを余らせたくないという思いもあり(笑)。ですが、KDDIさんは「エントランスは象徴的に強く見せたい」と。極力モノをなくし、削ぎ落とした空間にしたいと話されました。その覚悟というか、ブレない姿勢は印象に残りましたね。

デジタル化が進むほど、接点を生む「ブランドスペース」が重要に

南木:今回の店舗のように、ブランドとしての意思を発信する空間は今後重要になると思っています。FCCではそれを「ブランドスペース」と呼んでいるのですが、KDDIのブランド戦略に携わってきた坂本さんはどう感じていますか。

坂本:リアルなスペースの役割は今後増していくと思いますね。ブランドを築く上で一番大切なのは、お客さまとの接点づくり。コミュニケーションする場や機会を生むことです。デジタル化が進むほど、その接点は簡単にはできなくなってきました。そこで、リアルの役割が重要になる。サイバー世界が進化するほど、お客さまとの接点となるリアルスペースが求められると思っています。その中でKDDIとしてのブランドを感じていただくのが大切です。

南木:僕が今回の設計で学んだのは、5Gの体験コンテンツという「ソフト」と、建物という「ハード」が絡み合った空間になっていることです。ソフトを最大限生かすためのハードになっているし、どちらかが違えばこのスペースは成立しない。高次元で融合しています。ブランドスペースは、リアルを軸にブランドを伝えていく場所ですが、今後はソフトとハードが融合した空間が増えていくのかもれません。

坂本:私たちとしても、未来の方向性は無限にあるので、変化を前提にした施設ができてよかったです。今は5Gのスマホを中心とした展示ですが、今後はスマホに限らないコンテンツや楽しみも用意したいので、どんどん入れ替えていきます。もちろん、自社だけでなくパートナー企業とコラボした体験施策も考えていきたい。最新のテクノロジーに敏感な方だけでなく、普通に銀座を歩いていた方が“ちょっと先の体験”を簡単に味わえる。そんな場所にしたいですね。

ミッション・ビジョン・バリューを、穴埋めでつくってない?

はじめまして、コピーライターの上田太規です。スタートアップのコミュニケーション支援チーム・TANTEKI の活動に参加しています。

TANTEKIはステートメント作成などを通して、経営者の思いやビジネスアイデアを社内外に「伝わる形」にデザインする仕事をしています。

突然ですが、皆さんの会社のミッション・ビジョン・バリュー(Mission・Vision・Value)って何でしょう?以下、本稿では「MVV」と略します。

これまでさまざまな企業のMVVに触れてきましたが、「ミッションとビジョンがごっちゃになっている」「社内外にちゃんと伝わっているのかな?」と感じることが少なくありませんでした。

MVVは、企業の背骨のようなものです。コロナ禍で社員の働き方や経営環境が変化する中、新たにMVVを設定する企業だけでなく、すでにあるMVVについても、これからの企業成長のために、そのMVVが本当に機能するのか確認する必要がありそうです。

そこでTANTEKIでは、さまざまな企業のMVVを採集してみました。本稿では 「伝わる、機能するMVV」について考察します。

【目次】
そもそもミッション・ビジョン・バリューってなんなんだ? 
いろんな企業を調べて見えてきた、「ミッションとバリュー、二つにしてもいい説」
伝わる、機能するミッション・ビジョン・バリューのために



 

そもそもミッション・ビジョン・バリューってなんなんだ?

MVVについて考えるに当たり、その定義をまず確認しておきましょう。

MVVは、経営学者のピーター・F・ドラッカー氏が提唱したもの。それによると、次のように定義されています(※)。 

MVV1

※ミッション・ビジョンの定義は、『ドラッカー5つの質問』(著者:山下淳一郎)から引用。


実際、MVVは多くの企業が活用しているフレームですが、なぜ必要なのでしょう? 

TANTEKIの主なクライアントであるスタートアップでは、会社が大きくなり社員が増えるにつれて、社長の考えや熱量が、社員一人一人に届きにくくなるケースが多く見られます。この問題は「30人の壁」ともいわれていますが、この壁を乗り越えるためにはMVVの設定・見直しが有効で、それを行うことで皆が同じ情熱を持ち、同じ方向に走ることができるのです。この他にもMVVは、事業判断や評価制度の指針になる、採用で求める人材を明確にできるなど、さまざまな面で効果を期待できます。

いろんな企業を調べて見えてきた、「ミッションとバリュー、二つにしてもいい説」

「伝わる、機能するMVV」を探るため、TANTEKIは、数十社のMVVを考察しました。その結果、主に「三つの型」に分類できることが分かりました。

①漢字型
MVVというフォームではなく、別の呼び名で設定しているタイプ。ミッションやビジョンに当たる経営の考えを「綱領」「社是」「宣言」などとし、バリューに当たる内容は「運営方針」や「行動方針」としてまとめ、これらを組み合わせて企業理念として設定。創業100年以上のナショナルクライアントに多い。

②MVV型 
「ミッション」「ビジョン」「バリュー」を全て設定しているタイプ。

③MV型
「ビジョン」を置かずに、「ミッション」と「バリュー」の二つに絞って設定しているタイプ。スタートアップや、まだ社歴が浅い成長中の企業に多い。

ここで注目したいのは、三つ目のビジョンを置かないMV(ミッション・バリュー)型の存在です。企業が、この独自のMV型を取り入れている背景には、MVV型での「ある落とし穴」が絡んでいるのでは…と思ったのです。それが、「ビジョンのところで、再びミッションを語っている」という問題です(つまり、ミッション・ミッション・バリューになっている!)。

バリューについては、「行動指針」と役割がはっきりしていますが、ミッションとビジョンはどうも混同しがち。それでは、MVVが伝わりづらくなる「ミッションを二度語る問題」について、そのパターンを見てみましょう(下記のミッション・ビジョンは、例を示すためにTANTEKIで書いた架空のものです)。

パターンⒶ
ミッションが抽象的過ぎるせいで、ビジョンのところでも具体的なミッションを再び語ってしまう。

MVV2


パターンⒷ
ミッションが語り切れていないため、ビジョンのところで、ミッションを補足する内容を語ってしまう。

MVV3


では、ミッション・ミッション・バリューなってしまわないために、どうすればよいでしょう?

例えば、パターンⒶの場合は、具体性のあるミッションを再設定してミッションとビジョンを一本化するといいでしょう。

パターンⒷの場合は、ミッションを補足する「ミッションステートメント」を設けて、ミッションとビジョンを一本化する方法があります。

このように、混同しがちな場合には、ミッションとビジョンを一本化するMV型で整理すると、伝わりやすくなります。これが今回の考察から見えてきた「ミッションとバリュー、二つにしてもいい説」です。

伝わる、機能するミッション・ビジョン・バリューのために

前項でシンプルな「MV型」を挙げましたが、もちろんミッションとビジョンの役割分担がはっきりしていれば、「MVV型」は有効です。

ビジョンは、
「〇〇のプラットフォームになる」
「No.1◯◯カンパニー」
「◯年後に、売上◯◯億円」
など、ミッションをどの方向に発露するのか、「ミッションが実現したときの姿」になります。つまり、

・ミッション=主観的
・ビジョン=客観的

な視点が大切です。ビジョンでは中長期的にどう見られたいかを客観的に捉え、企業の輪郭をはっきりさせる。そうすることで、ミッションとの役割も整理され、伝わりやすくなります。MVV型にせよMV型にせよ、大切なのは、設定した内容が、世の中や社員に伝わるかどうかです。

MVVのフレームの中に言葉を押し込むような穴埋めが目的になると、ミッションとビジョンを混同してしまうなどして、MVVの本来の役目を果たせません。まずは、伝わるミッションを設定した上で、必要に応じてビジョンをつくるか決める、という順番がいいのかもしれません。

私たちが採集した「伝わるMVV」では、ミッションとビジョンで語る視点がはっきりしていて、それぞれの言葉が役割を果たしているものでした。

TANTEKI流にMVVを捉え直すと、以下のようになります。 

・ミッション=社会で果たしたい役割や存在意義を具体的にする
・ビジョン=ミッションが実現した時、客観的にどう見られているのか具体的にする
・バリュー=企業と社員が大切にする価値観や行動指針

経営者として熱い思いはある、だけどそれを強いミッションやビジョンという「言葉」にうまく落とし込めない…そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひTANTEKIにご相談ください!

新潮が報道 菅首相と「第二の森友事件」の相手とのもうひとつの疑惑 所有ビルを事務所費問題発覚後に買い取ってもらっていた

 菅義偉首相に一大スキャンダルが噴き出した。本日発売の「週刊新潮」(新潮社)が、「第二の森友事件」と銘打ち、菅首相の「タニマチが公有地でぼろ儲け」「異常すぎる特別扱いの「払い下げ」」について報じたからだ。  記事によると、菅首相が横浜市議会議員時代から付き合いがあるとされ...

JRA川田将雅「ダノックス」に乗り続けられる理由。 天皇賞・秋(G1)ダノンプレミアム馬主・野田順弘氏の「男気」に結果で応える!?

「勝つという結果が出せなかったことに申し訳なく思います」――。

 ダノンプレミアム(牡5歳、栗東・中内田充正厩舎)で挑んだ昨秋のマイルCS(G1)。2着という結果に、鞍上の川田将雅騎手が口にした言葉だ。

 11月1日、天皇賞・秋(G1)で、約4カ月半ぶりにターフに復帰するダノンプレミアム。前走のD.レーン騎手から乗り替わり、再び手綱を握るのは川田騎手だ。

 馬主は野田順弘氏(名義はダノックス)。冠名「ダノン」でお馴染みの有名オーナーである。

 冠名「ダノン」といえば、もうすっかり「川田騎手」というイメージが定着。これまでのG1でも今回騎乗するダノンプレミアムのほかに、ダノンスマッシュ、ダノンファンタジーなど、過去にはダノンバラードにも騎乗している。

 では、G1での成績はというと16戦1勝。思ったほどの成績を残せていないのが現状だ。

 ただ、唯一G1で勝利したのが、今回騎乗するダノンプレミアムの朝日杯FS。近年活躍したダノンファンタジーと同じ中内田厩舎の管理馬だ。

 しかし、川田騎手、中内田調教師のコンビはG1成績も思わしくない。22戦1勝と、やはりダノンプレミアムの朝日杯FSしかないのだ。

 調教師、オーナーとも、コンビとしての結果が出せていない川田騎手。今年の春は乗り替わりも目立っていた。

 ダノンプレミアムは、4月のロンジンクイーンエリザベスS(豪・G1)で川田騎手からJ.マクドナルド騎手に乗り替わり。6月の安田記念(G1)はレーン騎手が騎乗していた。

 また、ダノンスマッシュにしても、5月の京王杯スプリングCで川田騎手からレーン騎手に乗り替わり。その後6月の安田記念、9月のセントウルS(G2)でも三浦皇成騎手が騎乗している。

 しかし、10月のスプリンターズS(G1)では、再度ダノンスマッシュの鞍上が川田騎手に。これには、セントウルS直前に行われた「ある事」が関係しているという。

『うまスクエア』によると、セントウルS直前に川田騎手とオーナーサイドで話し合いがもたれ、「今後はダノックスの馬は優先的に川田騎手が乗る」という事に話がまとまったというのだ。

 11月23日(月・祝)に行われる東京スポーツ杯2歳S(G3)を予定しているダノンザキッドも北村友一騎手から川田騎手に乗り替わる事が27日に発表されたが、こちらもセントウルS前には川田騎手で内定していたようだ。

 ここまでくると、まさに心中。オーナーである野田氏も腹をくくっているということだろう。

 マイルCSレース後の言葉「勝つという結果が出せなかったことに申し訳なく思います」というのは、オーナーの期待に応えたいという川田騎手の気持ちの表れだろう。

 確かに、現時点で結果は出せていない。しかし今回は、川田騎手とのコンビで唯一のG1勝利をもぎ取ったダノンプレミアムだ。

 腹をくくったオーナーの「男気」に、川田騎手は応えられるのか……。

 このコンビ、2度目のG1勝利となる事を期待したい。

日立物流、完全漂流…佐川急便との経営統合が突然の破談、日立グループからも切り離し

 佐川急便を傘下にもつSGホールディングス(HD)と日立物流は9月24日、経営統合を見送ると発表した。SGHDは日立物流が保有する佐川急便の発行済み株式の20%分すべてを875億円で買い取る。日立物流はSGHDが持つ自社株を988億円を上限として市場で取得する。SGHDの持ち分は現在の29%から6%前後に低下する。日立物流はSGHDの持ち分法適用会社から外れる。トラックの共同利用といった業務提携は続ける。

 佐川急便は宅配便大手。日立物流は3PL(物流の一括請負)首位。2016年3月、資本・業務提携を決め、将来の経営統合を視野に入れていた。新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に物流が停滞するなど経営環境が一変したことを統合見送りの理由に挙げている。

 これで日本通運に次ぐ陸運業界第2位企業の誕生はなくなった。

日立物流の株価は下落、SGHDは上昇と明暗を分ける

 経営統合の見送りは明暗を分けた。発表翌日の9月25日の東京株式市場。日立物流株は一時、前日比220円(6.2%)安の3350円まで下落した。「日立物流がSGHDにTOB(株式公開買い付け)される」という期待感が失われ、失望売りが出た。

 一方、SGHD株は一時、前日比700円(14.7%)高の5470円まで上げた。その後も上昇を続け、10月20日に上場来最高値の5830円をつけた。3月13日に年初来安値(1977円)をつけており、7カ月あまりで2.9倍の水準に達した。株価上昇にはいくつかの要因が重なった。

 まず業績。巣ごもり消費によって宅配事業が好調なだけではない。日立物流株の売却で売却益を計上する。SGHDは2021年3月期の連結純利益を前期比32%増の625億円に上方修正した。日立物流株の売却益は75億円。日立物流から取得することになる1億株の自社株の評価益が25億円出るため、合計100億円の利益が上乗せされる。

 9月末の中間配当で10円の特別配当を実施。普通配当合わせて34円とした。期末配当は28円。年間配当は62円になる。通期の売上高にあたる営業収益は4%増の1兆2200億円、営業利益は15%増の870億円。従来予想を据え置いた。10月31日を基準日として1株を2株に分割するとした(実施は11月1日付)。これを好感してSGHDの株価は上昇した。

経営統合に備えて東証に新規上場

 2013年、SGHDに大きな転機があった。宅配便業界最大手、ヤマトホールディングス(ヤマト運輸)に追いつき追い越せとばかりに、インターネット通販大手のアマゾン・ジャパンの配送を引き受け、宅配便個数を増やしてきた。ところが、取扱荷物の急増でドライバーの不足が深刻化し経営を圧迫した。13年、アマゾンとの値上げ交渉が決裂、アマゾンの宅配から撤退した。

 新たな収益源を求めて企業間物流に着目した。佐川急便日立物流の資本・業務提携はこうした背景から結実した。日立物流は3PLの国内最大手。3PLとは、保管や配送、荷役、輸出入、物流コンサルタントといった企業の物流を一括して請け負うことを指す。

 SGHDは17年12月13日、東証1部に新規上場した。初値は公開価格を17%上回る1900円。初値ベースの時価総額は6083億円だった。SGHDは上場に当たって新株を発行していない。資本調達なしにIPOに踏み切った理由について町田公志社長(当時)は「時価総額が欲しかったから」と話す。

 SGHDと日立物流は水面下で経営統合を検討していた。株式市場で公正な時価総額が決められていれば、株式交換方式による合併交渉を迅速に進めることができる。SGHDが株式を上場したのは日立物流との統合に備えてだった。初値ベースの時価総額6083億円は日立物流のそれ(約3000億円)の2倍。統合比率は自動的に1対2になる。

 ところが、新型コロナで両社の経営環境は一変した。宅配便が膨らみSGHDの時価総額は今や1兆7738億円(10月22日現在)。初値ベースの2.9倍となった。日立物流のそれは3901億円(同)。SGHDの企業価値は日立物流の4.5倍。これだけ差が広がると日立物流が完全にSGHDに飲み込まれることになる。しかし、SGHDは佐川急便を完全子会社にすることを選択して、日立物流との経営統合を見送った。

 日立物流がSGHDと手を組んだのには、お家の事情があった。日立物流の親会社、日立製作所が非主力の上場子会社を連結決算から外す動きを見せたからだ。上場子会社を売却して“親子上場”を解消する。

 ところが、日立物流とSGHDの統合交渉は破談となった。もはや日立製作所に頼るわけにはいかない。日立物流は新たなパートナーを求めて漂流することになる。

日本触媒と三洋化成工業の経営統合も中止

 紙おむつの原料の高吸水性樹脂で世界首位の日本触媒と三洋化成工業は10月21日、2021年4月に予定していた経営統合を中止すると発表した。両社は19年5月に経営統合を発表し、世界シェアを高める考えだった。だが、日本触媒の業績悪化を受けて統合時期を延期。19年7月以降、日本触媒は3度目の業績予想の下方修正を迫られた。

 時価総額は日本触媒が2154億円に対して三洋化成は1058億円(10月22日時点)。業績が悪化したとはいえ日本触媒の時価総額が三洋化成を大きく上回る。日本触媒の筆頭株主は住友化学である。これでは統合比率が決められない。両社は統合後の新しい社名まで決めていたが、三洋化成側から経営統合の中止を申し入れた。

 コロナの前と後で企業を取り巻く環境が激変した。今後、経営統合が白紙となる事例が増えるとみられている。

(文=編集部)