JALとANA、燻る経営統合案…ANA、経営危機の足音、政府保証付き融資は実現せず

 業界首位のANAホールディングス(HD、片野坂真哉社長)の20年1~3月期連結最終損益が587億円の赤字になった。前年同期は39億円の黒字である。四半期としての赤字額は開示を始めた03年度以降で最大となった。ライバルの日本航空(JAL、赤坂祐二社長)は229億円の最終赤字。ANAHDの赤字はJALの2.56倍だ。

 航空業界は2月後半から世界各国が入国制限をし、全日本空輸(ANA、平子裕志社長)の国際線は9割超の減便。国内線も4月は5割の減便で、5月以降の減便はさらに広がり、収入は激減した。

 東京五輪やその後の訪日客増などを見込んでパイロットなどの採用や新機材の導入を増やしてきたため、人件費や航空機のリース代など毎月1000億円の固定費がかかる。今春の羽田空港の発着枠拡大を契機に新路線の開設を計画していた。夏のダイヤから中国・深圳、トルコ・イスタンブール、スウェーデンのストックホルムの3都市に乗り入れる予定だった。日本のエアラインとして初めての定期路線である。加えてANAとして初のイタリア・ミラノ、ロシア・モスクワに就航させるなど、一挙に14路線の新規開設・増便計画を進めていたが、コロナ禍ですべて暗転した。

 手元資金は3000億円近くあるが、このまま収入減と固定費負担増が続けば、数カ月で手元資金が枯渇し、資金繰りが破綻しかねない危機に直面している。ANAHDはメガバンクなど民間金融機関7行の協調融資で1000億円を調達。日本政策投資銀行(DBJ)の制度も利用し3000億円を借り受け、手元資金の確保を目指した。

 さらにANAHDが水面下で要請したのが、政府の保証付きの融資枠(コミットメントライン)の確保だ。DBJに1兆円、民間銀行に3000億円の融資枠を求める。

 政府との交渉窓口となる定期航空協会(平子裕志会長=ANA社長)は主力メンバーのANAHDとJALと協議し、政府保証での無担保融資の要請を決めた。同協会は減便が1年程度にわたれば業界の減収幅が2兆円規模になると試算している。ANAの減収は、その半分の1兆円にのぼる。

JAL破綻で利益を享受したANA

 19年3月期のANAHDの固定費は8807億円。JALは4872億円だから、およそ2倍だった。19年12月末の有利子負債残高はJALの1562億円に対してANAは8481億円。JALの実に5.4倍である。

 JALは2010年の経営破綻時に5000億円規模の借金を棒引きしてもらった。ANAのトップは5000億円棒引きの話を今でも持ち出すが、いまさらこれを持ち出しても、ANAの借金膨張の言い訳にはならない。「JALの経営破綻で、最も利益を享受したのはANAだった。JALをしり目に国際線の拡大に邁進した」(航空業界の長老)との歴史的事実があるからだ。

 法的整理されたJALを尻目にANAは国際線を次々と開設、パイロットや客室乗務員ら人材を大量採用し、固定費が膨らんでいった。この強気の拡大路線が、コロナ・ショックで強烈な逆回転をしているのである。

 ANAは安倍晋三政権下で事業を拡大してきた。政府の人事案件であるNHK経営委員会の経営委員長に浜田健一郎・ANA総合研究所会長が就いたのは象徴的な出来事だった。19年4月から、政府専用機の整備などを担当する航空会社はJALからANAに変わった。安倍政権と密接な関係にあるANAは完璧な「安倍銘柄」である。

 その人脈を頼りに、政府保証付き融資に動いた。民間企業の借金に政府保証をつけることは禁じ手、ルール違反である。「信用不安にならないためにも政府保証は大事」とANAHD幹部は言うが、政府保証は「民間企業が民間金融機関から資金を借り入れるための仕組みではない」(財務省幹部)。

 安倍首相は4月16日、ANAHDの片野坂社長ら経営者とテレビ会議で懇談し、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、各地で不足している医療機材の生産拡大に向け協力を要請した。片野坂社長は「地上職員や乗務員に余力がある」と述べ、「医療用ガウンの縫製作業の協力の準備に入った」と説明した。

 ガウン製作に協力するのは一時帰休するスタッフで、1日あたり最大30人を想定。医療用ガウンを生産している縫製会社のヴァレイ(奈良県北葛城郡、谷英希代表社員)が指導し、羽田空港近隣にあるANAグループの総合訓練施設で作業をする。ANAでは客室乗務員(CA)の8割に当たる約6400人の一時帰休が始まった。現在では間接部門やグループ会社の地上係員にも対象が広がり、約2万人が一時帰休の対象となっている。

「CAを人身御供にして融資の政府保証を取り付けようと必死だ」(別の航空業界の首脳)と揶揄された。だが、政府が4月7日にまとめた緊急経済対策では、政府保証は見送られた。減免・免除措置を要請していた着陸料や保留料などの空港使用料に関しても、盛り込まれたのは支払い猶予だけ。それも猶予期間は最大半年程度。「ゼロ回答」に近いものだった。結局、DBJによる融資上限なしの「危機対応融資」を活用して、ANAの資金繰りを支援することになった。

ANAとJAL、経営統合はあるのか

 だが、コロナ禍が長期化すると、ANAもJALもともに立ち行かない状況になる。否応なしにANAとJALの統合の可能性が出てくる。「週刊現代」(講談社/2009年2月7日号)の巻頭に有森隆の署名入りで『「JAL・ANA」大統合で日本の空が変わる!』を書いた。

 2010年1月19日、JALは東京地裁に会社更生法を申請した。負債総額は2兆3221億円、事業会社として戦後最大の倒産となった。JALが経営破綻することを見据えたかたちの記事だ。

<再編のシナリオはいくつかある。最初のシナリオは(JALの行き詰まりを前提に)ANAがJALを救済するというかたちになる。JALは分割され、国際線はANAと統合。新会社の名前は「JANA」。貨物(JALカーゴサービス)は総合商社などへ売却。JALは国内線だけになる>

<別のシナリオはJAL、ANA共に赤字転落した場合の国際線の統合だ。双方痛み分けとなり、形式上は“対等統合”になるので、国際線の新会社の名前は、やはり「JANA」だろう。大不況の中から新時代を切り開く翼が生まれるのかもしれない>(一部、掲載時と表現変更)

 発刊当時は「大ボラ、ガセネタ」という声があった。現在、この「週刊現代」の11年前の記事が、一部クロウト筋の間で注目されているのだ。ANAHDの片野坂社長は「日経ビジネス」(日経BP/4月13日号)のインタビューで、「仮にそうなっても救済される立場ではなく、残る会社でないといけない」と語る。ナショナル・フラッグ・キャリアはANAであって、JALを飲み込むことになると宣言したのと同じだ。

 現時点での統合の見通しはこうだ。統合する場合、国内線をどうするかだ。国内線まで統合すると、事実上、国内の大手航空会社は1社だけになってしまう。国際線のみ統合して「JANA」、あるいは「新ANA」とし、国際、ANA国内、JAL国内の3社にする案が水面下で進行している、との情報もある。

「ANAはJJ統合(JALとJAS)の時に、会社が潰れる可能性も想定したほどの危機感を持った。だから、JALが破綻後、必然的に規模を縮小し、ANAが規模でJALを上回った時の社内の高揚ぶりはすごかった。その経緯から考えても、JALとの対等合併は絶対にNOのはずだ」(航空業界担当のアナリスト)

 ANA首脳と安倍官邸は「ANAがナショナル・フラッグ・キャリア」で押し通そうとするだろうが、ことはそう簡単ではない。「(今でも)日本のナショナル・フラッグ・キャリアはJAL」と考える世界のエアラインが少なくないからだ。

 折しも、豪航空2位のヴァージン・オーストラリア・ホールディグスが4月21日、日本の民事再生法に相当する任意管理手続きに入ったと発表。事実上、経営破綻した。負債は約50億豪ドル(約3400億円)。2019年の豪国内線のシェアはカンタス航空(60%)に次ぎ2位(30%)。運航は継続する。ヴァージンはANAと提携して日本路線に参入する計画だったが、新型コロナの直撃で墜落した。豪の現地紙は「ヴァージン・オーストラリアに対し、中国東方航空と中国南方航空、中国国際航空の大手3社が買収を検討している。検討は初期の段階で、正式な交渉には至っていない」と報じた。

 世界の航空業界に経営破綻に直結するような暴風雨が吹き荒れ始めた。ポスト・コロナの世界で生き残る日本の翼はどっちだ。

(文=有森隆/ジャーナリスト)

日産、再び経営危機か…大幅赤字転落の懸念浮上、日産・ルノー連合が空中分解寸前

 日産自動車が再び経営危機の瀬戸際に立たされている。業績不振に陥っているところに新型コロナウイルス感染拡大の影響が直撃、大規模リストラが避けられない。5月28日にアライアンスを組むルノー、三菱自動車と連携して経営を再建する中期経営計画の見直しを発表する予定だが、両社ともに経営が悪化しており、利害も対立する。カルロス・ゴーン元会長を追放し経営体制を刷新した日産、そして3社アライアンスは早くも試練を迎える。

 日産は4月28日、2020年3月期の連結業績の下方修正を発表した。今年2月に公表した業績見通しでは、最終利益が650億円の黒字になると予想していたが、予想から1500億~1600億円悪化する可能性があるとしており、通期業績がリーマンショック以来、11期ぶりに最終赤字になる見通しだ。新型コロナウイルス感染拡大で、新車販売台数が大幅に落ち込み、サプライチェーン(部品供給網)の問題や生産調整のため、国内外で工場の稼働を停止したためだ。

 ただ、日産は新型コロナウイルス感染拡大の前から業績は悪化していた。ゴーン元会長時代に無理な拡大戦略を推進して新興国を中心に生産拠点を拡張してきた。一方で、新型車開発にまで投資が回らず、日米欧の各市場で販売しているモデルが高齢化して販売が低迷。主力市場である米国では、販売不振を補うため、多額の販売奨励金(インセンティブ)を投入したことで収益力が低下した。そのせいでブランド力が低下してさらに販売が落ち込み、インセンティブを増やすという悪循環に陥っていた。

 日産は前任社長の西川廣人氏が2019年7月、2023年までにグローバルで稼働率の低いラインの閉鎖などを進め、生産能力を年間720万台から660万台にまで削減、人員も全体の約1割にあたる1万2500人を削減するなどの中期経営計画をまとめた。これによって全世界の工場の稼働率を69%から86%に引き上げ、売上高営業利益率6%台を達成する計画だった。

 その後、日産の業績は想定以上に悪化する。米国事業を立て直すため、インセンティブと在庫の削減に着手したものの、販売は低迷。19年10-12月期(第3四半期)は赤字に転落している。

 昨年12月に社長に就任した内田誠氏は着任早々、抜本的な経営改革に向けて中期経営計画の見直しに着手した。このカギとなるのが今年1月に合意したルノー、三菱自との新たな枠組みだ。地域や技術など、分野ごとにリーダーとなる1社が残りの2社を支援するというもの。これによって例えば稼働率の低い工場を閉鎖して、生産モデルを同じ市場にあるリーダーの工場に委託するなど、アライアンスで生産効率化を図るというものだ。

 日産の現行計画では生産能力を削減しても660万台。これに対して19年度の世界販売台数は493万台で、70万台近いギャップがある。このため、中期経営計画の見直しでは、ルノー、三菱自と協力しながら日産がどこまで踏み込んだ成長戦略を示すことができるかが焦点になる。

3社アライアンス、対立する各社の利害

 ところが3社アライアンスによる生産効率化は人員削減などの痛みを伴うだけに、各社の利害も対立するケースが多く、簡単ではない。

 日産はインドネシアで「ダットサン」ブランド車の販売から撤退した。日産のインドネシア工場はダットサンしか生産していないため、撤退で閉鎖するしかない。しかも、インドネシア市場では三菱自が強く、日産が現地に生産拠点が必要なら三菱自のインドネシア工場を活用すればいいはずだ。しかし、日産はインドネシア工場を存続するため、三菱自向けにエンジンの製造を検討している。しかし、三菱自としてはエンジンを自社生産したほうが経営上のメリットは大きく、日産の要望に簡単にはのれない。

 実際、ルノー、三菱自はもともと日産ほどではないものの、業績が低迷していたところに新型コロナウイルス問題で経営が急激に悪化している。三菱自は販売不振によって20年3月期に最終赤字に転落する見通し。ルノーも上級モデルの販売低迷と日産の業績不振の影響から、19年12月期業績は最終損益が09年以来、10期ぶりに赤字となり、20年1-3月期も売上高が前年同期比19%の減収となっている。先行き不透明な中で、両社ともに日産の支援どころではないのが本音だ。

 日産は業績見通しの下方修正について中期計画の見直しに伴う影響を含んでいないため、追加的な引当金を計上する可能性があるとしており、大幅赤字となる可能性が高い。アライアンスのバックアップも受けられず、日産の経営が危機的な状況になる可能性も否定できない。

 ゴーン元会長の側近だった日産の西川氏、ルノーのティエリー・ボロレ氏という2人のCEOが退任するなど、旧経営体制を刷新した3社アライアンスは、現在の資本関係を維持したまま連携を強化して再び世界トップの自動車メーカーグループを目指していた。しかし、想定以上の業績悪化でリストラをめぐるせめぎ合いが本格化しており、早くもその目論見はほころびつつある。5月28日に発表される中期経営計画の見直しによっては、3社アライアンスが空中分解することになりかねない情勢だ。

(文=河村靖史/ジャーナリスト)

キャデラックの「ナイトビジョン」が驚愕の高性能!米軍の軍事技術を転用、暗闇でも鮮明な画像

 キャデラック「CT6」に採用されている「ナイトビジョン」が秀逸である。深夜の暗闇でも、建物や停車中のクルマなど市街地の形状を認知する。人の姿もはっきりと浮かび上がる。この暗視装置が、クルマの安全性を飛躍的に高めているのだ。

 すべての物質からは赤外線が放出されている。キャデラックは、その赤外線をフロントグリルに埋め込まれたカメラで感知、画像処理したのちにバーチャルイメージとしてメーター内に映し出すのだ。これにより、へッドライトが障害物を照射する前に、ドライバーは対象物の存在を知ることができる。事前に身構え、余裕を持った回避行動が可能だ。

 映像はモノクロに近く、色彩的な識別は曖昧だ。だが、形状は驚くほど鮮明に浮かび上がる。およその形も理解できる。歩道に立つ人と、人型の看板の違いも認知可能だ。大人と子供の区別すら識別できるという精度である。もっと鮮明で、女性か男性かの性別も判断できるし、手にしたバッグの形状すらも認識できる。

 感知した対象物は、画面上に黄色い枠で表示される。モニターを凝視しなくとも認識できるのもメリットだ。

 ロービームでは認知できない暗がりの人までも素早く見つけてしまう。ハイビームよりも認知が早い。というよりも、ライトが照らさない暗がりの黒い衣服の人すらも発見してしまうのだ。仮にモニターだけでの夜間走行が許されるとしたら、それも可能のような気がした。高精度のバーチャルゲームの世界なのである。

 どこかで見たことがあると思い記憶を辿ってみたら、湾岸戦争で米兵が深夜の戦闘で使用していたナイトスコープの映像と酷似していることに気がついた。イラク戦争の夜襲で米軍は圧倒的な支配力で敵を制した。その際の最大の武器になったのがナイトスコープであると、かつて報道されていた。相手が見えている兵士と、見えていないゲリラ側の優劣は火を見るより明らか。キャデラックのそれは、米軍の軍事技術の応用なのである。

 キャデラックが採用するのは、アメリカのレイセオン・システムズ社の赤外線技術。物体が放出する遠赤外線を画像処理する技術であり、ゼネラルモーターズ(GM)と共同で開発を進めていた軍事技術の転用だ。

 実際にナイトビジョンが世界で初めて採用されたのは2000年。キャデラックCT6の前身であるキャデラック「ドヴィル」に採用されたものの、軍事技術の流失を心配するアメリカと、流入を不安に感じた日本側で混乱があった。日本での認可を得るまでに時間を要した。それほど重要な機密なのである。

 あまりの高性能ゆえに、停車中のライトオフ時にはモニターがシャットダウンし、ドライバー以外の横からの目線では認識できないように、盗撮や覗きなどの悪用防止措置が施されている。つまり、それほど鮮明だともいえなくもない。

 昨今、ヘッドライトの性能は飛躍的に高くなった。ハイビームでの走行も推奨されている。アダプティブハイビームは、対向車の幻惑を避けるために、そこだけを切り取るように遮光して暗闇に光を当てる。それによって視認性は高まった。

 だが、それらはあくまで、光を当てることで対象物を認識する技術である。キャデラック「CT6」のナイトビジョンは、光の届かないところすら対象物を浮き立たせてしまうのだ。軍事技術は一方で殺戮の技術であるが、平和への転用ならば歓迎したい。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

JRAヴィクトリアマイル(G1)“今”の東京コースは「庭」同然!? コントラチェックがアーモンドアイを出し抜くための条件とは

 17日、東京競馬場でヴィクトリアマイル(G1)が開催される。ドバイ中止の影響で、予定外の始動戦となったアーモンドアイが注目の的だろう。そんな牝馬のマイル王決定戦は、前走の大敗で人気を落とすことが予想されるコントラチェック(牝4歳、美浦・藤沢和雄厩舎)に注目したい。

 前走の中山牝馬S(G3)は3月の中山で、季節外れの雪が降りしきる中で行われた。これまで逃げのレーススタイルだったコントラチェックは、キャリア初の4番手を追走する展開となる。直線に向いて追い出しを図るも、手応えなく他馬にどんどん追い抜かれ最下位の16着に沈んでしまった。

 2番人気に支持されながらも、まさかの惨敗にC.ルメール騎手は「この馬場は全然ダメでした。直線はやめてしまいました」と当日の馬場状態が「不良」だったことを敗因に挙げた。

 これまで中山コースで重賞2勝を挙げているコントラチェックだが、どちらも良馬場での開催。同じく中山で行われたサフラン賞(1勝クラス)で2着に敗れたときも稍重だったことを考えれば、良馬場が一番向いていることは間違いないようだ。そうなるとヴィクトリアマイル当日の馬場状態には注意が必要だろう。

 また中山巧者のイメージが強いコントラチェックだが、東京コースの適性は未知数だ。唯一東京で出走したオークス(G1)は9着に敗れているが、距離が守備範囲外のため度外視していいだろう。実際に半兄のムーンクエイクは京王杯スプリングC(G2)を勝利しており、血統的にも東京が苦手ということはなさそうだ。

 そして最もコントラチェックの後押しとなるのは、先日行われたNHKマイルC(G1)のレース結果だ。

「現在の東京競馬場の芝コースは、かなりの高速馬場になっています。NHKマイルCの結果も、逃げた馬と2番手につけた馬の2頭によるワンツーでした。マイル適性というよりも、スピードのある馬に有利な状況であることは違いないでしょう。

 NHKマイルCではラウダシオンがレシステンシアにハナを譲ったことで、見事勝利を収めました。もし競り合っていたら、違う結果になっていたでしょう。ヴィクトリアマイルでハナを主張するのは、コントラチェックとトロワゼトワルの2頭が予想されます。今回もこの2頭が鍵を握るのではないでしょうか」(競馬記者)

 ターコイズS(G3)を前半3ハロン33秒9のハイペースで逃げ切り勝ちを収めているコントラチェック。前に行った馬の好走が目立つ現在の東京コースはこれ以上ない条件といえるだろう。

 昨年の安田記念(G1)は懸命に追い込むも、スタートの不利が響いて3着に敗れたアーモンドアイ。ヴィクトリアマイルがもし、先週のNHKマイルCのような前残りの展開となった場合、昨年敗れた安田記念のように前の馬を捉え切れないことがあってもおかしくないはずだ。

 あくまでも先週と同条件という点では「良馬場」は必須条件といえるだろう。コントラチェックのジャイアントキリング達成は、お天道様の協力次第となりそうだ。

【コロナ】安倍首相会見、手話通訳者は“命がけの仕事”だった…超高度なスキルが必要

 今般、首相会見や知事会見といった官公庁で実施される記者会見には、必ずといっていいほど手話通訳者が同席している。これは、政府をはじめとする行政が発信・提供する情報が公的であり、広く伝えられなければならないと認識されているからだ。

 官公庁の記者会見で手話通訳がつくようになった出発点は、2011年の東日本大震災まで遡る。当時、被災状況や原発関連の情報は刻一刻と変わり、政府は断水・給水、計画停電、避難指示といった生活全般にかかわる情報を発信しなければならなかった。未曾有の危機を迎え、国民の多くは不安に苛まれていた。

 枝野幸男官房長官(当時)は1日に2回の定例会見を実施し、情報発信・提供に努めた。1日2回の会見と聞くと、枝野長官が情報発信・情報公開に熱心だったような印象を受けるかもしれないが、歴代の官房長官は平日の午前と午後の2回、定例会見を実施することが慣習化している。つまり枝野長官の会見も、そうした慣習に則って実施されていたにすぎない。官房長官は政府のスポークスマンであり、政府の意向を伝える代弁者でもある。

 東日本大震災の際、非常時のため枝野長官は定例会見のほか、臨時に記者会見を開くことはあった。会見は長時間にわたることもあり、その獅子奮迅ぶりからSNS上で「エダノ ネロ」がホットワードになる現象も起きた。

 しかし、枝野長官から発せられる情報が届かない人たちもいた。それが聴覚障害者の人たちだ。視覚障害者は音声によって情報を得ることができるが、聴覚障害者は字幕で情報を得るしかない。当時の技術では、生中継される官房長官の言葉を即座に字幕化できなかったため、聴覚障害者は情報面で大きなハンディキャップを負っていた。そうした聴覚障害者の声が枝野長官に届き、会見で手話通訳者がつくようになる。この決まりは、その後の首相会見でも踏襲され、今に至っている。

「枝野さんは障害者支援に力を入れていたわけではないのですが、困った人の声に対して真摯に耳を傾けたということでしょう。手話通訳をつけるというスタイルは、枝野さんが代表を務める立憲民主党にも受け継がれています。立憲が実施する大きな街頭演説では手話通訳者を同行させています。手配の関係などもあって、すべての街頭演説ではないのでしょうが、こうした動きが政党に関係なく広まり、最近ではさまざまな党の党大会や街頭演説といった集まりで手話通訳を見るようになっています」(全国紙記者)

 こうした流れを受けて、地方自治体も手話通訳の導入を積極的に進めている。先鞭をつけたのは鳥取県だ。鳥取県は13年に地方自治体として全国初の手話条例を制定。同条例が制定されたことによって、これまでは聴覚障害者や介助者、福祉関係者の一部の人たちだけで使用されてきた手話が正式に言語として認められた。鳥取県が手話条例を制定すると、ほかの自治体も追随するように手話条例を制定。都道府県のみならず、基礎自治体の市区町村でも手話条例の制定が相次いだ。

フェイスシールドの導入

 今般、新型コロナウイルス禍という国難を迎えている。緊急事態宣言が発出され、繁華街から人が消え、経済活動も停止している。そして、これまでは政治に関心が薄かった人々も、コロナ禍を機に政治に対しての関心を高め、テレビやインターネットで生中継される首相や知事の会見を視聴する人も増えている。

 会見をする首相や知事のかたわらに立つ手話通訳者たちを見て、当初は違和感を抱いた視聴者もいるだろう。首相や知事が感染防止の観点からマスクを着用しているのに対して、手話通訳者はマスクを着用していなかったからだ。

 実は手話は手の動きだけではなく、口の動きも重要な要素になっている。口の動きで表す言葉が変わるので、正確に情報を伝えるために口元を隠すマスクを着用できない。ウイルスに感染するという危険に身を晒しながら、手話通訳者たちは国民に情報を届けるという大任にあたっていたのだ。

 しかし緊急事態宣言の期限を延長すると表明した5月4日の安倍晋三首相会見では、ようやく手話通訳者にフェイスシールドが導入されたのだ。透明な板で顔を覆うフェイスシールドは、装着しても口元が隠れない。これなら、手話を正確に伝えることができ、同時に手話通訳者を飛沫感染のリスクからも守れるのだ。

「手話通訳は、政治家の言葉を瞬時に伝える仕事です。手話ができるだけでは務まりません。素早く発言内容を理解し、それを淀みなく伝える能力が求められるのです。いわばプロ中のプロ。仮に手話通訳者が新型コロナウイルスに感染してしまったら、替わりを見つけることは難しく、『そんな危険な仕事はできない』と拒否が相次ぐかもしれない。フェイスシールドで手話通訳者を守ることは、政府の義務でもありますし、情報のバリアフリーという観点からも非常に重要な取り組みです」(福祉業界関係者)

 政府や地方自治体が発信する公的な情報は、全国民の知る権利に応えるものであり、それを保障するための取り組みは与野党関係なく一丸で取り組まなければならない。また、国政のみならず地方でも導入を加速しなければならない

 今般、情報過多ともいわれる社会情勢だが、情報のバリアフリー化はまだ緒に就いたばかり。これから整備されていく必要がある。

(文=小川裕夫/フリーランスライター)

“情報防災壕” 一人一人が大切なデータを守る暮らし

国連によれば、自然災害による経済的損失が2017年には約3000億ドルを超えたとみられ(出典:国際連合広報センター)、2030年には、4310億ドルに達すると予測しています(出典:国連開発計画UNDP「災害リスクの削減は開発を持続可能にする」)。

日本での自然災害発生の割合は「台風」が6割弱と最大で、1時間当たりの降水量50ミリを上回る「大雨」の発生件数が、この30年で1.4倍に増加しています(出典:中小企業庁「2019年中小企業白書」)。また南海トラフ、首都直下地震は、30年の間に発生する確率は70%程度といわれています(出典:内閣府「日本の災害対策」)。

高度にデジタル化が進んだ社会では、電力喪失によって全てのデータが瞬時に失われる危険があります。人類は有史以来、災害のリスクに備えてきましたが、暮らしのDX(デジタルトランスフォーメーション)に対応した新しい災害対策が求められます。

未来社会において、自分の大切な情報を守るために家庭には“情報防災壕”が備えられるかもしれません。防空壕は空襲から家族の命を守るシェルターですが、“情報防災壕”は、家庭の大切なデータを災害から守るシェルターです。

独立した電源を持つ一種の金庫のようなもので、写真や動画など家族の思い出の記録、音楽や映画のコレクション、親族の住所連絡先、資産や保険の情報などを、内部のストレージに保存することができます。例え水に浸かっても、火事で焼かれようとも電力が続く限り情報を保存します。

また、アナログ情報の保存にも有効です。デジタル情報は容易にバックアップが取れる半面、保存メディアによって堅牢性や寿命が左右されてしまいます。CDやDVDは長期保存可能といわれていますが、保存状況や品質によって左右され、永遠の存在ではありません。大切な写真は紙に焼き、映像はフィルムに戻すなど、あえてアナログ化しておいた方が、電気がなく機器が使えない状態での情報の復旧はより容易になるでしょう。

未来を予測するキーワードイラスト 情報防災壕

災害時の社会システムの維持は、国や企業の責務です。一方で、激甚災害に備えて、個人のレベルでは、命と同様に自分のデータを守る“情報防災”の気構えが必要です。デジタル化が急速に進む今、家庭でも真剣に“情報防災壕”の設置を検討する時期に入っているのではないでしょうか。


未来予測支援ラボ:http://dentsu-fsl.jp/
 

買ってほしいなら、「迷わせた」方がいいんです。

通販広告と心理学、異色タッグのプロジェクトチームが、3年かけて通販広告のデータを解析。その成果をまとめた『売れる広告 7つの法則』 (光文社新書)より、全7回シリーズでトピックスをご紹介します。

買うべきか、買わないべきか、迷って迷って、何度も欲しい商品をお店に見に行った。そんな経験はありませんか。特に外出が難しい今の時期だと、インターネットモールの商品紹介ページを何度も何度も見返す、といったことも多いと思います。

迷った挙句に「やっぱりいらないから買うのやめよう」と思われるかもしれないので、売り手からすれば、消費者に「迷われる」のは避けた方がよいように感じます。ですが、実際は正反対。買ってほしいのなら、「迷わせる」ことがとても有効なんです。今回は、そんなことに関わる「Discussion(対話)」の話をしていきたいと思います。

購買の第3のステップ「Discussion(対話)」とは?

「Discussion(対話)」とは、私たちが通販の反応データから導き出した購買心理モデル、「A・I・D・E・A(×3)」の3ステップ目のこと(モデルの全容は1回目の記事 にまとめておりますのでそちらをお読みください)。

AIDEA×3モデル
現代人は、まず自分のニーズに気づき、そのニーズを満たすものとして商品を認識した後、商品の価値を具体的に検証するステップに移ります。これが第3ステップの「Discussion」、すなわち自分との「対話」です。このステップで商品の価値を自問自答して、充分にニーズを満たすものだと判断しない限り、人はその先のステップへと進むことはないのです。

ところで、こうした購買心理モデルの代表格といえば、1920年代に提唱された「AIDMA」モデルです。この「AIDMA」モデルのDと、私たちが提唱する「A・I・D・E・A(×3)」モデルのDを並べてみると、興味深い事実が浮き彫りになります。

AIDEAとAIDMA比較表
「AIDMA」モデルのDが「Desire(欲求)」なのに対し、「A・I・D・E・A(×3)」モデルのDは「Discussion(対話)」。なぜこの違いが生まれたのでしょうか。ちょっと余談になりますが、解説しましょう。

「AIDMA」モデルのDが「Desire(欲求)」であること。これが意味するのは、1920年代は、商品に興味を持った後に生まれていたのは、「Desire(欲求)」という強い感情だったということです。しかし100年後の2020年はどうでしょう。商品に興味を持ったとしても、次に生まれる心の動きは「Discussion(対話)」、すなわち買うべきかどうかを「自問自答」するという、冷静な心理に変わっているのです。

理由は言うまでもなく、この100年間でモノや情報が格段に増えたから。モノが少なかった時代は、商品を知ることがそのまま「欲しい」という欲求になっていました。ですが、モノや情報があふれた現代では、興味がそのまま欲しい気持ちにはなりません。「欲求のままに買って大損した」という失敗体験を積み上げてきた人類は、100年で購買行動を進化させ、第3ステップの「D」の中身を自ら変化させたのです。

「Discussion(対話)」の中で、どんな心の動きが起きているのか?

では続いて、この「自問自答」の中で、実際にどのような心の動きが起きているのかを見ていきます。結論から言うと、自分の中で対話をすることで、商品の価値がより理解できるようになる、という効果が生まれます。これを証明するために、私たちが行った実験を紹介しましょう。

【実験①】「街頭インタビュー」の有無による、情報の受け止め方の変化 

一つ目は、「自問自答」するかどうかで情報の受け止め方がどう変わるのかを調べた、通販広告の実験です。

実験1

具体的には、「日本人の大半が、野菜摂取量が足りていない」という情報を伝えるに当たり、その情報をナレーションでストレートに伝えたパターンAと、野菜不足を実感している人たちの街頭インタビューを挟んだパターンBの2つの広告を制作。それぞれを見た人に、「日本人の野菜不足」の情報をポジティブに捉えたか、ネガティブに捉えたかを聞いてみました。

結果はごらんの通り。なんと、日本人の野菜不足という全く同じ情報に対して、反応は真逆になったのです。

実験1結果

パターンAを見た人たちは、多くが野菜不足の情報をポジティブに評価しました。それに対してパターンBを見た人たちは、その多くがネガティブな評価を下したのです。なぜ、このような結果になったのでしょう? 

パターンAのポジティブ評価。これは、野菜不足の情報をストレートに見せられた人は、その情報をテレビから流れてきた有益なネタとして、そのまま“有益”だと評価したことを意味します。

一方で、パターンBのネガティブ評価は、次のように解釈できます。視聴者はまず最初に、野菜不足の人たちの街頭インタビューを見ました。これにより、視聴者は自分が野菜が足りているかどうかが気になり始めたはずです。言うなれば「野菜不足が気になるスイッチ」が入った状態です。

そこに投下されたのが「日本人の大半が野菜が足りてない」という情報。この情報は、スイッチが入った人にとって、「自分も野菜が足りない可能性が高い」と思わざるを得ない情報です。つまり、街頭インタビューを見て「自問自答」してもらったことで、パターンBでは、野菜不足を自らのネガティブな課題として捉えた、すなわち“自分ごと化”してもらうことができたのです。

この事例は、「Discussion(対話)」をすることによって、現代人がニーズへの意識を高め、商品の必要性をより深く認識してくれることを端的に示す例だといえます。

 【実験②】「ほうれん草10株分」による、情報の理解度の変化

二つ目は、説明の分かりやすさが情報の理解にどのように影響するかを調べた実験です。

実験2

実験に用いたのは、ビタミンE、ビタミンB1・B6、食物繊維を一度に取れるサプリメントの通販広告です。サプリメントの特長を「ビタミンE〇〇ミリグラム」のようにストレートに伝えたパターンAと、「ほうれん草10株分のビタミンE」のような換算表現を用いて、ビジュアル的にも分かりやすく表現したパターンBの映像を用意。それぞれの反応の差を調べたのですが、中でも特に注目すべきが、「この商品で、どの栄養素がたくさん取れると思うか」を聞いたアンケート結果です。

実験2結果

ごらんの通り、パターンBを見た人の方が、各栄養素を多く取れそうだと評価しています。そして、注目してほしいのが、下の表の右側に追加で示した、「鉄分」「βカロテン」「ビタミンC」の各栄養素への評価。

実験結果2の2

これらは実際には商品には含まれていない、もちろん広告でも触れていない栄養素。つまりダミーの選択肢だったのですが、パターンBを見た人は、これらに対しても高い評価をしたのです。

説明が分かりやすいと、おのずと理解度も高まる。理解度が高まると、勝手に想像が広がり、本来の価値以上の期待までも生まれる。この結果は、人間の持つそんな思考のパターンを示しています。「自問自答」と形は違うかもしれませんが、理解を高める、すなわち自分の中で考えを深めることが、正しい価値判断のみならず、いわば「幸せな誤解」まで生む力があることを、この結果は示しているのです。

迷わざるを得ない時代だからこそ、「Discussion(対話)」が不可欠。

二つの実験から言えること、それは「自問自答」をするという行為が、確実に自分のニーズへの意識を高めたり、確実に商品の特長の理解を高めることにつながる、ということです。

モノや情報があふれる現代は、裏を返せば、何を選ぶか一発で決められない時代です。この時代に「買う」という決断を下すには、商品が本当に間違いないものかどうかを、自分の中でしっかりと比較検討することが欠かせません。だからこそ冒頭で紹介した通り、買ってほしいのなら、「迷わせる」ことが有効。「Discussion(対話)」のステップは、まさにそのカギを握っているわけです。

40代のオッサンが言うには気持ち悪い例えですが、この心理って、少女漫画によくある(ホントにあるんでしょうか?)花びらを1枚1枚ちぎりながら、「スキ」「キライ」と迷う心理と似ている気がします。「自問自答」することで、相手を求める気持ちが自然と高まってしまう。そしてあばたもえくぼ的に、本来持ち合わせない特長まで評価してしまう。現代人の買い物って、このような少女漫画的過程を経て、買いたい気持ちを高めていく行為なのではないでしょうか。

この先もモノや情報は、増えることはあっても減ることはないと思われます。しかも突発的な事態をきっかけにリモートな手段を取り入れざるを得なくなった私たちの生活は、今後ますますリモート化していくでしょう。そうなると、近い未来の買い物は、今以上にしっかりと選択することが欠かせないものになるはずです。

つまり、より「迷う」時代であり、より「Discussion(対話)」が大切な時代がやって来るのです。そんな時代に向けて、私もさらに「Discussion(対話)」を深掘りし、もっともっと「迷わせ」られるよう、頑張っていきたいと思います。

「コロナが終息したら日本は良くなる」との見方は幻想、むしろ悪くなると考える理由

 コロナ騒動が終息した暁には、世の中は一変して価値観も今までとは変わるだろう、というポジティブな見方があるようですが、筆者はまったく期待していません。諸外国においては十分に変わる可能性があるだろうと予測しますが、残念ながら我が国は、ほとんど変わらずというか、さらに悪い方向に進んでいく可能性すらあると、筆者は不安を抱いています。

 2011年に起こった東日本大震災のあと、被災地の復興に充てる財源確保を目的として、特別措置法に基づいた復興特別税の徴取が始まりました。これは復興特別法人税、復興特別所得税、そして住民税(地方税)の3つで構成されていましたが、すでに法人税は2年間で終了しており、今は所得税と住民税の2つで、2037年まで続きます。復興法人税が、なぜ2年で終了したのかについては、筆者は納得しておりませんが、終了したのは事実です。

 すでに東日本大震災のための復興税を支払っていることすら忘れている国民が多いのではないかと推察しますが、それにも増して、この税金が復興とはまったく関係のないことに使われていることなど、知らない人がほとんどではないかと思います。

 この件に関しては、Business Journalでもジャーナリストの山口安平氏が、2013年12月18日付記事『被災地復興予算、なぜ1.4兆円が無関係事業に流用?一部は東電救済に充当の可能性も』に詳しく書いています。

 今回のコロナ騒動でのダメージは、東日本大震災やリーマンショックよりも大きいといわれます。つまり、東日本大震災の復興税よりも、国民の負担が大きくなることが予想されるのです。同じような徴収の仕方をするのか、または消費税を上げるという選択になるのかはわかりませんが、私たち国民にその負担が重くのしかかることに変わりはありません。

 本来であれば、目的の違うことに使われることがないように、きちんとしたルールを定め、それに則って税金を使うべきでしょうし、それ以前に国土強靭化の名の下に行われる不要な公共事業を見直すこと、無意味な米国製のレーダーシステムの取得費・維持費などを削減すること、どう考えても不自然なF35戦闘機を105機も追加購入することを白紙に戻すことなど、やるべきことは山ほどあるのに、それらにはまったく手をつけず、考えることを放棄してしまった国民にその負担を強いることは、許されるものではないと筆者は考えます。

日本の最大の悲劇は無能すぎる政府

 本来、政治の持つ機能としては、今ある限られた資源(お金はもちろん資源のひとつ)を、正しく分配するためのものであるはずです。正当性を主張し合う複数の意見によって出現する軋轢を調整し、またそれを国民の利益を主体に考えて管理するためのものであるべきです。決して、自己、あるいは所属する政党、またそこに連なる少数の人の利益のために力を使うものであってはならないと思います。

 そういった観点から見ると、今の日本の政治のあり方は、いかにも危ういと筆者の目には映ります。

 たとえば、今現在、コロナ騒動のあおりを受けて失業あるいはそれに近い状態になっている方に、国が費用負担をして、一時的にではあったとしても農業に従事していただく、というような措置も必要かと思われます。

 法務省の調べによれば、2018年の外国人技能実習生の数は約28万人で、このうち農・漁業、および食品製造関係に携わっている方は約3万人ほどでした。技能実習生とはいえ、この方々は、特に農業においては実質上、重要な労働力だったわけですが、コロナ騒動によって、新たな人材が確保できない状況に立ち至っています。このままでは、農業が崩壊することも考えられないことではないのです。この深刻な労働力不足を、職を失ってしまった方に提供するというような、大胆な発想の転換が求められていると筆者は思います。

 そのうちの数パーセントの方は、そのまま新規就農も可能、という措置も加われば、わずかではあっても、自給率の回復につながるかもしれません。

 しかし今は、その“わずか”が必要な時なのです。コロナ騒動が終息したその後に、まずはどのような世界が出現するのか、想像力を働かせて考えてみるべきでしょう。その想像力を持たない人たちが実権を握って離さないというところが、日本の最大の悲劇につながっていきます。

 優秀な諸外国のリーダーたちはコロナの後を見据えて、もう動き出しており、その中心は国民を飢えさせないための方策で、食料確保のためにさまざまな施策を打ち出しているというのに、日本では国民にマスクを配ろうとしています。しかも、不良品ばかりなうえに遅く、驚異的多額の出費。なおかつ、なぜその企業に任せたのかも不明です。そしてそのツケを私たち国民がまた払います。

 だから筆者は到底、世の中が一変することなど想像できないのです。
(文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事)

●南清貴(みなみ・きよたか)
フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

田崎史郎が検察庁法改正問題で「黒川検事長と安倍首相は近くない」と嘘八百の政権擁護! 大谷昭宏、ラサール石井にツッコまれ馬脚

 多数の有名人を含む多くの国民からTwitter上で「#検察庁法改正案に抗議します」の声が上がっているというのに、安倍首相は昨日の国会で「さまざまな反応があるんだろう」とあっさり片付け、与党は予定どおり今国会での成立を目指しているという。つまり、これほどまでの国民の反対の声...

パチスロ「沖スロ」ファン必見の「激アツ情報」‼ アノ「ビッグタイトル」に注目高まる


 現在、都道府県の休業要請を受け、多くのホールが営業を見合わせている。

 各自治体によっては休業要請の業種指定解除がなされ、営業を再開するホールも存在するが、未だ休業中のホールが多数だ。

 自粛期間中に導入が見送られた機種も少ないくないが、事態が終息すれば多くの新台パチスロが導入されることが予想される。これらはユーザーに新たな面白さを提供してくれるだろう。

 その中でも「沖スロ」の新台に注目が集まっている。

 トップメーカー「ユニバーサルエンターテインメント」の『沖ドキ! 2』を筆頭に、話題のメーカー「カルミナ」の『ハイドラ- 30』、老舗メーカー「パイオニア」の『ビッグシオ- 30』など魅力的なラインナップが準備中だ。

 特に沖スロファンから熱視線を浴びている機種が『ビッグシオ- 30』である。本機は同メーカーの看板的シリーズで、古くは4号機時代に「ストック機能付き沖スロ」として人気を博した。

 6号機として復活した『ビッグシオ- 30』は純増約3枚のATを搭載。疑似ボーナスの連チャンで出玉を形成するタイプのマシンで、シリーズお馴染みの「ゾロ目」ゲーム数がチャンスとなる。

 そんなビッグタイトル『ビッグシオ- 30』は、リリースに先駆け、本機の魅力を伝える「試打動画」を公開。人気ライターの「嵐」と「神谷玲子」が解説を務めている。

 それに伴い、オリジナル賞品が当たるリツイートキャンペーンを開催。パイオニア公式Twitterアカウント(@slot_pioneer)をフォローし、対象ツイートをリツイートすれば、抽選で「嵐」と「神谷玲子」のサイン入りオリジナル絵馬や商品券など豪華賞品を獲得できる。

 開催期間は5月18日までとなっており、Twitterアカウントさえ所持していれば参加が可能。ファンのみならず必見のキャンペーンである。

 試打動画も必見の内容となっており、本機の特徴を遺憾なく発揮させた。

 1ゲーム連や128ゲーム以内の引き戻しなどスペックに関する部分だけでなく、高確率示唆の演出やVフラッシュの色による複数ストックの示唆など明快に解説されている。

 設定差についても触れられており、主にレギュラーボーナスの確率に大きな差が設けられているようだ。出玉性能には設定差がなく、1ゲーム連の確率は全設定共通であることも要注目だ。

 沖スロファン必見の注目タイトル『ビッグシオ- 30』。ホールで遊技できる日をが楽しみに待ちたい。