JRAカフェファラオ「前走大敗」から再びダート王の道へ! スタミナ勝負なら同じ3歳ダイメイコリーダに逆転チャンス?【シリウスS(G3)展望】

 例年は阪神競馬場の2000mで行われるダートの中距離戦、シリウスS(G3)。今年は中京競馬場に場所を替え、距離も100m短い1900mで開催される。

 最有力視されているのは、カフェファラオ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。デビューが昨年12月で、キャリアはまだ僅か4戦。それでもデビューから3連勝が圧巻の内容で、今月に行われたケンタッキーダービーの出走も一時は視野に入れていた。しかし、前走のジャパンダートダービー(G1、以下JDD)で、1.1倍の断然1番人気に支持されたが、まさかの7着に終わり、大舞台への挑戦は幻に終わった。

 前走の敗因について、騎乗したD.レーン騎手は、「タイヤの跡に反応して、逆手前でコーナーに入るミスステップが響いた。それに今までに経験したことのないキックバックにも反応して、ずっとバランスが取れなかった」とコメント。1コーナー手前で、躓いたこともリズムを崩す一因となった。

 しかし、悲観することはない。米国産のカフェファラオは父に米クラシック三冠馬のアメリカンファラオを持ち、スピードが求められる中央の砂のほうが明らかに合っている。力の要する地方の砂での大敗は軽視してもいいのではないだろうか。初対戦となる古馬勢を圧倒し、堂々とダートの王道路線を突き進みたい。

 そのカフェファラオに前走で先着したのがダイメイコリーダ(牡3歳、栗東・ 森田直行厩舎)。昨年7月のデビュー戦からすでに11戦をこなしてきたタフネスさが売りの一つだ。

 ダイメイコリーダの父も米国で走ったエスケンデレヤという血統だが、母系はパワーに勝るスタミナ型。叔父にゴールドシップがいることからも、前走JDDのような消耗戦になれば、力を発揮する。

 JDDから100m距離短縮となるが、スタミナ勝負の展開になれば、カフェファラオを返り討ちにする可能性は十分あるだろう。

 もう1頭の3歳馬キメラヴェリテ(牡3歳、栗東・中竹和也厩舎)も侮れない存在だ。ここ3戦は芝を走っていたが、ダートでは昨年10月の北海道2歳優駿(G3)を逃げ切った実績がある。

 ダートで逃げた時は「2-0-1-0」と安定していて、単騎先行でペースを握れば面白い存在となるだろう。父のキズナに中央のダート重賞初Vをプレゼントできるだろうか。

 2連勝中の上がり馬、ダノンスプレンダー(牡4歳、栗東・安田隆行厩舎)は通算「4-2-2-0」と抜群の安定感を誇る。この馬の強みは先行しながらも、確実な末脚を繰り出せるところ。時計勝負になると、脆さを露呈する怖さもあるが、昇級初戦で3歳勢をまとめて負かす可能性も考えておきたい。

 百戦錬磨のミツバ(牡8歳、栗東・加用正厩舎)は1年8か月ぶりの重賞制覇を狙う。中央と地方合わせて通算50戦というキャリアは、すでに触れた4頭を合わせてもかなわない。

 昨年1月の川崎記念(G1)を制して以降、7戦続けて馬券外と結果は出ていないが、強豪馬と相まみえてきた戦歴は見過ごせない。

 他には、近親にローマンレジェンドなどがいるダート血統のグレートタイム(牡5歳、栗東・藤原英昭厩舎)、前走OP勝ちのアルドーレ(牡5歳、栗東・昆貢厩舎)などが出走を予定している。

 ダート路線で好成績を残している今年の3歳馬。その真価が問われる一戦になりそうだ。シリウスSは10月3日(土)、15時35分に発走予定だ。

JRA神戸新聞杯(G2)武豊マイラプソディ「ぶっちぎり最下位」鼻出血で菊花賞絶望……「新パートナー」にあの馬が急浮上!?

 27日、中京競馬場で行われた菊花賞トライアル・神戸新聞杯(G2)は、単勝オッズ1.1倍の圧倒的1番人気に支持されたコントレイルが優勝。この勝利により、本馬は昨年9月のデビューから6連勝。菊花賞(G1)で無敗の3冠達成に王手をかけた。

 手綱を取った福永祐一騎手は「休み明けとはいえ落とすわけにはいかない状況の中で勝つことができた」と安堵を見せながらも「余力を持った中で勝つことができたのは何よりです」と危なげないレースで、休み明け初戦を勝利で飾れたことを評価するコメントを残している。

 その一方、マイラプソディ(牡3、栗東・友道康夫厩舎)は5番人気に支持されたものの、17着グランデマーレからさらに8馬身遅れた18着という不本意な結果に終わった。

 デビューから3連勝で京都2歳S(G3)を制し、クラシック候補と呼ばれたかつての素質馬には、あまりにも厳しい現実が待っていた。

 18頭立てのレースを8枠17番からスタートしたマイラプソディ。後方待機策を採った武豊騎手は、ヴェルトライゼンデを斜め前方に見る後方17番手からの競馬。1000mを過ぎてペースが上がると抜群の手応えで外々を進出。直線に入って末脚炸裂を予感させる脚色だった。

 だが、勝負どころで武豊騎手がゴーサインを出し、いざこれからというタイミングで反応することなく、直線では流すような形で後方のままゴールした。

 この不可解な敗戦にはどのような理由があったのだろうか。

「外から上がって行きながら突然失速してしまいましたが、どうやらレース中に鼻出血を発症していたようです。陣営にとって痛恨なのは、これで菊花賞への出走が絶望となってしまったことでしょう。

鼻出血を発症した馬は、規定により1ヶ月の出走制限があるため、日程的に菊花賞には出ることが叶わなくなってしまいました」(競馬記者)

 これにより、菊花賞のパートナーを失った武豊騎手だが、新たに注目のパートナー候補がいる。8月の阿寒湖特別(2勝クラス)を武豊騎手とのコンビで勝ったアンティシペイト(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。

 同馬は菊花賞挑戦を表明しているが、鞍上はまだ発表されていない。マイラプソディの脱落によって淀の長距離を知り尽くす名手が空いたことは、陣営にとって願ってもないチャンスとなるかもしれない。

JRA「注目度No.1」ルペルカーリア“武豊マジック”に沈む……大物不振相次ぐ父モーリスに種牡馬失敗説が再燃!?

 27日、中京競馬場で行われた新馬戦(芝2000m)は武豊騎手の3番人気ノースブリッジが優勝。2着にハートオブアシティ、3着にショウナンアレスが入った。

 一方、単勝オッズ1.8倍の圧倒的支持を集めながら4着に敗れたのが、戦前から「注目度No.1」と呼び声高かったルペルカーリア(牡2、栗東・友道康夫厩舎)だ。

 モーリス産駒は新馬戦がはじまった6月を未勝利と不振を極めたが、7月に入ってカイザーノヴァが初勝利を挙げると徐々に持ち直し8月、9月と快進撃が続いていた。

 だが、その一方でブエナビスタの仔ブエナベントゥーラ、アドマイヤセプターの仔レガトゥス、ジェンティルドンナの仔ジェラルディーナなどが悉くデビュー戦を敗退。超良血馬の相次ぐ敗戦には不振のイメージがつきまとっていた。

 それだけに、満を持して初陣を迎えたルペルカーリアには大きな注目が集まった。同馬の母シーザリオはエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアを出した名牝。是が非でもデビュー勝ちを飾って、悪いイメージを払拭したかったところだろう。

 だが、確勝を期したモーリス産駒の超良血馬のデビュー戦は、またしてもほろ苦い結果に終わった。

 10頭立てのレース。主張する馬がいないと見た武豊騎手は、ノースブリッジをそのまま先頭まで誘導して主導権を握った。頭数が多くないこともあって、隊列はそのままスローな流れに落ち着く。

 大きな動きもないまま3コーナーを迎える。スローの前残りを危惧した福永祐一騎手は前の馬を捕まえにルペルカーリアを押し上げていった。直線入り口では先頭に並びかけ、追い出されたものの、そこからが案外……先行勢を交わすどころか、逆に突き放されて4着と返り討ちに遭ってしまった。

 レース後に福永騎手は「後ろでジッとしていても瞬発力勝負では分が悪そうなんで、4角を回る時に勝てる位置につけましたが、そこから調教同様に沈まなかったですね。まだ、ギアが上がらないというか…」と敗戦を振り返った。

「勝負どころで先頭に並びかけたときにはオッと思ったんですが、そこからの伸びを欠きましたね。確かに超スローの展開ではありましたが、勝てる位置につけた福永騎手の判断は悪くないと思います。

直線で弾けなかったのは、展開よりも力負けした印象です。よくなるのはまだ先なのかもしれませんね」(競馬記者)

 シーザリオの仔ルペルカーリアでも敗れ、またも超良血馬で結果を残すことができなかったモーリス。

 大本命で敗れながらも、同じモーリス産駒のノースブリッジが勝利したことは、父にとって皮肉な結果だったかもしれない。

甘デジ「ST理想の100%」が「抜群の安定感」!? 大手メーカー「人気シリーズ」の「激アツ新情報」も話題!!

 近年、甘デジ分野には出玉性能に特化したマシンが続々と登場している。一回の大当りで1000発以上を獲得、超高ループSTによって大連チャンを生み出すなど。甘デジの域を飛び越えた「ハイスペック甘デジ」の活躍が目立つ。

 それを実現しているのは、連チャンモードへのハードルを高くしているからに他ならない。その中で多く採用されているのが「時短突破型」だ。

「少ない時短回数で大当りを射止める」という条件を満たす事で、甘デジとは思えぬ至高の連チャンモードへと突入できる本システム。出玉を求めるユーザーから支持を受け、今では「ハイスペック甘デジ」の主流といっても過言ではないだろう。

 現在「勝てる甘デジ」と絶賛され、ホールを賑わせている『ぱちんこ新・必殺仕置人 TURBO』も時短突破型だ。初当り後に突入する時短40回転で約1/99.9を引き当てる事ができれば、継続率約80%を誇り、50%で約1000発を獲得可能な強力STへの道が開ける。

 そして、高い出玉性能でロングヒットとなった甘デジ『ぱちんこCR真・北斗無双 夢幻闘乱』に至っては更に尖っている。30回転の時短で約1/95.8を引き当てるという仕様だ。

 無論、そういった厳しい条件をクリアした先には、甘デジの枠を超えた「出玉の可能性」が待っている。だからこそ、「ハイスペック甘デジ」を求めるユーザーも多い訳だが…。

 甘デジ本来の「遊びやすさ」を好むファンも多い。大当りする喜びを数多く体験し、着実に出玉を獲得できるという「安定スペック」の需要は未だに高いといえる。

 遊びやすさを追求した甘デジといえば『海物語』シリーズが代表格だろう。古くから「100%ST」を採用し、現在まで変わらぬゲーム性を貫いてきた。如何なる大当りであっても「確変状態」と「時短」が付与されるという安心感は今なお絶大な支持を得ている。

 出玉性能に特化した甘デジが大きな注目を浴びている中で、遊びやすさを求めるユーザーも数多く存在しているのだが…。

 そんな人々の理想を体現した「究極の遊びやすさ」の甘デジがコナミから誕生した。9月28日導入予定の『ぱちんこGI優駿倶楽部遊タイム付』である。

 大当り確率1/99.9で、全ての大当りが「100%」STに突入。継続率は約61%となり、右打ち中は50%の振分けで約1000発を獲得できる。安定感は当然ながら、出玉感も満足できる仕様だろう。

 更に本機には、通常時250回消化で突入する「378回の遊タイム」が搭載。ハマりへの不安も軽減されており「遊びやすさ」の要素が凝縮された仕上がりとなっている。まさに“まったり遊技”推奨スペックと呼ぶに相応しいマシンだ。

 そんな話題作を発表したコナミアミューズメント(以下コナミ)といえば『ぱちんこGI優駿倶楽部遊タイム付』に続く新機種の「激アツ新情報を公開」し、注目を浴びている。

 現在、『G1シリーズ』のパチスロ最新作『~ガールズケイリン~GⅠフェアリーグランプリ』の製品ページにて、スペックやゲームフローが新たに公開された。

 AT突入時に「ボーナスと上乗せをダブル抽選する」という特化ゾーンが搭載。更にAT中は約1/83でボーナス抽選を行っており、青7の場合は『約80~400枚』の獲得が可能。ATの期待枚数は『約700枚』と、まとまった出玉獲得に期待できる仕様だ。

 通常時は、各地の競輪場をサイコロによって巡る新たな周期抽選システムを採用。約1/199で突入するCZは、ベル成立時に押し順の第一停止ボタンを当てるゲーム性だ。みごと正解する事ができれば、AT突入への期待度が上昇する。

『ぱちんこGI優駿倶楽部遊タイム付』と『~ガールズケイリン~GⅠフェアリーグランプリ』。コナミが誇る『G1シリーズ』がパチンコ・パチスロ両分野を大いに盛り上げてくれそうだ。

セブンイレブンの弁当、露骨な底上げ? ステルス値上げ指摘する声相次ぐ

正解のないWEBマガジン~wezzyより】

セブンイレブン オンラインストアより「スタミナ炭火焼肉弁当」

 大手コンビニチェーン「セブンイレブン」で販売されている弁当の“容器の底上げによるかさ増し”を疑う投稿がSNSに相次いでいる。

 特に槍玉に上がっているのが、「スタミナ炭火焼肉弁当」(594円)だ。9月15日から全国で順次発売となっているこの商品、焼肉がいっぱいに敷き詰められており、ボリューム満点な印象を与えるが、容器が著しく薄く実際のボリューム感はない。加えて、一番外側の黒い容器が、ご飯と肉の入っている赤い容器を収める、という二重構造になっている。

 同商品以外にも、不自然に盛り上がった形状の弁当やパスタ容器に不満を訴え、容量のかさ増しを指摘する投稿がTwitterに散見された(※以下、掲載のツイートは投稿主の許可を得たもの)。

花巻空港からJR東北本線・花巻空港駅まで歩いてみた…宮沢賢治の私塾跡で日本文学を思う

 東北6県には、合計で9つの空港がある。空港が2つあるのはいずれも日本海に面した青森・秋田・山形の3県。比較的人口の少ない県に複数の空港があることは不思議な気もするのだが、これは新幹線の開通が遅かったことが影響しているのだろう。東北新幹線の沿線である、岩手・宮城・福島の3県には、それぞれ空港はひとつずつだ。

 岩手県唯一の空港である花巻空港(いわて花巻空港)が供用開始されたのは1964年。当初から民間機用の空港として造られた。県のほぼ中央に位置しており、県庁所在地の盛岡市からは直線距離で約30kmと、やや離れている。

 岩手県の人口構成は、盛岡市が約29万人と最も多く、約11万人の一関市と奥州市(旧水沢市、江刺市など)、約9万人の花巻市と北上市が続く。空港から見て、盛岡市が北に、一関市と奥州市が南に、花巻市と北上市は近隣に位置する。県営空港ということもあり、立地的なバランスが取られているかたちだ。

 就航している路線は札幌新千歳便、名古屋小牧便、大坂伊丹便、福岡便のほか、台湾の台北桃園便が設定されている。2018年の年間利用約数は約48万人。1997年に記録した年間利用客数約55万人には及ばないものの、2010年の約25万人に比べれば、かなり盛り返しつつある。

 花巻空港からどの駅まで歩くべきか、今回は少々迷った。ターミナルビルからの直線距離では、JR釜石線の似内(にたない)駅が約1.6kmと最も近い。だがJR東北本線には、その名もズバリ「花巻空港駅」という駅があるのだ。ターミナルビルからは約2.5kmとやや距離があるものの、滑走路からの距離はこちらのほうが近い。

 さらに、東北新幹線が停車する新花巻駅は約3.4km、市の中心駅である花巻駅は約4kmと、これらも候補としては捨てがたい。最終的には、後述するアクセスの関係から、花巻空港駅まで歩いてみた。

 花巻空港までのアクセスは、基本的にバスだ。盛岡駅からは直行バスが、フライト時間に合わせて設定されている。料金は1430円だが、2枚綴りの回数券が2500円で販売されているため、往復共に空港を利用するのであれば、実質的に1250円で利用できる。所要時間は45分だ。

 このバスが、花巻空港駅にも停車する。つまり県南部の一関市や奥州市からは電車で花巻空港駅に向かい、ここでバスに乗り換えるというシステムになっている。三陸地方の釜石市などからも同様だ。花巻空港駅から花巻空港までは300円で、所要時間は7分だ。さらに、空港に比較的近い北上市からは、路線バスも運行されている。

 疑問に思ったのが、立地している花巻市内からのアクセスが、さほど良くないことだ。花巻駅や新花巻駅から空港への直行バスは存在しない。花巻駅からは東北本線で花巻空港駅へ向かい、バスに乗り換えて空港へ向かうという、他地域と変わらぬアクセス方法となる。新花巻駅からはさらに、釜石線で花巻駅へ向かうというステップが追加される。いずれも時間帯によっては、花巻空港駅で20分以上の乗り換え待ちが発生する。

 空港の駐車場は最大1150台収容で、料金は無料なので、近隣の方は車で来るのだろう。しかし、地元から公共交通機関を使ったアクセスがこれほど難しい空港は珍しいのではないだろうか。

花巻空港からJR東北本線・花巻空港駅まで3.8kmを歩いてみた…宮沢賢治ゆかりの私塾跡「賢治先生の家」に立ち寄る

 花巻空港の現在のターミナルビルは、2009年に完成した2代目。1階にチェックインと到着ロビーが、2階に出発ロビーやレストラン、物販店が揃う、地方空港にオーソドックスなつくりだ。県内の食材を使用しているという「レストラン安比高原」がひときわ目を引いた。

 ターミナルビルを出ると、広大な駐車場を抜ける。花巻空港は高台に位置しているため、右手には配送センターや工場、正面には田園風景が広がり、その奥側には北上川が流れる様子が見てとれる。

 アクセス道路を下って左に曲がり、滑走路に沿って北へ向かって歩いて行くと、ただただ芝生が広がる広大な緑の広場が出現した。北側には小高い丘もあり、広場や空港内部、滑走路が一望できた。

 さらに滑走路沿いを歩いて行くと、広々としたグラウンドが現れ、その奥に岩手県立花巻農業高等学校が見えてきた。農業高校らしい匂いがほのかに漂うなかをさらに歩いて行くと、「賢治先生の家」という看板を見つけた。

 花巻市の出身である詩人・童話作家の宮沢賢治は、花巻農業高校の前身にあたる花巻農学校の教諭として5年弱、教鞭を執った。退職後に祖父の隠居所として建てられた別宅を改造して、自給自足の生活を始めたのだが、そこで設立したのが「羅須地人(らすちじん)協会」という私塾だった。

 この建物は没後に人手に渡ったのちに移築されたのだが、花巻農業高校が現在地に移転した際に、その敷地内にこの建物がほぼ昔のままのつくりで健在だったという。建物が移築された場所に、たまたま学校も移転したということで、同窓会などが尽力して復元されたようだ。

 自由に入れるようなので見学させてもらったが、実に趣のある2階建ての家だ。周辺は日本庭園のように樹木や芝生が綺麗に整備されており、縁側から外を眺めると実に気持ちがいい。火鉢を囲んだ10畳の部屋には、黒板やオルガンがあり、農業の私塾という雰囲気をうかがわせる。

 銅像や花巻農学校精神歌の碑などもあるのだが、宮沢賢治が生きた時代の空気を味わえることが何よりの魅力だ。新花巻駅近くには宮沢賢治記念館や宮沢賢治イーハトーブ館などの施設もあるのだが、当時の生活を知る場所として、この建物も重要な役割を果たしている。

 なお、2020年度中は新型コロナウイルスの影響で閉鎖されているため、見学はできないようだ。見学が再開されても、大人数での見学は許可が必要。学校の施設なので、静かに雰囲気を味わいたい。

 花巻農業高校の先を左に曲がり、滑走路の北端を西へ向かうと、国道4号が現れる。さらに500mほど直進すると、花巻空港駅へと到着した。歩いた距離は3.8km。ほとんどが空港と滑走路の外周だったが、それほど飽きずに歩くことができた。

2009年のターミナルビル移転までは、「花巻空港駅」が確かに最寄り駅だったのだ

 さて、ターミナルビルの最寄り駅とはいえないにもかかわらず、「花巻空港駅」という名称がついているのには理由がある。現在のターミナルビルは滑走路の南東側にあるが、2009年までは西側の国道4号沿いにあった。その位置からなら2.2km。確かに花巻空港駅が最寄り駅だったわけだ。

 こちらにも立ち寄ってみたが駐車場が狭く、とても需要をまかなえそうにない。出入り口が幹線道路である国道4号に直接アクセスするため、渋滞の原因になりそうなつくりだ。のちほど航空写真を見てみると、ターミナルビルやエプロンも狭く、誘導路を造る敷地もない。アクセスを多少犠牲にしても現在地に移転したのは正解だろう。

 距離が比較的短く、晴天に恵まれたこともあり、とても心地よい徒歩ルートだった。花巻空港駅までわざわざ歩く必然性は感じなかったが、もし釜石線を利用するのであれば、電車とバスでぐるりと大回りするより、徒歩30分ほどで到着する似内駅まで歩くのも手かもしれない。

(文=渡瀬基樹)

●渡瀬基樹(わたせ・もとき)
1976年、静岡県生まれ。ゴルフ雑誌、自動車雑誌などを経て、現在はフリーの編集者・ライター。自動車、野球、マンガ評論、神社仏閣、温泉、高速道路のSA・PAなど雑多なジャンルを扱います。

竹内結子さん死去、理由は本人しかわからない、要因は複数の場合も…医師の見解

 女優の竹内結子さんが東京都内の自宅で40歳の若さで急死した。自殺の可能性もあることから、警視庁が慎重に調べているという。

 もし自殺だったとすれば、今年1月に第2子を出産しているため、あくまでも一般的な見解だが、精神科医としては産後うつの可能性を考える。産後うつになると、気分が変化しやすく、悲しくなって涙が出たり、イライラしたり、憂うつになったりする。不安や緊張が強くなり、パニック状態に陥ることもある。

 産後うつは、妊娠・出産によるホルモンバランスの急激な変化、そして育児不安によって起こる抑うつ状態で、発生頻度は15~20%と高い。ホルモンバランスの急激な変化は、妊娠・出産した女性すべてに生じる。だから、誰でも産後うつになる可能性があるわけで、軽視してはいけない。

 育児不安という点に関しては、第1子出産後にとくに多いといわれている。竹内さんは2005年6月に歌舞伎俳優の中村獅童さんと結婚し、同年11月に第1子を出産しているので、育児経験がある。だが、前回の育児から15年も経っているし、20代の頃と比べると体力が落ちており、回復も遅いということが、ちゃんと子育てができるのかとか、女優として復帰できるのかという不安をかき立てた可能性も考えられる。

 真面目で責任感の強い人ほど、きちんと子どもを育てなければと思うあまり、育児が思い通りにいかないと、できない自分を責め、「自分はダメだ」と思いやすいものである。

 もう1つ考えられるのは、2019年に再婚した夫で俳優の中林大樹さんが浮気しているのではないかという不安にさいなまれていた可能性である。夫が実際に浮気していたか否かが問題なのではない。そういう不安にさいなまれ、追い詰められた可能性も考えられるということだ。

 なぜかといえば、最初の結婚では前夫の獅童さんの浮気が原因で離婚したからだ。2006年7月に、獅童さんの酒気帯び運転が発覚し、助手席に女性が同乗していたことも明らかになったため、結婚して1年ほどで竹内さんが長男を連れて家を出た。その後、2008年2月に離婚が成立している。

 あくまでも一般論だが、こういう経験をしていると、再婚した夫も同じことをするのではないかという不安にさいなまれやすい。中林さんが5歳年下ということも不安に拍車をかけたかもしれない。

 こうした不安は、自分が手にしている幸福を失うことへの喪失不安につながりやすい。夫婦そろって子どもを連れて都内で食事をするなど、夫婦仲睦まじい光景が何度も目撃されたという報道があるが、幸福であればあるほど、皮肉なことにそれを失うのではないかという喪失不安は強くなる。

 これまで述べてきたことは、あくまでも可能性であり、憶測の域を出ない。結局、自殺の理由は本人にしかわからないことが多い。場合によっては、本人でさえ、なぜ自分が自殺しようとするのか明確にはわからない。自殺を図ったものの、一命をとりとめた自殺未遂者から、「ただ、つらくて苦しかったので、死んだら楽になるのではないかと思った」と聞いたことがある。

 また、1つの原因だけで自殺するわけではなく、複数の要因が積み重なった結果自殺に至る。だから、ここで挙げた以外にいくつもの要因があったと考えられる。もしかしたら、最近、三浦春馬さんの自殺や芦名星さんの死去など芸能人の不幸が相次いでいたことも影響を与えたかもしれない。

 いずれにせよ、痛ましい限りであり、心からご冥福をお祈り申し上げます。

(文=片田珠美/精神科医)

JRA神戸新聞杯(G2)単勝112.7倍ロバートソンキーが菊花賞(G1)切符ゲット! 祖母の全兄は29年前「無敗2冠」達成も骨折で3冠逃したアノ名馬

 27日、中京競馬場で行われた神戸新聞杯(G2)は、大方の予想通りコントレイルの圧勝劇で幕を閉じた。

 2着に追い込んだのは、上がり最速の末脚を繰り出した日本ダービー(G1)3着馬のヴェルトライゼンデ。

 そしてヴェルトライゼンデからクビ差の3着に粘り込んだのが、14番人気の伏兵ロバートソンキー(牡3歳、美浦・林徹厩舎)だった。

 単勝112.7倍と、まさに伏兵と呼ぶにふさわしい存在だったロバートソンキー。それもそのはず、このレースがキャリア4戦目。2走前の未勝利戦を勝ち上がったあと、前走の1勝クラスで2着に敗れ、重賞には初出走というから、全く買う要素が見当たらないノーマークの1勝馬だった。

 11か月の休養明けで勝ち上がった5月の未勝利戦で初コンビを組んだ伊藤工真騎手。それ以来、3戦連続での騎乗となった神戸新聞杯。伊藤騎手の手綱さばきも光った。

「3枠5番から好スタートを切ったロバートソンキーですが、直後に両隣の馬に思いきり挟まれてしまいました。レース映像を見てもわかりますが、あれだけ馬体を両側からぶつけられると、戦意を喪失してもおかしくありません。それくらい致命的な不利に見えました。

しかし、ロバートソンキーは何事もなかったように、すぐにインコースに位置を取ると、道中は前にコントレイルを見る形で中団やや後方を進みました。目の前に有力馬を見て、脚を温存できたことは、結果的に伊藤騎手の好騎乗だったと思います。直線でもコントレイルを追いかけるように同じコースを進出。さすがにコントレイルにはちぎられましたが、ヴェルトライゼンデと好勝負に持ち込めたことは力のある証拠でしょう」(競馬誌ライター)

 最後はダービー3着馬に交わされたが、ゴールまでしっかり伸びており、距離が延びる菊花賞でも楽しみな存在となりそうだ。そして、ロバートソンキーを語る上で、その血統背景に触れないわけにはいかないだろう。

 父ルーラーシップは3年前の菊花賞馬キセキを出すなど、距離が伸びていいタイプ。その上で、何より注目したいのがその母系である。祖母のトウカイテネシーは、現役時代に当時の500万下を勝ち上がっただけの条件馬だったが、全兄に伝説の名馬トウカイテイオーを持つ良血馬としてデビュー当時から注目された存在だ。

 トウカイテイオーといえば、現役最後のレースとなった1993年有馬記念(G1)での1年ぶりの復活劇は今も語り草。もちろん、1991年の3歳時には皐月賞とダービーを制覇。デビューから無傷の6連勝で無敗の2冠馬に輝いたことは伝説の序章となっている。

 しかし、トウカイテイオーはダービーを走り終えた直後に全治6か月の骨折が判明。菊花賞には出走することなく、「無敗の3冠馬誕生」は幻と消えた。

 あれから29年。ロバートソンキーは、祖母の全兄、すなわち“大おじ”が出走できなかった菊花賞への切符を手にした。「無敗の3冠」を狙うコントレイルの強さを目の前でまざまざと見せつけられ、ましてや1勝馬の身で菊花賞でも伏兵以上の存在になることはないだろう。

 しかし、29年前に無念を味わったトウカイテイオーの見えざる後押しがあれば、偉大な“大おじ”が立つことすらできなかった淀の大舞台でアッと言わせる場面を作ってくれるかもしれない。

ジャニーズ新体制でも「閲覧不可」…幻のたのきん、少年隊、光GENJI主演映画を追う

 長らく封印されていた「昭和ジャニーズ映画」が続々と解禁されている! 近藤真彦、シブがき隊の主演作がテレビ放送され、郷ひろみ、フォーリーブス、男闘呼組らの主演作が東京のミニシアターで上映される。

 かつてVHS化された作品はあるが、その後はDVD化、Blu-ray化されることはなく、テレビや動画配信サービスでの鑑賞機会もゼロ、名画座で上映されることもなかった昭和のジャニーズ映画たち。一部ではあれどこれらが解禁されたことは、ジャニーズ事務所の体制の変化と無縁ではないのだろう。

 解禁された作品については【前篇】で取り上げたが、今回の【後篇】では、「それでも封印されたまま」の昭和ジャニーズ映画をクローズアップしていきたい。

【前編】「タッキーとジュリー社長の新方針?…封印されていた幻の「昭和ジャニーズ映画」解禁の謎」

田原俊彦・野村義男・近藤真彦…大ヒット連発のたのきん映画はもう観られない?

 まず、ジャニーズ事務所史上最大の功労者といえる、田原俊彦・野村義男・近藤真彦による「たのきんトリオ」が揃って出演した作品群「東宝たのきんスーパーヒットシリーズ」は、すべてがいまだ封印状態にあることを確認しておきたい。

「東宝たのきんスーパーヒットシリーズ」とは、以下の6作品を指す。

・近藤真彦主演『青春グラフィティ スニーカーぶる~す』(監督:河崎義祐、1981年)
・近藤真彦主演『ブルージーンズメモリー BLUE JEANS MEMORY』(監督:河崎義祐、1981年)
・田原俊彦主演『グッドラックLOVE』(監督:河崎義祐、1981年)
・近藤真彦主演『ハイティーン・ブギ』(監督:舛田利雄、1982年)
・田原俊彦主演『ウィーン物語 ジェミニ・YとS』(監督:河崎義祐、1982年)
・近藤真彦主演『嵐を呼ぶ男』(監督:井上梅次、1983年)

 上記作品の多くに、ジャニーズ事務所の原点とされる映画『ウエスト・サイド物語』を意識したようなミュージカルシーンが挿入されている。まさに“ジャニーズイズム”を具現化したものだが、公開当時に青春時代を送っていた人々が、当時を懐かしんでこれらの作品を観ようと思っても、簡単には鑑賞できないのだ。

 また、上記『ウィーン物語 ジェミニ・YとS』と同時上映だった唯一の野村義男主演作『三等高校生』(監督:渡邊祐介)、そして『嵐を呼ぶ男』と同時上映されたドキュメンタリー作『TOSHI in TAKARAZUKA Love Forever』(監督:井上梅次)、さらに、“脱たのきん”を狙った田原俊彦主演作『エル・オー・ヴィ・愛・N・G』(監督:舛田利雄、1983年)も、同じく鑑賞は困難であることも付言しておきたい。

現在も全員がジャニーズ所属の少年隊主演作『19 ナインティーン』までがなぜか封印状態

 たのきん主演作が封印されているのは、田原俊彦と野村義男がすでにジャニーズ事務所を離れているゆえ肖像権が云々……と推察する向きもあるが、果たしてそれだけが理由だろうか?

 上述の⽥原俊彦主演『エル・オー・ヴィ・愛・N・G』の同時上映作である少年隊の初主演作『あいつとララバイ』(監督:井上梅次、1983年)も、VHS化されたのみ。先日、錦織一清、植草克秀が年内いっぱいで事務所を離れることが発表された少年隊だが、現段階ではジャニーズ事務所の現役最古グループであることから、封印と肖像権問題とは必ずしも結びつかないことがわかる。同じく少年隊主演で、SFかつミュージカルという意欲作『19ナインティーン』(監督:⼭下賢章、1987 年)も封印状態。ただし、この作品に限っては、BOØWYや中村あゆみなど、劇中で複数のミュージシャンの楽曲が用いられていることがネックとなっているとの見方もできるが……。

【前篇】で触れたように、『ボーイズ&ガールズ』(監督:森田芳光、1982年)、『ヘッドフォン・ララバイ』(監督:山根成之、1983年)が解禁されたシブがき隊も、3作目の『バロー・ギャングBC』(監督:和泉聖治、1985年)は封印されたままだ。

 ジャニーズ史上屈指の人気を誇った光GENJIの絶頂期に当たる1988年に、GENJI主演の『ふ・し・ぎ・なBABY』(監督:根本順善)、光主演の『…これから物語~少年たちのブルース~』(監督:榎戸耕史)が2本立てで上映された。この2作品もやはり例外ではなく、現在は事実上封印状態にある。

 その他、ひかる一平主演の『胸さわぎの放課後』(監督:石山昭信、1982年)、中村繁之主演の『ザ・サムライ』(監督:鈴木則文、1986年)、男闘呼組の前田耕陽主演の『いとしのエリー』(監督:佐藤雅道、1987年)、同じく男闘呼組の高橋一也(現・高橋和也)が出演した『フライング 飛翔』(監督:曾根中生、1988年)も容易には観ることができない。『胸さわぎの放課後』には4人編成だった少年隊の前身「ジャニーズ少年隊」が顔を出しているなど、昭和ジャニーズマニアが再確認したい点も多々あるのだが、やはり鑑賞は難しい。

ジャニーズ在籍時の田原俊彦主演作『瀬戸内少年野球団・青春篇 最後の楽園』はDVD化

【前篇】で取り上げた作品は、いずれもテレビ放送、劇場での上映というかたちでの解禁であった。では、昭和期のジャニーズ事務所所属タレントの出演作は、これまで一切DVD化、Blu-ray化がなされていないのだろうか?

 答えは「ノー」である。まず、ジャニーズ事務所が製作にタッチしていない作品では、いくつか例がある。たとえば、ひかる一平が出演した一連の「必殺」シリーズ作品がそうだ。田原俊彦主演の『瀬戸内少年野球団・青春篇 最後の楽園』(監督:三村晴彦、1987年)もDVD化されている。

 また、2019年に初めてパッケージ化(DVD)された『わが青春のイレブン』(監督:降旗康男、1979年)も注目すべき作品だ。

 主演は永島敏行(ジャニーズ事務所とは無関係)だが、主題歌をフォーリーブスの青山孝が歌い、「リトルリーブス」という4人組のメンバーだった森谷泰章 (1976年にソロデビュー)が主要キャラのひとりを演じ、さらに川崎麻世が歌手の役でゲスト出演。オマケに川崎のバックバンドのメンバーとして、歌手デビュー前の田原俊彦も登場する……という、極めてジャニーズ色の濃い作品なのだ。

 青山はすでに故人であり、森谷、川崎、田原もジャニーズ事務所を離れて長いが、DVD化に当たりメーカー(Happinet)がジャニーズ側におうかがいを立てなかったとは考えにくい。見方を変えれば、ジャニーズ事務所はOKを出したということになる。

 やはり、ジャニー喜多川氏没後の新体制ジャニーズ事務所は、さまざまな面で方針が変わったとみていいのではないだろうか。

 今年9月4日には、“メリー喜多川”こと藤島メリー泰子氏が代表取締役会長から退いたことが報道された。今後は、2019年1月にタレント活動に終止符を打ち同社副社長となった滝沢秀明氏、そしてメリー氏の娘で同社社長となった藤島ジュリー景子氏が同社を牽引していくことになる。

 そうした情勢の変化に伴い、たのきんトリオや少年隊、光GENJIの主演映画までもが解禁される日を待ち望んでやまない。

(文=峯岸あゆみ)

元JRA安藤勝己氏「同世代の牡馬では力が違う」コントレイルの無敗三冠へ太鼓判! 神戸新聞杯(G2)「包囲網」も福永祐一“神騎乗”で一蹴!

 27日、中京競馬場で行われた神戸新聞杯(G2)は、1番人気のコントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝。単勝1.1倍の断然人気に応え、史上3頭目となる無敗三冠に王手を掛けた。

「強いコントレイルをお見せすることができてよかったです」

 クラシック最終章へ、主役が揺るぎない強さを見せつけた。18頭立てで行われた芝2200mのレース。好スタートを決めたコントレイルだったが、「次走」を見据える鞍上の福永祐一騎手は前に行かず、あえて下げて中団から。1枠2番という内枠からのスタートだったこともあって、勝負所で抜け出せるように外へ外へ馬を持ち出そうとしている。

 しかし、騎乗しているのは単勝1.1倍の大本命馬。レース後、福永騎手が「本当はもっと早く進路を確保した状況ではあったんですけど、流れの中で進路を探しながら。『慌てない』ってことだけは肝に銘じて乗ってました」と振り返った通り、ライバルたちも自由にさせまいと周囲を取り囲む。馬群のちょうど真ん中という位置で1、2コーナーを迎えることとなった。

 パンサラッサが引っ張る流れは1000m通過が59.9秒だったが、高速馬場の中京を考慮すれば、決して速いペースではない。馬群はコントレイルを取り囲むように一塊のままで、「コントレイルは依然馬群の中」という実況と共に最後の直線へ入った。

「戦前から『難しいレースになるな』と思っていました。内枠が当たったということで、いかに進路を見つけてストレスなく走り切ることが課題だったんですけど、やっぱり難しいレースになりました」

 まさに一瞬のスキだった。各馬が追い出しに入った瞬間、わずかに開いた隙間を福永騎手は見逃さなかった。進路を確保し、軽くゴーサインを出すとあっという間に馬込から抜け出すコントレイル。最後はダービー3着馬のヴェルトライゼンデが猛然と追い込んだが、2馬身差に迫るのがやっとだった。

「周りの馬からもコントレイルを自由にさせないという意思は感じられましたし、最後の直線入り口では一瞬、嫌な予感もしたんですが、福永騎手は最後まで冷静でしたね。

パフォーマンスに関しては、まさに感服です。同世代では一枚も二枚も上手と言わざるを得ないでしょう。本番の菊花賞(G1)でも、今日のような圧倒的な人気を集めることは間違いないと思います」(競馬記者)

「勝ててホッとしています。やっぱり負けてない馬なので、休み明けとはいえ『落とすわけにはいかないな』という状況の中で、余力を持ったまま勝つことができたのは何よりでした」

 この勝利には、元JRA騎手の安藤勝己氏も公式Twitterで「もともと完成度は高かったけど、気性が大人になって操縦性が増した。あの折り合いなら距離は問題ないし、抜け出してから耳を立ててスイッチをオフにしとる。同世代の牡馬ではまさに力が違う」と、史上三頭目となる無敗の三冠達成に太鼓判。

「次はいよいよ大一番になりますので、なんとか達成できるように応援していただければと思います」

 そう勝利騎手インタビューを締めくくった福永騎手。シンボリルドルフ、ディープインパクトに続く歴史的偉業が、いよいよ現実味を増してきた。