安倍政権のカジノ管理委員会には日本のカジノビジネスを監視できない理由

マカオでのカジノ・ライセンス新規再入札による企業価値の維持を優先した米LVS

 カジノホテルをもともとの本業とするドナルド・トランプ米国大統領の大口献金者として知られる米ラスベガス・サンズ(LVS)のシェルドン・アデルソン会長兼CEOが今年5月13日、日本のIRカジノ市場から撤退することを発表した。同氏は「エネルギーを別の好機に集中させるべき時期」と語ったが、それは、日本におけるIRカジノ運営免許の更新期間や他の規制が巨額の資金調達と投資に見合わないと判断したからだと見られている。

 LVSが日本撤退を表明した5月中旬から6月初旬にかけて、筆者は「サンズ撤退をどう見るか」について、電話/メール/面談等で国内外18人(うち2名は米国と上海に在住)のカジノ関係者、国内の政治家秘書、元官僚、商工会議所関係者、ロビイスト等に取材した。以下は、その回答の一部である。

A氏「サンズ撤退に新型コロナの影響はもちろんあると思うが、あんなもの、そのうち慣れて感染騒ぎにも出口がくるに決まっている」

B氏「官邸は約束を反故にした。ライセンス更新は10年かと思っていたら3年だと。官邸のずるさがよくわかった」

C氏「正直に言うと、サンズには選択肢がない。本当は日本でやりたかったが、マカオとの天秤があったということ」

D氏「せっかくつくった法がこれか。それとも、わざと曖昧にしていたのか。外資はバカじゃないから官僚が甘かった」

E氏「行政が無駄に規制を厳しくしたおかげで、こっちはいい迷惑」

F氏「カジノというギャンブルビジネスの需要そのものが終わる。もう一攫千金じゃない。当面はESG(環境・社会・企業統治)投資に移行する」

G氏「たった3年で更新なんていう、バカバカしい日本のIRに愛想が尽きたのだろう。キャッシュフローは10年で組み立てたはず。役人は何考えてるのか。そんなやり方で巨額投資するはずがない」

H氏「日本の官僚はバカですか。バカでしょう(笑)」

 ちなみに、取材に協力していただいた各氏は、ほぼ例外なく筆者のカジノに関する過去記事が日本での設営に批判的であることを承知していた。それでも応じてくれたのは、各氏が「物事の賛否は自由。カネ儲けも自由」と割り切っているからである。

 それにしても、前掲B氏の「ライセンス更新は10年かと思っていたら3年だと」というセリフには驚かされた。日本のIR施設はカジノ賭博のアガリを資金源として維持されることになっており、IRカジノ業者はカジノ管理委員会が発行する免許でカジノ場を運営する。

 IR整備法はカジノ事業者に付与する営業免許の有効期間を「当該免許の日から起算して3年」と規定しているため、3年後には免許を更新せねばならない。「10年」というのは区域整備計画認定の有効期間であり、免許(ライセンス)とは無関係だ。B氏には、その場でスマホに表示した条文を見せたが、「……いや、知らなかった」と言う。

 また、D・E・G・Hの各氏は一様に「行政が無駄に規制を厳しくした」と言うが、果たしてそうだろうか。日本の歴史上、初めて「民間賭博を公認」した政府が「賭博ビジネスから国民を守るために規制を厳しくした」というのは腑に落ちない。行政がライセンス期間を細切れにしたのは、後々の主導権を握るために、「免許を3年更新にすれば、既得権益を維持するためにカジノ業者が“天下り”の受け皿や政治資金の提供を自ら暗に申し出るだろう」と想定したからではないか。

 更新期間を短くすれば、政治家と官僚の“交渉力”がおのずと高まるからである。官僚はH氏が言うような「バカ」ではない。

 興味深いのは、C氏が指摘した「マカオとの天秤」という表現だ。米国ラスベガスを抜いてマカオがカジノ収益で世界一になったのは2006年。7年後の2013年には451億ドルという莫大な営業収益を記録した。1ドル100円換算なら日本円で約4兆5100億円だ。

 だが、それは「営業収益」にすぎない。カジノの収益は「客が負けた金額と諸手数料との合算額」であり、賭けられたチップ総額の一部にすぎないからである。VIPルームは“超・鉄火場”であり、総ベット額は途方もない金額だ。マカオにおける同年の賭け金推定総額は、実に40兆円超。オーストラリアの国家予算にも匹敵する。

 そのマカオで4月20日、特別区行政長官が今年後半のゲーミング法改正でカジノの営業権発給を「自動更新せず、新規再入札とする」と言明した。トランプ政権になって米中関係が悪化したからである。

 従って、マカオのゲーミング・コンセッションは再入札となる。マカオでカジノを運営している6事業者のコンセッション満期は2022年6月26日。マカオのカジノビジネスで余禄を食む中国政府の高級官僚が日本のIRカジノに顧客を吸われるのを嫌がり、新型コロナショックのこの時期に、LVSに対して「日本とマカオのどっちを取るか」を暗に迫っていたとしても不思議ではない。

 マカオで5つのカジノ施設を運営するLVSは香港証券取引所に上場している。LVSとしても、新規再入札でライセンスが更新されれば企業価値が維持され、株価の下落を回避できる。LVSの株はアデルソン一族が大半を握っている。同氏が「このたびは、ひとまずアベ=日本市場を捨てる」ことにした可能性が高いのである。

 LVSが撤退を表明した約2週間後の5月26日、“マカオのカジノ王”として知られたスタンレー・ホー氏(マカオ旅遊娯楽有限公司=STDMの総帥)の訃報が伝えられた。昨年時点で同社は、マカオで運営されているカジノ41施設中の22施設を所有している。しかし、メルコリゾーツ&エンターテインメントを率いる息子のローレンス・ホー会長兼CEOが横浜におけるIRカジノ開発から撤退する気配は微塵もない。

 LVSのアデルソン会長が「日本のカジノに100億ドル(約1兆円)を投資する準備がある!」と狼煙をあげたのは、今から6年前の2014年2月。その“日本上陸宣言”に対して、筆者はその直後、別の媒体でそれが「投資ゲーム」であることを指摘した。従って、LVSが「ひとまず、撤退」しても、IRカジノ法がある限り誘致に奔走する自治体がなくなる可能性は低く、カジノ業者と関連・共益ビジネスも施設建設に邁進するため、IRカジノをめぐる投資ゲームは続く。

 従って、最大手業者が一旦席を外したとしても、監視機関である「カジノ管理委員会」が機能するか否かの重要度は変わらない。

第1の欠陥――「推進する政府」と「規制する機関」が最初から骨がらみ

 世の中には、ただでさえ「カネにまつわる事件と犯罪」があふれている。もし、民設民営の巨大カジノビジネスに対する行政の監視が甘ければ、カジノは無数の事件や犯罪を引き寄せ、国民にはうかがい知れない複雑・巧妙な贈収賄による疑獄、金融犯罪などの温床となる。巨大なカネは権力そのものであり、政官は容易にその力に屈しがちだ。特に、深層で巨額のカネと政治/行政の権力が共謀すれば、仮に事犯が発覚して摘発され世に報じられたとしても、国民に伝えられる“結末”は単なる「尻尾切り」にすぎない場合が少なくない。

 本連載の初回から述べてきたように、IRカジノを本気でメディアが注視するのであれば、これを監視する「カジノ管理委員会」に、まずは焦点を当てる必要がある。国民に代わってカジノビジネスを管理・監督・監視すべき権能が一手に与えられた同委員会の職責は重く、国民の猛反対を無視して禁断の扉を開いた安倍晋三内閣と同委員会は、彼らが高らかにうたった「廉潔性の確保」を字義通りに全うせねばならない。

 しかし、前回までの記事で筆者は、カジノ管理委員会が「素人目にも穴だらけ」で、「いくつもの重大な欠陥・問題を孕んで」おり、「職責を全うできるか」は疑わしく、今のままでは「管理・監督・監視にはならない」と書いた。監視機関が「欠陥だらけ」であれば、国民に公言した「廉潔性の確保」を全うすることはできない。

 カジノ管理委員会は、公正取引委員会や国家公安委員会などと同じく、「内閣府設置法」に基づき内閣府の外局として設置された。それらは、国家行政組織法に基づき環境省の外局として設けられた原子力規制委員会や、同じく法務省の外局である公安審査委員会などと同じ「行政委員会」であり、独立した巨大な権能を与えられている。

 2011年3月11日に東京電力が起こした「東京電力福島第一原発事故」を機に、日本の国民と政府は、いくつもの教訓を“学んだはず”だった。その主要なひとつが、原発を「推進する政府」と「規制する機関」とを明確に分離することである。永年、原発を推進してきた政府は、その規制機関を事実上、傘下に置いて牛耳ってきたことで、天下りや贈収賄による癒着にまみれた原発を「安全神話」で偽装し、その結果として「3.11巨大原子力災害」を引き起こしたからだ。

 事故後の現在、環境省の外局に設置された原子力規制委員会には、カジノ管理委員会と同じく任期5年の委員が5人置かれている。その職責は言うまでもなく、「独立した行政権限による原発の安全規制」だ。「推進」と「規制」が骨がらみにならぬよう、「職員の異動」や「民間登用」を規制し、省庁から規制庁に異動した職員が出身官庁に戻ることを「ノーリターン・ルール」で禁じた。また、原子力を推進する民間の組織・団体・企業から登用した職員の出戻りにも同様のルールが適用された。そうした機構上の刷新によって、少なくとも表面的な「形式的な分離」を示したわけだ。

 とはいえ、昨年9月1日に施行した「原子力規制委員会設置法」で「原子力規制庁の職員の原子力利用推進に係る事務を所掌する行政組織への配置転換を認めない」と“出戻り”を禁じていたにもかかわらず、わずか1カ月後に政府は「原子力の仕事に直接関与する部署以外であれば(出戻りを)認める」と運用ルールの解釈を変更した。設置法は3.11原発事故の教訓を蔑ろにするザル法と化したのである。

 ところが、内閣府の外局として設置されたカジノ管理委員会には、最初から職員の異動に関する「形式的な分離規制」さえ設けられていない。原発の規制委員会と同じく、カジノの規制機関も天下りや贈収賄での馴れ合いを回避するためには当然、「政府から機関分離」する必要があったはずだ。その厳格性を欠いたまま始動した同委員会は、人事や運営以前に、「組織そのもの」が起動時点ですでにゆるゆるなのである。警察庁や国土交通省から異動してきた職員は、出身官庁に戻ることもカジノ関連産業に異動することも事実上、不可能ではない。

 周知のように、IRカジノ法を閣法として起案し、国会で合法化した安倍内閣は、経済再生のための数多ある政策案を打ち捨てて、日本史上初の「外資を含む民間カジノ業者による賭博の合法化」を強行採決した。「カジノが財源を潤す」との名目で法制化されたIRカジノ法は、それを起案した政権による「民間賭博ビジネスの奨励」を命題として抱えている。

 外資含みの民間企業によるカジノ賭博の振興で業者に稼がせたカネを期待することが法の目的とされているからには、それを規制・抑圧すれば辻褄が合わなくなる。従って、政府から異動してきて、いずれは政府に戻ったりカジノ関係組織等へと流れていく可能性が大きい職員は当然、将来の異動先で「減点」となるような“厳格規制の実行”には腰が引ける。

 つまり、カジノを規制する行政組織が「職員の異動先を無規制」としたことは、規制機関としての致命的欠陥なのである。最初から原子力規制委員会設置法と同じ「ザル法」ということだ。仮に、政権を揺るがすような巨大疑獄が察知されたとしても、組織そのものが人事面で政権に牛耳られた現在のカジノ管理委員会には、はじめから手も足も出ないのである。

 その結果、規制対象の背後に潜む巨大な「力」の影が大きければ大きいほど、事犯を一瞥した瞬間に、職員や管理職が目を背けがちになる。逆に、それが“許容範囲”の相手であれば、厳しい規制と処断に躊躇することはない。「規制」と「推進」を分離しなければ、そうした歪な“監視”が必然であることは十分に想定内だったはずである。以下、次稿。

(文=藤野光太郎/ジャーナリスト)

電通と政府・官僚が癒着した理由とは? 博報堂出身の作家が解説

正解のないWEBマガジン~wezzyより】

Getty Imagesより

 国の持続化給付金支援事業において、電通やパソナが設立していた社団法人「サービスデザイン推進協議会」が受託した事業費769億円の97%、749億円を電通に再委託し、電通はさらに自分の子会社に再々委託していたことが、東京新聞の報道で明らかになった。電通は全く同様のやり方で総務省の「マイナポイント事業」も受注していて、電通と官庁の癒着構造が、想像以上に深くなっていたことが明らかになってきた。

 この問題の発覚以来、私の所には新聞社を含む多くのメディアが取材に来たが、異口同音に「なぜ広告代理店の電通がこのような事業を受注するのか」と聞いてくる。今回はその構造を解説する。

梶原雄太・降板騒動、上沼恵美子が公開パワハラで見せた“危険な症状”…本人に自覚なし

 キングコングの梶原雄太さんが、レギュラー出演していた『快傑えみちゃんねる』(関西テレビ)と『上沼恵美子のこころ晴天』(ABCラジオ)を6月いっぱいで降板した。その背景に、6月26日放送の『快傑~』の収録時に上沼さんの“パワハラ”に近い“いじり”があったのではないかと「女性セブン」(7月16日号/小学館)で報じられた。

「女性セブン」によれば、この番組の約1時間の放送中、2カ月ぶりにスタジオに登場した梶原さんが話をしたのはたった70秒だったが、実はお蔵入りになったやり取りがあるようだ。上沼さんは「義理を欠いている」と梶原さんを責め、さらに「イラついてんねん。キミに!」と言い放ったらしい。そう言われて梶原さんは明らかに動揺した様子で、笑いも消え、涙目になり、「なんでこんなに嫌われたんやろ」と絞り出すように話したという。

 この答えを見つけるのは難しい。何しろ上沼さんは梶原さんを息子のようにかわいがり、『快傑~』のレギュラーに抜擢したのも上沼さん自身らしい。梶原さんも上沼さんを恩人と慕っていたようなので、一体なぜ歯車が狂ったのかと首をかしげたくなる。

「かわいさ余って憎さ百倍」ということわざ通りのことが起きているようだが、そのきっかけになるのは、たいてい些細なことだ。「女性セブン」では、『快傑~』の構成作家を務める上沼さんの次男が、あまりに母親が梶原さんを評価することに嫉妬して梶原さんに関する悪評を広めたというテレビ局関係者の証言が紹介されているが、どこまで事実なのか、わからない。

“パワハラ”加害者は自己正当化しがち

 私は上沼さんの大ファンである。上沼さんの関西での人気は絶大だし、ちゃんと人を見て的を射たことを言う能力に敬意を表している。だから、“ネット界の上沼恵美子”になるべく、観察力と分析力を養いながら毒舌に磨きをかけている。

 ただ、今回「女性セブン」の取材に対して上沼さんが「本番中にきついこと言うのは愛です。ただ、梶原くんの返しがものすごく下手だったの。とりあえず、もう少し力をつけるべきでしたね」と答えたことに疑問を抱かずにはいられない。“パワハラ”加害者が口にする言葉に似ているからだ。

 まず、きつい言葉で叱責し、ときには暴言を吐くことを「愛です」と正当化するのは“パワハラ”加害者の常套手段である。たとえば、部下の人格を否定するような言葉を投げつけながら、「これは君の成長のためだ。愛からやっている」と正当化する上司はどこにでもいるだろう。

 また、「梶原くんの返しがものすごく下手だったの」と相手のせいにして責任転嫁するのも、パワハラ加害者がよく使う手だ。部下が「できないから」「力がないから」厳しい対応をしているのだと正当化すれば、罪悪感も自責の念も抱かずにすむからである。

 このような自己正当化は、“パワハラ”加害者にしばしば認められる。そのため、“パワハラ”加害者の言い分は、被害者の主張とかなり異なっていることが少なくない。だが、加害者は必ずしも嘘をついているわけではない。嘘は、本人が意識してつくものだが、自己正当化は本人が自分を守るために無意識のうちにやってしまうものだからだ。嘘をついているという自覚がない分、自己正当化のほうが危険ともいえる。

 とくに他人から善人と思われることを強く望み、体面や世間体のために人並み以上の努力を重ねる人は、自己正当化の達人であることが多い。そういう人が“パワハラ”加害者になると厄介だ。被害者の目には「平気で嘘をつく人」のように映っても、加害者本人には嘘をついているという自覚がまったくないからである。

 上沼さんには、梶原さんに対する苛烈な“いじり”が“パワハラ”になりうるという自覚がなさそうに見える。あくまでも“愛のいじり”と思い込んでいそうだし、もちろん嘘をつているという自覚もないはずだ。

 これだけ人気と実力を兼ね備え、大きな影響力を持つ“西の女帝”である上沼さんに歯止めをかけるのは至難の業だ。だから、梶原さんが局に自ら降板を申し出たのは賢明だと思う。YouTuberとしてデビューし、チャンネル登録者がいまや204万人を突破しているのだから、心身に不調をきたしかねないテレビやラジオの仕事にしがみつく必要はまったくないだろう。

(文=片田珠美/精神科医)

 

JRA「金子オーナー×中内田厩舎」の黄金タッグ! クロノジェネシス宝塚記念圧勝で評価急上昇の「弟」にG1級の期待

 今年の宝塚記念(G1)はレース30分前の豪雨により、一時は良まで回復していた馬場が急変した。馬場状態の発表こそ稍重だったが、勝ち時計の2分13秒5は過去10年でも最も遅く、上がり3Fでも37秒を超える馬が多数出るまでに悪化した。

 そんなタフなレースながらも直線先頭から2着キセキを6馬身千切る圧勝を見せたのがクロノジェネシスだ。18年の阪神JF(G1)ではダノンファンタジーの2着に敗れ、昨年の秋華賞(G1)で悲願のG1制覇を成し遂げた馬が、G1馬が8頭集まった春のグランプリで牡馬の強豪を蹴散らして、一気に頂点に上り詰めた瞬間だった。

 この勝利により、自身の評価が高まると同時に俄然注目される存在となったのが、弟のクルーク(牡2、栗東・中内田充正厩舎)である。クロノジェネシスの父はバゴだが、モーリスに替わった半弟は昨年のセレクトセールに上場され、5616万円で取引された。

 モーリスと配合されたことで発生したサンデーサイレンスの4×3は、過去の名馬に多く見られた「奇跡の血量」にも当てはまる。母クロノロジストは、昨年のヴィクトリアマイル(G1)を優勝したノームコア(父ハービンジャー)も出しているだけに良血といえるだろう。

 また、クルークを購入したのが、金子真人オーナーであることも注目したい。金子オーナーといえば、クロフネ、キングカメハメハ、ディープインパクトをはじめ、これまでに多くのG1ホースを所有している。個人馬主としては初となる八大競走完全制覇を達成した「相馬眼」の持ち主としても有名だ。

 クルークの母父であるクロフネを所有していたこともあるだけに、オーナーにとっても縁のある血統といえるかもしれない。管理する中内田厩舎も関西で頭角を現している腕利きだけに「金子オーナー×中内田充正厩舎」となれば黄金タッグだろう。

 デビュー時期はまだ決まっていないとはいえ、自ずと期待は大きく膨らむ。

「気掛かりがあるとすれば、6月の新馬戦を未勝利と思うような結果を残せていない父のモーリスでしょうか。ですが、モーリスは古馬になってから本格化を遂げた馬です。

同じく父スクリーンヒーローのゴールドアクターも本格化したのが古馬になってからだったことを考えれば、結論を出すのはまだ早いかもしれません」(競馬記者)

 数多くの名馬を見出した金子オーナーの相馬眼にかなったということであれば、クロークが大物の可能性は十分にある。姉の2頭がG1馬になっていることも強力な後押しとなりそうだ。

 今からデビューが待ち遠しい1頭である。

JRA武豊も期待「夢の配合」当歳馬が上場! セレクトセール2020はキタサンブラック×レシステンシア母の「稀代の快速馬」候補に熱視線

 7月12日、13日と2日間に渡って、日本最大の競走馬市場「セレクトセール」が北海道のノーザンホースパークにて開催される。初日には1歳馬が約250頭、2日目には当歳馬が約230頭の上場を予定している。

 今年の注目の的は、昨年他界したディープインパクト、キングカメハメハという大種牡馬の産駒の行方だろう。キングカメハメハは2019年の種付けを行っていないため、1歳馬がラストクロップとなる。また、ディープインパクトは体調不良により19年3月から種付けを取りやめた影響で、当歳馬は全部で20頭前後の見込み。そのため、今年のセリで上場する1歳馬がラストチャンスに等しい状態なのだ。

 また、来夏に初年度産駒がデビューを控える新種牡馬の産駒にも注目したい。今年6月、顕彰馬に選出されたキタサンブラックの産駒が上場を予定しているのだ。9頭の1歳馬、8頭の当歳馬には競馬関係者のみならず、ファンからも熱い視線が注がれるだろう。

 現役時代、キタサンブラックは史上最多タイの芝G1・7勝を挙げ、通算獲得賞金の18億7684万3000円は歴代1位。北島三郎オーナーと武豊騎手のコンビで大きな話題を呼び、競馬ファンのみならず世間にその名を轟かせた名馬だ。多くファンの間では、16年のジャパンC(G1)や引退レースとなった17年の有馬記念(G1)の逃げ切り勝ちが印象に残っているのではないだろうか。

 そんなキタサンブラックの産駒の中から、セレクトセールに上場を予定している馬で注目したいのが、2日目に登場する当歳馬・マラコスタムブラダの2020(牡)だ。

 半姉のレシステンシア(父ダイワメジャー)は昨年の最優秀2歳牝馬。今年も桜花賞(G1)とNHKマイルC(G1)で2着に好走している3歳牝馬の代表格である。同馬の持ち味といえば、やはりスピードだろう。ハイペースで逃げても、直線で脚色が鈍らないという魅力を持っている。

 レシステンシアの半弟がキタサンブラック産駒となれば、否が応でも「稀代の逃げ馬」誕生に期待してしまう。

「サンデーサイレンス系という点で、父キタサンブラックは配合的にダイワメジャーを父に持つレシステンシアと大きく変わりません。レシステンシアがあれだけ活躍しているので、マラコスタムブラダの2020にも期待が持てそうですね。また父キタサンブラックとなれば、レシステンシアよりも距離の融通が利く、つまりは日本ダービー(G1)を狙えるような馬の誕生も十分にあり得ます。

少し気が早いですが、是非ともジョッキーは武豊騎手に乗ってほしいものです。キタサンブラック以外にも、サイレンススズカ、エイシンヒカリといった逃げ馬をスターダムへと押し上げたジョッキーですからね。レシステンシアとも2度コンビを組んで結果を出していますし、これ以上ない鞍上ですよ」(競馬記者)

 実際に、武豊騎手はキタサンブラックが顕彰馬に選出された際に、自身の公式ホームページの日記で、「キタサンブラックの産駒は、いよいよ来年競走年齢に達します。その子供たちに早くまたがってみたい。きっと、たくさんの活躍馬を出してくれると期待しています」とコメントしている。是非とも再来年にはマラコスタムブラダの2020と武豊騎手とのコンビを見てみたいものだ。

 当歳馬がデビューするのは2年後。まずはセレクトセールでどのオーナーが快速馬候補を落札するのかに注目が集まる。

JRA兄インディチャンプに続け! 古馬になって本格化の「晩成型」はこれからが本番!?

 今週5日に阪神競馬場でサマースプリントシリーズ第2戦・CBC賞(G3)が行われるが、ここにアウィルアウェイ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)が参戦する。

 今年は3戦、すべて重賞を走り4着、1着、11着と成績がなかなか安定してこない。特に前走の高松宮記念(G1)は流れに乗れないまま、良いところがなく11着に敗れている。兄にインディチャンプ、叔父にはネオリアリズム等、能力の高い馬が揃っている血統だけに、なんとかこのサマースプリントシリーズをきっかけに浮上したいところである。

 偉大な兄インディチャンプも、決して平坦な道のりを歩んできたわけではない。

 道中ハミを噛んで走ったり、ソラを使って負けたりと、気性の悪さを出していた3歳の春、毎日杯(G3)3着、アーリントンC(G3)4着で狙っていたNHKマイルC(G1)出走が叶わなかった。

 しかし、古馬になって本格化。インディチャンプの急成長ぶりを見せ付けたのは、アーモンドアイらG1馬たちと対決した昨年の安田記念(G1)のレースだ。

「レース後に音無調教師が『この短期間で馬はグッと良くなっていました』と語っていました。気難しい馬も大きく成長し、アーモンドアイらを破ってG1馬になるんですから、この血統の成長力は驚異的ですね」(競馬誌ライター)

 そこには、ハミを噛んだりソラを使ったりしていたインディチャンプはいなかった。心身ともに成長した彼は、不遇だった3歳時のリベンジをこの安田記念で果たしてみせた。

 妹のアウィルアウェイも、3歳春は力を出せず、夏の放牧を3ヶ月挟んだ後にOP入りした。4歳から重賞路線を歩んでいくという姿は、兄インディチャンプと同じだ。

 叔父のネオリアリズムが5歳になってから活躍したこともあって、晩成型が多いこの一族は、大成するまで時間がかかるのだろう。今年、初重賞勝ちしたばかりのアウィルアウェイも、むしろここから真価を発揮するのかもしれない。

 今週のアウィルアウェイについて高野調教師は「以前は調整が難しいタイプで道中は力みすぎるくらいでした。ですが経験と年齢を重ねて落ち着いてきまして、乗り手との親和性が出てきている感じです」とコメント。

 アウィルアウェイがサマースプリントシリーズ参戦で一皮剥けるならば、秋以降のG1戦線も楽しみだ。このCBC賞でしっかりと賞金を加算しておきたい。

小池百合子都知事が都知事選のため陽性者数を操作して東京アラートを解除していた疑惑! 本日の新規感染者100人以上との速報も…

 本日7月2日の東京都の新型コロナ新規感染者数が100人を超えるとの速報が飛び込んできた。内訳など詳細は明らかになっていないが、昨日まで6日連続で50人を超えていることを考えても、感染が再拡大傾向にあることは間違いないだろう。  新型コロナ感染拡大の中心地となっているにも...

香港国安法、中国国外で“中国政府の悪い噂”発信しても違法・逮捕…報道の自由が困難に

「『警官がデモ隊を殴り殺した』などという噂を広めた人々は香港国家安全保障法(国安法)に違反しているとみなされる」――。中国国務院香港マカオ事務弁公室の張暁明副主任は1日、記者会見でそう語った。香港の非営利英語ニュースサイト「Hong Kong Free Press」が2日、記事『Spreading rumours of police killing protesters at Prince Edward MTR may breach Hong Kong security law – Beijing official』で報じた。人権弾圧や言論出版の自由のはく奪の懸念が広まっている国安法に、また一つ新しい懸念が明らかになった。

 同記事によると張副主任は、「昨年8月に香港プリンスエドワード駅で警察が市民を殴り殺した」との噂が広がった件を例示し、「(噂を広げるという)この種の行為は、警察に対するあらゆる社会的不満を何もないところに集中させる。悪意と深刻な結果を伴う中央政府を標的とする行為には法的結果がもたらされる可能性がある」と述べたという。

 国家安全保障法第29条で、香港政府に対して憎悪を誘発することは禁止しされている。この見解は、「警官がデモ隊を殺害したかもしれない」という未確認情報を発しただけでも、同法違反に問われる可能性があるというのだ。

 AFP通信などによると、昨年8月31日、同駅では列車内やホームにいたデモ隊を治安部隊が警棒やトウガラシスプレーなど使い、制圧した。その際、数十人が負傷した。死者が出たという噂は医療関係者やジャーナリストが駅から追い出された後に広まった。

全国紙記者「死者が出たかどうか正確に確認するのはメディアですら難しい」

 海外での紛争取材の経験のある全国紙記者は次のように話す。

「混沌とした警官隊とデモ隊との衝突現場で、正確な情報を瞬時に把握するのは不可能です。これまでのように現場にジャーナリストや医療関係者などの目撃者がいれば、追跡取材や事実確認ができますが、事が終わった後で、『死者が出たのかどうか』をファクトチェックしようとすれば非常に難しくなるでしょうね。当局が事実を歪曲することなく伝えているのなら問題はないでしょうが、今後、中国当局はどうなのでしょうか。

 また国安法の最大の懸念は、違反となる行為が香港領内での発言や報道にとどまらない可能性が高いことです。つまり日本で行われた公の言動も、中国政府が主張する『中央政府を標的とする悪意ある噂を広げた』と認定されれば、中国国内に入った瞬間に拘束される可能性があるということです。中国に今後、一回も行かないということはマスコミ業界にいる限り、不可能です。リスクが大きすぎて、国際畑の編集幹部は頭を抱えているみたいですね。今後は何が起こっても、基本的に中国政府の公式発表か、香港当局の確認を取った報道しかできなくなるのではないかと不安です」

 香港の国安法の懸念はどこまで広がるのか。

(文=編集部)

 

【募集告知】「ニューノーマルの時代に求められるトランスフォーメーションとは?」応募受付中

ニューノーマルの時代に求められるトランスフォーメーションとは?


電通、電通デジタル、ビービッドの3社は、7月16日に開催するウェビナー「ニューノーマルの時代に求められるトランスフォーメーションとは?」の参加者を募集している(7月14日18:00まで)。

【概要】

日 時:7月16日15:30~16:45
会 場:オンライン
対象者:企業経営者、及びDX、新規事業、マーケティング担当者の方
費 用:無料(事前登録制 登録締切:7月14日18:00)
主 催:電通・電通デジタル・ビービット
詳 細:
https://peatix.com/event/1531793/view?k=b33d11e4c5bb5c9e01f93259e1fd29fd0eb0f3f1

※ 競合他社及びフリーアドレスでのお申込みはお断りさせていただきます。
※ プログラム内容は変更となる場合がございます。

 

【アジェンダ】

1.withコロナ時代の概観
2.着目するべき企業の動き
3.これからの企業のトランスフォーめションの指針とは?
4.質疑応答

【事務局コメント】

withコロナの時代、「ニューノーマル」「ネクストノーマル」という言葉に代表されるように、不可逆となった変化も多い。ただ、「ニューノーマル」「ネクストノーマル」がなにを指すのか、なにをやったらいいのか戸惑っている企業関係者も多いかもしれない。
言葉の定義にふりまされるのではなく、企業や生活者の動きを見ながら、Withコロナのの時代に、企業が何に取り組んでいかなければいけないか、長く企業経営・マーケティング戦略づくりをリードしてきた3人がヒントを導出する。

強すぎる感受性に苦しむ「HSP」のための、心が楽になる考え方

 

「周りに機嫌が悪い人がいると緊張してしまう」
「他の人が受け流せるようなことが心に引っかかって落ち込んでしまう」
「何かあるとすぐに動揺して、取り乱す」

 日常生活でこんなことはありませんか? もし当てはまるなら、あなたはもしかしたら「HSP」かもしれません。

「HSP」とは「Highly Sensitive Person」の略で、普通の人よりも感受性が強く、繊細な人のことを指します。他人のちょっとした変化に気づいたり、物事の細かいところまで気を配れたりと、「繊細さ」にはいい面がたくさんある一方で、対人関係で疲れやストレスを溜めやすかったり、細かいところに目が行きすぎて、やるべき作業がなかなか進まなかったりすることも。「敏感なセンサー」は諸刃の剣なのです。

 では、繊細すぎて悩みやストレスを感じている人は、「細かいことは気にしない!」と、自分の鋭さや細やかさにフタをして、少しばかり「鈍感な人」を目指すべきなのでしょうか?

■無理に「鈍感」になる必要はない!

『「HSP」で「ひきこもり」だけど私は元気です。』(かほり著、武田友紀監修・解説、ソシム刊)は、周囲の人よりも敏感な感受性を持つがゆえに悩む人に向けて、毎日を快適に自分らしく過ごすアドバイスを与えてくれます。

 この本を監修したHSP専門カウンセラーの武田友紀さんは、繊細な人は「繊細さを大切にすることで、どんどん元気になる」としています。無理に鈍感になろうとしたり、自分の感受性を押し殺そうとしなくてもいいのです。

 これを理解したうえで、気持ちが落ち込んだ時や、悩んでしまった時、ストレスを感じている時をどう乗り切っていくか、という話になります。

■頭では「やらなきゃ」と思っていても

 まず大切なのは、疲れた時やストレスが溜まっている時は、潔く休むこと。真面目な人ほど休むことに罪悪感を抱くものですが、エネルギーが枯渇している状態で無理やり動いても、状況は改善されません。

 心と体はリンクしています。頭で「動かなきゃ」「これをやらなきゃ」と思っても体がついてこないのであれば、それは「まだ動きたくない」が本音なのです。たっぷり休んで、自然に「これをやりたい」「もう休むのにも飽きてきた」という気持ちが生まれてきたらもう大丈夫。そこからリスタートしましょう。

■自分の気持ちに目を向けよう

 落ち込んで自分に自信が持てない時に、自己肯定感を復活させるには、できた物事をカウントするのではなく「楽しい」「嬉しい」「嫌だ」といった自分の気持ちに目を向けていくことが大切だと、武田さんはいいます。

「掃除したくない」と思ったら、自分を「怠け者だ」と責めたりするのではなく、掃除したくない気持ちをそのまま受け入れるのがポイント。どんな気持ちも「今、自分はこう思っているんだな」と受け入れ続けることで「どんな自分でもOK。私は私でいいんだ」という自己肯定感につながります。

 本書の著者、かほりさんもまたHSPであり、苦しんだ末に自分の性質とうまく付き合いながら生きていく術を身につけた一人。会社で、家庭で、学校で。彼女のように、繊細がゆえの生きにくさを抱えている人は、きっと少なくないはずです。

 繊細さは小さな幸せも味わえる素敵な気質であり、まちがいなく長所です。その長所を殺さず、かつ必要以上に傷つくことがないような考え方や振る舞い方が、本書からはきっと見つかるはずです。
(新刊JP編集部)