ローソン「お茶づけ海苔味おにぎり」が「美味しい」と密かにブーム

 サラッと食べる“お茶づけ”がまさかの変身? コンビニチェーン「ローソン」に「お茶づけ海苔味おにぎり」(130円)が登場し、ネット上には「商品化を待ってました!」と喜びの声が寄せられています。

 永谷園の「お茶づけ海苔」とローソンがタイアップした同商品は、白だしで炊いたごはんに海苔・あられなど“お茶づけの素”を混ぜ込んでいるのが特徴。本来お茶づけはお湯を加えて堪能するものですが、“お湯いらず”でお茶づけ海苔の味わいを堪能できる1品になりました。

 趣向を凝らしているのは、おにぎり本体だけではありません。「お茶づけ海苔」といえば、歌舞伎の定式幕をイメージしたパッケージデザインが大きな特徴。なんと「お茶づけ海苔味おにぎり」のパッケージにも同様の意匠が施されていて、食べる前からお茶づけ海苔の世界観を楽しめる仕様となっています。

 歌舞伎柄のおにぎり商品に驚く声も多く見られたものの、購入した人からは「お茶づけ海苔の味わいがしっかり染みこんでいて美味しい!」「塩加減が絶妙で、おにぎりとしては申し分ないアイデアですね」「お茶づけの風味だけでなく、あられの食感もイイ!」といった反応が相次いでいました。

お茶づけ海苔を堪能する新たな手段として、同商品をチョイスしてみては?

※商品の価格は記事作成時の実売価格です。

(文=編集部)

 

パチスロ「超爆裂AT」が6号機で復活!?『北斗無双』最新作も導入のサミーへ熱視線!!

 ファン待望の「物語シリーズ」最新作が16日からの週に降臨する。大手サミーの新機種『パチスロ<物語>シリーズセカンドシーズン』への期待は、日に日に高まっている印象だ。

 サミーは同日に、パチンコ業界を代表するヒットシリーズ『北斗無双』最新作も導入予定。新機種『P真・北斗無双 第2章 頂上決戦』は、圧倒的衝撃「突発RUSH」が特徴となっている。

■大当り確率:約1/199.8(約1/35.4)
■賞球数;1&3&5&15
■カウント:7C
■確変割合:50%
■電サポ回転数:30回or100回
■大当り出玉:約525発or約1050発
〇〇〇

 大当り確率約1/199.8のライトミドルで登場。確変割合は50%となっており、大当りと小当りで出玉を獲得する「突発RUSH」突入が出玉のカギを握る。

 小当り確率は約1/1.06と、ほぼ毎回転で小当りの獲得が可能だ。確変大当りが続けば「10ラウンド(約1050発)+小当りRUSH」という強力なループを堪能できる。

 新たな演出も盛り込まれるなど、ファン必見の仕上がりと言えるだろう。2016年からホールの主軸として活躍している「初代」のような成功を収められるかに注目したいが……。

 そんな『P真・北斗無双 第2章 頂上決戦』の登場を上回る“激アツ情報”が浮上。パチスロ界にその名を刻む「レジェンド」の登場を、予想する声が目立つようになってきた。

「サミーさんの大ヒットパチスロ。AT全盛期を獣王と共に支えた『アラジン』ですね。『ゴッド』『サラ金』と並ぶ爆裂ATとして大絶賛された名作です。爆裂性の激しさから強制撤去に追い込まれるなど、色々な意味でインパクトを残しましたよね。

2015年には正統後継機『パチスロアラジンAII』が登場。その際も大きな反響が寄せられましたが……。待望の6号機がスタンバイしていると噂です。『初代を意識した仕上がり!?』『高純増ATの可能性あり』といった情報が浮上し早くも話題ですよ。動向から目が離せません」(パチンコ記者)

 パチンコ・パチスロ両分野で注目を集めるサミー。囁かれている『6号機アラジン』の登場も実現するのだろうか。ヒットメーカーのサプライズに期待だ。

パチスロ「逆境からプレミア役」降臨……大逆転の「爆発」トリガー!!

 大松のパチスロ「ハイエナ」実戦。今回は3月5日の実戦について書いていきたい。

 この日は1日フルで実戦できるので気合いが入っていた。朝は設定狙いからスタートする。そして高設定を掴めればそのまま、ハズしてしまったらハイエナという作戦だ。

 狙い台は5台島の『Re: ゼロから始める異世界生活』、中の3台いずれかだ。このホールはいわゆる「強い日」というものは無いが新装開店から数日間は設定状況が良い。本日もその内の1日だ。

 角はあまり設定が入っておらず、とにかく中が強い傾向にある。データを見ても、ここ何日か中に1台設定6らしき台がある。

 入場は22番、ほとんどの人が『SLOTバジリスク~ 甲賀忍法帖~絆2』の島に向かったお陰で狙い台の1つを確保することができた。あとはちゃんと設定があれば良いのだが…

 それは開始2ゲームのことだった。設定は偶数とのこと。これは期待してしまうではないか。出来れば高目をお願いしたい。

 チャンスゾーン「白鯨攻略戦」に当選したのは242ゲームのことだった。ここでの当選は更に高設定に期待してしまう。しかし撃破率59%であえなく初戦で敗北。

 有利区間ランプを確認すると消灯はしていない。コンビニには行かずに「エミリアの膝枕ステージ」に移行した。この有利区間引き継ぎも期待出来る挙動だ。

 しかし期待感を持って回せたのはここまでであった。

 次の白鯨攻略戦は756ゲーム、完全にモードAの天井、しかも撃破率65%で初戦敗退。設定6でも有り得る展開ではあるものの、移動を決意したのは隣の台の挙動だった。

 この時すでに3回目のATを消化、撃破率などお構いなしに勝ってゆく。恐らく設定6はあっても1台、展開を比べると流石に分が悪い。

 開店1時間半でそこそこのダメージを負ってしまったがコツコツ返していく時間はある。

 宵越しで408ゲームハマりしている『プレミアムビンゴ』を発見、本機の555ゲームはかなり強いゾーンで期待度は約50%だ。そのアツいゾーンをあっさりとスルー。

 次に『パチスロ黄門ちゃまV 女神盛-MEGAMORI-』の411ゲーム、女神箱がMAXまで残り80ポイントという台を見つけた。女神箱が満ちればATとチャンスゾーンの抽選が受けられる。

 555ゲームジャストで引いた弱チェリーから女神箱がMAXになるも普通にハズレ(お銀箱は残り87ポイント)。スルー後にポイントの特化ゾーン「喝ゾーン」に突入する。

 ということは、555ゲームで弱チェリーを引かなければ女神箱・お銀箱の両方がMAXになり抽選も優遇されていたということになる…。

 そして964ゲーム、そろそろ天井かという場面に驚きの演出が現れる。何やら筐体が虹色に光り「7を狙え」とのこと。

 約1/21845のプレミア役ではあるが、何も天井間際に引くことないのに。この役で当選したATはATレベル3、つまり特化ゾーン「家康再臨リターンズ」突入濃厚だ。

 この特化ゾーンは1ゲーム(1秒)が約99%ループで上乗せされる。保証は100ゲームだ。そして獲得したゲーム数は101ゲーム。保証を超えたんだからもう少し頑張って欲しかった…。

 このATでは283枚を獲得して終了。なんとも全てが間の悪い感じがする。

 そんな日は早めに退散するに限る。何を打っても上手くいかない日というのはあるものだ。
(文=大松)

JRA「最後の砦」サリオス皐月賞に暗雲!? 「ハーツクライ当たり年」の勢いに翳り……

 8日の弥生賞ディープインパクト記念(G2)では、ディープインパクト産駒サトノフラッグが圧勝し、新たなクラシック候補に名乗りを上げた。これによりホープフルS(G1)を制し、昨年の最優秀2歳牡馬となったコントレイルと朝日杯FS(G1)を勝ったサリオスと三つ巴の様相を見せ始めた。

 コントレイルとサトノフラッグはいずれもディープインパクト産駒であるが、サリオスはハーツクライ産駒。昨年の2歳重賞4勝はディープインパクトと並ぶ1位タイの好成績で「ハーツクライの当たり年」といわれるほどの大活躍となった。

 ところが、今年に入って2頭の状況は明暗を分けることになる。

 ディープインパクト産駒はサンクテュエールがシンザン記念(G3)、スマイルカナがフェアリーS(G3)、ミヤマザクラがクイーンC(G3)を制し、サトノフラッグが先日のディープインパクト記念を勝利した。

 対するハーツクライ産駒は3戦無敗でクラシック候補の呼び声も高かったマイラプソディが共同通信杯(G3)で見せ場なく4着に敗れ、ホープフルSで2着のワーケアはディープインパクト記念でサトノフラッグに完敗。また、チューリップ賞でも牝馬クラシック戦線で期待の大きかったクラヴァシュドールは3着、ウーマンズハートは6着に敗退している。

 すでに重賞を4勝しているディープインパクト産駒に比べると、いまだ重賞勝ちのないハーツクライ産駒は明らかに劣勢に立たされているといえるだろう。

「昨年の活躍を見ているだけにハーツクライの惨状はさすがに気になります。阪神JFを完敗したクラヴァシュドール、ウーマンズハートはまだしも期待の大きかったマイラプソディの敗戦はかなりの痛手だったでしょうね。

ディープインパクト記念のワーケアにしても完敗ともいえる内容で、武豊騎手はマイラプソディではなく、サトノフラッグに騎乗する可能性もまったくないとは言い切れません。同じハーツクライ産駒として最後の砦となるサリオスの奮起に期待するかありませんね」(競馬記者)

 ハーツクライ産駒の総大将で最後の砦となるのが、「G1馬」サリオス。

 4月19日、皐月賞では父の名誉回復のためにも、悪い流れを断ち切るためにもサリオスには負けられない戦いとなりそうだ。

【フィリーズレビュー(G2)展望】武豊「アルアイン妹」新コンビ結成! 混戦模様の桜花賞トライアルを制するのは

 15日(日)に阪神競馬場にて桜花賞トライアル・フィリーズレビュー(G2)が開催される。

 先週のチューリップ賞(G2)に続く桜花賞トライアルレース。しかし、桜花賞の主役と目されていた阪神JF(G1)の上位馬をはじめ、多くの有力馬がチューリップ賞に回ってしまったため、手薄な印象が否めない。とは言え、桜花賞への切符を勝ち取るべく26頭が特別登録を済ませている。

 まず注目したいのがアヌラーダプラ(牝3、美浦・萩原清厩舎)だ。

 昨年9月の中山でデビュー。1.7倍の圧倒的人気を背負って危なげなく勝ち上がる。続く2歳1勝クラスの条件戦も、後方から上がり33.3秒の脚で指し切り連勝を飾る。3歳初戦はフェアリーS(G3)に出走。終始11~12秒台のラップを刻むハイペースで進み、直線で逃げたスマイルカナを捉えることができず6着に終わる。

 そのスマイルカナは先日のチューリップ賞で敗れているが、控える競馬をしたことが裏目に出た印象だ。その点、ハイペースで逃げて先行勢が総崩れとなった中、逃げ粘ったフェアリーSは強い競馬をしたと言える。そんなレースでの6着なら、多少は目をつぶってしていいだろう。

 キャリア2戦だが、可能性を感じさせる馬としてヒメノカリス(牝3、栗東・池江泰寿厩舎)が挙がる。

 昨年11月の阪神でデビュー。超スローから瞬発力勝負になり、競り負けて3着になる。そして、3歳未勝利戦に回る。初戦に続いて1番人気に推され、澱みのないペースから直線で上がり最速の脚で抜け出し、3馬身半差で完勝した。

 全兄に皐月賞(G1)、大阪杯(G1)を勝ったアルアインがいる良血馬。今回から新コンビを組む武豊騎手が好調なのも頼もしい。抽選待ちになるかもしれないが、まだまだ底が見えず、初重賞となるここで桜花賞への切符を手にする可能性は十分にある。

 キャリア、実績ともに見逃せないのがヤマカツマーメイド(牝3、栗東・池添兼雄厩舎)だ。

 昨年7月の中京でデビュー。ここでは7着と凡走する。札幌へ転戦して未勝利戦に出走。ここも直線粘り切れず2着に借敗。中2週で再び未勝利戦に出走し、ここで勝ち上がる。

 1カ月半ほどの間隔を空けてりんどう賞(1勝クラス)に出走。人気は今ひとつだったが、2勝目を連勝で飾る。その後、ファンタジーS(G3)、阪神JF(G1)と出走するが、レシステンシアの4着、5着と好走までとなった。

 2歳時に6戦を消化しており、実戦経験は豊富。その上、重賞でレシステンシアを相手に掲示板を確保する走りを見せており、相手関係が落ちるここなら重賞制覇で桜花賞へ進んでもおかしくない。

 キャリアの点で言うならケープコッド(牝3、美浦・高柳瑞樹厩舎)もピックアップしたい。

 昨年6月の函館でデビュー。上がり最速の脚を使うも2着止まり。2週間後の未勝利戦に出走して、1.1倍という圧倒的1番人気に応えて5馬身差で圧勝。2ヶ月後の札幌ですずらん賞(OP)に駒を進め、逃げ切りで2勝目をマーク。続いてファンタジーSへ出走するが、6着と凡走。さらにクリスマスローズS(OP)に出走し、3勝目を挙げる。

 キャリア5戦馬は登録馬の中にも何頭かいるが、3勝馬は本馬だけ。重賞の経験がなく、勝ち鞍が1200m戦のみと課題はあるが、逃げも差しもできる自在性と3勝というキャリアは初重賞のここでアドバンテージになるだろう。

 そのほか、フィリーズレビューと同コースで2勝を挙げているカリオストロ(牝3、栗東・加用正厩舎)や大敗しているが、重賞2回出走のキャリアがあるルーチェデラヴィタ(牝3、栗東・西村真幸厩舎)らもチェックしておきたい。

JRA「史上初」ナックビーナス「4年連続2着」の”異業”達成!重賞1勝ながらもG1馬と遜色なし!?

 7日に行われたオーシャンS(G3)はダノンスマッシュが制し、高松宮記念(G1)に向けて弾みをつけた。それと同時に、2着のナックビーナス(牝7歳、美浦・杉浦宏昭厩舎)は「同一重賞4年連続2着」という偉業ならぬ“異業”を成し遂げた。

 レースは逃げるエンゲルヘンにハナを譲り、2番手からの競馬。直線で先頭に立つと抜群の手応えも、あと一歩のところでダノンスマッシュの末脚に屈し2着に敗れた。3着のG1馬タワーオブロンドンに3馬身差をつける快走だけに、悔しい2着だ。

 この敗戦に杉浦調教師は「2番手からよく頑張ってくれた。ただ今回は勝った馬が強かったですね」と勝ち馬には白旗を上げつつ、重賞を惜しくも逃した愛馬の健闘を称えた。

 奇しくも同一重賞4年連続の2着となったが、これはJRA「史上初」の大記録である。

 JRA平地同一重賞の記録は「3連覇」が最高で、これまで6頭が記録している。その中の1頭、中山巧者・マツリダゴッホは2007年~2009年のオールカマー(G2)で達成している。障害ではオジュウチョウサンが中山グランドジャンプ(G1)4連覇という記録を達成しているが、盛衰の激しいスプリント界で4年連続2着の高いパフォーマンスを維持するのも至難の業だ。

 オーシャンSの1着賞金は4100万円、2着賞金は1600万円。4年連続で2着の賞金を獲得しているため、オーシャンSだけで6400万円を獲得。これは同レースの1着賞金以上に相当する。

 また、ナックビーナスがこれまで稼いだ総賞金は3億5000万を超え、重賞1勝ながらもG1馬並みだ。さらに15年の千葉サラブレッド・セールにて2160万円で取引されたことを考えると、かなり優秀な馬主孝行の馬である。

 これまで芝1200m以下の距離では、【6,9,3,7】の成績を収めており、勝率0.240、連対率0.600の名スプリンター。さらに中山競馬場では【4,8,1,1】と抜群の相性を誇っている。

 今年で7歳のナックビーナスだが、オーシャンSの走りを見る限りはまだまだ活躍に期待がかかる。マツリダゴッホが得意の中山競馬場で有馬記念(G1)を制したように、大仕事をするのはまだまだこれからかもしれない。

無印良品、好調でも暗雲垂れ込める…ニトリと全面対決の様相、新型コロナの余波も

無印良品」を展開する良品計画の先行きに暗雲が垂れ込めている。

 新型コロナウイルスによる肺炎の影響で、2月6日までに無印良品の中国内の休業店が約140店まで拡大した。中国内の半数以上が休業に追い込まれたかたちだ。

 中国での無印良品の店舗数は2019年11月末時点で265店と、日本(437店)に次ぐ規模となっている。海外すべての店舗数は524店で、中国だけで半数を占める。中国ではこれまで年30店ほどのペースで新規出店してきた。大型店の出店も強化しており、14年に成都、15年に上海、18年には南京、19年1月に杭州にも出している。

 さらに、中国では店舗改装も積極的に行っている。年に20店舗で行う目標を掲げ、19年2月期は15店舗で実施した。

 現地での商品開発も進めている。中国市場でのニーズに合った商品を展開するため、18年9月に中国で商品開発部を設立。19年3月から現地開発商品の販売を開始した。まずは、マットレスとベッド台、シーツのサイズを世界共通サイズから中国における標準的なサイズへと変更している。

 たとえば、マットレスは全販社共通で幅は100cm、140cm、160cm、180cmだったが、中国における標準的なサイズである120cm、150cm、180cmに変更した。また、丈(長さ)も195cmから200cmに変更している。

 こうした変更により、他社のベッド台やマットレスなどと無印良品の商品とを合わせることができるようになった。

 ほかに、中国の生活様式に合わせて開発したステンレス保温保冷マグや木製フレームソファーなどの新商品を投入し、好評を得ているという。今後は家電や食器なども開発し、売り上げを向上させたい考えだ。

 良品計画はこうした施策で中国市場を開拓し、店舗網を拡大させてきた。だが、新型コロナウイルスによる肺炎の影響で、今後の成長に黄色信号がともっている。今後の動向は予断を許さない。

生活雑貨が伸び悩み

 一方、国内事業はどうか。良品計画の19年3~11月期における国内事業の営業収益は、前年同期比8.8%増の2057億円と大きく伸びた。同期において店舗数が20店増えて478店に拡大したほか、国内無印良品の既存店売上高が前年同期比5.1%増と大きく伸びたことが寄与した。

 このように国内事業が好調だったほか、海外事業が新型コロナウイルスの問題が露見する前で好調だったため、19年3~11月期の良品計画の連結営業収益が前年同期比7.9%増の3282億円と大きく伸びた。

 こうしてみると、中国事業に不安を抱える一方で国内事業は盤石のように思える。だが、良品計画(単体)の商品別売上高をよく見てみると、不安材料が浮かび上がってくる。国内も今後は予断を許さない。

 売上高で4割を占める「衣服・雑貨」の19年3~11月期の売上高は、前年同期比21.3%増の1013億円と大きく伸びた。「食品」も14.9%増の202億円と、規模は小さいものの大きく伸びている。5割を占める「生活雑貨」は2.3%増の1251億円だった。

 いずれも増収なので不安材料はないようにも思える。しかし、生活雑貨の伸び率が鈍化している。これが不安材料といえる。同部門の17年3~11月期の伸び率が10.6%、18年3~11月期が5.2%だったので、19年3~11月期の伸び率(2.3%)は満足できるものではないだろう。また、全体の伸び率(10.5%)と比べて圧倒的に低いので、生活雑貨は伸び悩んだといえる。

 さらに、生活雑貨の内訳の伸び率を見てみると、より具体的な不安材料が浮かび上がってくる。それは「家具」の売上高が落ち込んだことだ。家具は生活雑貨における売上高で26%を占める主力商品だが、19年3~11月期は前年同期比1.7%減とマイナスだったのだ。

ニトリとの競合度合い高まる

 家具の販売ではニトリホールディングス(HD)が展開する家具チェーン「ニトリ」や、雑貨店「デコホーム」との競争が激しくなっている。少し前までニトリは郊外ロードサイドを主戦場としていたため、同立地にあまり店舗がない無印良品との競合度は低かった。しかし、近年はニトリやデコホームが都市部や商業ビルに積極的に出店するようになり、同立地を得意とする無印良品との競合度は高まっていった。これが影響し、無印良品の家具の販売が落ち込んだ面がある。

「ファブリックス」(布製品)もニトリHDの脅威にさらされている。直近本決算の19年2月期のファブリックスの売上高は、前期比1.2%減と落ち込んだ。また、家具は4.7%増だったが、全体が8.9%増と大きく伸びているので、家具は伸び悩んだといえるだろう。家具とファブリックスは18年2月期も伸び悩んでおり、全体が11.2%増だったなか、家具が0.3%増、ファブリックスが7.2%増にとどまっている。17年2月期も同様に伸び悩んだ。

 ニトリHDの攻勢はまだまだ続いているので、当面は無印良品の家具とファブリックスが苦戦を強いられる可能性は低くない。

 現在好調の衣服・雑貨も、中長期的にはニトリHDにやられる可能性がある。無印良品は中価格帯の衣料品を扱うが、最近、ニトリHDが中価格帯の衣料品を扱う店舗を本格展開し始めたためだ。

 ニトリHDは「N+(プラス)」のブランドで女性向けの衣料品の販売を始めた。将来における家具の頭打ちを見越し、新たな収益源として衣料品に目をつけたというわけだ。現在、東京、埼玉、千葉の1都2県に4店舗を展開している。商品のデザインはどれもシンプルで、価格帯は定価で1点2000~5000円程度だ。

 Nプラスと無印良品の衣料品は、デザインがシンプルという点で共通している。ただ、趣はやや異なるので、デザインにおいて真正面からぶつかることはなさそうだ。もっとも、価格が同程度のため、まったく競合しないとはいえないだろう。

 Nプラスは現状わずか4店舗しかなく、無印良品にとって脅威ではない。だが、近い将来に急激に店舗網が拡大する可能性がないわけではない。ニトリHDが規模の大きい衣料品チェーンを買収して傘下に収め、手に入れた店舗をNプラスに転換して一気に店舗数を増やすことも考えられる。そうなれば無印良品にとって大きな脅威となるだろう。

 こうしたことを考えると、良品計画の業績が現在好調でも、安穏とすることはできない。短期的には、新型コロナウイルスの影響で業績が大きく悪化する恐れがある。中長期的にはニトリHDとの競争激化で大きな打撃を被る可能性がある。十分注意する必要があるだろう。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

大学無償化で逆に中退率が急上昇?大学生の学力低下を招く可能性も

 この4月から導入される高等教育機関の無償化の具体的内容は、「授業料や入学金の減免」と、生活費をまかなう「返済不要の給付型奨学金の支給」である。

 その無償化の対象者の世帯年収については、給与所得者のケースで住民税非課税世帯(4人世帯のモデルで年収270万円未満)は授業料減免と給付型奨学金の金額の上限まで利用できる。270万円から300万円未満の世帯の場合は上限の3分の2、300万円から380万円の場合は3分の1となっている。対象は新入生だけでなく、在学生も利用できる。

 2018年の全国民平均世帯年収は441万円。大学受験生の子を持つ世帯に該当すると思われる40代後半の平均年収は502万円、50代前半は527万円となっている。すなわち、50代前後の世帯はもとより、その平均より100万円も年収が低い400万円台の世帯の場合も、無償化支援の対象にならない。

 成績優秀で授業料などの減免措置を受けていた地方の国立大学生で、年収380万円をやや超える程度の平均下位の世帯の学生が対象から外れてしまうことも、十分あり得るのだ。

 17年の熊本大学の例で見ると、4人世帯で給与所得の場合、授業料全額免除の目安は自宅通学418万円、自宅外通学481万円である。それまで授業料全額免除だった年収400万円台世帯の学生が、今回の無償化政策によって、逆に授業料全額免除から除外されてしまうケースが続出する可能性がある。

税制による不公平感はどうするのか

 また、非正規労働者でも給与所得の世帯の場合、収入算定は比較的はっきりしているが、自営業者などでは収入の捕捉が難しいという所得捕捉の問題がある。

 裕福に見える自営業者の世帯の学生が税務申告の関係で無償化の対象になっているのに、夫婦2人の年収の合計がやっと380万円を超える家庭の子どもが無償化の対象外となる。税金だけの問題であれば、まだ他人事で済むが、同じキャンパスで実際に無償化対象の自営業世帯の友人と我が子を比べると、その心理的な不公平感は大きくなるだろう。

 また、住民税非課税世帯などの基準も、未婚でひとり親の家庭では寡婦控除が適用されないため、既婚でひとり親の家庭と比べ、算定の所得に大きな差が生じてしまう。その結果、無償化の算定となる年収額が高くなり、このままでは未婚のシングルマザー世帯の大学生が無償化の年収条件で不利になる。

 基本的に、向学心のある低所得世帯の高校生に進学の道を開くには、小中学校時代に学習環境の大きな差が出る所得格差の是正から着手すべきだろう。高校の授業料の無償化だけでなく、広い視点から長期的に教育格差の是正に取り組むべきであろう。

途中で資格喪失、中退する大学生が増加か

 上の図表には、学生が支援を直ちに打ち切りとされる個人要件が明記されている。退学や停学はともかく、修業年限で卒業できない、あるいは修得単位数が標準の5割以下などの場合も、直ちに支援が打ち切られることになっている。毎年、マスコミ就職希望や国家試験受験のための就活留年組が一定数いる大学もあり、その場合は5年生になると授業料が有償となり、給付型奨学金も打ち切られる。修得単位数が標準の5割以下なら無償化の対象外というのは当然のようであるが、アルバイトに励む苦学生など、個々の事情で取得できないこともあろう。

 まして、警告後に打ち切りとなるケースのGPA(平均成績)等が下位4分の1や出席率8割以下の例は、相当数の学生が該当する可能性がある。学生数の多いマンモス大学では、警告と打ち切りを実行する学校当局と該当学生の交渉次第では、支援を打ち切られた学生の退学が増加し、中退率の急上昇を招きかねない。大学経営にとっても、頭の痛い問題が多くなるだろう。

 逆に、大学が学生とのトラブル発生を恐れて成績管理や出席管理を甘くすれば、長い目で見て大学生の学力低下を招きかねない。

高卒で就職する若者にも支援の手を伸ばすべき

 アメリカ大統領選挙の民主党候補の1人であるバーニー・サンダース氏の「公立大学の授業料無償化」という公約と違い、今回の無償化の本当の狙いがよくわからない。公金なので、いろいろと条件をつけたくなるのだろうが、学生のやる気と向学心を信用して、長い目でサポートすべきだ。

 家計の事情から進学せずに就職する高校生もまだ多いが、最近は地方公務員も大卒対象の採用枠が広がり、金融機関も高卒の採用人数を絞っている地方が多い。大都市や求人が多い地方工業都市を除けば、思い通りの就職口は選びにくい。そのような、高卒で就職する若者にも支援の手を差し伸べるべきだ。

 それには、息の長い産学連携が必要である。たとえば、静岡銀行は27年ぶりに高卒採用を実施する。静岡県内の高校を卒業し、大学の夜間コースまたは通信制大学に進学することが条件だ。在学中の4年間は、昼間は支店などに勤務しながら大学で学ぶ。受験料や学費は同行が全額負担する。このような地方の有力企業の施策を大学側が積極的に活用することで、高等教育の無償化が地方創生に結びつくことになる。

 その点で、最近増加しつつある地方の専門職大学なども、無償化の恩恵を受けて進学した地方の高校生が地元就職をするルートとして注目したい。

(文=木村誠/教育ジャーナリスト)

●木村誠(きむら・まこと)
早稲田大学政経学部新聞学科卒業、学研勤務を経てフリー。近著に『「地方国立大学」の時代–2020年に何が起こるのか』(中公ラクレ)。他に『大学大崩壊』『大学大倒産時代』(ともに朝日新書)など。

敵対的TOB急増、次はあなたの会社かも…身を守るために最低限知っておくべき知識

「gettyimages」より

 最近、日本でも敵対的TOB(株式公開買い付け)に関するニュースをよく目にするようになりました。とくに昨年(2019年)から急激に増加していますが、大手投資銀行ゴールドマン・サックス証券によれば、昨年はTOBが4割以上増加したとのことです。

 最近の事例では、伊藤忠商事によるデサントへの敵対的TOBが成功したのは記憶に新しいでしょう。デサントの取締役会は伊藤忠のTOBに反対しましたが、伊藤忠はTOBでデサント株の4割を取得しました。

 また不動産事業(ビル賃貸事業)・ホテル事業を行っているユニゾホールディングス(以下ユニゾ)をめぐり激しいTOB合戦が繰り広げられています。筆者が興銀マン時代は常和興産という名前の会社でしたが、15年に現在の名称に社名変更しています。その争奪戦は凄まじいものです。

 簡単にまとめると、19年7月に大手旅行会社のエイチ・アイ・エスが1株3100円でTOBする意向を表明しましたが、ユニゾは事業上のシナジー効果が見込めないとして、これに反対しました。このエイチ・アイ・エスによるTOB表明前日のユニゾの株価は1990円でした。その後、ソフトバンクグループの投資ファンドであるフォートレスが「白馬の騎士」として、1株4000円でTOBを実施すると発表。さらに10月には米国大手投資会社ブラックストーンが、1株5000円でユニゾ株をTOBする意向を表明。12月にはユニゾの従業員と米国投資会社ローン・スターとが共同で設立したチトセア投資が1株5100円でTOBを行うと発表。今年2月にはブラックストーンが買収価格を6000円に引き上げると発表といった具合で、この間ユニゾの株価は1990円から6000円と実に3倍弱にまで高騰しています。今後も目が離せない状況にあります。

 このほかにも、今年の1月には旧村上ファンド系の投資会社、シティインデックスイレブンスが東芝機械に対してTOBを実施すると発表しています。

 そもそもTOBとは、「買付け期間・買取り株数・価格」を公告し、特定の株式会社の不特定多数の株主から株式市場外で株式等を買い集めることで、以前は「乗っ取り」などと言われて経営陣にとっては脅威とされていました。

 06年には王子製紙が北越製紙にTOBによる敵対的買収を仕掛けましたが、失敗しました。それ以降、日本では敵対的TOBはほとんど行われていませんでしたが、昨年あたりから急激に増えています。

 筆者は旧日本興業銀行において7年間以上、プロジェクトファイナンスという投資銀行業務に従事していましたが、投資銀行(インベストメントバンク)とは企業の資金調達やM&Aをサポートする金融機関のことで、専業の投資銀行としてはアメリカのモルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスなどが有名です。

 そうした経験からTOBを含むM&Aについて拙著『金融・ファイナンス』(朝日新聞出版)に沿って、わかりやすく説明したいと思います。

M&Aとは?

 M&Aとは「Mergers and Acquisitions」、すなわち「合併と買収」の略語です。具体的には合併、株式交換、株式買収、資産買収、公開買付(TOB)、Leveraged Buy Out(LBO)などの方法があります。

 M&Aは、有能な人材、ブランド、工場、技術、店舗、競合シェアの獲得、他国あるいは他の地域への進出、販路の確保、供給網の確保などを目的として行うもので、「時間を買う戦略」です。企業だけでなく個人でも、インターネット上での企業売買で数億円を稼ぐ人もいます。

 最近では、国内市場が縮小するなかで、グローバル化のために海外企業を買収する大型のM&Aも増加しています。日本国内では創業社長が高齢になり後継者がいないなどの事由によって、企業を売却するいわゆる事業承継に伴うM&Aの事例も増えています。

 しかし、残念なことに多くの事例は失敗に終わっているのも事実です。

 M&Aの失敗の要因にはさまざまなものがありますが、それらの複合的な要因であることが多いと思われます。

1.戦略ビジョンが不明確だった

 全体戦略のなかで検討すべきにもかかわらず、証券会社などからの提案に乗ってしまったような例です。時間的制約が多いので、事前に全体戦略を構築しておくことがとても大切です。

2.高値で買ってしまった

 企業買収の価格は非上場の場合には後述する方式で算定しますが、やはり1との絡みでシナジー効果を出せないと高値で買ってしまったケースも多いと思われます。また、競合との買収合戦によって価格が吊り上げられてしまうこともあります。会計上ののれん償却や回復見込みのない場合には減損処理が必要になることも、事前に十分に検討しておくことが肝要です。今回のユニゾの例でも、買収側は買収額の評価が適切であることを株主に説明できるようにしておく必要があります。

3.ポストマージャーインテグレーション(PMI)の失敗

 シナジー効果、人材交流、企業文化等買収後のいわゆるPMIは予想以上に大変です。企業文化などは10年単位で変革していく必要があるでしょう。

4.人材不足、買収した企業の人材活用ができなかった

 他業種に進出する、あるいは他国へ進出するなどの場合には、実際に経営を行う人材が買収で辞めてしまうこともあるため、買収後の人材を社内あるいは社外から配置することが肝要です。

 上記以外にも多くの理由がありますが、やはり全体戦略のなかでいかにシナジーをあげるのか、という基本をしっかりと把握しておくことが大切です。

M&Aの方法

 M&Aにはさまざまな方法がありますが、代表的な方法をご紹介します。

・株式譲渡

 譲渡する企業が自社の発行済株式を、買収する企業に譲渡することによって、経営権も譲渡する方法。M&Aのなかで最も一般的な方法です。

・事業譲渡

 企業が自社の事業を、買収企業に譲渡する方法です。譲渡する企業の資産が一部の場合は「一部譲渡」と呼び、全部の場合は「全部譲渡」と呼びます。譲渡の対象となる資産には、土地・建物などの有形資産、流動資産、営業権・人材・特許・ノウハウ等の無形資産などがあります。

・合併

 複数の企業をひとつの企業にする方法で、吸収合併と新設合併があります。吸収合併は、A社がB社を吸収しA社を存続会社として、B社は消滅(解散)させる方法です。新設合併は、合併当事者企業がすべて解散すると同時に、受け皿としての新会社を設立し、一切の権利義務を新設会社に承継します。

・LBO

 LBOはLeveraged Buy Out(レバレッジバイアウト)の略です。一定のキャッシュフローを生み出す事業を、外部からの借入金を活用して買収する方法です。借入金をテコとして、買収する企業は投資する資本の金額を抑えることができるため投資収益率の最大化を図ることができます。このためレバレッジという言葉が使われています。事業が安定的なキャッシュフローを生み出すことが要求されます。バイアウト・ファンドといわれるファンドが、LBOによるM&Aの中心的な役割を果たしています。

・MBO

 MBOはマネジメントバイアウトの略で、経営陣が自ら会社の株式などを9割以上買収することです。この場合もLBOの方法をとるケースが多くなります。さらに経営陣が共同投資者(パートナー)としてバイアウトファンドをつくる場合もあります。上場企業の株式の非公開化やオーナー企業の事業承継などに利用されており、近年増加しています。株価に左右されず積極的な経営を行うために、一時的にMBOで非公開にして再度上場する例もあります。MBOの手順としては、まず株式買い取りのための受け皿である新会社を設立します。その新会社が現株主から株式を買い取ります。その後、親会社となった新会社が合併することになります。

 MBOのメリットは、現オーナーが株式売却により創業者利益を得られる一方で、後継者となる経営陣は少ない資金でも株式承継が可能になることです。他の株主にも株式の売却ができます。

・TOB

 前述の通り、事前に期間、株数、価格を公開した上で、市場を通さずに株式を買い取る買収や子会社化の方法です。以下、詳しく説明します。

TOB

 TOBには友好的TOBと今回のような敵対的TOBの2種類があります。

 友好的TOBは買収候補先企業の経営陣の取締役会から同意を得た上で行うものですが、敵対的TOBは同意を得ずに行います。敵対的TOBの場合には買収価格が高くなりやすいといわれています。ユニゾの場合にはすでに約3倍になっていることはすでに述べました。

 TOBは、大量の株式を一度に買い集められ、市場を通さないために一定価額で株式を取得可能です。あらかじめ設定した株式数を買い集めることができなかった場合には、TOBを中止することもできます。市場で株式を取得する方法では株価が上がってしまったり、取得価格が変化してしまうため、TOBには大きなメリットがあります。

 一方で株価が上がるためにコストが発生することや、相手先企業が買収防衛策をとることで失敗するリスクもあります。具体的な買収防衛策としては、以下のようなものがあります。

・ポイズンピル

「ポイズン」とは「毒」という意味ですが、既存の株主にあらかじめ新株予約権を発行しておくことで買収を阻止する方法です。

・ホワイトナイト

「白馬の騎士」の意味で、敵対的買収を仕掛けられた会社を友好的に買収する会社のことです。

・クラウンジュエル

 TOBをされた会社が価値の高い事業や子会社などを売却してしまうことで、株価を下落させてTOBをしようとする会社側の動機をなくしてしまう方法です。

・パックマンディフェンス

 TOBを仕掛けてきた会社を逆に買収してしまう方法です。

 これらのほかにも、90%以上の自社株を買いMBOを行うことで上場を廃止してしまう方法もあります。

 後継者不足から事業承継をめぐる問題が増えています。事業承継とは、会社の経営を後継者に引き継ぐことですが、中小企業にとってオーナー社長の経営力そのものが会社の特徴になっている場合も多く、後継者選びは重要です。

 近年、従業員が経営権を承継するケースやM&Aが急増していますが、有能でワンマンな社長の場合には、一度は他人に経営権を譲っても再び復帰するケースなども多く、後継者選びは難しい課題ともいえます。今後ますます日本の高度成長を担ってきた経営者の高齢化が進み、事業承継の問題が増えるでしょう。

PMI

 M&A後の統合をPMI(Post Merger Integration)と呼びます。大切なことは統合によって効率化を図ることとともに、1+1が2よりも大きくなるようなシナジー効果を生み出せるかどうかですが、統合の過程においてはさまざまな課題が生じます。買収の際には、事前にPMIがどのように可能かをよく検討する必要があります。たとえば大手銀行などの場合には、システム統合に多額の投資が必要になるため重要な要素となっています。統合後も人事系統が別々であったり、たすき掛け人事といわれるような複雑な仕組みが長年続いたりしている例もあります。

 統合の大きな阻害要因となるものとしては、企業文化もあります。人材のタイプや価値観の相違、既得権益への固執、派閥争い、などさまざまです。筆者も銀行、通信会社、ベンチャー、コンサルティング会社など複数の企業で勤務しましたが、驚くほど企業文化は異なることを痛感しました。

 企業はヒトが動かしているものです。企業買収の際には、文化が融合できるかを最優先に考えるべきだといえるほど、重要度が高いです。そして、買収前に企業文化の融合を具体的にどう実施していくのか、その仕組みをつくることも大切です。

敵対的TOB急増の背景

 以上がM&AとTOBについての説明ですが、最後になぜ今、敵対的なTOBが急増しているのかについて、私見を述べたいと思います。

 ひとつには円安の影響もあり、海外投資家から見て日本企業は割り安になっていることがあります。通常、キャッシュリッチでかつ安定的なキャッシュフローを生み出すと予想できる会社はターゲットになりやすいのです。つまり、IT系企業などキャッシュフローが予測しにくい企業よりも伝統的な業種がターゲットになりやすいのです。たとえばホテル業であれば人口減少が続いている日本においては地方ではなく、インバウンドやビジネス客を安定的に見込める都心の一等地を有している企業が狙われやすいのだと思います。

 さらにマクロ的には、日本企業の内部留保(利益剰余金)が増加していることも要因だと考えています。日本企業の内部留保は7年連続で過去最高を更新しており、18年には460兆円を超えています。内部留保が急増している理由としては、正規雇用の削減と非正規雇用、いわゆる派遣社員の増大による人件費の削減が進んでいることと、政府による法人税の減税が主要因でしょう。一方で、本来は内部留保は企業が設備投資を行って拡大再生産をするために使われるべきですが、実際には設備投資は減少しています。

 つまり企業にはお金が余っているのに、国民の実質所得は減少しており、消費税の引き上げなどによって国内需要が伸びないために設備投資に回さないのです。企業としては当然の経営判断だといえるでしょう。

 そしてそれらの資金は、金融投資や自社株購入、子会社投資、そしてTOBを含むM&Aなどに回っているのです。株主からは「無駄に内部留保をためずに投資を行って収益をあげることで株価を上げろ」という声があがるため、優良な案件に一斉に群がらざるを得ない状況になっていると考えられます。

 以上のような理由から、日本でも敵対的なTOBは今後も増えていくのではないかと思います。

 もっとも、M&Aによって人材や資本などの経営資源を効率よく再配分することは、好ましいとも考えられます。今後、内部留保が多くたまっている企業はモノを言う投資家たちのターゲットになる可能性が高くなると予想されます。次はあなたの会社かもしれません。

(文=平野敦士カール/株式会社ネットストラテジー代表取締役社長)

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●平野敦士カール:経営コンサルタント

米国イリノイ州生まれ。麻布中学・高校卒業、東京大学経済学部卒業。

株式会社ネットストラテジー代表取締役社長、社団法人プラットフォーム戦略協会代表理事。日本興業銀行、NTTドコモを経て、2007年にハーバードビジネススクール准教授とコンサルティング&研修会社の株式会社ネットストラテジーを創業し社長に就任。ハーバードビジネススクール招待講師、早稲田MBA非常勤講師、BBT大学教授、楽天オークション取締役、タワーレコード取締役、ドコモ・ドットコム取締役を歴任。米国・フランス・中国・韓国・シンガポールほか海外での講演多数。

著書に『プラットフォーム戦略』(東洋経済新報社)、『図解 カール教授と学ぶ成功企業31社のビジネスモデル超入門!』(ディスカヴァー21)、『新・プラットフォーム思考』『シリーズ 経営戦略・ビジネスモデル・マーケティング・金融・ファイナンス』(共に朝日新聞出版)。監修に『大学4年間の経営学見るだけノート』『大学4年間のマーケティング見るだけノート』(共に宝島社)など多数。海外でも翻訳出版されている。

O.マーフィー騎手「あの不利がなければ……」金鯱賞(G2)復調したラストドラフトが「逆襲」へ虎視眈々

 15日(日)、中京競馬場では金鯱賞(G2)が行われる。大阪杯(G1)の優先出走権が付与されることもあり、今年も中長距離G1を見据える実力馬が集結した。

この1戦で勝利を狙うのが、ラストドラフト(牡4歳、美浦・戸田博文厩舎)だ。

 ラストドラフトは、キャリア2戦目となる京成杯(G3)で重賞初制覇達成。だがその後が続かず、クラシックでは結果を残せなかった。

 休養を挟み、秋初戦となったオクトーバーS(L)では1番人気を裏切って8着と惨敗。だが中日新聞杯(G3)では、最後の直線で勝ち馬サトノガーネットの鬼脚に交わされたものの、2着と好走。さらに今年の初戦となったアメリカジョッキーCC(G2)でも3着と、馬券圏内に入り復調気配を見せている。

「AJCCでは中団後方につけて内を追走していました。勝負どころで上がって行こうとした矢先に、前に出ていたマイネルフロストが故障。下がってきた同馬を交わすため、想定していたよりも外に出されることになり、そこから懸命に脚を伸ばしたのですが、届かずに3着。

 騎乗していたO.マーフィー騎手も『あの不利がなければ、もっと前の馬に迫れたと思います』と語っていたように、前走が実力のすべてではないはず。ここはやってくれるでしょう」(競馬誌ライター)

 美浦Wで行われた1週前追い切りでは、僚馬ダイシンインディーを追走し、1馬身先着。時計は5F64秒9、ラスト12秒9を記録。斎藤助手は『デイリースポーツ』の取材に応じ、「時計も十分だし、動きも良かった」と期待を込めている。

「今回の中京競馬場の芝2000mは、2着に入った中日新聞杯と同条件。またラストドラフトはキャリア7戦中5戦で芝2000mを経験するなど、この距離を主戦場にしています。さらに上を目指すためにも、ここで不甲斐ない走りを見せるわけにはいかないのは当然です。陣営としても、ステップレースを勝って、大一番に備えたいところでしょう」(競馬記者)

 金鯱賞には昨年の最優秀3歳牡馬に輝いたサートゥルナーリア、チャレンジC(G3)を勝ったロードマイウェイ、NHKマイルC(G1)で2着に入ったケイデンスコールなど、同世代のライバルたちがずらりと顔を揃える。

 今回から新たに吉田隼人騎手とコンビを組むことになったラストドラフトは、ここで結果を残し、存在感を示すことができるだろうか?