NHK『紅白』出場歌手より興味深い「審査員」選考の裏事情…消えた沢尻エリカ起用案

 今年も、大みそかの一大イベントである『NHK紅白歌合戦』が近づいてきた。先日発表された特別ゲストとともに、気になるのがゲスト審査員の顔ぶれだ。今年のメンバーは、以下の通りである。

井上尚弥(プロボクサー)

上沼恵美子(司会者)

サンドウィッチマン(お笑いコンビ)

渋野日向子(女子プロゴルファー)

瀬戸大也(水泳選手)

田中圭(俳優)

戸田恵梨香(女優)

中西麻耶(パラリンピック陸上競技選手)

長谷川博己(俳優)

広瀬すず(女優)

吉野彰(ノーベル化学賞受賞者)

『紅白』出場歌手の選考基準には「世論の支持」「今年の活躍」「今年の番組演出」などのポイントが挙げられるが、それは審査員にも当てはまる。加えて、審査員にはいくつかの“枠”が存在する。ここからは、その枠ごとに年別の審査員の顔ぶれを見ていこう。

スポーツ&五輪枠

 まず、外せないのが日本を代表するアスリートの枠だ。特にオリンピックイヤーとその前年は五輪枠が設けられ、メダリストを筆頭に注目選手が審査員を務める。今年は東京オリンピック&パラリンピックを来年に控えるなか、渋野日向子、井上尚弥、瀬戸大也、中西麻耶が選ばれた。

 この4人の選出により今年も不在となったのが「プロ野球」と「大相撲」の枠だ。昭和の時代はプロ野球選手か力士が必ず審査員席に座っていたが、球界では大谷翔平(2016年・当時日本ハムファイターズ)が、角界では日馬富士(12年・当時横綱)が最後となっている。

【過去10年(09~18年)のスポーツ枠および五輪枠】

・プロ野球…原辰徳、田中将大(2回)、大谷翔平

・大相撲…横綱白鵬、大関琴奨菊、横綱日馬富士

・サッカー…佐々木則夫、澤穂希、長谷部誠

・ボクシング…村田諒太

・テニス…杉山愛

・フィギュアスケート…高橋大輔、鈴木明子、羽生結弦

・スピードスケート…小平奈緒

・レスリング…吉田沙保里、伊調馨

・水泳…入江陵介、荻野公介、池江璃花子

・重量挙げ…三宅宏美

・体操…村上茉愛

・パラリンピック陸上競技…重本沙絵

 なお、東京五輪開催決定イヤーの13年には「お・も・て・な・し」の滝川クリステルも招かれている。

お笑い枠

 ここ数年、ほぼ選出されているのが「お笑い枠」だ。かつて芸人といえば「応援ゲスト」が定番であり、落語界の重鎮席だけが設けられていたが、14年にタモリ(応援ゲスト&総合司会経験者)が審査員となって以降、近年は「潜在視聴率が高い」芸人枠も定着しつつある。

 芸人の“立ち位置”を上昇させた最大の功労者・ビートたけし(過去に氷川きよしの応援ゲストを務めた)は今年、特別企画にゲスト出演し「浅草キッド」を歌うことが発表されている。今年のNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』に出演していたこともあり、歌手として選出された。

【過去10年(09~18年)のお笑い枠】

・所ジョージ(15年)

・又吉直樹(15年)※芥川賞受賞作家

・春風亭昇太(16年)

・出川哲朗(18年)

大河枠

 毎年、必ず用意されるのが「大河枠」だ。いずれも主演俳優やヒロイン、重要な役どころを担う俳優をゲストとして招き、視聴率アップに結びつけている。「今年と翌年」の両方の出演者が顔を揃えることもあるのが特徴だ。また、審査員のみならず司会者としての起用も少なくない。

 来年の大河ドラマは明智光秀の生涯を描いた『麒麟がくる』だが、審査員を務めるのは主演の長谷川博己だけ。本来であれば、事実上のヒロインを演じる沢尻エリカ被告が座る可能性もあったが、あえなく“幻”となってしまった。NHKとしては、代役の川口春奈を審査員に起用するわけにもいかなかったのだろう。

【過去10年(09~18年)の大河枠(当年および翌年の出演者)】

09年…阿部寛(天地人)、草刈民代(龍馬伝)

10年…寺島しのぶ(龍馬伝)、上野樹里(江~姫たちの戦国~)

11年…大竹しのぶ(江~姫たちの戦国~)、松山ケンイチ(平清盛)

12年…綾瀬はるか(八重の桜)

13年…岡田准一(軍師官兵衛)

14年…井上真央(花燃ゆ)

15年…堺雅人、長澤まさみ、大泉洋(真田丸)

16年…草刈正雄(真田丸)、春風亭昇太(おんな城主 直虎)

17年…鈴木亮平、林真理子(西郷どん)※林真理子は原作者

18年…中村勘九郎、阿部サダヲ(いだてん~東京オリムピック噺~)

 このほか、『紅白』の審査員には「朝ドラ枠」「作家・画家枠」「歌舞伎・能・狂言枠」「将棋&囲碁枠」「ノーベル賞&勲章受章者枠」「評論家枠」「大物俳優枠」などもあり、最多は7回を務めた女優の森光子(司会も経験、NHK関係者を除く)だ。余談だが、個人的に思い出深いのは、ナリタブライアンが三冠馬となった1994年の騎乗ジョッキー・南井克巳(現調教師)である。

 令和となって初めての『紅白』は、そんな審査員事情に注目してみるのもおもしろいのではないだろうか。

(文=大城孝行/芸能ライター)

年末年始9連休“まったく休めない”人たちの悲痛な嘆き…休めない業界リスト

 「働き方改革」という言葉が社会に定着して久しい。それでも年末年始の休日をすべて休める人ばかりではないようだ。時事通信は年末から1月5日まで何日休めるかを聞くアンケートを実施。その結果を「年末年始休み無しが1割」と題し23日、公開した。

 調査は、12月6~9日、全国の18歳以上の男女2000人を対象に個別面接方式で実施。有効回収率は61.4%だったという。意外なことに一番多かったのは「9日」で36.2%。一方で、「まったく休めそうにない」(10.6%)、「1~2日」(9%)で、合計すると約20%を占めた。非正規雇用の増加などで広がる収入格差と同じように、休日取得数の差も拡大しているように見える。各業界の年末年始の営業状態はどうなっているのか。

百貨店の初売りはおおむね1月2日から

 毎年新春の風物詩といえば、初売りだ。今年は東急百貨店、東武百貨店、三越伊勢丹、高島屋の各店は元日休業で2日から、西武百貨店は1日から行うようだ。百貨店関係者は次のように話す。

「デパート離れも進み、正月の販売員確保も難しい状況になっています。確かに他店より早く売り出せば、インパクトもありますが今は選択と集中の時代。私が勤務する百貨店ではPR戦略や人員確保なども含めて無理に元日から営業するより、2日からの販売に注力した方が良いと判断したようです。それでも社員の年末年始中の休みは多くて2日くらいです。なかなか厳しいです」

休みなしイメージのある業界は?

 休みなしといえば、365日営業の飲食チェーン店が思い浮かぶ。しかし、元日休業の動きはこの業界でも顕著になりつつあるようだ。ファミリーレストランのスカイラークホールディングス(HD)は11月25日、「働き方改革の一環として年末年始の営業時間を短縮。全店舗の約80%にあたる約 2700 店で大晦日は午後 6 時まで営業、元旦は正午から営業します」とのプレスリリースを発表した。同社は「これまで従業員のワークライフバランスを重視し、営業時間の見直しを進めてまいりました。このたび『年末年始』という 1 年の中でも大切な時間を、従業員にご家族やご親族とともに過ごしてほしいとの思いから年末年始の営業時間短縮を決定いたしました」と説明する。

 とはいえ、1日丸々休業になるわけではなく、誰かが元日から働かなくてはいけないのは変わりはないようだ。

 正月はどこの地域も初詣や帰省客などでにぎわう。全国の路線バス会社のほとんどが休日ダイヤで運行を続ける。そんななか、山形県のバス会社「山交バス」(山交、山形市)は1日の路線バスを運休する。

 山交によると、同日は「山形駅~蔵王温泉」間のみ日曜祝日ダイヤで運行するものの、他の路線はすべて運休する。一方で、帰省や観光客などに対応する高速バスは通常通り運行するという。同社の広報担当者はその理由を次のように説明する。

「元日は路線バスが運休するものと決まっていて、もはやいつからそうだったのかわかりません。昔から山形の人は、大晦日から年明け2日まで親戚家族が集まって、ため込んだ食料を食べながら地元の神社にお参りする以外、地元の外に出ません。今年はまだ多くはありませんが、雪も降りますしね。最近では元日から動く人もいるみたいですが、多くの人たちのスタンスは変わらないと思いますよ」

 地方で続く一昔前の日本社会の姿が、働き方改革の一つの目標なのかもしれない。

(文=編集部)

 

“金に目がない政治屋”秋元司議員の最悪な評判…「二階幹事長にゴマすって成り上がり」

 日本でのカジノ参入を狙った中国企業から現金300万円と北海道旅行の費用70万円の利益供与を受け、その見返りに便宜を図ったとして、秋元司衆議院議員が東京地検特捜部に収賄容疑で逮捕された。中国企業側の容疑者3人は容疑を認めているが、秋元容疑者は全面的に否定しているという。安倍政権が成長戦略に掲げるIR(統合型リゾート)事業にからむ汚職事件は“口利きの賄賂”を生み出したのだろうか。

“金に目がない政治屋”だった秋元議員

「水清ければ魚棲まず」との諺がある。また、時に清濁併せ呑むのが政治の世界だろう。そして、“政治とカネ”にはグレーな部分が存在することも事実だ。そのため、政治家が“袖の下”を受け取ったとしても、それが有効に使われ、その先に国家の経済発展があり、ひいては国民の暮らしが豊かになるなら、一種の“政治献金”と解釈することもできるのではないだろうか。

 たとえば、ある政治家がある企業から金銭やサービスの提供を受けたとする。それで私腹を肥やしたり特定の企業や人物に便宜を図ったりするのは言語道断だが、その原資を発展させて公共の利益のために使うのであれば、どうだろう。不正な賄賂にはあたらず、その政治家には志があるといえる。政治家は国民の代表者であり、公益のために動くのは当然のことだ。

 しかし、秋元容疑者は2019年9月までIR担当副大臣に就いており、その立場を利用したと見られている。彼を知る人物のほとんどが「政治家としての志などない。単なる政治屋だ」と語る。以下は、永田町関係者の証言だ。

「彼がIR事業の成長による日本の経済発展を目指していた、という印象はないですね。18年に粉飾決算の疑いで強制調査を受けた企業からの献金を受けていたことが報じられたように、私腹を肥やすことに長けていました。今回、秋元とともに逮捕された紺野昌彦という人物が秋元と中国企業を結びつけたのですが、紺野は投資詐欺がメシのタネだったそうです」

 秋元容疑者は金が一番の目的だったため、相手の素性など考えずに付き合っていたのかもしれない。また、秋元容疑者の事務所は元秘書が設立したコンサルタント会社の資金を私設秘書の給与に流用していた疑いが浮上しており、政治資金規正法に抵触する可能性が指摘されている。秋元議員と距離を置いたという人物は、以下のように語る。

「闇金業者から借金した人物に取り立ての電話をかけるなど、金になると思えば後先を考えない印象がありました。麻雀を普及させるために『スポーツ麻雀議連』を立ち上げたり、政治家でありながらVシネマ『日本統一33』に刑事役で出演したりして、『政治家として頭のネジが緩んでいる』とも噂されていました。過去に環境破壊につながる事業を進める企業からも献金を受けていますが、まぁ調子に乗りすぎましたよ。安倍首相や派閥の長である二階幹事長にゴマをすって成り上がってきましたが、その命運もここまでです」

 早い話、秋元容疑者は“金に目がない政治屋”だったのだ。

カジノ産業で潤うのは地元自治体のみ

 最後に、秋元容疑者が担当したIR事業=カジノ産業が生み出す収益が国民の暮らしを豊かにするかどうかについても考えてみたい。

カジノの収益は年間1兆円ともいわれています。競馬場の周辺を『中央競馬会寄贈』と書かれたワゴン車が走っているように、ギャンブル産業の収益の一部は社会福祉に充てられますが、それはギャンブルに対する偏見を和らげるのが目的です」(前出の永田町関係者)

 安倍晋三首相が語る通り、IR事業は雇用を生み、カジノ施設を誘致した自治体の市民税は安くなるだろう。しかし、それらの影響は国家全体に回る規模ではない。結局、恩恵を受けるのは地元の自治体など一部の人たちだけである。私腹を肥やした国会議員の逮捕は、国民の政治不信を深めるだけで終わりそうだ。

(文=井山良介/経済ライター)

パナソニックの半導体事業売却、軍事技術が中国に流出する恐れ…日米安保にも波及か

 パナソニックは2019年11月28日、半導体事業を台湾・新唐科技(英名:ヌヴォトン)に売却すると発表した。パナソニックの赤字部門が売却されるというのだから、日本企業にとっては喜ばしい話だろう。

 だが、手放しにも喜んでいられない。売却される半導体事業の一部には、外国為替及び外国貿易法(外為法)で規制されている技術も散見する。それが、イスラエルのタワージャズ(タワーセミコンダクターが展開するブランド名称)との合弁会社だ。タワージャズとは、米国防総省向けの半導体チップ設計において信頼できるサプライヤーとして1A、1Bというティア1(1次下請け)企業として認定されている。

 米防衛産業において国防総省の1Aサプライヤーに認定されるということは、現在の重要部品だけでなく、国防総省が求めるロードマップも共有したうえで将来的な軍事技術までも提供できる立場にある。タワージャズとパナソニック傘下のパナソニックセミコンダクターソリューションズ(PEMJ)の間にはパナソニック・タワージャズ・セミコンダクター(TPSCO)という合弁会社があるが、PEMJが保有するTPSCO株式49%を、新唐科技へ売却することを決めた。TPSCOはタワージャズで設計したデュアルユース技術や軍事技術が含まれるチップを生産する。

 多くの人が見落としているポイントがある。設計と製造では設計側が評価されがちだが、たとえば設計しても工場がなければ製品は生産できないのに対して、工場は設計側から渡された設計情報を蓄積しているので設計が途切れても生産はできる。それを、輸出管理優遇措置対象国(グループA、かつての“ホワイト国”)ではない台湾の企業である新唐科技に売却しても問題がないかという視点で考察する必要がある。

 タワージャズが保有し、輸出管理規制の対象となり得る技術は、

1.THAADミサイルに代表されるようなレーダー用チップ

2.5G(第5世代移動通信システム)用通信チップ/軍事用通信チップ

3.窒化ガリウム(半導体最先端素材)

4.赤外線、紫外線センサー、

5.最先端MEMS(微細加工技術によって集積化したデバイス)

などがある。特に、TPSCOで生産している65ナノメートルのRFチップは最先端技術であり、高精度なフェイズド・アレイ・レーダー用途に利用可能である。

 パナソニックの半導体売却報道の前後から、中国では軍事用レーダー開発だけでなく市場でも奇妙な動きがある。特に、米国の国防権限法889条によって米政府機関との取引が禁止されたファーウェイが、「調達を米国依存から脱却し、日本からの調達に大幅にシフト」し始めた。

・レーダー用チップ

 65ナノメートルのアナログのレーダー向け半導体は、THAAD向けに利用されており、輸出管理規制の対象となっているはずである。12月に入ってから中国人民解放軍の中国国内向けPRが行われたが、そこで2020年夏から4万チャンネルの軍事用フェイズド・アレイ・レーダーを導入すると発表されている。4万チャンネルのフェイズド・アレイ・レーダーというスペックはTHAADと同等であるが、中国製となると劇的に低いコストで量産体制に入るために、米中の軍事バランスは完全に崩れることになる。

・5G用RFチップ

 米国政府がファーウェイ向けにコモディティ化したチップの輸出禁止制裁は解除したが、5G用RFチップなどのハイエンド品は、いまだに輸出が許可されていない。そのため、ファーウェイは12月にはFPGA(製造後に購入者や設計者が構成を設定できる集積回路)や5G用RFチップのハイエンド半導体チップの在庫がなくなり、5G基地局の出荷が難しくなると指摘されていた。

 ところが、ファーウェイの基地局が止まる様子は見えない。台湾・TSMC社の支援を全面的に受けているためFPGAチップの調達には懸念はない様子だったが、5G用RFチップの調達は緊急を要する課題だった。だが、新唐科技のパナソニック半導体買収発表直後にファーウェイは、20年1月から5G基地局の出荷のめどが立ったとのニュースリリースを行っている。つまり、調達に難航していた5G用RFチップが手に入るようになったようだが、奇妙なタイミングの一致だ。

・通信チップ

 軍事用通信チップはアナログが利用されており、スクランブル方式で暗号化している。この技術が台湾経由で中国に渡ると、米軍及び自衛隊、インド軍、オーストラリア国防軍などの通信の秘密を構成する暗号処理部分までもが中国軍に流出し、すべての兵器を入れ替えなければならなくなるため、莫大な費用がかかる。それを行わなければ、通信の秘密を維持できないためだ。

 JSF(統合打撃型戦闘機)計画以降の兵器は、衛星経由でマスター側の兵器と接続されており、マスター側の許可がないとスレイブ側の兵器はミサイル等の武器が利用できない。WCS(ウェポン・コントロール・システム)と呼ばれるスロットル兵器等、制御を主に行うデバイスも製造されている。

・赤外線センサー

 赤外線センサーは輸出管理規制で制御されているはずだが、この買収発表の後から中国で妙な動きがある。ファーウェイと同じく国防権限法889条で米政府機関との取引が禁止されている監視カメラメーカーのハイクビジョンやダーファの社員が「半年後に赤外線センサー内蔵型監視カメラの新製品を発売するので、顔認識の精度が飛躍的に向上します」と言って売り込んで回っている。赤外線センサーは軍事転用の恐れがあるために輸出管理規制対象となっている。

・窒化ガリウム

 問題となる最先端技術のひとつは窒化ガリウムである。窒化ガリウムは「ムーアの法則(半導体の集積率が18カ月で2倍になるという法則)の終焉」を延期できる数少ないソリューションのひとつで、半導体業界の救世主的な存在である。微細化により回路を小さくしてきたが、微細化の限界に達したために3次元に集積するようになった。その結果、熱がこもりやすくなり、処理能力が低下するという課題に直面した。微細化による熱問題や電子漏れは、処理能力を単純に向上させることはできない。それが「ムーアの法則の終焉」と呼ばれる課題である。ところが、窒化ガリウムという素材は低抵抗高温動作という特性を兼ね備えており、ムーアの法則を継続させることが可能な数少ない素材だ。

 ファーウェイは以前から窒化ガリウム技術を取得するために、各研究者にアプローチしてきている。もっとも有名なのは、シンガポールのマイクロエレクトロニクス研究所(IME)で窒化ガリウムの研究員として従事していたシェーン・トッド氏である。2013年、窒化ガリウムの研究に関する情報を求めるファーウェイからアプローチのあったトッド氏が、危険を感じて家族にその旨を伝えて、帰国寸前に不審死に至ったといういわくつきの技術である。

 奇妙な偶然だが、中国・西安の半導体工場が窒化ガリウム技術を自社で利用していない台湾企業より、20年1月から窒化ガリウムの技術を移転できるとして高額なライセンス料での交渉が始まったそうだ。

 これら、最先端技術を持つ企業の株式をパナソニックが非ホワイト国の企業に売却することは、ワッセナーアレンジメント(新ココム)の下で許されることなのかという観点と共に、新唐科技の背景についてみてみる。

新唐科技の背景と中国との関係

 新唐科技は、台湾のメモリ企業・華邦電子(英名:ウィンボンド)の子会社である。ウィンボンドのCEO、焦佑鈞(英名:アーサー・チャオ)氏は、台湾大手電信ケーブル企業の華新麗華(英名:ウォルソン)創業者、焦廷標の息子であり、焦家は台湾において、それなりに名が知られた家族だ。焦氏が会長を務める新唐科技は、中国の高速道路におけるデジタル人民元決済のETCシステムにマイクロコントローラーチップ(MCU)を独占的に提供する契約を得て、すでに中国社会で浸透しているテンセントやアリババを押しのけて中国の決済システムに食い込んでいる。焦氏がこれほど中国共産党と深遠な関係を築くようになったのは、中国国内でカギとなる半導体工場の経営者は殆ど焦氏の側近であるためだ。

 焦氏は軍事技術に対して強く興味を持っており、F35のフライトコントローラー用チップの技術の取得をめぐって、焦氏が支配する台湾企業を利用して争ったことが、2006年に台湾紙「新新聞」で報道されている。軍事用FPGAチップの生産で半導体大手ファウンドリTSMCは世界トップ、TPSCOのRFCMOSを手に入れれば軍事用半導体チップで台湾はトップになれる。

 ここ数年、台湾資本による日本の半導体企業や工場の買収が相次いでおり、米国政府も日本の半導体技術の中国への流出を恐れて日本政府へクロスボーダーM&A(合併・買収)案件の審査強化を求めてきた。

 新唐科技側の発表を見ていると、新唐科技の米国子会社とイスラエル子会社は、本買収に関与していないようだ。イスラエル政府、米国政府の管轄権を意識したかのような発表となっている。基本的に買収案件に関しては、公正取引委員会と同じように企業側からの申告をもって行政が外為法上の審査に入るので、企業側が「管轄外だ」と判断して申告しなかった場合は、行政が見落とす可能性は高い。

 日本でも、19年10月8日に外為法の改正が行われた。日本の対日外国投資に対する意識の低さが輸出管理規制上のループホールとなってきたことを踏まえて、欧米が対内投資規制を強化している動きに歩調を合わせたものである。今回の新唐科技によるパナソニック事業買収は、「事前届出」の対象に分類されているはずであり、これが許可されたとしたらワッセナーアレンジメント違反だけでなく、日米安全保障条約に波及する可能性が高い。パナソニック半導体事業の台湾企業への売却事例は、法改正後の日本の輸出管理審査のレベルを計る試金石となるため、注目すべきである。

(文=深田萌絵/ITビジネスアナリスト)

深田萌絵(ふかだもえ)
ITビジネスアナリスト
早稲田大学政治経済学部卒 学生時代に株アイドルの傍らファンドでインターン、リサーチハウスでジュニア・アナリストとして調査の仕事に従事。外資系証券会社を経て、現在IT企業を経営。

スタバ、喫茶業界初の1500店超え…コメダと真逆の経営、直営店率9割超の裏側

「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画や著作も多数ある経済ジャーナリスト・経営コンサルタントの高井尚之氏が、経営側だけでなく、商品の製作現場レベルの視点を織り交ぜて人気商品の裏側を解説する。

 まだ正式に発表されていないが、スターバックスコーヒーの日本国内の店舗数が「1500店を超えた」と耳にした。

 1996年に日本1号店を東京・銀座に開業して以来、23年での達成で、喫茶業界としては史上初だ。近年は年間100店を超えるペースで増え、拡大基調に転じている。ここまで店舗数を拡げたことには敬意を表するが、ビジネス目線では喜んでばかりもいられない。まずは少し引いた観点から説明しよう。

 国内は少子高齢化が進み、就業人口も年々減少している。「働き方改革」が言われ、従業員を不当な労働条件で酷使する“ブラック企業”には厳しい目が注がれる。

 そうしたなかで、従業員の就業意欲を高めつつ、「スターバックスブランド」をどう維持していくか。今回は、あまり報道されることのない、同社の人材育成の取り組みを具体例で紹介したい。

国内約1500店のうち92%が直営店

 以前も当連載で紹介したが、国内における大手カフェチェーン店を別の数字から考えたい。店舗数で500店を超えるのは次のブランドで、いわば「4大チェーン」だ。

・4大チェーンの店舗数と直営店率

※以下、店名:国内店舗数、直営店数(店舗数に占める割合)

(1)スターバックス コーヒー:1497店(9月30日現在)、1377店(約92%)

(2)ドトールコーヒーショップ:1106店(11月30日現在)、189店(約17%)

(3)珈琲所 コメダ珈琲店:849店(8月末現在)、詳細は開示せず

(4)タリーズコーヒー:741店(12月2日現在)、詳細は開示せず

 店舗数でも競合を圧倒するスターバックスだが、今回注目したいのは直営店率。この数字が圧倒的に高いのだ。

 ちなみに非開示のうち、コメダ珈琲店の直営店率は数%にすぎない。スタバとは真逆に90%台後半が加盟店(フランチャイズチェーン=FC店やボランタリーチェーン店)だ。タリーズコーヒーは、直営店とFC店が半数ぐらいの割合と聞く。

 これは何を意味するのか。加盟店が多いチェーンは、店長や店舗スタッフなどの人材開発(雇用して育てる)を、本部ではなく相手先企業(や個人店)が担う。最近、よく話題となるコンビニ本部とFC店の関係に近いが、大手カフェチェーンは本部主導で店舗スタッフの研修を行うことも多く、もう少し親密な関係だ。

「やる気」につながる、3つの取り組み

 一方、直営店が9割超のスタバは、その取り組みを自社で行わなければならない。

 独特な言い回しも持ち味の同社は、「人材開発」のような人事用語を表立っては使わない。よく用いられるのは「コーヒーパッション」(情熱)だ。社内では「高いレベルでのコーヒーエデュケーション(教育・育成)の実践」を掲げる。

 現在の取り組みを3つ紹介しよう。

(1)中目黒「ロースタリー 東京」で新業務に従事

(2)社内「バリスタ競技会」を開催

(3)「ブラックエプロン」と「コーヒーセミナー」

 2019年2月28日に開業した、東京・中目黒の「スターバックス リザーブ ロースタリー 東京」は、さまざまな意味で同社のターニングポイントとなった。たとえば、パートナー(同社は全従業員をこう呼ぶ)のやる気を高めたのも、そのひとつだ。

「この店では、コーヒー豆の焙煎やイタリアンベーカリー『プリンチ』での焼きたてパンの提供など、これまでになかった業務もあります。そこで社内各部署から希望者を募り、適性を見極めた上で配属もしました」(スターバックス コーヒー ジャパン広報)

 筆者も今年、同店を何度か取材した。取材時は会えなかったが、前年に北海道の店舗で取材した従業員も「自ら希望して」中目黒の同店に異動したと聞いた。

「バリスタ競技会優勝者」の商品開発

 8月22日、東京都内で「コーヒーアンバサダーカップ」と呼ぶ競技会が行われた。同社の従業員がコーヒーの技術を競う、社内競技会の決勝大会だ。2000年に日本で始まり、現在は世界各地域でも実施される。

 参加したのは、国内各地区の予選会を勝ち抜いた3人。昨年の同大会も取材したが、決勝進出者は17人おり、今年はファイナリストの人数を絞った。

 大会の参加者は、普段は国内各店舗で勤務する。一般に店舗スタッフの多くは「グリーンエプロン」(緑色のエプロン)を着用して接客するが、なかには黒い「ブラックエプロン」で接客するスタッフもいる。参加者はブラックエプロン保持者で、ファイナリストはその代表だ。学生アルバイトも参加でき、17年の大会では男子大学生が優勝した。

 今回の競技内容は2つあった。ひとつは実際の接客シーンをイメージして行う「リテイルコミュニケーション」。もうひとつはドリンクの完成度を競う「バリスタクオリティ」だ。ハンドドリップ、ラテアート、オリジナルコーヒー創造性の3点から審査された。

 優勝して「コーヒーアンバサダー」となったのは、東海地区エリア内店舗の店長である間惣檀(あいそう・まゆみ)さん。20年春には、間惣さんが開発したドリンクが全国の店舗にて期間限定で発売予定だ。つまり、店舗スタッフでも、成果を上げれば商品開発にも携われるのだ。

「ブラックエプロン」と「コーヒーセミナー」

 企業としてのスタバの強みは「ブランドが好き」「コーヒーが好き」という従業員が多いこと。グリーンエプロンの店員にとって、ブラックエプロンは憧れの存在だ。

 ブラックエプロンは、年に1度、コーヒーに関する幅広い知識、コーヒー豆の特徴などを問う試験を実施し、合格者だけに与えられるものだ。受験者も合格者も、ほぼ右肩上がりで増えている。役員や本部社員も受験でき、合格すれば保持できる。

「2009年は1万1641人が受験し、合格者は412人(合格率3.5%)でしたが、2019年は1万6786人が受験して1922人が合格(同11%)と、パートナー(従業員)のコーヒーへの関心度は高まっています」(同)

 1回の合格者数は10年で4倍以上になったが、難関の試験だ。たとえば、ブラックエプロン保持者は、全国各地で行われる「コーヒーセミナー」のファシリテーター(進行役)にもなれる。管理職よりも専門職を希望する従業員にとって、こうした活動も魅力的なようだ。前述の「コーヒーエデュケーションプログラム」ステップの真ん中にも「ブラックエプロンバリスタ」が位置づけられる。

「スタバ」ブランドが輝き続けられるか

 10年以上前になるが、スタバが全国に店舗数を拡大させた時期、筆者は当時の広報担当に対して、失礼を承知で次のような質問をした。

「都心部を中心に店舗数を広げてきたが、最近は地方進出も目立ちます。小売店でいえば、(オシャレ感のある)バーニーズ ニューヨークが、(地方で目立つ)イオンになっているように見えます。店舗イメージをどのように考えていますか」

 これに対する広報担当者の答えは、次のようなものだった。

「そうした意見もあるでしょうし、お客さまから『サービスが雑になった』とお叱りを頂くこともあります。それでも、店づくりを進化させるのは店舗や運営側のパートナーです。結局は人材育成に尽きるのです。お客さまのなかには『スターバックスの店を見るとホッとする』という人もいます。厳しいご意見にも耳を傾け、期待に応えられる店づくりをめざしたい」

 あえてこのやりとりを紹介したのは、顧客の期待感をほとんど落とさず、ここまで店舗数を拡大させたからだ。そこは素直にリスペクトしている。

 今年、ラーメンチェーン店やステーキ店など、外食チェーン店の「大量閉店」も何度か報じられた。個別の事情はあるだろうが、各ブランドのイメージは低下した。

 日本の喫茶業界にさまざまな刺激を与えたスタバが、今後も輝き続けられるのか。引き続き注視していきたい。

(文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

高井 尚之(たかい・なおゆき/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント) 1962年生まれ。(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。 近著に『20年続く人気カフェづくりの本』(プレジデント社)がある。これ以外に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(同)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など、著書多数。

日大・内田前監督を悪人に仕立て上げたメディア…低コストで視聴率が取れる話題に殺到

 記念すべき令和元年、もっとも派手な逆転勝利を飾った日本人は誰だったか。それは、“悪質タックル”問題で大バッシングを浴び続けた日本大学アメリカンフットボール部前監督の内田正人氏に違いない。ヒール役で有名になりすぎて後ろ指を指される人生最悪の窮地から、奇跡の復活を果たした人物である。

 覚えている方も多いと思われるが、2018年5月に始まった悪質タックル騒動で、内田氏に貼られたレッテルは“悪人”そのものだった。内田氏は自チームのA選手に、対戦相手の関西学院大学のQB(クォーターバック)を“潰せ”と指示を出し、A選手はパスを出したあとの無防備な状態の関学QBに後ろからタックルをかけて怪我をさせたと報じられた。関学QBが試合に出られなくなるようにしろと命じたと疑われたのだ。

 世間がそう断じた理由は、テレビのワイドショーが数え切れないほど繰り返し放送した例の「レイトタックル」の映像と、傷心の加害者が勇気を振り絞って開いた誠実な懺悔の記者会見である。

 当時を振り返って、大手新聞社の元論説委員は嘆息する。

「この会見の時、A選手は悲壮な表情で『監督やコーチから、試合に出たいなら相手のQBを潰せ、と指示された』と訴えました。ここから、彼を悲劇のヒーローとし、逆に監督とコーチを悪玉とする絶対的な構図が生まれ、全メディアが同調するようになってしまった。しかし、本来ならば誰か冷静な新聞記者が、一言、A選手に尋ねるべきでした。『コーチから、ホイッスルが鳴った後に、ボールから離れた場所にいるQBに後ろからタックルをして怪我をさせろと指示されたのか』とね。そう具体的に聞いたならば、おそらく彼は『具体的には指示されていない』と答えたはずです。不幸なことに、あれだけ記者が大勢いたのに、誰も一番初歩的な質問をしなかった。そのために『潰せと言われた』という抽象的な言葉だけで、監督とコーチが不法行為を強要したと決めつけられ、いくら当人たちが『そんな事実はない』と否定しても、受け入れられなかったのです」

 当時、ワイドショーや新聞は、内田氏とアメフト部、さらに日本大学やその理事長たちまで十把一絡げにして、とんでもない悪い組織だと報道した。A選手は一足先に記者会見を開いて反省の弁を述べたが、後手に回った監督とコーチは記者会見を開いたものの、反則タックルを指示したことを認めなかった。選手が謝っているのに監督が非を認めないのは、潔くないし保身に走っているだけだと、マスコミ全体が勧善懲悪のムードになった。

 自らも高校時代アメリカンフットボール部に所属していたキャスターの木村太郎氏が、「“潰せ”という言葉はアメフトでは日常的に使う言葉であって、“負傷させろ”という意味であるはずがない」という意見を述べると批判が殺到し、その意見は圧殺されてしまった。

低コストで視聴率が取れる話題に殺到するメディア

 広い意味で“誤報”の範疇に含まれてもおかしくないような報道を、日本中のメディアが一方的に続けたのは、なかなか稀有なケースだ。その原因のひとつは、よく聞く“メディアスクラム”というフレーズでは言い尽くせない、過剰な同調圧力が起きていたためだという。

「民法各局は、朝から夕方までワイドショー的な情報番組を1日に4つから5つつくっていますが、18年の5月、6月は毎日、ほぼすべてのワイドショーで日大の問題を扱っていました。コストがかからない映像を流して数字(視聴率)が取れるので、流すのをやめられなかったのです」(テレビ局で情報番組を担当するディレクター)

 内田氏は、鈴木大地・スポーツ庁長官、小池百合子・東京都知事、林芳正・文部科学相など政治家からもこぞって批判され、追われるようにアメフト部監督を辞任。その後、関東地区の大学アメフト部を統括する関東学生連盟の規律委員会が「反則は監督とコーチの指示」と認定して除名処分。さらに、日大が設置した第三者委員会も「タックルは内田監督とコーチの指示」と結論づけた。まさに十字砲火を浴びるような批判の嵐の中で、もはや監督が繰り返す「指示していない」の言葉を信用する人はいない状況になった。内田氏は近い未来、刑務所行きになるとの予想が強まるほど絶体絶命のピンチだったのだ。

警視庁の捜査で判明した報道と真逆の事実

 しかし、ここから逆転がスタートする。まず、告訴を受けた警視庁が捜査一課を中心にして特別チームを組織し、数カ月にわたる綿密な捜査の上で、それまでとまったく逆の結論を導き出した。アメフト部や日大の関係者約200人に事情聴取したうえ、問題の試合映像を解析した結果、内田氏が危険タックルを指示した事実はないと断定したのである。

 頭を掻くのは、ある社会部記者である。

「我々は、関東学生連盟や日大の第三者委員会の事実認定に丸乗りしてしまいましたから、赤っ恥をかきました」

 実は、関東学生連盟は写真判定によって“内田監督がタックルシーンを見ていた”と判断したが、警視庁の調べによれば、監督はボールを目で追っていてタックルのシーンそのものを見ていなかったという。また、第三者委員会の発表では、「タックル直後に井上奨コーチが内田監督に『やりましたね』と声をかけ、内田監督が『おお』と答えていた」とする学生の証言があるとしていた。しかし、警視庁がその学生に対し「君はどこにいたか?」問うと、監督からずいぶん離れた場所にいたことがわかった。会話など聞こえない状況だったため真偽を確かめると、学生は証言はつくり話だったことを認めたのだ。

 つまり、内田氏と井上元コーチは「相手を潰せ」とは言っていたものの、それは「思いっきりやってこい」と檄を飛ばした程度の意味にすぎず、試合中の指示や、2人の間で交わされたという会話もすべて存在しなかったと認められたのだ。関東学生連盟も第三者委員会も、初歩的な調査をまったくせずに結論を出したことになる。

 警視庁は、「内田氏が反則タックルを指示した事実はなく、傷害罪での起訴を求めない」という意見書を付けて東京地検に書類送検。東京地検も捜査の上、同様に起訴は到底無理と判断したものの、吹き荒れた世論に配慮して、「刑事責任を問わない」という発表を延ばし延ばしにした。念には念を入れ、東京高検、最高検の了承を得て19年11月14日、不起訴処分を明らかにしたのだ。

 こうして日本中から親の敵のように恨まれていた内田氏は濡れ衣を晴らし、再び日の目を見ることができた。解雇された日大と争っていた民事訴訟も和解となって一段落だという。

 一方、内田氏に対する行きすぎた報道を謝罪したワイドショーや新聞は見当たらない。どのメディアにとっても、思い出したくない“集団ヒステリー”だったのだ。内田氏や井上元コーチ、あるいは日大に対し、口が酸っぱくなるほど「説明責任、説明責任」と迫っていたメディアは、結果として間違った方向に世論をリードしたことに対する「説明責任」を果たしたのか。検証番組が流れたり、検証記事が書かれたという話は寡聞にして知らない。

(文=千賀正宗/ライター)

パチスロ『ハーデス』でオスイチGOD降臨!? 大事故だらけ「見せ場ランキング!」

 

 2019年、多くの名機がホールから姿を消した年だ。その中で最もユーザーに愛された機種の1つが『アナザーゴッドハーデス -奪われたZEUS Ver-』であろう。

 実戦動画で「ハーデス」と聞いて思い浮かぶ人といえば3800ゲームを上乗せたシーサ。さんだろうか。獲得20000枚を叩き出したゆうちゃろさんであろうか。それとも「ペナクラッシュ」の髭原人さんだろうか。

 ベテランパチスロライターのまりもさんも忘れてはならない。彼も本機を愛し多くの見せ場を作ってきた1人なのである。

 今回は、そんなまりもさんの動画『〜6年間の軌跡〜【まりもセレクション】もう一度見てほしいハーデス回BEST3【まりも道】第171話 中編』をご紹介したい。

 何を隠そう、本動画はまりもさんが「ハーデス」で作った見せ場BEST3をランキング形式で紹介する動画になっている。

 つまり「見せ場しかない」動画、というわけだ。

 第3位は「まりも道 138回」より、全回転フリーズを2回という場面だ。新春スペシャルの動画なのに実戦内容は全くの泣かず飛ばず、どうしようかと思っていた最中の全回転GOD降臨である。

 これで勢いがついたのか、興奮覚めやらぬうちに今度は全回転ハーデスが降臨する。ここではしっかりと「超ハーデス」を引っ張ることができてなかなか特化ゾーンが終わらない。

 第2位は「まりも道 125話」より、開始約30ゲームほどで画面がブラックアウト。早々にGODが降臨する。

 更に1つ目のジャッジメントで「プレミアムオブハーデス」が出現し、果てしなく幸先の良い状況に。そして、そのAT紹介中にリールロックが発生する。

 それは3段階まで進行し、「ブラックアウトなるか」と息を飲むも雷演出止まり。しかし何らかの確定役は濃厚である。更には斜め黄7で300ゲーム上乗せや「超ケルベロス」まで登場し完全にお祭り状態である。

 第1位は「まりも道 12話」より、「山口レバーオン」時代の盟友・エブリーさんとの対決だ。ブラックアウトでGODを降臨させ、「勝った!」と確信した直後に事件は起きる。

 1つ目のジャッジメントは「ゾーンオブペルセポネ」であった。上位特化ゾーンとはいえ7を揃えなければ50ゲームの上乗せで終わってしまう。

 気合いを入れてレバーオン、その瞬間に液晶がブラックアウト。なんと再びGODが降臨してしまった。あまりの出来事にまりもさんの口が開きっぱなしである。

 この凄まじい見せ場ラッシュの本動画は「ハーデス」の魅力が詰まっている。改めて名機であったと確認させられる。

 是非皆さんもご覧になってはいかがだろうか。

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