「安倍さんからと言われた」河井前法相から現金を受け取った町議が証言! 安倍首相と河井克行は9回も単独面談、その度に金が…

 河井克行・前法相と河井案里参院議員の買収事件をめぐり、とんでもない証言が飛び出した。案里容疑者の後援会長を務めた繁政秀子・広島県府中町議が、昨年5月に克行容疑者に白封筒に入った現金30万円を渡された際、克行容疑者から「安倍さんから」と言われた、と証言していることを中国新聞...

クライアント共創の「新しいカタチ」

2018年7月から、Dentsu Lab Tokyoで客員主席研究員を兼務しています、木下です。主務は、NTT研究所の主席研究員・研究部長で、最先端技術を東京オリンピック・パラリンピックに活用し、新しいスポーツ観戦や障害者支援、混雑緩和などを目指すプロジェクトを率いています。スポーツに限らず、歌舞伎 [12] や音楽ライブ [3] 、アート [4] へのICT活用プロジェクトも推進してきました。

これまで、Dentsu Lab TokyoとNTT研究所は、共同プロジェクト[5]の一環としてさまざまなプロジェクトを共創してきました。私は、ときにクライアントとして、ときにパートナーとして、ときにその中間的な立場として、さまざまな関わりを持ちました。本記事では、そうした新しい共創のカタチについてご紹介したいと思います。

クライアント共創の新しいカタチ
クライアント共創の新しいカタチ

まず、本文の理解を助けるために、NTTグループの組織構造をご紹介します。
NTTグループは、持ち株会社である日本電信電話株式会社、その配下の主要五事業会社、NTT東・西、ドコモ、コミュニケーションズ、データ、さらにその傘下の900社以上の事業会社から構成されます。私が所属する研究所は持ち株会社に属し、主要五事業会社から預かる研究開発費を基に研究開発を行い、その成果を還元することによってグループに貢献します。すなわち、NTT研究所にとって事業会社は「クライアント」でもあるわけです。電通から見た場合、研究所も含めてNTTグループ全体がクライアントでもありますが、同じクライアントを持つパートナーという見方もできるわけです。

それでは、新しいクライアント共創の実例として、「NTTドコモ FUTURE-EXPERIMENT」をご紹介します。

クライアントの枠を超えた、「パートナー」として

本プロジェクトは、2020年代を見据えたNTTグループの最先端通信テクノロジーを活用し、これまでにない高臨場感や新体験を伴うエンターテインメントに挑戦するプロジェクトです。特徴は、従来のプロモーションとは異なり、先端技術をリアルに活用し、それをライブとして届ける一発本番タイプのプロジェクトであり、観客だけでなく、出演者、制作者全員が、真の意味での臨場感とリアリティーを体感できることです。

それが実現するまでには、さまざまな課題がありました。
まず、世の中のスポーツやライブ体験の概念を刷新するために、ドコモの5Gだけでなく、NTTグループの先端通信技術をどのように活用できるのか?また、それを単なるイメージとしてではなく、リアルに伝えるためには、先端技術を実利用し、ライブで失敗なく届ける必要があります。このリアルなテクノロジーをライブで活用するというDentsu Lab Tokyoのこだわりは、まさに通信会社の研究員である私の最も共感する部分であり、彼らと一緒に仕事をしたいという最大のモチベーションにもつながっています。

NTT研究所は、こうした課題に対し、単なる発注者とクライアントという関係性を超え、Dentsu Lab Tokyoと初期の段階から一緒に企画検討しました。どういった通信技術が使えるのか、それによって体験がどう変わるのか、実証にはどんな実装が必要か、ライブで失敗しないためにはどういったバックアップが必要か、それはNTTのプロモーションとして効果的か、など、単なるプロモーション企画を超えた、大きな共同実験プロジェクトそのものでした。また、その企画を電通と一緒にドコモに提案するなど、あるときはエージェント側の人間としても動きました。

FUTURE-EXPERIMENT 第1弾「Vol.1 距離をなくせ。」
FUTURE-EXPERIMENT 第1弾「Vol.1 距離をなくせ。」

さらに、企画だけでなく、実際のシステム構築や運用など実施面でも協業しました。FUTURE-EXPERIMENT 第1弾「Vol.1 距離をなくせ。」[6] では、Perfumeメンバーが世界3都市に分かれて、同期ライブを行いました。その、東京―ロンドン―ニューヨークの研究用国際ネットワークGEMnet2 [7] や会場アクセスネットワーク、さらに3拠点の完全同期通信を実現するAdvanced MMTシステム [8] の構築と運用は、NTT研究所メンバ自らが、Dentsu Lab Tokyoメンバーと一緒に汗をかきながら取り組んだものです。

特に、国際ネットワークの構築や会場アクセスネットワークの構築は、最短でも半年かかるところを、その半分以下の期間で構築する必要があり、米・欧州の研究用ネットワーク機関や、アクセスネットワーク業者との調整など、かなり苦労がありました。さらに、テスト期間も短く、ネットワーク品質が安定しない時もあり、本番直前のぎりぎりまで、通信パラメーターの調整が続きました。

当時は、「Perfumeのシンクロや通信技術のすごさは伝わるけど、なぜわざわざ3人をばらばらにする必要があるの?」というファンの声も頂きましたが、このコロナ禍で物理的な距離やつながりの大切さを痛感する今となっては、コミュニケーションの本質を体現し、いろいろな意味を含む作品となりました。

FUTURE-EXPERIMENT 第4弾「Vol.4 その瞬間を共有せよ。」
FUTURE-EXPERIMENT 第4弾「Vol.4 その瞬間を共有せよ。」

次に、FUTURE-EXPERIMENT 第4弾「Vol.4 その瞬間を共有せよ。」[9] では、Perfume年越しコンサートで観客1万2000人のWi-Fi同時接続によるファンアンケートを実施しました。

これだけ多人数の観客を同時一斉接続し、安定したWi-Fi通信を実現するためには、多くのWi-Fiアクセスポイント装置の設置が必要となりますが、単純に設置数を増やせばいいというものではありません。設置数が増え過ぎるとそれぞれの電波干渉が増加し、かえって接続が不安定になり、通信速度が低下してしまいます。この課題を解決する技術が、NTT研究所の高効率Wi-Fi技術です。この技術は、それぞれのアクセスポイントからの電波の出力を最適化し、干渉を最小化することによってWi-Fi接続数と通信速度を最適化します。

高効率Wi-Fi技術の適用以外にもさまざまな課題がありました。
まず、スマホを持ってない人や、古い規格のWi-Fi対応スマホしか持っていない人にも参加してもらうために、対応スマホを貸し出す必要がありました。また、Wi-Fi接続と、アンケートウェブサイトにアクセスするための手順を伝え、事前確認してもらう必要もありました。

NTT研究所は、事前に会場図などを用いて最適なWi-Fiアクセスポイントの設置台数や場所をシミュレーションし、コンサート前の数日間で、百数十基のアクセスポイントを設置、調整しました。また、電通は、1000台もの対応スマホの貸し出しや、Wi-Fi接続手順やアンケートサイトへのアクセス手順の通知と確認を徹底しました。その結果、コンサート開始前には、ほぼ1万2000人全員の事前接続が確認できました。本番では、ほとんどの方の同時一斉接続を実現できましたが、一部接続ができない方もいるなど、まだまだ技術面や運用面での改善点が見つかりました。

われわれの知る限りでは、本プロジェクトのWi-Fi同時一斉接続数は世界一だと思います。
今回、NTTの高効率Wi-Fi技術と、電通の対応スマホの準備や接続方法の徹底などの両方が組み合わされて初めて実現した共創でした。

このように、普通であれば、NTT研究所は、クライアントであるドコモの裏に控え、電通からの提案に対して、コメントやアドバイスをするだけの立場だったかもしれませんが、今回は、一緒に企画を検討し、その実装・運用にも責任を持ち、現場で最後までやり遂げました。最終的に無事成功したときの達成感は、クライアントだけのそれでもない、パートナーだけのそれでもない、両方の立場ならではの達成感でした。これこそが、真の意味でのクライアント満足であり、新しいクライアント共創のカタチだと思います。

キーワードは、「シード・クリエイティブ」

「NTTドコモ FUTURE-EXPERIMENT」の他にも、さまざまな共創事例があります。

NTT研究所とDentsu Lab Tokyoの共同展示作品:+3人称電話
NTT研究所とDentsu Lab Tokyoの共同展示作品:+3人称電話

まず、2018年10月に開催した、ICC特別展OPEN STUDIO リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC「“感じる”インフラストラクチャー 共感と多様性の社会に向けて」[10] において、両組織のメンバーが共同で作品を制作し、展示しました。共同制作を通じて、今の時代のコミュニケーションの本質や限界などを、それぞれの立場で考え、具体的な作品として表現するいい機会となりました。

Dentsu Lab Tokyo岡村氏によるスポーツ観戦の再創造展のビジュアル
Dentsu Lab Tokyo岡村氏によるスポーツ観戦の再創造展のビジュアル

次に、2019年7月に実施した、NTT研究所主催の「スポーツ観戦の再創造展」 [11]では、ビジョン構築、タイトル・ステートメントのコピー制作、ポスターやウェブサイト制作など企画面でDentsu Lab Tokyoに協力いただきました。ディスカッションを通して、NTTの思い描くビジョンやストーリーを、具体的な言葉やビジュアルとして、具体化していただいたおかげで、伝えるべき展示の価値を再認識するいい機会となりました。

新国立競技場オープニングイベント ONE RACE
新国立競技場オープニングイベント ONE RACE

最後に、2019年12月に実施した、新国立競技場オープニングイベント ONE RACE [12] においては、東京―パリ―LA間を結ぶ、国際通信ネットワークと同期通信技術に関しても協力させていただきました。NTT研究所は、Dentsu Lab Tokyoと企画段階から通信技術のフィージビリティーなどを共同検討するとともに、NTTグループ側の総合プロデュース的な立場として、ネットワークサービスを担当するNTTコミュニケーションズとの役割調整や、協賛方法などグループ全体の座組み整理も実施しました。このビッグプロジェクトを効率よく想定通りに実施できたのも、さまざまなプロジェクトを通じて築いてきた「共創」の結果だと思います。両組織には、これまでの共創を通じて、一体感や信頼感といった共創の基礎が築かれており、その上に、それぞれのビジョンや価値、得意・不得意な面、課題が既に共有されていたため、うまくいったのだと思います。

電通は、クライアントと共に事業を育てていく、クリエーションの方法論「シード・クリエイティブ」[13]を提唱しており、トヨタ自動車の「OPEN ROAD PROJECT」でも実績を上げ始めています。

「シード・クリエイティブ」は、最終段階である広告表現の領域だけでなく、初期段階の課題検討、商品企画、製造などさまざまな段階からエージェンシーも参画し、クライアントと共創する方法論です。今回、私が紹介したプロジェクトの共創は、最終段階の広告表現に関するものでしたが、次の段階としては、研究開発の企画段階から共創し、開発からビジネス化、プロモーションに至るまで、「シード・クリエイティブ」をDentsu Lab Tokyoと共創していきたいと思います。

今回、われわれは、「教科書的な共創」ではなく、いくつも実践を積み重ね、「実効的な共創」へと進化させてきました。この経験は、われわれがめざすシード・クリエイティブ的な共創、すなわち、クライアント共創の新しいカタチに必ずつながるものと信じています。


 
【参考文献】

 

[1] 木下, 南, 岡崎, 野間, 横澤, 岩城, “歌舞伎×ICTによるエンターテインメントの進化,” 電子情報通信学会誌 Vol.100 No.11 pp.1169-1175 Nov 2017. 

 

[2] NTTニュースリリース「南座新開場記念「八月南座超歌舞伎」を開催」
2019.3.25

 

[3] NTTニュースリリース「SXSW2017にてイマーシブテレプレゼンス技術Kirari!®による音楽ライブショーケース“CYBER TELEPORTATION TOKYO at SXSW”を実施」2017.3.7

 

[4] NTTニュースリリース「NTTと世界的なメディアアート研究機関アルスエレクトロニカ・フューチャーラボが「ICTとアートの融合」によるユーザ体験の高度化に関する共同研究を開始」2016.9.8

 

[5] 電通ニュースリリース「Dentsu Lab TokyoとNTTの研究所、クリエーティブとテクノロジーの融合で、新たな感動体験を創造する共同プロジェクトを始動」2018.10.11

 

[6] NTTドコモ FUTURE EXPERIMENT vol.1 距離をなくせ。

 

[7] 下村, 半田, 増田, 魚瀬, 井上, 中山, “研究開発用テストベッドネットワーク「GEMnet2」,” NTT技術ジャーナル Aug. 2012

 

[8] 外村, 今中, 田中, 森住, 鈴木, ““超高臨場感ライブ体験(ILE)の標準化活動について,” ITUジャーナル,Vol.47,No.5,pp.14-17, 2017.

 

[9] NTTドコモ FUTURE EXPERIMENT vol.4 その瞬間を共有せよ。

 

[10] ICC特別展OPEN STUDIO リサーチ・コンプレックス NTT R&D @ICC「“感じる”インフラストラクチャー 共感と多様性の社会に向けて」

 

[11] NTT研究所 スポーツ観戦の再創造展

 

[12] ONE RACE – 国立競技場オープニングイベント
 

[13] 志村, 佐々木, “カンヌで世界に発信した“Seed Creativity”とは?” 電通報, 2017.7.21

「bitFlyer」新テレビCM 齋藤飛鳥さんが、自宅でフルリモート撮影

ビットコイン取引所を運営するbitFlyerは6月24日から、人気アイドルグループ乃木坂46 の齋藤飛鳥さんを起用し、新テレビCM「知ってます?」編の放送を開始した。
また、齋藤さんのサイン入りグッズが当たるキャンペーンを行う。
https://bitflyer.com/ja-jp/cam/tvcm-202006
 
キービジュアル

仮想通貨を知らなかった齋藤さんが、CM出演をきっかけに、仮想通貨に興味を持つ、というストーリー。齋藤さんはカメラに向かい「皆さん、仮想通貨って知ってます?」「私は今、知ろうとしています」「だって、CM出るってそういうことでしょ」と語り掛ける。これまで仮想通貨に触れてこなかった人や、同社を知らなかった人に興味を持ってほしいという思いを表現した。 
CM動画:https://youtu.be/pSmo-TTwKg8
 

CMカット
今回、齋藤さんは自宅からフルリモート撮影に初挑戦した。セルフメイク、衣装選び、撮影と、準備から本番まで一人で手掛けた。自宅でのリラックスした様子と、自然な表情を見ることができる。
https://youtu.be/oXb3aO2Uz8Eでは、CMのメーキングと、齋藤さんのインタビュー動画が視聴できる。
 

 

第12回「日本マーケティング大賞」 グランプリは、“ラグビーワールドカップ2019 日本大会成功に向けたマーケティング活動”

日本マーケティング協会(JMA)は6月19日、第12回「日本マーケティング大賞」(選考委員長:安部順一読売新聞東京本社常務・広告局長)を発表した。
同大賞は、厳しい経済環境の中でも、企業・自治体・団体などの組織における新しいマーケティングやコミュニケーションの手法、ビジネスモデルの開発を積極的に促すことで、消費者の生活の向上と経済・社会の活性化に資する活動を奨励し、マーケティングのプレステージを高めることを目的として、第1回が2009年に実施された。
12回目となる本年は、日本の市場が成熟化する中で、成長につながる創意工夫が凝らされたプロジェクトが数多くエントリー。推薦プロジェクト総数137件の中から、グランプリ・準グランプリ各1件、奨励賞4件、地域賞3件が選出された。
 

ポスター

 ●日本マーケティング大賞グランプリ(副賞30万円)
「ラグビーワールドカップ2019 日本大会成功に向けたマーケティング活動(日本ラグビーフットボール協会/ラグビーワールドカップ2019組織委員会)」。

選定理由:ラグビーワールドカップ2019日本大会は、アジアで初めて開催されたラグビーワールドカップであり、ラグビーの地平線を広げた大会と位置付けられている。これまで、野球、サッカー等に比べ人気の低かったラグビーを、真のメジャースポーツへと押し上げることを目標に、大会はもちろん、競技自体への関心を高めるコミュニケーションを実施。同時に、SNS、雑誌連携、キャラクターグッズの開発などを通して、若者、女性など、これまでラグビーになじみのなかった“にわかファン”層を拡大。準備期間から、期間中、閉幕後まで、継続的に情報発信を行い、感動の瞬間をつくり出すことに成功。超満員のスタジアム、高視聴率につながり、日本列島に空前絶後のラグビーブームを巻き起こした。

●日本マーケティング大賞準グランプリ(副賞10万円)
「WORKMAN Plus のマーケティング (ワークマン)」

選定理由:ワークマンは、「機能と価格に新基準」というコンセプトで職人向け作業服の販売を手掛けている。その中で培った技術力やオペレーション力を生かして、“低価格かつ機能的な”アウトドアウェアの新業態「WORKMANPlus」を2018年9月から展開。
そのマーケティング手法において、作業着ブランドを女性が着る、「ワークマン女子」という新顧客の創造や、ワークマンと同じ商品を、見せ方の工夫(マネキン、照明、陳列方法等)、「過酷ファッションショー」などで新しく見せることで売り上げにつなげた。今までブランドメーカーが独占していたスポーツアウトドア市場を、新たな切り口で市場を創造した。
詳細は、同大賞のサイト(https://www.jma2-jp.org/home/news/676-taisho12)まで。
 

安倍首相の秘書が河井案里陣営とともに溝手陣営の切り崩しに動いていたとの新証言!河井克行・案里事件はやっぱり“安倍案件”だ

 やはり、逮捕された河井克行・前法相と案里参院議員の選挙は、安倍首相主導だった。  それをあらためて裏付ける新証言が出てきた。「しんぶん赤旗」(電子版6月21日付)が案里議員の陣営関係者に取材、安倍首相の地元事務所の秘書らが果たした役割に関する証言を報じたのだ。  周知...

オンラインの対話を補完するカギは「背景」にあり

BBT大学ロゴ床面積0㎡。日本初、100%オンラインで経営が学べるBBT大学。世界110カ国に居住する在学生が、サイバースペースに集結する。その最前線で教壇に立つグローバル経営学科長の谷中修吾教授に、オンライン教育の本質と可能性について聞いた。(第3回)

このコラムでは、100%オンラインのビジネス教育における私の現場経験に基づいて、教育とは「ワクワクを思い出し、そのスイッチを入れる場」であるという考え方を最初にご紹介しました。そして、ワクワクと向き合うために、過去の原体験を手掛かりとして、ライフストーリーの軸を浮き彫りにするという視点をご紹介したのが前回のお話です。

さて、その原体験を探るプロセスは、人の「背景(Background)」を読み解くということを意味するわけですが、同時に、オンラインでコミュニケーションの品質を著しく向上させるカギでもあります。今回は、その秘密に迫ってみたいと思います。

谷中先生の講義の様子
谷中教授によるオンライン講義の様子。東京・麹町のスタジオから配信し、世界110カ国に居住する学生が受講。谷中教授はBBT大学の人気科目『マーケティング基礎』を教えている。

いま、新型コロナの影響を受けてオンライン会議が急増する中で、なんともいえない「オンライン疲れ」を感じている方も多いことでしょう。自宅から外に出ることなく会議ができるし、ビデオ通話における回線事情も安定しているし、資料の画面共有も問題ない。とても便利なのに、「なぜか疲れる」「伝わっていない感じがする」「やっぱり対面で会議がしたくなる」のは、一体なぜか?

私たちが意識的に認識している以上に、対面のコミュニケーションから得られている情報の量と質は膨大であるということです。つまり、オンライン会議で伝わる情報の量と質は、リアル会議と比べて圧倒的に低いということを意味しています。だから、オンライン会議では、いつもより集中していないと、対面の時に自然と得られている情報が得られない。しかも、その情報の差異が何たるかについて、必ずしも自分で認識しているわけではないため、なんともいえないモヤモヤが残るわけです。

ライブ講義のマシン
BBT大学のスタジオには、ライブ講義に必要な機材が並ぶ。学生から提出された成果物に対して、バラエティ番組感覚でフィードバック講義を行っている。


別の表現をするならば、オンラインのコミュニケーションは、現実の膨大な生データ(Raw Data)のごく一部をサンプリングしたものといえます。もしコミュニケーション手段別に伝わる情報の量と質の関係性を表現するならば、以下にようになるでしょう。

【 メール < チャット < 音声通話 < ビデオ通話 <<<……<<< 対面 】

要は、ビデオ通話を基本とするオンライン会議と、対面で会うリアル会議の間には、思っている以上に大きな開きがあるということです。

これを理解すると、オンラインでコミュニケーションの品質を補完するための方策が見えてきます。ビデオ通話で得られない情報を「推察」できればよいのです。そのために有効なのが、相手の「背景」(Background)を理解すること。相手がどういう環境で育ってきた人なのか。どのような思想や価値観を持っている人なのか。相手の背景の中核にあるライフストーリーを理解していると、発言のウラにある思いを推察できるため、オンラインでも足りない情報を補完しながら良質な対話が実現できるというわけです。

だからこそ、私は、100%オンラインのビジネス教育においても、課外の対面イベントでの接点をとても重視しています。たった数分の会話でも、対面でのコミュニケーションには、相手のライフストーリーを五感で知覚できる情報があるからです。それは、相互の信頼関係にもつながります。相手の背景を理解できると、オンラインでの対話も円滑になります。

加えて、オンラインでは、その日の相手のコンディションも重要な背景です。モニター越しに、表情、声のトーン、服装などから、今日の背景を読み解く。また、画面に映り込む「物理的な背景」も重要な情報で、「この人は今、こういう環境で話をしているんだ」ということを理解できるし、逆にこちらの状況も伝えられます。くしくも、オンライン会議ツールでは、背景のぼかし機能や差し替え機能が充実していますが、背景の有無によって、伝わる情報の量と質が変わることに感づいている方もいることでしょう。可能な限り、相互にリアルな背景を共有することで、オンラインの対話の品質が向上するものです。

リモトート卒業式の様子
BBT大学では教授が自らワクワクをカタチにする。2020年3月、新型コロナに対応して、谷中教授が「アバター卒業式」をプロデュース。卒業生が自宅からアバターロボットを操作して、大前研一学長から卒業証書を受け取った。


総括すると、オンラインの対話を補完するカギは「背景」にあり。私がBBT大学に着任して以来、100%オンラインのビジネス教育環境の中で、授業もゼミも安定的なパフォーマンスを発揮し続けるに至ったのは、オンラインの対話の特性を踏まえて「背景」の理解を重視した結果ともいえるでしょう。

テレワークの普及が生み出す“リゾート本社”

新型コロナウイルス感染抑止のため、パソコンを使った在宅勤務(テレワーク)の拡大が進んでいます。

最初は戸惑いながらも、「通勤時間がなくなる」「人の移動にかかわる労力が省かれる」「個人の時間の自由度の向上」など、テレワークならでは利点に気が付いた人も多いでしょう。 

一方で、限界も感じられます。リモート環境下では、パソコンの画面と音声という限られた情報だけでのコミュニケーションになります。時候のあいさつ程度なら問題ありませんが、対面で得られる感情の交流や、あうんの呼吸が失われるため、新規提案、問題提起など、相手にとって既知ではない複雑な情報を伝えるときは、なかなか苦労するのです。

その結果、社員が相手に複雑なことを伝えようとするモチベーションが目減りし、テンプレ的なコミュニケーションに終始しがちになり、お互いに見えない壁のようなものが感じられるようになっていきます。

定型的な仕事だけなら、テンプレ的なコミュニケーションでもよいかもしれません。しかし、「感情の交流や、あうんの呼吸の中から、チームが能動的に新しいプロジェクトを立ちあげる」などの動き、つまり「ゼロを1にする動き」が減っていくリスクは、企業にとって無視できないでしょう。 

多くの会社機能がリモート化されていくにつれ、プロジェクト開発のために社員が集い、リアルでディスカッションし、チームの一体感を醸成するための場としての“求心力”が、社屋には求められるようになるはずです。 

そして将来的には、リモート化によって減少する、社員と社員の直接的な交流を補完するため、本社機能を避暑地や景勝地などに移転する“リゾート本社”を構える企業が増えるかもしれません。

リゾート本社イメージ

テレワークに慣れた社員にあえて出社を促し、かつ創造的なアイデアを生み出すことを期待するなら、社員がリラックスし、チームに一体感を感じさせる、リゾートホテルのような環境が最適です。 

都市の一等地に本社があることは、企業のステータスでしたが、社員がどうしても出社したくなるくらい魅力的な場所にオフィスを構えることが、未来の企業の価値となっていくかもしれません。


未来予測支援ラボ:http://dentsu-fsl.jp/

JRA宝塚記念(G1)「すごく惜しい内容」サートゥルナーリアVSラッキーライラック二強対決に風穴あける!?「爆穴」仕事人が大阪杯のリベンジに虎視眈々

 28日、阪神競馬場で行われる春のグランプリ・宝塚記念(G1)では、昨年の皐月賞(G1)以来のG1・3勝目を狙うサートゥルナーリアと大阪杯(G1)を制して充実期を迎えたラッキーライラックの対決に大きな注目が集まっている。

 これまでいずれもアーモンドアイの前に苦杯を飲まされてきた2頭。秋に8冠を狙う女王への挑戦権は譲れない。現役最強の座を手に入れるには女王不在のここはお互いに負けられない一戦となりそうだ。

 G1馬が8頭揃う超豪華なメンバーで争われる今年の宝塚記念だが、G1勝利の勲章はないとはいえ、密かに一発を狙っている馬に注目したい。

 カデナ(牡6、栗東・中竹和也厩舎)は、前走の大阪杯を11番人気で4着と好走した。

 3歳時には京都2歳S(G3)、弥生賞(G2)を連勝し、皐月賞(G1)では3番人気の支持を受けた実力馬である。クラシック候補として挑んだものの、皐月賞を9着に敗れて以降は二桁着順を連発するなど低迷を極めた。かつての期待馬もG1を狙うどころかG3すら惨敗を繰り返すようになり、成長力のなさを指摘する声も出始める。

 主戦を任されていた福永祐一騎手が乗ることもなくなり、ついには終わった馬という評価が定まりつつある中、一筋の光明を見せたのが18年のアンドロメダS(OP)だ。弥生賞以来となる上がり3F最速の切れ味を繰り出したのである。後方待機策を採ったこともあるとはいえ、復活の気配を感じられる内容だった。

 福島民報杯(L)で11戦ぶりに3着以内に好走し、その後は敗れたレースも見せ場は作れるようになった。そして、迎えた2月の小倉大賞典(G3)でついに約3年ぶりの勝利を手に入れたのだ。

 長らく低迷していたカデナを小倉大賞典で鮮やかな勝利に導いた鮫島克駿騎手と挑んだ今年の大阪杯。11番人気という低評価とはいえ、鮫島克騎手は「秘策」を用意していた。

 この日の阪神競馬場の芝はBコースでの開催に替わり、インコースを走った馬の好走が目立っていたことを鮫島克騎手は見逃さなかった。8枠11番と外の枠からスタートしたカデナをインの後方へと導いた。意外にもダノンキングリーが逃げた展開はスローに落ち着いた。だが、必ずどこかで前が開くタイミングがあるだろう。鮫島克騎手はそう信じていたに違いない。

 そして待ちに待ったその瞬間が訪れる。直線で前にいたワグネリアンが外に動き最内に進路が開けたのだ。絶好のチャンスを見逃さなかった鮫島克騎手は迷わずカデナにゴーサイン。上がり3F最速となる33秒5の鬼脚で内から猛追。ダノンキングリーまで3/4馬身差に迫ったところで無念のゴール。惜しくも4着に敗れた。

 鮫島克騎手は「インが伸びる馬場になっていたので、外を回らずにレースを進めました。直線では手応え通りに伸びてきて、すごく惜しい内容でした」と悔しがったことからも、かなりの手応えを持って臨んでいたことが窺えるコメントだろう。

 勝つためにはインを突くしかないが、前が開かなければ仕方がない。リスクを覚悟した上で勝負に徹した好騎乗だった。敗れたとはいえ、ブラストワンピースやワグネリアンらを破ってあわやの展開まで持ち込んだ走りは宝塚記念でも侮れない存在となる。

 おそらく今回も人気はないだけに、要注意のコンビではないだろうか。

JRA“荒治療”で「完全復活」ケイティブレイブ! 帝王賞(G1)は名コンビの「恩返し」に最適な舞台!

 24日、大井競馬場で上半期のダート頂上決戦・帝王賞(G1)が開催される。昨年の1、2着馬のオメガパフューム、チュウワウィザードに加えて、一昨年と昨年の最優秀ダート馬であるルヴァンスレーヴ、クリソベリルが出走する現役のダート界トップホースが一堂に会するレースだ。

 その中でも、2017年の帝王賞の勝ち馬・ケイティブレイブ(牡7歳、栗東・杉山晴紀厩舎)の存在を忘れてはならない。

 これまでに重賞10勝(うちG1・3勝)を挙げる古豪は、波乱万丈の競走馬生活を送ってきた。

 昨年のドバイ遠征では、疝痛を発症してドバイワールドC(G1)の出走を取り消し。その後、腸捻転を発症して現地で緊急手術を受けた。腸捻転は命にも支障をきたす恐れのある病気のため、素早い処置が功を奏して一命を取り留めたのだ。

 その後、復帰戦となる11月の浦和記念(G2)を見事に勝利し、完全復活。と思われたが、次走の東京大賞典(G1)で8着、川崎記念(G1)で6着と惨敗を繰り返してしまった。

 近走の敗戦のせいか、今年のフェブラリーS(G1)では16番人気の最低評価。メンバー中最上位の実績を持ちながら、この評価は屈辱だったに違いない。この人気からも「ケイティブレイブはもう終わった」と多くのファンが思っていたことが想像できる。

 だが、ケイティブレイブはその下馬評を覆す2着に入るという大波乱を巻き起こした。

 この時、コンビを組んだのはG1初騎乗となるデビュー9年目の長岡禎仁騎手。なんと、ケイティブレイブに調教で跨っていた若手ジョッキーに白羽の矢が立ったのだ。レースでは相棒の末脚を信じ、終いを活かす勝負に出たことが実を結んでの2着だったのだ。

「よく伸びてくれました。本当にいい伸びで、勝てるかと思ったほどでした」

 惜しくも勝利を逃したが、大健闘の内容と言えるだろう。それと同時に「名コンビ」誕生の瞬間でもあった。

 実はこのコンビ結成には杉山調教師の策が垣間見られる。

 詳細については本サイトをご確認いただきたいのだが、『netkeiba.com』にて連載中のコラム『今週のFace』にてインタビューを受けた杉山調教師はフェブラリーSについて「とにかく、考え得る起爆剤を使って、ちょっと荒療治とも言えるんですけど、いろいろ工夫して臨んだレースでした」と語っている。その一環として、調教を担当助手から長岡騎手に替えたことを明かしているのだ。

 フェブラリーSで起爆剤の効果てき面となったケイティブレイブは、次走のかしわ記念(G1)でも2着に入り完全復活を遂げた。その一方で、長岡騎手は「瀧本オーナーや杉山厩舎の皆様には、こういう舞台に立たせて頂いたことを感謝しています。勝って恩返しをしたかったのですが、勝てなかったことが残念です」と、あと一歩勝利に届かないことを悔しがった。コンビ3戦目となる帝王賞は、3度目の正直といきたいところだろう。

 そんな長岡騎手にとって朗報となるのが、ケイティブレイブの大井適性である。

 これまで大井での成績は【1,3,2,1】と抜群の相性を誇っている。フェブラリーSは過去に17年と18年に出走しているが、それぞれ6着、11着と敗れておりコース適性がなかったように思われる。だが、今年2着に入ったことは今まで以上のデキと判断できるはずだ。そんなケイティブレイブが得意の大井参戦となれば十分に期待できるだろう。

 ケイティブレイブにとっては3年ぶりの優勝、そして長岡騎手にとっては初の重賞制覇がかかる帝王賞。ぜひとも名コンビでダート界を盛り上げる走りを見せてほしいものだ。

ある日父親が認知症に 誰にとっても他人事じゃない「ワンオペ介護」の記録

 

 高齢化が進む日本において、家族が認知症になるという事態はどんな家庭でも、どんな人にも起こりうる。

 『お父さんは認知症 父と娘の事件簿』(中央公論新社刊)の著者・田中亜紀子さんの父もそうだった。田中氏によると、認知症と診断される前から、父の様子に異変を感じてはいたものの、「年のせいだろう」「ちょっとおかしいけど、まだ大丈夫だろう」と、自分をごまかすような時期が続いたという。しかし、気づくと父の人格が変わっていた。

■認知症と診断されても運転免許を手放そうとしない父

 本書で田中さんは、父の認知症介護の過程で経験した恐ろしい出来事や面倒なこと、そして介護保険や公のサービスを活用し、「ワンオペ介護」をどのようにしのいでいったか、どんなことに救いや小さな希望見出していったかなどを綴っている。

 一口に認知症と言っても、実はいろいろな種類がある。田中氏の父は、認知症のうち、日本で4番目に多い「ピック病」という病を抱えている。「自分勝手になる」「穏やかだった人が怒りっぽくなる」「急に泣いたり怒ったりする」などの傾向が表れ、理性的な行動が取れなくなるといった情緒的、人格的な障害が生じることが多い。

 認知症と診断されても運転免許を手放そうとしない父との修羅場、もう少しで火事を出しそうになったヒヤヒヤな出来事など、日々さまざまなことが起こる田中氏の生活の中で、元気づけられるのが友人付き合いだった。

 介護生活で夏もほぼ遊びに行けない生活の中で、友人にSNSや電話でいろいろ話を聞いてもらい、精神の安定を保っていたという。ただ、介護の話は人を選ぶ。家族の陰湿なトラブルの話は、誰もが聞く許容量があるわけではないからだ。幸い、田中氏の同業のライターや編集者の友人は酷い話への免疫があるのと、好奇心旺盛なのとで、時にはネタとして興味深く聞いてくれた。深刻な話や辛い話をしても、最後にはブラックな笑いとなって着地させることができる相手だったのだ。

 そんな友人付き合いが、一人で介護をしていた田中氏の孤独に陥りやすくなっていた日々を紛らわせてくれたという。

 認知症や介護は、その当事者にならないと本当の苦労はわからない。現在介護に悩んでいる人や予備軍の人にとって、田中氏の経験は知らないことや役に立つことも多い。本書から認知症、介護の現実を知っておくべきだろう。多分その現実は、今まで漠然と思い浮かべていたイメージとは全く違うはずだ。
(T・N新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。