阪神タイガースでおなじみの「六甲おろし」誰が作曲した?

 

 窪田正孝さん、二階堂ふみさん出演の2020年度前期NHKテレビ小説『エール』のモデルとなっているのが、昭和を代表する作曲家の古関裕而氏である。

 古関氏の戦後の活躍で特筆すべきはスポーツ音楽。とくに野球ファンにとって、現在も聴き馴染みのある曲が多いのだ。阪神タイガースの応援歌「六甲おろし(阪神タイガースの歌)」、読売ジャイアンツの応援歌「巨人軍の歌」、甲子園の高校野球で必ず流れる『栄冠は君に輝く』、早稲田実業高校が甲子園に出場したときに流れる応援歌「紺碧の空」。これらも古関氏の作曲による楽曲だ、というと「すごい人」というのがわかるはず。

■スポーツ音楽作曲家は意外にもスポーツが苦手だった

 『【まんが】古関裕而ものがたり;名曲でふりかえる「昭和」とオリンピック』(内藤誠作、三代目仙之助画、彩流社刊)では、昭和をとおして国民に愛されるメロディーを作り続けた古関裕而をまんがで描く。

 学生時代から独学で音楽を学び、作曲も手掛け、音楽の才能を発揮していた古関氏は、レコード会社コロムビアに入社。後に昭和を代表する曲を何曲も作曲する古関氏だが、ヒットを出すまでに苦難の日々を送ることになる。

 昭和初期の時代は未曾有の不景気で、世の中の空気を少しでも上向きに、と明るい歌謡曲が流行っていた。会社から古関氏にも流行歌を作曲するように要求される(「流行歌をつくれ」とはすごい要求である)が、真面目でクラシックが好きだっため、流行歌の節に馴染めず、職業作曲家としてのスタートはつまずいてしまったのだそう。

 昭和6年、出世作ともいえる早稲田大学応援歌「紺碧の空」を作曲しているが、同年デビュー曲となる「福島行進曲」はヒットせず、その後もなかなかヒット曲に恵まれない時期が続く。

 転機が訪れたのは昭和9年だった。水郷の潮来を訪れ、この取材旅行で生まれた「利根の舟唄」は、間奏に尺八を入れるなど豊かな発想が功を奏してヒット。翌年には「船唄可愛や」を発表すると、これが大ヒットし、ようやく売れっ子作曲家の道を進み始める。そして、ラジオドラマ、映画、演劇、ミュージカルと幅広く楽曲を作ることになる。

 戦後、スポーツ音楽を多く手掛けたのは、古関氏本人がスポーツを苦手にしていたことが、それが「実技としてのスポーツはできないけれども、音楽の上でスポーツをやる」という意欲につながったからだ。そして、東京オリンピックの入場曲となる「オリンピック・マーチ」を作曲。後に、古関氏自身が作曲家人生で大好きな曲としてこの曲を挙げている。

 現在、新型コロナウイルスの影響で朝ドラ『エール』は、放送休止中で第1回から再放送中。『エール』と合わせて本書も読んでみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

阪神タイガースでおなじみの「六甲おろし」誰が作曲した?

 

 窪田正孝さん、二階堂ふみさん出演の2020年度前期NHKテレビ小説『エール』のモデルとなっているのが、昭和を代表する作曲家の古関裕而氏である。

 古関氏の戦後の活躍で特筆すべきはスポーツ音楽。とくに野球ファンにとって、現在も聴き馴染みのある曲が多いのだ。阪神タイガースの応援歌「六甲おろし(阪神タイガースの歌)」、読売ジャイアンツの応援歌「巨人軍の歌」、甲子園の高校野球で必ず流れる『栄冠は君に輝く』、早稲田実業高校が甲子園に出場したときに流れる応援歌「紺碧の空」。これらも古関氏の作曲による楽曲だ、というと「すごい人」というのがわかるはず。

■スポーツ音楽作曲家は意外にもスポーツが苦手だった

 『【まんが】古関裕而ものがたり;名曲でふりかえる「昭和」とオリンピック』(内藤誠作、三代目仙之助画、彩流社刊)では、昭和をとおして国民に愛されるメロディーを作り続けた古関裕而をまんがで描く。

 学生時代から独学で音楽を学び、作曲も手掛け、音楽の才能を発揮していた古関氏は、レコード会社コロムビアに入社。後に昭和を代表する曲を何曲も作曲する古関氏だが、ヒットを出すまでに苦難の日々を送ることになる。

 昭和初期の時代は未曾有の不景気で、世の中の空気を少しでも上向きに、と明るい歌謡曲が流行っていた。会社から古関氏にも流行歌を作曲するように要求される(「流行歌をつくれ」とはすごい要求である)が、真面目でクラシックが好きだっため、流行歌の節に馴染めず、職業作曲家としてのスタートはつまずいてしまったのだそう。

 昭和6年、出世作ともいえる早稲田大学応援歌「紺碧の空」を作曲しているが、同年デビュー曲となる「福島行進曲」はヒットせず、その後もなかなかヒット曲に恵まれない時期が続く。

 転機が訪れたのは昭和9年だった。水郷の潮来を訪れ、この取材旅行で生まれた「利根の舟唄」は、間奏に尺八を入れるなど豊かな発想が功を奏してヒット。翌年には「船唄可愛や」を発表すると、これが大ヒットし、ようやく売れっ子作曲家の道を進み始める。そして、ラジオドラマ、映画、演劇、ミュージカルと幅広く楽曲を作ることになる。

 戦後、スポーツ音楽を多く手掛けたのは、古関氏本人がスポーツを苦手にしていたことが、それが「実技としてのスポーツはできないけれども、音楽の上でスポーツをやる」という意欲につながったからだ。そして、東京オリンピックの入場曲となる「オリンピック・マーチ」を作曲。後に、古関氏自身が作曲家人生で大好きな曲としてこの曲を挙げている。

 現在、新型コロナウイルスの影響で朝ドラ『エール』は、放送休止中で第1回から再放送中。『エール』と合わせて本書も読んでみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

正気か? 安倍首相の諮問機関「政府税調」がコロナ対策の財源確保と称し「消費税増税」を検討! 世界各国は減税に舵を切っているのに

 7日に発表された6月の実質賃金は4カ月連続で減少して前年比1.9%減、6月の消費支出も前年比1.2%減少となり、新型コロナが生活に与える影響が深刻化している。それでなくても昨年10月の消費税の税率引き上げによって国民生活は大きな打撃を受けていたが、そこにコロナが追い打ちを...

JRAレパードS(G3)ライトウォーリアの「欠点」が無効化!? ポテンシャルを引き出す「幸運」はレース前にあった!!

 初の重賞挑戦でポテンシャルの高さを証明する。

 前走インディアトロフィー(2勝クラス)を快勝したライトウォーリア(牡3歳、栗東・高野友和厩舎)が、今週9日(日)のレパードS(G3)に出走予定だ。

 デビューから2戦は芝で勝ち切れない競馬が続いたが、3戦目のダート戦で一変し、2着馬に2馬身、3着馬をさらに5馬身突き放す内容で快勝した。

 ダート戦を得意とする父マジェスティックウォリアーの血統を考えれば、順当とも言える結果だ。次の1勝クラスも難なく突破した本馬であったが、ダート3戦目となった伏竜S(OP)では3番人気に支持されたものの勝ち馬から6.6秒も離される、まさかの大惨敗……。

 しかし、これに高野調教師は「もまれたのが敗因」と能力で負けた訳ではない事を強調している。

 伏竜Sでは4枠5番と比較的内目の枠で、内のヘルシャフトが行き切った事で控えざるを得ない競馬。さらにダノンファラオに外から押し込められて、キックバックの影響をもろに受ける形となった。

 また、前走のインディアトロフィーでも勝ちはしたものの、3コーナーあたりで外から被される展開。急に手応えが悪くなったとの事で、どうやら窮屈になったり挟まれたりという事に弱いようだ。

 伏竜Sの惨敗があるだけに不安定な部分はあるものの、今回は2つの理由から「欠点が無効化」される可能性がある。

 まずは6枠10番という比較的外目の枠。

 陣営も「現状では砂を被らないようなレース運びが良い」と言うように、好枠を引き当てた今回は前走同様のパフォーマンスが引き出せる可能性が高いと言える。

 もう1つは枠の並びで、外の馬にそれほど行きそうな馬がいないのも、挟まれる事を嫌う本馬には好都合だ。

 天運を味方につけた本馬の状態であるが、5日(水)は栗東坂路を単走で追い切られ、馬なりで4ハロン53.2-38.6-25.5-12.8。陣営は「動きはいいですよ。1週前に併せてしっかりやっていますので――」とコメントしており、前回同様の最終追い切りは軽め仕上げながら、満足のいく仕上がりで出走できそうだ。

 まだ若駒特有の脆さはあるものの、スムーズに走れた際のポテンシャルは相当。今回の枠の並びであれば一気の重賞制覇も期待できそうだ。

JRAレパードS(G3)ライトウォーリアの「欠点」が無効化!? ポテンシャルを引き出す「幸運」はレース前にあった!!

 初の重賞挑戦でポテンシャルの高さを証明する。

 前走インディアトロフィー(2勝クラス)を快勝したライトウォーリア(牡3歳、栗東・高野友和厩舎)が、今週9日(日)のレパードS(G3)に出走予定だ。

 デビューから2戦は芝で勝ち切れない競馬が続いたが、3戦目のダート戦で一変し、2着馬に2馬身、3着馬をさらに5馬身突き放す内容で快勝した。

 ダート戦を得意とする父マジェスティックウォリアーの血統を考えれば、順当とも言える結果だ。次の1勝クラスも難なく突破した本馬であったが、ダート3戦目となった伏竜S(OP)では3番人気に支持されたものの勝ち馬から6.6秒も離される、まさかの大惨敗……。

 しかし、これに高野調教師は「もまれたのが敗因」と能力で負けた訳ではない事を強調している。

 伏竜Sでは4枠5番と比較的内目の枠で、内のヘルシャフトが行き切った事で控えざるを得ない競馬。さらにダノンファラオに外から押し込められて、キックバックの影響をもろに受ける形となった。

 また、前走のインディアトロフィーでも勝ちはしたものの、3コーナーあたりで外から被される展開。急に手応えが悪くなったとの事で、どうやら窮屈になったり挟まれたりという事に弱いようだ。

 伏竜Sの惨敗があるだけに不安定な部分はあるものの、今回は2つの理由から「欠点が無効化」される可能性がある。

 まずは6枠10番という比較的外目の枠。

 陣営も「現状では砂を被らないようなレース運びが良い」と言うように、好枠を引き当てた今回は前走同様のパフォーマンスが引き出せる可能性が高いと言える。

 もう1つは枠の並びで、外の馬にそれほど行きそうな馬がいないのも、挟まれる事を嫌う本馬には好都合だ。

 天運を味方につけた本馬の状態であるが、5日(水)は栗東坂路を単走で追い切られ、馬なりで4ハロン53.2-38.6-25.5-12.8。陣営は「動きはいいですよ。1週前に併せてしっかりやっていますので――」とコメントしており、前回同様の最終追い切りは軽め仕上げながら、満足のいく仕上がりで出走できそうだ。

 まだ若駒特有の脆さはあるものの、スムーズに走れた際のポテンシャルは相当。今回の枠の並びであれば一気の重賞制覇も期待できそうだ。

記者クラブで安倍首相に抵抗の動き! 広島で質問制止された朝日記者だけでなく毎日記者も“ぶら下がり”で安倍首相に「逃げないで下さい」

安倍首相の広島での記者会見で「まだ質問があります!」と声をあげていた朝日新聞の記者に対し、首相官邸の報道室職員が腕をつかみ、質問を封じ込めた問題。きょう午前の記者会見で、菅義偉官房長官がこの問題を問われ、官邸報道室の見解と同様に「(首相の)広島空港への移動時刻が迫ってい...

「ヨードうがい薬」実験のずさんな実態が判明! 吉村知事は「言いたいことも言えなくなる」と抗弁し“ポイズン吉村”と失笑

 吉村洋文・大阪府知事のドヤ顔発表が大混乱を巻き起こしている。8月4日、松井一郎・大阪市長、大阪府立病院機構大阪はびきの医療センターの松山晃文・次世代創薬創生センター長とともに会見を開き、イソジンなどのうがい薬をズラリと並べて「ポビドンヨードで新型コロナに打ち勝てる!」と発...

SNSに“向かない人”こそ、SNS史を知るべし!

SNSの変化の歴史を多角的に描いた書籍『SNS変遷史「いいね!」でつながる社会のゆくえ』。出版記念連載の最終回は、編集者・木下衛氏が、制作意図を伝えます。

デジタルネイティブ、あるいはSNSオールド・ボーイ

私は1992年(平成4年)生まれ、いわゆる「(ネオ)デジタルネイティブ」といわれる世代です。

かつて「ウェブ2.0」なる言葉がありました。すべての人が情報をフラットに発信し、それが集合知となることで、社会がより良く発展していく、という考えだと解釈しています。

思い返せば、確かに私は小学生時分からネットに親しんでいました。膨大なリストが載る書評サイト、マニアックなジャンルを扱う映画サイト、ゲーム攻略まとめサイト…。「濃い」サイトを周回しては、情報を集めていた。ええ、暇だったんでしょうね。Wikipediaなんて暇つぶしに最適なツールで、リンクを飛んではボーッと眺めるだけで何時間も過ぎていく。

田舎に生まれた私にとって、ネットはまさに情報の恵み!ありがとう「ウェブ2.0」、ありがとう「見ず知らずのオタクなおじさん/おばさんたち」ってなものでした。

さて、そんな私は当然のように、大学生にもなるとSNSを活用するように…ならなかった。いや私も、モノは試しといろいろとアカウントは作ってみたんですが、たとえばTwitter─日本人が特に好むと言われる─の面白さがいまひとつ分からなかった。

飽き性なために、日常使いが基本のSNSになじめなかったから。普段から会っている知り合い以外、フォローしていなかったから。そういうこともあるんでしょうが、最大の理由は「特に140文字でつぶやきたいことがなかった」からだと思います。

たとえば、私が「(西村)ひろゆきさんは、Twitterのことをツイッターじゃなくて、“トゥイッター”って発音するんだよ!」とつぶやいたとします。タイムラインに流れてきたこのつぶやきを見た人は、どう思うでしょう。はっきり言って「それがどうした?」です。これが100万リツイートされたら愉快・痛快でしょうが、残念ながら現実は甘くない。間違いなく、スルー。

そして、このレベル以上でつぶやきたいことは、学生の私にはなかった。こうして、私とTwitterとの距離は離れていきました。

シェアしない私は…実は存在すら危うい!?

しかし、そんな私が社会人になり、出版社に勤めてみると、「若いんだし、いろいろSNSとかやってるんでしょう?」「Twitter使って、バズらせてよ」といった、先輩上司たちの無邪気な期待が待っていました。

「“個人の時代”である今、編集者個々人がフォロワーを集め、それをビジネスに生かすのは、もはや常識である」という、現代出版業界の“正しい”圧力も感じました。

私はいったい何をしてきたのだろうか…。
現代っ子、失格。
もはや、自分は、完全に、ロートルになりました…。

巷間、言われていることの正しさと、自分のSNS活用の実態とのギャップに悩みに悩み、幾年月。私はどこで道を誤ったのか。慢心?それとも環境の違い?

そんな中、天野彬さんの名著『シェアしたがる心理〜SNSの情報環境を読み解く7つの視点〜』(宣伝会議)を読んで、衝撃のフレーズに出合います。

「我シェアする、ゆえに我あり」

これは心理学者のシェリー・タークルが、現代のSNS環境を評して発言したフレーズとのこと。ユーザーの承認欲求とシェアの原動力を端的に表現しています。

えっ、てことは、SNSを活用できていない私は、…既に存在すらしていない!?

SNSはなぜ活用されているのか、どう活用されているのか?

これはエラいことになった。「みんなもすなるSNSといふものを、私もしてみむとてするなり」とならねばと焦る。

そのためにも、「SNSがなぜウケて、なぜここまで多くの人々が楽しんでいるのか」を探らねばならない、と決意しました。

もはや、世代や性別で安易にくくれるような時代ではありません。サービスによって差はあるとはいえ、かつて「ネットギーク」ばかりがウェブを利用していた時代とは異なり、今や誰もがSNSに親しみ、楽しんでいます。こうなった背景には明らかに、私が20代にして「ネット・ロートル化」するに至った、コミュニケーションや社会の変容が潜んでいるに違いない。

そこで、Instagramを中心に、各SNSの設計思想からユーザーマインドまで、見事に言語化し、解説されていた天野彬氏に、わずか15年足らずで急速に普及した「SNSの変遷」を概観してもらうことで、「ネット・コミュニケーション」の“これまで”と“これから”をお教えいただこうと考えました。

それはきっと、私だけでなく、きっとたくさんいるであろう「いつからか、SNSについていけなくなったな~」という感慨を抱き、SNSとの距離感に居心地の悪さを覚える読者のニーズにも応えることになる。

こうして完成した本が、『SNS変遷史「いいね!」でつながる社会のゆくえ』です。

SNS変遷史

オンライン上に浮かぶSNSという「ビオトープ(生態系)」

この本は、Facebook、Twitter、InstagramといったメジャーなSNSを中心に、その前史から語っています。天野氏による見事なストーリーテリングで解説されており、編集した立場上、手前みそではありますが、これほどコンパクトに、歴史というある種の物語を楽しみながら、SNSを知ることができる本はおそらく他にないでしょう。

考えてみれば、営利企業によるサービスとして、SNSは不思議な存在です。

  1. ネットワーク外部性が強い(多くのユーザーを集めた人気サービスが、より人気になる)
  2. にもかかわらず、MySpace、mixiが衰退したように、盛衰が起こる。
  3. 「接客」的なサービスとは異なり、プラットフォームを提供するだけのサービスであって、完全に他力(ユーザー任せ)であるにもかかわらず、ユーザーを満足させる。

SNS・オブ・ワンダー。こうした疑問について、詳しくは本書を読んでいただきたいですが、一つだけ大事なキーワードを述べるなら、それは「メディア・ビオトープ(生態系)」でしょう。本書はSNSの前史(2ちゃんねるやブログなど)から語っていると述べましたが、その意味もここにあります。例えば…

  • 「2ちゃんねる」から誕生したミームは、今日のTwitter上で使われてはいないか。
  • ブログの「トラックバック」機能やソーシャルブックマークは、拡散の意味でハッシュタグに近い効果をもたらしていなかったか。
  • ニコニコ動画の「踊ってみた」とTikTokのダンス動画には、類似性がないか。

無数のメディアが複合的に絡み合う中で、あたかも生態系のように総体が生まれている状態を、「メディア・ビオトープ」というらしい。そして各SNSもオンライン上のビオトープに組み込まれたひとつです。

人類が猿から突然変化したわけではなく、生態系の中で徐々に進化していったように、SNSも前史を含めたソーシャル・メディアのビオトープの中で進化してきたといえます。そこには歴史的な連続性があり、突発的に流行したように見えるInstagramやTikTokにも、長く射程を取れば「メディア・ビオトープ」というバックグラウンドがあるのです。

私たちは、いや応なくSNS社会に生きていく

本書では、他にもリアルタイム性に偏重していくSNSにおける課題、承認欲求の暴走や炎上の問題、SNSによって人間関係が開かれていく可能性など、SNSの「これから」についても言及しています。テクノロジーの進歩とともに、SNSもさらなる変遷をたどるに違いありません。

ただ、それは昨日と今日でまるきり様相が異なるような、急激な変化ではないでしょう。例えば、これまでストック型からフロー型へ、テキストからビジュアルへ、一見するとあまりにも速くコミュニケーションの在りようが変わっていっているように感じられますが、そこには確実に連続性があるのです。本書を編集する過程で、そのことを強く感じました。

思えばかつての私は、SNSでのコミュニケーションを1対1(せいぜい数人)的な双方向性のイメージで捉えていました。けれど、対面での会話とは違い、どこか無機質な感触もあります。いわば「Alexa!」「はい、なんでしょう?」「今日の天気は?」「…すみません、聞き取れませんでした」というような。そこで、Alexaに対し、「ごめんごめん、オレの活舌が悪かった(笑)」と言おうが、「なんだよ~、ちゃんと聞いて聞いて!」と言おうが、反応ナッシング。同じように「タイムライン上」のことでは、つぶやきを「シカトされた」とも言えない。当然のこととして流れていきます。だから、特別に伝えたいこともないな~と思ってしまっていたのかもしれません。そうした感覚は間違いではないけれど、SNSの使用目的はもっと多様に広がっています。

とはいえ、「このSNSが最近流行!」なんて世間で言われていたとしても、結局のところ実態は人と人とのコミュニケ―ションです。となれば、SNSを使いこなせていない私も、対面なら普通に人とコミュニケーションは取れている(…はず)。なら、元気を出していこう!

「JC・JK流行語大賞」的な、「女子高生に大人気!」的な、「Facebook使ってるとか、おっさんだけだよね~」的な、そんな状況に心を痛められている方。「最近のSNSにはついていけないな~」と哀愁を漂わせている方。大丈夫です!まずは本書をご覧ください。

本を作るに当たり、著者の天野氏と編集者である私との間で共有していたことがありました。それは、「SNSという存在を、ただ悪しざまには描かない」ことです。新しいテクノロジーやサービスは、とかく非難されがちだし、問題を指摘するのはたやすいですが、それだけでは本にする意味がありません。

私たちは、「もはやオンラインとオフラインの境目はない」という言葉にカビが生え始めているくらい、SNSが当たり前となった社会に生きています。そこでは、誰しもがいや応なくSNSから影響を受けながら生きることになる。そんな中で、その背後にあるビオトープがどんなものであるかを知ることは、すなわち今後の社会の進化を展望することにつながると思います。

ぜひ本書をご覧ください。

SNS変遷史
イースト新書、328ページ、920円+税 ISBN978-4-7816-5118-7

本音をあぶり出す、直感マーケティングの新手法、STPとは?

昨年、人間の無意識の領域を扱う「デザイン心理学」について紹介しました(デザイン心理学による、直感マーケティングとは?)。そこでは、画像を用いた実験により人の気分を数値化し、気分に添った商品をレコメンドする方法について述べました。

2020年も電通は、このデザイン心理学を推進する千葉大工学部の日比野治雄教授、および千葉大発のベンチャー企業BBSTONEデザイン心理学研究所と共同プロジェクトを継続しています。今回は、直感的に良いと感じるものをあぶり出すメソッド「STP」の有用性について紹介します。

では、まず、なぜ直感にこだわるのか?というところから…。

従来型調査は「頭打ち」!?

市場は気の遠くなるような数の商品でひしめき合っています。最近は「なんでもネットで!」というトレンドが進み、オンラインショッピングの場においても商品情報が大氾濫しています。まさに「レッドオーシャン」。特にコロナショック以降は、なおさらのことではないでしょうか。

各マーケティング企業は、アンケート調査やインタビュー調査の結果を頼りに、この過酷な競争にしのぎを削っていますが、デザイン心理学の見地からは、このような従来型手法だけで戦い続けるのには限界があるのではないかと考えます。従来型の手法だけでは「頭打ち」となり、これ以上のビジネスの成長が難しくなる可能性があるというのです。

では、なぜ「頭打ち」なのか?三つ理由が挙げられます。

一つ目の理由は、「消費者自身、そもそも自分の好きなものや自分の気持ちが分かっていない」ということです。iPhoneを世に誕生させたスティーブ・ジョブズ氏は、かつて「消費者は欲しいものを知らない」と語ったといいます。人間は自分自身のホンネが分かっていないことが多々あるため、従来型調査だけではうまくいかないのです。それどころか、人は自分の行動の選択・決定の理由を“後づけする”傾向さえあること(心理学の領域ではChoice Blindnessと呼ばれる)も立証されています。

二つ目の理由は、調査回答にはその人の過去の経験や先入観による“ノイズ”が混入してしまうことです。これまで自分が選んできたブランドからなかなかスイッチできないという無意識の“現状維持バイアス”などは、その最たる例です。ゆえに、つい当たり障りのない回答をしてしまうこともあれば、自分の本心を偽る傾向さえもあるのです。これが、調査結果へ悪さをし、ひいてはマーケティングの精度を低下させるわけです。

三つ目の理由ですが、人間の意志決定は動物的・直感的になされる部分が多く、その直感部分(むき出しの心理:後述のドナルド・ノーマン氏は“内臓感覚”と呼んでいる)をひも解く必要があるということです。日比野教授は「人間は非合理的な存在です」と述べています。人間の嗜好や選択行動(何を好むか?何に良い印象を持つか?)は、必ずしも常に論理的に決まるものではなく、もっと本能的な部分も大きな影響を及ぼすのです。この点については、次章でさらに詳しく説明します。

ゆえに2020年、電通と千葉大のチームは直感的反応に重きを置いたメソッド「STP」(Short-time Presentation)を用いてソリューションの開発を進めました。この手法をこれまでのマーケティングに加えることによりイノベーションが起き、レッドオーシャンから一つ飛び抜けたブルーオーシャンへと移行することが可能になると考えています。

STPとは何か?

正式には Short-time Presentation by DPUというメソッドです。BBSTONEが特許手法を用いて開発したもので、調べたい商品、デザイン、パッケージ、広告などを非常に短い時間(通常0コンマ数秒程度)、被験者へモニター画面で瞬間呈示し、直感的な評価を記録させる仕組みです。

…とだけ書くと単純なものと感じられるかもしれませんが、例えば画像を露出させる秒数も実験により精緻に決定されるなど、実験プログラム全体が専門的な知見に基づくソフトとなっています。また、得られたデータは、デザイン心理学のさまざまな手法を駆使して分析され、人間の心理の奥底にまで通じる結果が抽出されます。

【図1】STP実験イメージ

STP実験イメージ

STPの何が良いのか?

それでは、STPから具体的にどのような恩恵が得られるのでしょう。

その第一の恩恵は、ずばり「直感的にいいと思うデザインや表現」が分かることです。ここで、BBSTONEデザイン心理学研究所の手掛けた具体的な成功事例を紹介します。

商材は、ある化粧品ブランド。

一般に女性は同じような色の化粧品ばかり持っています。何らかの思い込みで、自分にはこの色が合う、この色が好き、と元から思い込んでいる、つまり経験・思い出などによるバイアスが強いため客観的な評価ができません。ゆえに販売スタッフが、「この色がお似合いです!」「この色が新たな魅力を引き出しますよ!」と言っても、お客さまはなかなか納得しないという問題がありました。

そこでBBSTONEが開発したSTPにより、顧客自身が気づかない、心の底で求めているニーズを明らかにすることで新しいサービスが実現。顧客の驚き(普段選ばないカラーのおすすめ)、納得度を高めることで、絶大な支持を集め大幅な売上拡大を成し遂げました。

その他、デザイン心理学が手掛けてきたケースとして、食用オイルで直感的に優れたデザインを適用した結果、売り上げが30%増、他にも、感覚的に見やすく「作業が捗る罫線」の開発(特許出願)に成功など、さまざまな事例があります。

なぜ、STPだとうまくいくのか?

でも、なぜSTPだと直感的な評価が抽出できるのでしょうか?そのメカニズムの背景となっている理論について、少しだけ触れたいと思います。

ドナルド・ノーマン氏(カリフォルニア大学名誉教授/認知科学・認知工学)らの研究によると、感情処理の始まりは「内臓感覚レベル」(本稿での直感レベルに当たる)からだそうです。

人間は、感覚器から情報が入ると、好悪や善悪・安全について素早く判断し、筋肉(運動神経)に信号を送って、脳やその他の部分に警告を発します。これは、生物レベルで決定されている情報処理レベルです。この「本能レベル」よりも上位の階層にある情報処理レベルに「行動レベル」と「内省レベル」がありますが、これらは、人の心理へ経験や行動に基づく現状維持バイアス(いわばノイズと言ってもよいもの)をかけたりします。ゆえに、「本能レベル」(直感レベル)の感情処理がもっとも純粋な反応でありホンネに近い情報処理なのです。

さて、従来型の調査・実験では、被験者は長時間じっくり考えることが許されますが、このため、個人の経験値・固定観念などが実験結果へ関与し、バイアスとなって表れることがあります。それどころか、対象者は自分を偽って当たり障りのない回答をしたりすることさえあります。本音を言わない、言えない、というか、そもそも自分も分からないということがあるわけです。

そこで、ノーマン氏のモデルに基づき、行動・内省レベルまで評価が浸潤する手前の(すなわち、経験バイアスや先入観に邪魔されない)直感レベル・内臓感覚レベルの「純粋な評価」だけを抽出することを可能にする手法として、STPを用いることをBBSTONEが考案したのです。

【図2】STP(短時間呈示)がバイアスを回避する仕組み

STP(短時間呈示)がバイアスを回避する仕組み

STPのもたらす「さらなる恩恵」とは?

STPでは、さらなる恩恵が得られることも分かっています。この「第2の恩恵」ですが、結論から言うと、“商品の購入意向に影響を与える特定の心理要因”、および“各心理要因の影響度”が明瞭に分析できるのです。

人があるブランドを買いたい気持ちになるとき、心の中ではどのようなメカニズムが働いているのでしょうか。日比野教授の分析によると、購入意向に影響を与える要因は複数の心理的要素が絡み合っており、相互作用によってそれは生成されると述べています。端的な表現としては日比野先生の次のフレーズが象徴的です。

「人間は単純ではない」

実はSTPを適用すると、このような購買意欲に対する内的構造・因果関係のモデルを明らかにすることも可能です。これについて、電通は千葉大と2020年に新たな実験を行いました。

いろいろな商品の画像について、STPによる短秒数呈示、および時間制限なしの持続的呈示の二つの方法で、これを見た際の心理的評価(下記に示す評価項目)を回答してもらいました。ちなみに、今回の実験の対象者は20~30代の女性(サンプルは20人)で行いました。

評価項目① 購入意向(買いたい)
評価項目② 実体験意向(実物を見たい)
評価項目③ 好印象(好き)
評価項目④ 価格相応価値(高くても買う価値がある)
そして、各商品の購入意向に対し影響を与える他の心理要素についての重回帰分析(※)を行いました。

※=重回帰分析
ある結果を説明する際、関連する複数の要因のうち、どの要因がどの程度結果を左右しているのかを数値化し、それを元に将来の予測も行える統計手法。


【図3】商品A(かばん)の実験結果

商品A(かばん)の実験結果

さて、その結果(図3)ですが、実験に用いたある商品A(かばん)においては、持続的呈示(すなわち従来型の評価方法)の場合は、購入意向へ影響を与える要素の明瞭な構造分析はできませんでした(=有意な回帰分析モデルが成立せず)。

一方、STPを用いた場合は、「商品への好印象」と「実体験意向」の二つが購入意向へ強く作用していることが検出されました。ここから、購入意向の拡大へは、商品の見た目の好感度が影響するのと同時に、顧客へ実体験を誘うというマーケティング施策も有効となることが分かります。そこで、例えば、ターゲットに訴求力のある女性インフルエンサーを使い、彼女らがさまざまなシチュエーションでスタイリッシュにこの製品を使いこなすイメージをターゲットに与え「実物を見てみたい!」という気持ちをあおるといった打ち手が浮かんでくるわけです。

STPでは対象者の経験によるバイアスや先入観などの影響を除外した直感ベースのピュアなデータが取れるため、このような明瞭な分析が可能となったのです。日比野教授の言葉をお借りすると、「持続型呈示の場合、各要因の関係性等を解明することは困難となることがあり、誤った解釈を導いてしまうというリスクさえ生じると考えられる」ということです。


今回ご紹介した話は、アンケート調査やインタビュー調査などの従来型手法を否定するものではありません。そこに「直感」「内臓感覚」といった無意識領域も活用できるデザイン心理学の「直感マーケティング」を新たに加えてみてはいかがでしょうか?という提案です。

デザイン心理学による「直感マーケティング」で、マーケティングにイノベーションを導入し、ブルーオーシャンを狙いませんか?

興味がありましたら、電通メディアイノベーションラボの長尾までご連絡(mediainnovation@dentsu.co.jp)お願いいたします!

安倍首相の“原爆の日”会見で暴力的な質問封じ! 官邸の報道室職員が朝日新聞記者の挙げた腕をつかみ……

 この国は独裁国家そのものではないか──そう言わずにおれない“事件”が起こった。本日、広島市でおこなわれた「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」に出席した安倍首相は、その後、じつに約1カ月半ぶりとなる総理会見を開いたのだが、会見をたったの約15分で強制終了しただけではなく、「まだ...