【新型コロナウイルス】JRA、地方競馬に余波甚大!状況のまとめと今後、馬券の買い方ほか

 すでにニュースなどでご存知だと思うが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、JRA(日本中央競馬会)は2月29日(土曜)以降すべての競馬場および場外馬券売場(ウインズ、パークウインズ、J-PLACE)で「無観客競馬」を実施することになった。

 変わらず競馬は行われるとはいえ、競馬場への来場制限は非常に残念。日本競馬騎手会の福永祐一騎手も「仕方がないですね」と語っており、今週は四位騎手の引退式、浜中騎手の復帰など話題も多かったが、もったいない開催開幕週となってしまった。

 また、JRAに先駆けて無観客競馬を実施していた地方競馬も、当面の間は無観客競馬を継続する。未だ全体の収束は見えないが、最短で事態が改善することを願うほかない。

 とはいえ通常通り馬券の販売は行われるし、レースの流れも変わりない。パドックがあり、返し馬があり、レースがあるというのは今までと同じだ。ファンは混乱することなく、今まで通りにレースも馬券も楽しんでもらいたい。しかしながら、今まで競馬場やウインズで馬券を購入していた人はどうすればいいのか悩む人もいるだろう。そういった人向けの情報、そして今回の状況をまとめたので参考にしてもらいたい。


■JRA(日本中央競馬会)

 2月29日(土曜)以降、競馬場、ウインズ、パークウインズ、J-PLACEに入場できない。馬券の購入は電話、インターネット投票のみとなる。平日も同様なので払戻業務もないため、払戻期限も延長される。なお無観客競馬の期間は未定だが、12月28日に購入した馬券の払戻有効期限が3月14日と明記されているため、その前には何らかのアクションがありそうだ。

※インターネット投票について

・即PAT
ジャパンネット銀行、楽天銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、住信SBIネット銀行、ゆうちょ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、auじぶん銀行の口座があれば即日登録が可能なJRAのインターネット投票サービス。登録完了後はパソコン、スマートフォン、携帯電話を使用して馬券の購入ができる。

・A-PAT
JRA指定の銀行にA-PAT専用口座を新規に開設し、その口座のみを利用して馬券を購入。パソコン、スマートフォン、携帯電話、プッシュホン電話の利用が可能だが、口座開設などに時間がかかる。

・JRAダイレクト
特定のクレジットカードを利用し、パソコンからインターネットを通して簡単な利用者登録をするだけで、すぐに馬券の購入ができる仕組み。クレジット払いなので馬券代は後払いとなるが、利用金額に上限がある。またスマートフォンはサポート外で、パソコンのみ利用できる。

 なお各詳細(申込方法や使用可能カードなど)はJRAの公式サイトで確認してほしい。


■地方競馬

 すでに無観客競馬を実施中。各競馬場、そして開催場に伴う場外発売施設が入場禁止となり現地で馬券の購入ができない。なお現時点で以下のスケジュールが発表されている。


ばんえい帯広競馬  2月29日(土)から3月8日(日)

大井競馬      2月27日(木)、28日(金)

川崎競馬      3月2日(月)から6日(金)

笠松競馬      3月4日(水)から6日(金)

名古屋競馬     2月27日(木)から3月13日(金)

園田競馬      3月3日(火)から3月13日(金)

高知競馬      3月1日(日)から当面の間

佐賀競馬      2月27日(木)から当面の間


 おそらく3月中旬までは無観客競馬が継続されると思われるため、3月10日からの船橋競馬、状況によっては3月15日からの大井競馬なども影響は避けられないだろう。地方競馬もJRA同様にパソコン、スマートフォンを利用したインターネット投票が盛んであり、以下の3サイトが利用されている。


※SPAT4

・すべての地方競馬で馬券が購入可能
・50円から10円単位で購入できるトリプル馬単が魅力

 ネットバンク対応銀行の口座があれば即日加入が可能で、すぐに馬券の購入ができる。口座がない場合は口座を開設して申し込む必要がある。公式サイトには最短15分で手続きが完了と明記。投票はパソコン、スマートフォン、携帯電話のみだが、固定電話で購入が可能な電話投票会員もある。ただし手続きに1か月以上かかるようだ。独自の馬券である3重勝2連勝単式(トリプル馬単)は50円から10円単位で購入が可能だ。


※Rakuten競馬

・すべての地方競馬で馬券が購入可能
・楽天スーパーポイントが溜まる

 SPAT4と同様にすべての地方競馬で馬券が購入できる。楽天スーパーポイントの還元率も魅力的で、現金で購入するより遥かにお得。楽天会員への登録、楽天銀行の口座開設が必須で、馬券の購入はパソコン、スマートフォンを使用する。地元記者の記事、各種キャンペーン、地元専門紙の無料予想、騎手の公式ブログなど馬券購入以外にもコンテンツが多彩だ。


※オッズパーク

・Odds Park LOTOは最高12億円
・多彩なコンテンツが魅力

 ソフトバンクグループが運営する公営ギャンブル購入サイト。オッズパーク指定銀行の口座があれば加入手続き完了後すぐに馬券の購入が可能。競馬だけでなく競輪とオートレースの車券が購入できるが、ボートレースは扱っていない。馬券はパソコン、スマートフォン、携帯で購入可能。地元競馬専門紙記者の予想や関係者のブログ、各種キャンペーン、ポイント還元など楽天競馬に劣らないコンテンツが魅力。ただし南関4場所(大井、川崎、船橋、浦和)は対象外で馬券は購入できない(南関東のダートグレードレースは市中銀行会員のみ購入可能)。最高払戻額が12億円のランダム7(7重勝単勝式)など、「Odds Park LOTO」で発売する独自の重勝式投票券がある。


 以上、JRAと地方競馬の各状況と今後の展望、さらに現地以外の馬券購入についてまとめた。馬券を買えない馬券難民とならぬよう、狙いのレースに向けて万全の準備をしておきたい。

新型コロナ陽性者の発覚封印のため検査阻止か…日本列島がダイヤモンド・プリンセス号化

衝撃を受けたTBSの『NEWS23』

 2月25日(月)の23時から放送されたTBSの『NEWS23』を見て衝撃を受けた。それは、新型コロナウイルスの検査件数で、日本と韓国で2桁の差があったからだ(図1)。

 筆者は医学関係者ではない。そのため、新型コロナウイルスのPCR検査が遺伝子検査であることも知らなかったし、それがどの程度大変であるか、手間暇がかかるかもわからなかった。

 日本では、「風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合、強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合には、最寄りの保健所などに設置される『帰国者・接触者相談センター』にお問い合わせください」(厚生労働省、令和2年2月23日時点版のQ&A)とあるように、ある一定条件を満たさなければPCR検査を受けられない。

 したがって、「きっとPCR検査は大変な検査なんだろう」と勝手に思っていたのだが、前掲の『NEWS23』に解説者として出演していた医療ガバナンス研究所の上昌広・理事長は、「PCR検査は古くからある検査で、非常に簡単な検査である」という趣旨を説明していたのである。

 加藤勝信・厚生労働大臣は2月18日に、「国立感染症研究所で400件、全国の検疫所で580件、地方衛生研究所で1800件、さらに18日からは民間の検査所5カ所で900件、大学で150件の、あわせて最大で1日あたり3830件の検査が可能になった」と発表していた(2月19日付ロイター)。

 ところが、日本は図1に示したように、1日当りのPCR検査数は100件にも及ばない。2月25日に7548件のPCR検査を行った韓国とは100倍もの差があるのだ。このことからは、「日本政府はPCR検査をしたくない」ということが見えてくるように感じる。実際に2月22日放送の『NEWS23』では、「新型コロナウイルスの集団感染が起きているクルーズ船内で業務していた厚生労働省などの職員の多くが、ウイルスの検査を受けずに職場に復帰していたことがわかりました。厚労省内で検査が一度は検討されたものの、陽性者が多く出た場合の業務への影響などを考慮し、見送られたということです」という内容が放送された。

 このニュースを聞いた時は、呆れてものが言えなくなった。しかし、「日本政府はPCR検査をしたくない」という意図があると考えれば、辻褄が合う。

 では、なぜ日本政府は、1日当り3830件できるはずのPCR検査をフル稼働して行わないのか? それは、前掲の『NEWS23』にあるように、PCR検査を行うと多数の陽性反応者が見つかってしまうからではないか。そして、日本政府は、そのことを隠蔽したいのではないかと疑わざるを得ない。

国会議事堂や首相官邸にはウイルスバリアがあるのか?

 日本政府が「日本に新型コロナウイルスの感染者が多数いる」ことを隠蔽したいのは、世界における日本のイメージ悪化を恐れているからではないか。そして、その背後には、今年開催が予定されている東京五輪があるものと考えられる。もし、日本で東京五輪が開催できなくなったら、日本政府のメンツは丸つぶれになるからだ。“日本はクリーン”だというイメージを示したい。このことは、国会や予算委員会での政治家、首相官邸での内閣、およびその周辺に群がっている官僚などの姿にも見て取れる(図2)。

 彼らは、なぜマスクをしないのか? 国会議事堂や首相官邸には、新型コロナウイルスの侵入を防止するバリアでもあるのか?

 日本政府と比較すると、非常事態を宣言した韓国の文在寅大統領およびその周辺の大臣や政治家は、必ずマスクを着用している(図3)。この差は一体、何なんだ? もしかしたら、イメージの問題だけでなく、日本政府には危機感そのものがないのかもしれない。

「こんな事してる場合かよ」

 これは、2016年に東宝で上映されてヒットした『シン・ゴジラ』の中で、内閣官房副長官秘書官の志村祐介(演:高良健吾)がつぶやいたセリフである。東京湾に出現したゴジラが、東京都大田区の呑川を、周りをぶち壊しながら遡上している最中に、巨大不明生物の学術的正体に関する緊急有識者会議が開催された。そのときに、思わず「こんな事してる場合かよ」と前述の秘書官が言ったわけだ。

 日本では、2月初旬から中旬にかけて、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の中で新型コロナウイルスの感染者が日に日に拡大し、中国の武漢からも政府が用意したチャーター便で続々と日本人が帰国した。そして、市中感染も広がってきていた。

 そのようななか、国会の予算委員会では、安倍首相の桜を見る会が追及されていたり、東京高等検察庁の黒川弘務検事長の突然の定年延長が白熱した議論となっていた。

 これらをみて、「こんな事してる場合かよ」と思ったのは、私だけか? 日本は、まさに国難に直面しているのである。桜を見る会や検事長の定年問題は、いったん横に置いておいて、新型コロナウイルスの感染防止に全力を挙げるときなのではないのか?

なんで……さっき“上陸はあり得ない”って……

 前掲の映画『シン・ゴジラ』の中で、故大杉漣が演じた大河内清次首相が記者会見で、「巨大不明生物はアクアトンネル多摩トンネル等に甚大な被害をもたらし、現在東京都大田区の呑川を遡上しております。その正体は現時点では不明ではありますが、上陸という事態は想定しづらく、水深が浅くなり川岸に打ち上げられたとしても自重で潰れ死に至ると思われますので、どうかご安心ください」と発表した。

 ところが、その記者会見の最中に、ゴジラが東京の蒲田に上陸してしまった。そのことを記者会見の後に知った一人の記者が、「なんで……さっき“上陸はあり得ない”って……」とつぶやいたのである。

 新型コロナウイルス感染症対策会議の座長を務めた脇田隆字・国立感染研究所長は2月19日に、「検疫期間を通じて発症者が減った」ことを説明し、「隔離が有効に行われた」として、加藤厚労相は、ダイヤモンド・プリンセスでの新型コロナウイルスの感染は2月5日以前のものであり、潜伏期間14日間を過ぎて発症しないものは下船させることを決定した(2月20日付日本経済新聞)。

 この説明や決定に、違和感を持ったのは私だけか? しかし、2月19日から始まったダイヤモンド・プリンセスの下船者の中から、感染者が見つかり始めている。「なんで……さっき“下船者には感染者はいない”って……」と言いたくなったのは、私だけか?

ここは住民の自主避難に任せるしかありません 

 これは『シン・ゴジラ』の中で、川又・東京都副知事がはいたセリフである。状況はこうだ。蒲田に上陸したゴジラが時速13キロで品川方面に街をぶち壊しながら移動していた。そのとき、東京都庁では以下のやり取りがあった。

小塚・東京都知事「なぜ、すぐに避難指示が出せないんだ」

田原・東京副都知事「なにせ想定外の事態で、該当する初動マニュアルが見当たりません」

小塚・東京都知事「災害マニュアルは、いつも役に立たないじゃないか! すぐに避難計画を考えろ!」

田原・東京副都知事「しかし、このような事態の防災訓練も行なっておりませんし、パニックの回避を考えるならば、避難区域の広域な指定も困難です」

川又・東京都副知事「ここは住民の自主避難に任せるしかありません」

 要するに、東京都庁でのゴジラへの対処は困難なため、「住民の自主避難」と言って、その対処や責任を放り出したのである。

 日本政府は2月25日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、対策の基本方針を公表した。その方針によれば、国民には「事前相談せずに(病院などに)受診しない。症状があれば外出を控える。軽症なら自宅療養を原則とする」との対応を求めている。また、企業や学校には、「症状があるなら社員は休む。テレワーク、時差出勤を推奨する。集団発生が起きた施設などには休業を要請する」としている。

 これを見て、政府が新型コロナウイルスへの積極的な対処や責任を放棄し、『シン・ゴジラ』の川又・東京副都知事のように、「国民の自主対応に任せるしかありません」と感じたのは、私だけか?

ダイヤモンド・プリンセスの悲劇は“人災”

 2月25日に『NEWS23』に出演した医療ガバナンス研究所の上昌広・理事長は、次のように主張している(2月25日付Japan In-depth記事『遺伝子検査行う体制作り急げ』)

「感染者の大部分は無症状あるいは軽症だ。彼らは見落とされている。私は、新型コロナウイルスは既に国内に蔓延していると考えている」

 私は医療関係者ではないが、2月に入ってからの報道をみると、薄々そう感じていた。また、上氏はダイヤモンド・プリンセスの悲劇に言及し、それが起きた要因も指摘している。

「その典型が、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の悲劇だ。当初、船内には2,666人の乗客と1,045人の乗務員がいた。総勢3,711人のうち、2月23日現在、692人が感染し、重症は36人、さらに80歳代の男女4人が死亡した」

「私は、政府機能を強化することで、感染症対策が上手くいくようになるというのは、何の根拠もない仮説に過ぎないと考えている。むしろ、現状を把握してない政治家・官僚、さらに有識者の権限が強化されることで、被害は増大すると予想している」

 ダイヤモンド・プリンセスの悲劇を“人災“だと思っているのは、私だけではない。

日本がダイヤモンド・プリンセスになる日

『シン・ゴジラ』では、日本政府が「緊急災害対策本部」を設置し、それに基づいて、矢口蘭堂・内閣官房副長官(演:長谷川博己)を事務局長とする「巨大不明生物特設災害対策本部(巨災対)」が立ち上げられた。

 その巨災対に集められた各分野の「出世に無縁な霞ヶ関のはぐれ者、一匹狼、変わり者、オタク、問題児、鼻つまみ者、厄介者、学会の異端児」たちが、ゴジラ凍結プラン「ヤシオリ作戦」を考え出し、日米の共同作戦を行うことになった。このヤシオリ作戦の実行にあたり、矢口事務局長は、自衛隊や協力民間企業関係者を前にして、以下の様に檄を飛ばした。

「今回のヤシオリ作戦遂行に際し、放射線流の直撃や急性被曝の危険性があります。ここにいる者の生命の保証はできません。だが、どうか実行してほしい。我が国の最大の力はこの現場にあり、自衛隊はこの国を守る力が与えられている、最後の砦です。日本の未来を、君たちに託します。以上です」

「我が国の最大の力はこの現場にある」。それは私も同感だ。しかし問題は、新型コロナウイルスの対策のために、その最大の力を持っている現場を、日本政府が活用できていない(活用しようとしない)ことにある。そう思っているのは、私だけか?

 日本は今、各国から渡航を禁じられ始めている。早晩、日本人の入国を拒否する国も出てくるかもしれない。今私が一番恐れているのは、“日本列島がダイヤモンド・プリンセス”のようになってしまうこと”である。『シン・ゴジラ』の巨災対のようなチームが立ち上げられ、新型コロナウイルスが駆逐されることを願うのみである。

注)2月26日放送の『NEWS23』では、日本におけるPCR検査の件数が、100件以下ではなく、1000件程度だったことが報道された。しかし、韓国では同日、1日の検査件数が1万件を超えたという。したがって、いまだに日本と韓国における検査件数の差は約10倍もある。さらに、韓国は、ドライブスルー検査を実施していることが報道された。なぜ、日本でもっとスムーズに検査ができないのか? この問題はいまだに解消していない。

(文=湯之上隆/微細加工研究所所長)

安倍政権、野菜農家への収入補填廃止を検討…野菜の安定供給制度と価格安定を破壊

 歴史的暖冬で野菜の成長が早く、鍋需要も伸びないなかで、野菜価格の下落が続いている。キャベツ、レタス、白菜、大根、ブロッコリーなどは平年と比べ3割前後のダウンとなっており、全国の野菜生産者は廃棄などで出荷調整などに取り組んでいるが、経営への打撃は大きい。

 このようななか、生産者をさらに不安にさせているのが、野菜価格安定制度の廃止を狙う財務省の動きである。野菜生産出荷安定法で、価格の著しい下落時は生産者補給金が給付されることになっている。対象指定野菜は14品目で、キャベツ、きゅうり、里芋、大根、たまねぎ、人参、トマト、白菜、ナス、馬鈴薯、ねぎ、ピーマン、ほうれん草、レタスとなっている。ただし、暖冬で同じように影響を受けているブロッコリーは、指定野菜でない。

 指定野菜は、平均販売価額が基準価格の9割を下回った場合、差額の9割を補填するというもの。財源は積立金で賄われているが、積立金の6割が国庫補助で、2割が都道府県補助となっている。消費量が相対的に多い、または多くなることが見込まれる野菜を政令で指定することによって対象野菜になる。

 今回の歴史的暖冬による価格下落についても、野菜価格安定制度により3割の価格下落のうち、下落分の9割が補填されることになる。補填までに時間がかかるが、生産者の経営の安定にとっては不可欠な制度といえる。

野菜価格安定制度には出荷調整機能も

 財務省は昨年10月17日に農林水産行政を分析した「農林水産」という文書を公表した。財務省は農林水産予算に対して絶対的権限を持っており、財務省の一存で農林水産予算の削減、予算項目のカットができる。もちろん農水省も抵抗をするが、多勢に無勢である。

 今回の「農林水産」文書で財務省が槍玉にあげたのが、野菜価格安定制度であった。財務省は、「従来より(略)野菜価格安定制度といった形で品目ごとに収入補填の制度が存在」しているとして、「既存制度を収入保険へと円滑に移行させることにより、一元的なセーフティネットを構築していくべきではないか」としたのである。要するに、野菜価格安定制度は廃止して、保険に切り替えるべきと主張しているのだ。

 財務省の狙いは、財政負担の軽減である。野菜価格安定制度は、国、県、生産者が基金に拠出して運営されている。その国の負担分は6割に上っている。また、異常気象で野菜価格の低迷が続き、生産者補給金交付額は17年度には124億円に上り、財源となる基金は数年後には枯渇するとも指摘され、さらなる国の財政負担が想定されるのである。

 これに対して収入保険は、保険料に対する国庫負担は5割である。また、現在の収入保険への野菜農家の加入率は、わずか4%である。野菜価格安定制度を廃止して収入保険に一本化しても、加入率が低いなかでは確実に国の財政負担は軽減されることになる。

 野菜価格安定制度は生産者の収入補填機能だけでなく、野菜生産の安定供給を確保して価格安定を図る機能も有している。指定野菜をつくる産地に供給計画をつくらせ、それを守っている産地には補填率を高める仕組みや、出荷調整機能も持っている。これらを廃止するなら、野菜価格の乱高下を招くことになりかねない。

 消費増税で野菜産地を苦しめ、さらに財政負担を減らすことを狙う目的での野菜価格安定制度の廃止は、日本の野菜生産の存亡に関わる問題となり得る。

(文=小倉正行/フリーライター)

「楽天銀行」使い倒し術…楽天ペイ&楽天ポイント大量取得、楽天証券とリンクして金利5倍

 2019年10月からの消費税増税の影響、同年11月のPayPayの親会社・ZホールディングスとLINE Payをグループに持つLINEの経営統合、そして2020年1月に発表されたメルペイを擁するメルカリによるOrigami Payの吸収合併……等々の環境激変の影響もあり、以前にもまして「使わにゃ損」状態になってきた各種ペイサービスなどのスマホ決済。

 これらのサービスをさらにお得に、便利に使い倒すには、店舗を持たないネット銀行を組み合わせることもきわめて重要だろう。そこで、最新のネット銀行の傾向やシェアなどを解説しつつ、実際に利用した際の“ネットバンク使い倒し術”を、いまさらではあるが紹介していこう。

驚くほど簡単な、楽天銀行の口座開設

 各種ポイントに、スマホ決済のペイサービス、それにクレジットカードを組み合わせて……と、少しでもおトクに生活するため、地道な活動を続けているのだが、大事な部分を見落としていた。そう、肝心のお金の出どころである「銀行口座」をしっかり考えていなかったのだ。

 筆者のメインバンクは、某・有名都市銀行。会社に入ったときに、給与振込口座を作らなきゃいけなかったため、適当に開設したものを利用し続けている。

 しかし、最近ではメガバンクの大規模リストラや地方銀行の消滅危機など、「銀行神話」が揺らいでおり、逆に需要を伸ばしているのが店舗を持たないネット銀行だ。さらに、各種ポイントサービスやペイサービスをよりおトクに利用するためには、こうしたネット銀行を絡める必要があるため、その開設から使い方までひととおり体験してみることにした。

 今回、開設してみたのは「楽天銀行」だ。2010年にイーバンク銀行株式会社から商号変更し、楽天カード株式会社の子会社となった国内最大級のインターネットバンクで、2018年12月時点で700万口座が開設されている。

 筆者は楽天カードも持っており、日夜ポイントをためるという「楽天経済圏」に身を置いており、以前から気になっていたネット銀行なのである。

 実際にやってみると、口座開設はいたって簡単だった。PCやスマホから楽天銀行の口座開設の申し込みを行い、本人確認が済めば2日~2週間ほどで完了する。

 まずはキャッシュカードを選ぶ。一般的な、クレジットカードと一体になったものから、デビット機能がやプリペイド機能がついたものなどさまざまなバージョンがあるが、筆者はペイメント機能がついていると湯水のごとく使ってしまうため、キャッシュカード機能しかついていないカードを選択した。

 このあと、本人確認書類をスマホで撮影し、送信すれば手続きは完了。筆者はコンビニのコピー機で免許証をコピーするのでさえ不安になるので、スマホでの撮影はさらにセキュリティー面で不安を助長させた。しかし、この方法で700万口座開かれているのだから、大丈夫なのだろうと覚悟を決める。

 約1週間後にはキャッシュカードが郵送され、すべての手続が完了した。操作自体は、スマホ1台、10分以内で完結する。マッチングサイトに登録するより簡単だった。

楽天銀行は手数料無料にする方法が多い

銀行選びをするときに、まず意識するのは手数料や金利の額だろう。しかし、いまや金利は0.001%などザラで、ATMで現金を降ろす際に手数料を210円も取られるなど、条件の悪いところが多い。ネット銀行だからこそ、できれば手数料はなるべく少なくしたいところだ。

 楽天銀行には「ハッピープログラム」という優遇制度があり、これにエントリーして、ランクを上げていくと手数料無料などの特典がある。「ハッピープログラム」という、浮かれすぎで怪しいネーミングのサービスにエントリーするのはちょっとイヤだったが、そんなプライドを捨ててでも加入するメリットが多い。というか、楽天銀行ユーザーにとっては必須だ。

「ハッピープログラム」には会員ステージというランクがあり、預けている金額か、楽天銀行での取引件数によって決まる。ベーシック、アドバンスト(預金10万円以上、または取引5件以上)、プレミアム(50万円以上または10件以上)、VIP(100万円以上または20件以上)、スーパーVIP(300万円以上または30件以上)まで階層が分かれている。

 300万で「スーパーVIP」というのも、持ち上げすぎというか、楽天経済圏者のリアルを感じさせるが、ランクが上がるほど特典は多くなる。

 たとえば、プレミアムの人は、ATM利用手数料が月2回無料、他行への振込手数料が月2回無料、楽天スーパーポイントの獲得倍率2倍、各種手数料の楽天スーパーポイント払いが可能というサービスが受けられる。

 特に給与受取口座に指定をした場合は、ランク査定件数が1件プラスされるだけでなく、無条件で他行への振込手数料が3回無料になるサービスも適用される。そのため、まずは楽天銀行をメインバンクにすることが望ましい。

 実際に給与受取口座に登録すると、すぐにサービスが反映された。意外と高くついてしまう振込手数料を無料にするハードルがここまで低いというのは楽天銀行ならではの特徴だろう。

 さらに、楽天銀行を給与受取口座に設定し、実際に給与が振り込まれるたびに楽天ポイントが1ポイント貯まるという謎のサービスもある。ランクが上がっても最大3ポイントと微々たるものだが、自分から何かアクションを起こさずとももらえるポイントは珍しい。

 また、楽天カードを利用している人は引き落とし口座を楽天銀行に変えることで、ポイント付与率がプラス1倍になる。ちなみに、楽天ペイを使う際も楽天カードとの紐づけでポイントを二重取りできるが、さらに楽天銀行とも紐付けると三重取りができる。筆者はこの方法で、楽天ペイ単独だと0.5%だった還元率を、5倍アップの2.5%獲得することが可能になった。

さらに、先述のハッピープログラムのランクによってはさらなるポイント還元も見込めるという。

楽天銀行で金利を5倍にする方法

 楽天銀行では、“最強”といわれている金利の爆上げ方法がある。楽天銀行の普通預金の金利は0.02%だが、これを5倍にできるのだ。

その方法は「マネーブリッジ」という仕組みを利用する。端的にいうと、楽天証券と楽天銀行に同一名義の口座を開設して、連携することで、金利を0.1%にできるのだ。

このマネーブリッジを行うには、楽天証券にも口座を開設する必要がある。なんだか面倒くさそうだったが、楽天銀行のアプリ内で「マネーブリッジ」というボタンがあり、そこを押すと証券の口座開設のサイトにすぐ飛んだ。

 申し込み自体、特段変わったことはなく、注意事項・規約に同意したうえで、暗証番号と生年月日を入力して申込手続きを行い、パスワードなどを設定すれば開設終了。5分もかからずに、金利を0.1%にできた。また、証券口座といっても、利用が必須ということではないし、口座開設も無料なのがいい。

仮に200万円を普通預金に1年間預けた場合を想定すると、金利0.001%の銀行だと金利は20円。口座未連携の楽天銀行(金利0.02%)だと400円、マネーブリッジで口座連携後(金利0.1%)だと2000円となる。この差はデカい。

ほかにも楽天銀行では、アプリ上でさまざまなサービスが利用できる。外貨預金や住宅ローン、宝くじ、保険など金融サービスから日常生活の娯楽まですべてアプリ上で済ますことができる。口座残高ももちろんスマホで確認ができるため、わざわざ記帳する手間も省ける。

 さらに使えば使うほどおトクになるのが、「楽天経済圏」の特徴だ。まず楽天ペイやカードを利用した際の楽天ポイントは常に1%増える。筆者は楽天ポイントのプラチナ会員(半年で2000ポイント以上獲得)なので、単純に考えると倍の4000ポイント獲得できる計算になるのだ。これはお得すぎる。

強いてデメリットを挙げれば、楽天のサービスでは申し込みや同意画面において、メルマガ配信のチェック項目がデフォルトでオンになっている。このチェックを外し忘れると、大量のメルマガを送りつけられるので注意が必要だ。筆者は、口座開設後に大量のメルマガを拝受したことは言うまでもない。

楽天銀行は、金利が高く、かつ手数料無料となるプログラムが豊富に用意され、各種サービスと紐付けることで大量のポイントがゲットできる。楽天ポイントと楽天ペイを使っているなら、もはや口座開設は必須だろう。

(文=清談社)

新型コロナウイルスを防ぐ食事術…ヨーグルト・きんぴらごぼう・イチゴ等が効果的?

免疫力をあげる食事について

 新型コロナウイルスが猛威をふるっています。私たちが新型コロナウイルスをはじめ、インフルエンザ、風邪、その他の感染症などにできるだけ罹らないためには、また、罹っても軽く済ませるためには、普段からどのような点に注意していけばよいのか、管理栄養士の視点から考えてみたいと思います。

 私たちの身体には、細菌やウイルスの侵入を防御する免疫機能が備わっています。その免疫機能をいつでも十分に発揮できる体制を整えておくことが大事であることは、いうまでもありません。

 免疫機能に関わっているのが、自律神経と白血球です。白血球は血液に含まれる成分の一つで、細菌やウイルスなどの外敵を排除する役割があります。自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類があり、活動時、緊張時に優位に働くのが交感神経、一方、副交感神経はリラックス時、睡眠時に優位に働きます。

 白血球は自律神経によりコントロールされているため、自律神経のバランスを保つことが大事です。それには、睡眠不足にならないように、質の良い睡眠をしっかりとって生活のリズムを整えること、ストレスをコントロールすることなどが大切です。

 睡眠ホルモンと呼ばれる神経伝達物質「メラトニン」には、睡眠の質を上げる作用、免疫力を高める働き、抗酸化作用があります。メラトニンは22時~2時の間に分泌が活発になります。メラトニンの恩恵を受けるためには、就寝時刻は24時前とし、7時間程度の睡眠を確保、早寝早起きを心がけましょう。

 また、就寝前の飲食、飲酒は質の良い睡眠の妨げになりますので、夕食後から就寝までの4時間くらいは、水以外は何も口にしないようにすることをおすすめします。メラトニンは、必須アミノ酸のトリプトファンからストレス軽減作用のある神経伝達物質「セロトニン」を経て産生されます。トリプトファンは食品からしか摂れない成分であるため、肉、魚、卵、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品などからしっかり補給していきましょう。

 ほかに免疫力に非常に大きな影響を与えるのが体温です。体温が1度下がると免疫力は30%も低くなります。逆に体温が1度上がるだけで免疫力は5倍から6倍も高くなります。寝ている間、体温は下がっています。そのため朝食を摂ることは、体温を上げる意味からも必要な食事となります。食事を摂ると体が温かくなるのは、体内に吸収された糖質、脂質、タンパク質が分解されたときに産生するエネルギーの一部が体熱となって消費されるからです。免疫力アップに朝食は不可欠ですし、1日3度の食事を欠食せず、体温を下げないようにしましょう。

免疫力を向上させる栄養素

 続いて免疫力を向上させる栄養素をみていきましょう。

 まず、食物繊維です。小腸には免疫に関わる細胞があるため、腸内環境を整えることも重要です。免疫力を高めるには、免疫細胞の働きを活発にすることです。食物繊維の多い食品は、噛みごたえのあるものが多いのが特徴です。

 きんぴらごぼうを食べている時を想像してください。必然的に噛む回数が増え、唾液がたっぷり分泌されますね。食物繊維は胃や腸で水分を吸収して膨らむことで便のカサを増やし、腸管を刺激して腸の働きを活性化させます。このような消化活動は、副交感神経が優位になり血流が良くなり白血球も増加し、免疫機能が活性化されます。

 さらに、便通が良くなれば善玉菌が増え、これによっても白血球が増加し免疫力アップがさらに期待できます。食物繊維のほかに、ヨーグルトなどの発酵食品も利用しましょう。発酵過程で整腸作用のある酵素が産生され免疫力アップに貢献してくれます。

 次にビタミンCです。ビタミンCは、細菌やウイルスに排除効果のある白血球や免疫系および炎症の調整をする「インターフェロン」を活性化し免疫力を高める作用があります。ある報告によると大量のビタミンCを摂取することで風邪による発熱、せきなどの症状の回復を短縮できるということです。

 ビタミンCは、人は体内で合成できませんので食事から十分に補給しないといけません。水溶性のビタミンなので、余分に摂取しても2~3時間後に尿から排出されます。2020年版食事摂取基準によると、18歳以上の男女ともビタミンCの推奨量は1日100mgです。

 ビタミンCは、野菜や果物、イモ類に含まれています。たとえば、ミニトマト(10個:100g)32mg、イチゴ(大粒6個:150g)で100mg、じゃがいも(卵大2個:100g)で28mg摂取できます。

ビタミンDは意識して摂取

 最後に、ビタミンDです。ビタミンDは、細菌やウイルスを死滅させる「カテリジン」「β-ディフェンシン」という抗菌ペプチド(タンパク質の1種)をつくる働きがあり、皮膚のバリア機能を高めます。ビタミンDは、紫外線を浴びることで産生されますが、日照時間が短い冬はビタミンDの体内合成量が減り、抗菌ペプチドも減少すると考えられます。

 例えば、茨城県のつくば(北緯36度)では、ビタミンD5.5μgを産生するために必要な日照暴露時間は、12月の12時で22.4分。7月の12時で3.5分というデータがあります。このことからも冬は産生する時間が長くかかることがわかります。

 2020年版食事摂取基準によると18歳以上の男女とも目安量は1日8.5μgとされています。この8.5μgは、日常生活において可能な範囲内で適度な日光浴を心がけながら食事からビタミンDをどれぐらい摂取したらよいかの目安量となります。

 ビタミンDは、鮭、卵、キクラゲなどに多く含まれます。鮭(生1切れ80g)で25.6μg、卵(1個50g)で0.9μg、乾燥キクラゲ(10個5g)で4.27μg摂取できます。注意したいのは、ビタミンDが、魚類、卵、キノコ類品など一部の食品にしか含まれていませんので積極的に摂らないと不足しがちな栄養素であることです。

 新型コロナウイルスにともなう感染症を避けるには、手洗いと咳のエチケットを順守するほかに自律神経のバランスが崩れないような十分な睡眠と正しい食生活を送ることに努め、免疫力を下げないようにするしか自己防衛手段はないのかもしれません。

 早寝早起き、質の良い十分な睡眠、1日3食、規則正しい時間にバランスのとれた食事をこころがけましょう。

(文=森由香子/管理栄養士)

新型コロナ、政府の基本方針を専門家が一刀両断…国内蔓延の事実を隠蔽、開業医の利益優先

 新型コロナウイルスの影響拡大を懸念して日経平均株価が一時1000円超値下がりした2月25日午後、政府の新型コロナウイルス対策本部が対策基本方針を決定した。これは24日に行われた専門家会議の結果を受けたものだが、対策が手ぬるいとの批判を受け、政府は朝令暮改で一転、イベントなどの中止、延期要請に加え、3月2日から全国の小中高の一斉休校に踏み切らざるを得なくなった。

 政府のこれまでの新型コロナウイルス対策について、一貫して問題提起をしてきた医療ガバナンス研究所の上昌広理事長も、今回の政府の基本方針を「問題だらけ」と一刀で切り捨てた。上理事長に話を聞いた。

政府が触れなかった2つのタブー

――政府の対策基本方針のどこが問題だらけなんですか?

上昌広氏(以下、上) 検査態勢が相変わらず不十分なところです。民間の検査機関での検査、スマホやPCのテレビ電話を使った遠隔診断についてもまったく触れていない。現時点で、新型コロナウイルスの検査は厚生労働省が認めたところでしかできない。PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)の機械なんか持っているのは、国立感染症研究所や大学病院か大病院だけですよ。

 でも、この病気は患者さんの立場に立てば風邪と同じなんです。風邪で大学病院なんか行かないでしょ。つまり、近所のクリニックで検査できないとダメなんです。どのクリニックも、血液検査や尿検査は民間の検査会社がやっています。検体をとれば民間の検査会社が取りに来て、夜に検査して朝には結果を教えてくれます。

 民間の検査機関は100社あって、900のラボを経営しています。少なく見積もって、ひとつのラボで20検体しか検査できないとしても、1日に1万8000近い数の検査ができる。この検査を保険適用で受けられるようにすればいいんです。

 もうひとつは遠隔診断ですね。病院に行くと、そこで病気を広めたりもらったりする可能性もあるので、スマホやPCを使った遠隔診断は新型コロナウイルスなどの感染症には最適なのですが、遠隔診断が認められているのは再診だけです。初診から認めると、みんな専門医に診てほしいので、近所の開業医が儲からなくなるからです。つまり、開業医の利益を守るために厚労省が規制しているといえます。この2つはタブーなので、触れなかったのでしょう。

 PCR法の検査につべこべ理由を付けているのも、国立感染症研究所や大学病院で検査すれば補助金が下りるからです。民間の検査会社で保険適用で検査できるようになったら、上前をはねられなくなる。つまり、政府は今回の新型コロナウイルス検査も公共事業にしたいのでしょう。

――最大の目標は感染拡大のスピードの抑制と死亡数を減らすこと、とありますが。

 すでに蔓延してかなりの感染者が出ているので、抑制するのは難しいでしょう。それも検査をしたからわかった数字であって、実態を反映した数字ではないですからね。症状が軽い人には検査を受けさせないのですから。厚労省は蔓延していることを否定したいだけ。今の感染者数は、すべて適切に診断できている数字だと言いたいのでしょう。

 重要なのは死者を減らすことですが、死亡のリスクが高いのは高齢者です。クルーズ船でも4人目の死者が出ましたが、あれは健康で元気なおじいちゃん、おばあちゃんを4人殺したのと同じです。外出を自粛するかどうかという以前に、高齢者への感染をいかに防ぐかが大事です。その間にワクチンをつくればいいわけですからね。

パンデミックの可能性が濃厚か

――すでにパンデミック(世界的流行)が起きているのでしょうか。

 2月5日に日本から帰国して感染が確認されたタイ人夫婦も、感染ルートがまったくわかっていない。とにかく、世界中で感染者が山ほど出ています。WHO(世界保健機関)も言葉遊びをしているだけ。アフリカでもヨーロッパでも出ているし、イタリアでは流行しています。私はパンデミックになると思いますが、その議論はどうでもいい。大事なのは、日本だけでなく世界中できちんとした検査が行われていないことです。中国は多くの検査をしたから感染者が増えました。感染者が増えると相対的に致死率は下がるので、中国にとって感染者は増えたほうが都合がよかったのでしょう。

――今回の政府の対策は不十分でしょうか?

 政府の対策は机上の空論の思いつきです。PCR検査をしなければ診断がつかないのですから、可能な限り最優先で検査を行うべきです。しかし、いまだに検査には条件がもうけられており、これではデータを取っていないのと一緒です。一番大事なのは、不安を感じている人に寄り添うこと。厚労省にはやる気がないのでしょう。厚労省が民間の検査会社に問い合わせたのも、つい最近だそうです。袋叩きに遭ったからでしょう。とにかくひどい対応です。

 このままでは、放っておいてもパンデミックになります。日本には、もうウイルスが蔓延していると私は思っています。検査すべき人が検査を受けていないだけです。1人の重傷者がいれば100人は感染者がいる。それは、クルーズ船内の感染者数を見ればわかるはずです。

――ありがとうございました。

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、2月26日までに乗客・乗員あわせて705人が新型コロナウイルスに感染していることがわかった。25日には80代の乗船者1人が搬送先の病院で死亡した。クルーズ船での死亡者は4人目となった。新型コロナは、相当厄介なウイルスなのかもしれない。

(構成=兜森衛)

うつ病患者に明るい曲はNG?楽器演奏で認知症予防?音楽の意外な“医療効果”

 今年はオリンピック・イヤーです。いまだにさまざまな意見が飛び交っていますが、2012年のロンドン・オリンピックの時にロンドンに在住していた経験から、実際にオリンピックが始まってしまえば、みんな大喜びでテレビにかじりつくだろうと予想しています。当時のイギリスでは、オリンピック予算を確保するために、日本の消費税にあたる付加価値税を17.5%から20%に引き上げたり、ロンドン市内の公共機関の料金を1.5倍まで上げるなど、日本では考えられないくらい露骨に国民に負担を強いていましたが、オリンピックが始まってみるとイギリス国民はお祭り騒ぎでした。

 ちなみに、オリンピックに続いてパラリンピックが開催されますが、日本ではパラリンピックは長い間、障害者の福祉という側面から厚生労働省所管となっていましたが、今では本格的なスポーツの一部門として文部科学省に移され、オリンピックと一緒に管轄されるようになったことは、大きな転換期だったと思います。

 視覚障害者のためのサッカーまであり、ボールの中に入っている鈴の音を聞き分けながらプレイをする、鋭い選手の聴覚には舌を巻くしかありません。

 音楽家のなかには、視覚障害を抱えながら素晴らしい演奏を繰り広げて、観客を魅了している方々がたくさんいます。クラシック演奏家以外にも、まだまだ往年のファンも多い、ジャズ歌手でピアニストの故レイ・チャールズは盲目でしたが、聴衆の心を一度つかめば離さない歌唱力とピアノ演奏を繰り広げていました。同じく視覚障害を持ったミュージシャンのスティーヴィー・ワンダーも、まだまだ現役で活躍しています。彼らの視覚障害が、演奏する音楽に直接影響するわけではないので、彼らにはパラリンピック的な考え方は当てはまりません。

 パラリンピックには、視覚障害者だけでなく肢体不自由者、つまりは腕や足を失くしたり、麻痺を持っている選手も参加しています。しかし、ここでも演奏家の場合は事情が異なるのです。それは、楽器のほとんどは脚を使うことがないからで、ヴァイオリンもフルートも演奏に使うのは両手のみです。車いすに乗りながら活躍している演奏家も、たくさんいらっしゃいます。例外として、足でペダルを踏まなくてはならないピアノ、ハープ、オルガンなどもありますが、両手さえあればほとんどの楽器を問題なく演奏できるのです。

音楽によるリハビリ効果

 フランスを代表する作曲家、モーリス・ラヴェルの名作のひとつに『左手のためのピアノ協奏曲』があります。左手だけで演奏する協奏曲ですが、左手の5本の指だけで弾いていることが信じられないくらい、ラヴェルの魔術的な才能が光っている作品です。しかし、この曲はラヴェルが酔狂で作曲したわけではありません。

 当時、パウル・ヴィトゲンシュタインという、オーストリア生まれのピアニストがいました。1913年にデビューをし、順調に活動をしていこうという矢先に、第一次世界大戦が勃発。ヴィトゲンシュタインは戦争に召集され、右手を失ってしまうのです。普通の考え方ならば、これでピアニストの道は完全に断たれるわけで、誰もがそう思ったに違いありません。

 ところが、彼は違いました。「左手で弾ける曲がなければ、作曲家に頼んでつくってもらえばいいじゃないか」と考え、ラヴェルをはじめ、オーストリアのエーリヒ・コルンゴルド、イギリスのベンジャミン・ブリテン、ドイツのパウル・ヒンデミット、ロシアのセルゲイ・プロコフィエフいった当時最高の作曲家に、左手だけで弾くことができる協奏曲の作曲を依頼したのです。そして、彼のもうひとつのすごさは、その鋭い鑑識眼でした。作曲家というのは、生存中は華やかに活躍していたとしても、あっという間に忘れ去られることが実に多いものです。そんななか、彼が選んだ作曲家は、今現在もなお、高い評価を受けている人たちばかりでした。

 彼が作曲家に依頼した左手のための協奏曲は、現在も脳疾患などのさまざまな理由で右手を使うことができなくなったピアニストの主要レパートリーとなっています。日本人では脳出血から復帰された舘野泉さんが有名です。音楽家、特にピアニストは中枢神経系が障害を起こす局所性ジストニアにかかるケースが多くみられますが、一定期間に繰り返し指を動かすことが原因と考えられています。それも、よく動かす右手に障害が出ることが多いのです。左手のための協奏曲は、そんな彼らの活動の場を支えているのです。

 一方で、音楽演奏が脳疾患のリハビリに効果があることも現在、注目されています。治療的楽器演奏というユニークな治療方法で、患者に歌を歌わせたり、楽器を一緒に演奏することで、効果を上げているそうです。

 今、社会問題化している認知症予防にも、楽器演奏は大きな効果があるといわれているのです。

 もちろん音楽を聴かせることも、音楽療法では積極的に行われています。しかし、落ち込んでいる人やうつ病患者に、良かれと思って明るい曲を聴かせて元気づけようとするのは逆効果です。実は、そのような場合には悲しい曲を聴かせるのがよいといわれているのです。

 医療情報源として有名な「コクラン共同計画」の2017年のレビューによると、悲しい音楽は、うつ病患者に少なくとも短期間の効果をもたらしたといい、将来的には音楽療法において悲しい音楽にさらなる焦点を当てることになるだろうと予測しています。

 医学博士でもあった作家の故渡辺淳一さんはコラムの中で、筋肉を傷めた場合、冷やす湿布か温める湿布か、どちらが貼ればいいのかという質問に対し、このように答えていました。

「炎症が起こっているときは冷やしたほうがいいし、回復期には温めたほうがいいとかありますが、簡単に言ってしまえば、患部が気持ち良く感じる湿布を貼ればいいのです」

 音楽も同じで、自分が今、聴きたい曲を聴くのが良いことなのでしょう。
(文=篠崎靖男/指揮者)

●篠﨑靖男
 桐朋学園大学卒業。1993年アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールで最高位を受賞。その後ウィーン国立音楽大学で研鑽を積み、2000年シベリウス国際指揮者コンクール第2位受賞。
 2001年より2004年までロサンゼルス・フィルの副指揮者を務めた後、英ロンドンに本拠を移してヨーロッパを中心に活躍。ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、BBCフィルハーモニック、ボーンマス交響楽団、フランクフルト放送交響楽団、フィンランド放送交響楽団、スウェーデン放送交響楽団など、各国の主要オーケストラを指揮。
 2007年にフィンランド・キュミ・シンフォニエッタの芸術監督・首席指揮者に就任。7年半にわたり意欲的な活動でオーケストラの目覚ましい発展に尽力し、2014年7月に勇退。
 国内でも主要なオーケストラに登場。なかでも2014年9月よりミュージック・アドバイザー、2015年9月から常任指揮者を務めた静岡交響楽団では、2018年3月に退任するまで正統的なスタイルとダイナミックな指揮で観客を魅了、「新しい静響」の発展に大きな足跡を残した。
 現在は、日本はもちろん、世界中で活躍している。ジャパン・アーツ所属
オフィシャル・ホームページ http://www.yasuoshinozaki.com/

場当たり休校要請でひとり親や共働き家庭が生活崩壊! それでも安倍首相は休業補償にふれず「有給を」…国民の実情を平気で無視

 大きな混乱を招いている安倍首相による小中高、特別支援学校への一斉臨時休校要請。休校要請しておきながら、保護者への休業補償を打ち出さなかったことや急すぎる要請によって保護者や学校現場からは悲鳴があがっていたが、これに焦ってか、萩生田光一文科相はきょうになってトーンを弱め、「...

テレ朝『24』リメイク版、放送“できない”危機…「開局60周年記念」が深夜枠?

 人気ドラマシリーズ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』『相棒』、バラエティ番組『ポツンと一軒家』など高視聴率番組が多数ひしめくテレビ朝日。そのテレ朝は昨年1月、世界的に大ヒットした米ドラマ『24』の日本版リメイク『24 Japan』を2020年に放送すると発表したが、その後、正式なアナウンスはされていない。

「『24』といえば、米テロ対策機関のジャック・バウアー捜査官が凶悪なテロ組織に一人で立ち向かうという壮大なアクションドラマ。その日本版となる作品は、テロの標的が女性総理大臣候補で、初の女性首相が誕生するまでの24時間を克明に描くというもの。この世界的ドラマがテレ朝の開局60周年記念ドラマとしてリメイクされるとあって、当初は大きな話題を呼びました。しかし、その発表から1年経つにもかかわらず、キャスティングはおろか放送日程もいまだ伝えられていません」(マスコミ関係者)

 確かにテレ朝の公式サイトを見ても、放送時期やキャスティングに関する情報はまったく更新されていない。一部の週刊誌が「主演のジャック役に唐沢寿明、日本初の女性首相役に天海祐希が内定した」と報じているものの、その後、続報めいたものはない。

「通常であれば、このような大きなプロジェクトは各部署の幹部には日程やキャスティングなどの通知があるのですが、『24 Japan』に関してはそれがまったく降りてこないのです」(テレ朝関係者)

となると、本当に放送されるのかが心配されるが、テレ朝に出入りする芸能事務所関係者は言う。

「テレ朝がこれだけ大々的に発表したので、放送されないということはないようですが、要は『24 Japan』の“放送枠がない”みたいなんです。今年は7~8月に東京五輪がある関係で、各局とも春と秋に人気ドラマを持ってきます。テレ朝でいうと4月期に木村拓哉主演の『BG2』が決まっており、10月期には定番の『相棒』が内定。ほかにも連ドラ枠の調整が難航しているそうで、現在『24 Japan』を放送する時間帯として空いているのが深夜枠だけなのだとか。

 しかし、深夜枠では“開局60周年記念ドラマ”というにはあまりにもショボくなってしまう。しかも放送は24話と2クール、半年にわたって引っ張らなくてはならないわけで、とにかく調整が難航しているそうです。今のところは放送に向けてあらゆる可能性を探っているため、発表ができなくなっているそうなんですよ」

 放送までのドラマを『24』風に伝えたほうが、面白い作品が生まれるかもしれない。

(文=編集部)

公立学校休校、文科省も寝耳に水で大混乱…安倍政権、批判漏らす官僚の犯人捜す“恐怖政治“

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、安倍晋三首相が打ち出した「全国すべての小中学校、高校の臨時休校要請」。衝撃の一夜が明けた東京都霞ヶ関の官庁街では、早朝から赤い目をこすりながら登庁してくる文部科学省職員の姿があった。突如として厚生労働省から文部科学省にまで拡大した“コロナ防衛線”の拡大を受けて泊まり込んだ職員も多いという。みな一様に口は重く「想定を超える拡大方針です。とにかく官邸に聞いてください」「何も言えないことになっている」「現段階では何も言えない。どこで何が決まったのかもわからない」と足早に通り過ぎていく。

 岩盤規制撤廃、官僚主導の政治脱却を目指した現政権。「スピード感のある政策実現」「決められる政治」の結末がこれだ。全国の教育現場で混乱が広がるなか、事態を掌握できていなければいけないはずの文科省ですら、この異常な状況に翻弄されている。

結局、責任と判断は自治体に丸投げ

 萩生田光一文科相は28日朝、閣議後の記者会見で次のように語った。

「この状況を乗り越えるため、この1、2週間は極めて重要な時期だと判断した。臨時休業を実施する期間や形態については地域や学校の実情を踏まえて、設置者においてさまざまな工夫があってよいと考えている。行政機関や民間企業には引き続き、休みがとりやすい環境を整えてもらうとともに、保護者への配慮をお願いしたい。こうした措置に伴って生じるさまざまな課題に対しては政府として責任をもって対応していく」

 こうした発言を与党関係者は次のように解説する。

「つまり、首相は強い言葉で要請はしたが、最終的には自治体の責任で判断してほしい。加えて官邸のいつものロジックからすると、政府は責任をもって対応するが、責任を取るとは言っていないということですね。これは、各都道府県知事や自治体首長から批判が殺到するでしょう。しがらみにとらわれた政治決定プロセスでは、迅速な問題対処ができないかもしれません。それでも、混乱を防ぐための最低限の根回しは必要だったのではないでしょうか。公明党はもちろん自民党内ですら、まともなコンセンサスは取られていません」

緊急事態にもかかわらず“反乱分子”探し

 そんな状況下なのにもかかわらず、官僚や現場公務員への統制だけは強まっているようだ。政府関係者は次のように話す。

「クルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』での感染拡大以降、厚労省などの現場職員から『すぐ特定されてしまうので、言えない』とのコメントが増えていると思いませんか?

 マスコミは取材源の秘匿を守るためにそれなりのノウハウを持って取材対象者と接触しているようですが、官邸がやっきになって『S』(スパイ)や『穴』の存在を探っています。機密情報はもちろんのこと、安倍晋三首相や政府対応に批判的な感想や愚痴を漏らすのもアウトです。

 普段でも新聞や雑誌へのリークが確認されるたびに各省内で非公式に情報源探しが行われ、『あいつではないのか』といった噂話が流れますが、現在の状況ははっきりいって異様です。国の一大事ですから関与するのは当たり前なのかもしれませんが、内閣情報調査室が動いているという話もあります。もうコロナに対応する各省の職員は軽々に口を開けません」

 官邸が自己防衛に労力を注ぐ中、感染者が増えている北海道の鈴木直道知事は28日午後5時半、緊急事態宣言を出した。28日から3月19日まで道民に対して不要不急の外出控えるよう呼びかけた。

 日本史上に残る混乱の週末は始まったばかりだ。ゴールはいっこうに見えない。

(文=編集部)