伝統だから、を言い訳にしてません?

「会社の正解」を得るのが難しい時代の中、オリジナリティーを発揮する元気の良い会社があります。その秘訣(ひけつ)とは一体何でしょうか?電通「カンパニーデザイン」チームがそれぞれの会社のキーパーソンに伺った話をご紹介する本連載コラム。

4回目は、新潟県の玉川堂のケースです。

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玉川堂


職人とお客さまの距離を縮め、新しい伝統を開く

伝統工芸の担い手でありながら革新的な経営を行い、国内外から注目を集める玉川堂(ぎょくせんどう)。その事業成長の鍵となっていたのは、現場の職人の力を最大限に引き出す工夫だった。

話し手:玉川基行氏(玉川堂 代表取締役7代目)
聞き手:松崎 裕太(電通 第1統合ソリューション局)

 

玉川堂 1816年創業。「打つ。時を打つ。」というスローガンの下、伝統工芸品である鎚起銅器(ついきどうき)を製造販売。新潟県燕市にある本店の他、青山と銀座に直営店を構える。
玉川堂
1816年創業。「打つ。時を打つ。」というスローガンの下、伝統工芸品である鎚起銅器(ついきどうき)を製造販売。新潟県燕市にある本店の他、銀座に直営店を構える。
人間国宝 玉川宣夫氏の作品

現場を熟知する職人こそが、最高の営業

「伝承と伝統は違う。伝承はただ受け継ぐだけだが、伝統とは革新の連続である」と語る玉川氏。その革新を生み出すため、25年前に当時としてはタブーであった問屋取引の中止を断行。百貨店での実演販売に踏み切った。職人が自ら店頭に立ち、直接お客さまの声に触れたことが、ぐいのみや花器といった人気製品の開発につながっている。

高額なやかん
ビアカップとぐい呑み

「製品のことを一番知る職人こそが、最高の営業なんです」と言い切る玉川氏は、「職人とお客さまの距離をもっと縮めるためには、コミュニケーション力も大切」と考えている。営業日に毎日行っている工場見学では職人自らが案内を担当。増える海外のお客さまの対応に役立つよう、若手職人向けには英会話教室も定期的に実施している。

若手職人向けの英会話教室の様子
若手職人向けの英会話教室の様子

職人たちに、もっと発想を、もっと喜びを

職人がもっと発想を広げられるよう、就業時間以降は工場を開放し、日展や県展などに向けた自主製作ができる環境を整えている。「デッサンは物を見る目や感覚が磨かれる。そうなれば、おのずと商品開発の力もついてくる」との狙いからデッサン教室も実施。

職人の作業風景

さらに、「職人にとって製品は赤ちゃんのようなもの。お客さまに渡して育てていただきたいという思いで、長くお使いいただくことが職人の喜びにもつながる」という考えの下、修理対応はもちろん、直営店で定期的に催す実演販売会において職人がお客さまに直接説明をする機会をつくるなど、職人のモチベーションを高める取り組みも大切にしている。「世界中の人たちが燕にある工場に来て、職人と触れ合ってほしい」と語る玉川氏の目には、新しい伝統を開いていく未来像が鮮明に映っているのだろう。

玉川堂 代表取締役7代目・玉川基行氏(写真左)と電通 第1統合ソリューション局・松崎 裕太氏(同右)。「職人とお客さまの距離を縮めることがブランディングだという信念の下、次々に革新的な手を打つ玉川堂に触れ、次世代のブランドコミュニティーの可能性を感じました」(松崎)
玉川堂 代表取締役7代目・玉川基行氏(写真左)と電通 第1統合ソリューション局・松崎 裕太氏(同右)。「職人とお客さまの距離を縮めることがブランディングだという信念の下、次々に革新的な手を打つ玉川堂に触れ、次世代のブランドコミュニティーの可能性を感じました」(松崎)

編集部が見た「カンパニーデザイン術」#04

伝統工芸品を製造販売する会社の7代目・玉川氏のインタビューを通して、「問屋を切る」「リブランディングをするに当たって、お客さまの声を聞く」という経営判断やマーケティング戦略にも大いに驚かされた。が、それ以上に衝撃を受けたことが二つある。一つは、「機能性の追求こそが、デザインの本質なのだ」という指摘。ブランド品として、世界から評価されているバッグ、靴、楽器などは、いずれも機能性をとことん突き詰めた結果、確立された評価に違いない。

もう一つは、今の時代、伝統工芸品を作る職人に最も必要とされる能力とは、やかんの口を見事に作り上げる技術もさることながら、何よりもコミュニケーション能力なのだ、ということ。モノ作りを究めるのは、一つのプロセスにすぎない。自身が作り上げたモノの価値を、自ら伝えられてこそ、本物のプロフェッショナルであり、ブランド力の向上に寄与できる。それには当然、語学力が必要になってくる。職人であるだけではダメ。伝道師としての資質まで備えてこそ、一人前。そう、玉川氏は語る。

インタビューが終わったところで、ハッとさせられたことがある。このような玉川氏の姿勢は、クリエイティブとは何か?コミュニケーションビジネスの本質とは何か?といったことを、実に明確に体現している。メディアや流行りの商品、流通形態など、私たちを取り巻く環境は、日々、変わっていく。しかしながら、相手の心に響くクリエイティブ、相手の心に届くコミュケーション、その価値は普遍的なものだ。拠点はあくまで、新潟県の燕三条に置く。職人の技は、伝統へのリスペクトがあってこそ磨かれるものだ。その上で、玉川氏は前を向く。未来へ、そして、世界を見据えて。

本連載「なぜか元気な会社のヒミツ」のバックナンバーは、こちら

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効率は、人を本当に幸せにするのか?

フジテレビの敏腕プロデューサーとして名高い黒木さんと、電通でチーフ・ソリューション・ディレクターを務める北風さん。異なるようで近しいフィールドで活躍するお2人の対談では、同世代ならではの鋭い視点や葛藤も浮き彫りに! テレビや広告のミライは、“狭間の世代”にかかっているのかも…。お二人の日々の奮闘の様子や熱い思いがあふれる対談を全5回のシリーズでお送りする本企画。

第4回のテーマは、「効率を追求することで、人は本当に幸せになれるのか?」です。

満足や幸せは、効率化できない

北風:口コミで“人の判断”に関する情報が入りやすくなったことによって、「自分が試してみよう」よりも「誰かに話を聞いてみよう」という雰囲気になっていると感じませんか? 例えば映画の感想をSNSに上げるにしても、誰かの感想を見てから書く人が多いそうで。自信がないというか、「みんなが言っていることをチェックしてから、自分もそれと似たようなことを言っておこう」というような。

北風祐子氏(電通)
北風祐子氏(電通)

黒木:自分で試すのが効率悪く思えるのか、あるいは既に集められるかぎりの情報を元に判断するのがあたりまえだと思っているのかも…。以前もそうだったとは思いますが、その傾向はとっても強くなってきていますね。

北風:先が見えなくて怖いけど冒険してみるとか、やってみたら何かおもしろいことがあるかもしれないって、テレビ番組ならではの魅力ですよね。黒木さんが手がけてこられた番組にもあったような「相手が何を言うか分からない」というおもしろさを普段から楽しんでいけると、いい企画が生まれるんでしょうね。

今、社内でがんサバイバーのためのカフェ(LAVENDER CAFE)を開催しているのですが、皆さんに企画を募ったら、吉本に行きたいとか、はとバスツアーに乗ってみたいといった案が出ました。「行った先で何があるか分からない。おもしろくないかもしれないけど、おもしろいかもしれないから、ひとまず行ってみよう」みたいなノリで参加できたらいいですよね。

今のテレビ番組に関しても、最初からサッカー好きはサッカー、ドラマ好きはドラマ、バラエティー好きはバラエティーを見てくださいと決まっているチケット制みたいに感じてしまうんですけど、本来のテレビって、「全然関係ない人が来ちゃってもめちゃくちゃおもしろかった」みたいなことが起こせる可能性を秘めていると思うんですよ。

黒木:そうですね。幸せとか満足は個々人のものだから、ホントは効率化できないですよね。計測化もしにくい。

黒木彰一氏(フジテレビ)
黒木彰一氏(フジテレビ)

レギュラーのバラエティー番組がおもしろくなってゆくには、もちろん企画やゲストが良いことも大事なんですが、ちょっと地味めかなぁと思っていた放送回の反応がよかったっていうことが不思議とあるんです。そういう回を後から振り返ると、出演者が一生懸命になっているさまが出ていたり、制作陣の効率を重視しない遠回りが逆に功を奏していたりします。“汗の量”が伝わっていたというか。ゲストと企画とパッケージだけでは番組は作れないんだなと最近感じます。共感してもらうためには、やはり汗や思いの量が必要かと。あー、また昭和のバラエティー観出しちゃいました(笑)。

北風:制作陣が裏でかいた汗の量は、画面を通じて分かるものなんですか?

黒木:チームのかいた汗の量は確実に出ます。それが演者さんの表情とか立ち振る舞にすごく自然と出ている番組は信用してもらえるのだと思う。われわれは生き物だから、やっぱりイキイキしている魅力的な生き物が見たいのだと思います。もちろん、カラダの汗だけでなく、アタマの汗、ココロの汗を含めて。

黒木彰一氏(フジテレビ)と北風祐子氏(電通)

“マイナスの反転”や“違い”を面白がる

黒木:北風さんは、クライアントさんの商品を作るときに、生活者としての実感と商品がヒットするというところを、どう結びつけてゆかれるんですか? そこになにかロジックのようなものがあるのですか?

北風:“売れない理由”を真っ先に考えますね。売れないというか、ダメな理由、うまくいかない理由を、ものすごく暗いところから考えてみます。うまくいってないから弊社に仕事が来るわけですが、n=1(1人のサンプル)を考える前に、自分が冷徹な目で見てみると、うまくいかない理由が山のように見つかります。それを全部出し尽くすのが、最初にやることですね。「これでもか」というくらい悪いことを考えます。

私は人と人の関係でも、うまくいかないときには絶対に逃げないようにしています。「私はこの人のどこが嫌いでイライラしているんだろう」とずっと考えて、また会いに行ったりして。ネガティブな負のところに、実はすごくチャンスがあるんですよね。そこが変わるだけで、相手が喜んだり、私も楽しくなったり、いろんな転換が起きるじゃないですか。だからモノに関しても、売れない理由とか見向きもしてもらえない理由とか、あえてマイナスのところを見るようにしていますね。何が悪いかを徹底的に考えて、それを改善するやり方です。

黒木:僕らテレビ制作者でいうと、演者さんたちと付き合うときと同じかも。マイナスに思うことが反転したときはうれしいですよね。ダメなところが多い方がポテンシャルが高いこともあります。チームワークのことでいうと、ダメでドジなADほど実は大きく化ける可能性が高い。実際、“シュアな人たち”ばかりを揃えても、つまんないです。

中卒のADと東大卒のADが並んで会議にいても、同じ議題でもまったく違うことを思っているのでおもしろいんですよ。そこに化学反応もあるし。もともと日本語が苦手なんて奴もいるんですが(笑)そういうADがいないとさみしい。仕事ができないとか、ダメだとかでそういうメンバーを外してしまうと、結果的にはチーム全体のパフォーマンスが落ちちゃうんですよね。

北風:同質性って危ういですよね。「似てきたな」と思うと、すごく危機感を感じます。ちょっとしっくりこない人がいるとか、誰か一人怒っている人がいるチームとかの方が健全だと思っているので。「違う=間違っている」と思う風潮があるけど、「違っている」と「間違っている」は別モノです。違っていていいし、違う部分を何かしらのおもしろみに変えたい。全部が自分の思ったようにいくと、逆に気持ち悪いですしね。そもそも自分が不完全なので、誰かに止めてほしいというか、「違う」「おかしい」って言ってくれ!と思います。

黒木:日々ピンチを乗り越える作業を一緒にしていく中で、仲間感やチーム感が生まれますよね。仲がいいとか気が合うとかよりは、戦友としての信頼関係があるかどうかが大事。バックグラウンドが違っても、お互いにそういう感覚さえ持てればうれしいですよね。テレビだけでなく、きっといい職場ってそうなんだと思います。

この対談の出典は、こちら

黒木彰一氏(フジテレビ)と北風祐子氏(電通)

編集部の視点 #04

「効率的に、汗をかく」という視点が、とても新鮮だった。「汗をかく」という言葉は、しばしば旧態依然とした体育会系のニュアンスで捉えられがち。努力だ、根性だ、という精神論だ。お二人は、その汗を決して否定はしない。否定しないどころか、流した汗には魂が宿り、それはテレビ画面を通して、確実に世の中の心を響かせる。ただし、同じ汗を流すのなら、効率的に流しましょうよ、というのだ。

料理人の世界でも、一昔前までは「店の味は、盗むものだ」というのが常識だったという。門外不出のレシピは、門内でも出回ることはない。10年、20年という歳月をかけて、日々、ひたすら汗をかいて「盗む」しかなかったのだ。今の時代、そんなことをしていたのでは、伝統の味も暖簾も、継承していくことはできない。それどころか、寿司屋なら寿司、天ぷら屋なら天ぷらという「業界」そのものが、失速してしまう。だからこそ、全てをオープンにする。すると、共創が生まれる。そこから、真の競争が生まれ、豊かな未来が切り開かれていくのだ。そんなことに気づかされた回だった。

「テレビのハザマで、テレビを語る」最終回となる次回のテーマは、いよいよ「テレビの未来」について、お二人に熱く語っていただきます。ご期待ください。

“勝手KPI”のススメ!

これまでKPIの役立て方やその測定における課題、オウンドメディアの効果測定、海外の状況などを述べてきました。これらは実は以前から議論されてきたことでもあり、また企業や団体、PR会社やPR業界もこのアップデートに日々努力をしている状態でもあります。

われわれもまずは業界における回答として、何らかのデファクトスタンダードでも示せればよいのですが、各企業・団体の置かれているそれぞれの状況が異なるため、そう簡単にいくものでもありません。そこでまず私がお勧めしたいのが“勝手KPI”の実践です。

“勝手KPI”って意味あるの?

現状PR活動のKPIにおいて完全なものはありません。誰しもが同様の基準でそのKPIを算出し、横並びで比較できればどんなに楽なことか。また各PR活動の目標設定なども数値だけで示せれば、よりシンプルなゴール設定が可能となるでしょう。ただし、その設定数値を常に上回ることだけを考えていてよいのかという疑問が頭をもたげてくるのです。

例えば手段を選ばず、この最終的な数値を向上させるためだけにPR活動を続けたときに、その数値は最終的に100%に到達するのでしょうか?私は不可能とも思いますし、そもそもどんな手を使っても、という条件下の取り組みは再現性がないと思うのです。

KPIを使ってPDCAを回していくというのは、すなわち常によりよい方向への改善を促し、活動を継続していくためなのではないでしょうか。この自身が今いるポジションを把握し、次の一歩でどの方向へどれだけ進めるのか、それを設定し最適と思われる手段を選びチャレンジするのがPDCAの意味だと思うのです。

よってKPIに絶対値はなく、「常に以前の自分を超える」ことがその指標であってもいいのではないかと思うのです。そこで周辺環境とばかり比較するのではない、自社独自の“勝手KPI”をまずは実行してみることをお勧めします。

広報リーダーが悩まされるPRチームへの社内理解不足

広告換算が定着しているのは“認知向上型コミュニケーションにおけるコストパフォーマンスの向上”という意味で分かりやすいからです。広告だと知名度アップにこれだけの費用がかかるのに、PRによる露出や情報拡散で“こんなにお金が節約できました!”というのが経営者に喜ばれたわけですね。リーマンショック後の各企業における販管費大削減の時にはなおさらだったでしょう。

以来、その単純さからこの広告換算による金額の上昇ばかりがその指標として掲げられてきました。社内のPR担当者からすれば、これが上に報告していくのにも納得感が高いと思っていたし、その他の部門に対しても“お金”という共通の物差しで見ることができるのでアピールがしやすかったはずです。

企業のトップや、事業部などの他部門を相手としてみていると、このような社内事情によるKPI設定に陥りがちです。しかし、実際のところ経営トップはこの数字に本当の意味を見いだしているのでしょうか?答えは否といえるでしょう。そしてこれが後の戒めの言葉として、“量だけでなく、質をしっかり把握すべき”“アウトプットよりアウトカムを見るべし”といった原則として語られるまでになっていったのだと思います。

KPIの一例

社長はみんな知っている

タレントを起用したCMを上手に使うあるクライアントさんでは、常に記者発表会においてその広告換算値を更新し続けていました。社長も発表会には非常に前向きで、ご自身も発表会に登壇され、またメディアの気持ちをつかむ発言で人気を博していました。あるときこれまでのPR活動を振り返る場に出席させていただき、そのPR活動への会社としての前向きな姿勢やご自身のPR的目線、メッセージングのうまさについて触れ、その露出の成功についても言及しました。

ところがここに意外な回答をいただいたのを覚えています。社長曰く、「広告換算という数字で社内報告書は常に上がってきているし、短い時間でこういった報告書をまとめていただいているのもありがたい。CMを多用している会社だから、こういう数値が喜ばれると思っているのでしょう。PRの担当者のやる気をそぎたくないのでその時は褒めてやりますが、私が直後に見るのは実際の商品の売れ行きデータだけなんです。今回のPRがそこにどれだけ貢献できたのか。外部の皆さんにはぜひここを明らかにできるような、新しいKPIで活動を再設定していただきたい」と。

この言葉は私自身にも突き刺さり、クライアント側で容認・定着された手法だからそれでいいじゃないか、と半ばおざなりに対応してしまっていたことを強く反省しました。勝手に思い込んでいた社長の評価基準、やりやすさでルーティン化してしまっていた評価手法、導き出していた数値の本来的意味の欠落、これらはまさに各企業・団体が現状を把握し、個々の事情に合わせて今こそ再設定/設計すべき部分なのです。

ちなみにその後、私たちは記者発表会の情報発信がどこまで生活者に理解され、評価されているかなどをメディア露出とは別に、ソーシャルリスニングなどを活用しながら拾っていくなどもしています。実際にわれわれが伝えたかったことが、どこまで生活者に届いているのかを、そのつぶやきの中から確認するわけです。

ここでも面白い発見がありました。メディアにおいてはある程度、狙った文脈でこちらの意図が書かれていたにもかかわらず、それらを見た生活者の実際の声を拾ってみると「なんかよく分からない」「もう少し、かみ砕いてもらわないと」など、少しポイントがぼやけた形で伝わってしまっている部分があったのです。

もちろん即座に、これらをカバーする情報発信をソーシャルメディアやオウンドメディアを通じて行うなどして対応しましたが、こういう生活者の声をダイレクトに拾うといった評価軸もこの時代に大切なのだと思います。さらには、先の社長の発言のように、情報発信と売り上げの相関もきちんと見ていく必要があるでしょう。PRと売り上げ上昇を結ぶデータの収集・解析法の構築なども急務といえるでしょう。

日々の成長を実感できるかが最重要

KPIに絶対的なものはなく、各施策や日々の活動において以前より改善されてきているか。これを数値のみならず、そのスキルの蓄積やアイデア創出の頻度、社内各部署との関係性など、いろんな角度から自己評価することが必要です。

これらを一つずつでも高めていくことができれば、実はそれが現場の成長とそれに伴う成果の創出において最強なのではないかとも思うのです。そこに抜け漏れがあったっていい、要は昨日と違う自分や会社の成長が、緩やかでも右肩上がりで感じられればいいのではないでしょうか。このような“勝手KPI”を経て、自社が目指す、上回りたいPR上手な企業をベンチマークしてみるといったステップを踏むのもいいかもしれません。

ここで再度、広報・PRに携わる皆さんに申し上げたいのは、他者とばかり比較せず、自身の成長をどこまで客観的に見つめられるかといった自己評価がまず先にあるべきということです。

ニュースリリースの書き方、メディアとのリレーションのつくり方、オウンドメディアの活用方法、その他ステークホルダーへの対応など、広報・PR部門が対峙しなければならない領域はとても広いです。それぞれをすでに100%対応できているところなんかないと安心していただきたい。そして急がず、着実に自身やチームのスキルや経験値を整えていただくことに注力していただきたいのです。

私自身、すでにこの世界で30年やってきましたが、今も時代の流れの速さにほんろうされている状態です。ただこの変化を楽しみ、日々の一歩一歩を自己反省/評価することで一歩でも、いや半歩でも成長できていると思えるからこそ、いまだこの業界にとどまれていると思うのです。完璧なんてつまらないですからね。皆さんも、失敗し、反省し、成長して、この仕事を完成形に近づけていく、そんな姿勢でやってみませんか。

“KPIは誰がためにあるのか?”そう、それは社長のためでもない、他部署のためでもない。まさに経営を支えるため、そしてあなたが成長するため、“汝のために”あるのです。

安倍首相が情勢緊迫で自分の中東訪問を延期も、「自衛隊派遣に変更なし」! 他人に血を流させ自分は高みの見物の鬼畜ぶり

 米イラン戦争がついに始まってしまうのか──。本日、イランがソレイマニ司令官殺害の報復として、イラクにある米軍駐留基地に弾道ミサイルを発射し攻撃をおこなった。現段階では被害ははっきりしないが、トランプ大統領がさらに大規模な報復攻撃を仕掛ける可能性は低くないだろう。  そん...

マツコ、宇多田に「女の子産んで」発言で再び批判殺到…本人憔悴で芸能活動に危機か

 再びあの人気タレントの発言が炎上しているようだ――。

 マツコ・デラックスの冠番組である『マツコの知らない世界』(TBS系)の正月SP版に、今や日本が誇る世界的アーティストとなった宇多田ヒカルがゲスト出演し、楽しくトークを展開したのだが、そこでマツコが放ったある発言が批判を浴びる事態に発展している。

 宇多田といえば、2014年にイタリア人男性と再婚し、翌15年に第1子となる長男を出産したが、18年に離婚。現在は英ロンドンに居を構え、長男と2人で暮らしながら、創作活動を行っている。18年には20周年を記念して12年ぶりに国内ツアーを敢行し、全公演で14万人を動員。さらに同年にリリースされた7枚目のアルバム『初恋』(ERJ)が世界的ヒットを記録するなど、精力的に活動を展開している。

 そんな宇多田とマツコの“異色対談”ということもあり、放送前から注目度が高く、マツコを前に宇多田も本音トークを展開しファンを喜ばせたのだが、話題が宇多田の長男に及んだ場面でマツコの“問題発言”が飛び出した。

 宇多田の実母で人気歌手だった藤圭子のファンだというマツコは、宇多田に「もう1回、子ども産めない?」と提案。宇多田が戸惑った表情で「なんでですか?」と返すと、マツコは「女の子をつくってほしいの」と言い、宇多田は「ああ。そりゃあまあ、でも……」「私は男の子でよかったって、なんとなく」と反応した。さらにマツコが「私は化け物を生んでほしいわけですよ」と話題を続けたが、宇多田は「すごい大変じゃないですか、赤ちゃん。もう、これからまた、というのは」と微妙な反応を示すと、マツコは「手伝えることがあったら、手伝うわよ」と言葉をかけたのだった。

 このマツコの発言に対し、インターネット上では、

「なかなかの老害セクハラ発言な気がするしちょっと引いた」

「普通に女性の人権侵害」

「デリカシーのなさに引いちゃった」

「マツコの宇多田への発言がいちいちハラスメントを感じてしまってしんどい」

「あの『宇多田ヒカル』ですら、こんなこと言われなきゃいけないのか。嘘だろ」

「『子どもって大変じゃないですか』みたいなこと言った彼女に対して『手伝う』発言。んんんー」

「マツコさんが宇多田ヒカルさんに子供の話をしたとき、なんとも言えないゾワゾワ感というか、逃げ出したくなる気持ちになった」

などと、批判があがる事態に発展している。

マツコと一般視聴者の間の感覚のズレ

テレビ局関係者は語る。

「マツコがもう10年近く売れ続け、今もテレビ各局から重用されている理由は、いくら毒舌を発しても人を傷つけず、さらにテレビで言ってはいけない一線を絶対に超えないという安心感があるからです。しかし、昨年発売された『週刊文春』(文藝春秋)の取材に対し、元SMAPでジャニーズ事務所を退所した稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛について、『SMAPだから(テレビに)使われていたわけで、SMAPじゃなくなった3人に魅力を感じますか』『旬かどうかわかるでしょう。あの3人は木村拓哉や中居正広とはマンパワーが違うのよ』などと発言し、大バッシングを受けるという失態をおかしてしまいました。

 好感度が高かったマツコですが、その頃から世間がマツコを見る目が少しずつ変わり、マツコを取り巻く空気も変わっていったように感じます。実際にマツコも、テレビでも妙に気を使っているというか、他の共演者や視聴者に媚びを売るような言動が目立つようになりました。今回の発言も、マツコ的には宇多田に対して“あなたのことを、これだけリスペクトしてますよ”というリップサービスのつもりだったのかもしれませんが、一部の視聴者からはそう受け取られなかったということでしょう。その意味では、マツコと一般視聴者の間の感覚のズレが出始めているともいえます」

 また、マツコを心配するこんな声も聞こえる。

「昨年、参院選で初議席を獲得した『NHKから国民を守る党』を揶揄する発言をマツコが、同党代表の立花孝志氏(すでに議員辞職)から執拗な攻撃を受け、世間を騒がせました。ほぼ同時期に『文春』での発言がバッシングを受けていたこともあり、マツコはかなりダメージを受けていたようです。

 実はマツコはその毒舌キャラのイメージとは裏腹に、自分が他人から責められると極度に落ち込んでしまうタイプ。立花氏と元SMAP発言の騒動が重なった時期は、本人はかなり参った様子で、親しいスタッフなどに『引退したい』『休みたい』などとこぼし、周囲から『情緒不安定っぽい』『憔悴気味』などと心配されていたようです。せっかくほとぼりが冷めたのに、また今回のようなバッシングが続けば、本当にタレント生命に影響が出かねない状況になってしまわないかが心配されます」(別のテレビ局関係者)

 もっとも、「マツコのブレイクの長さは、はっきりいって異常。むしろ綻びが出てこないほうがおかしいくらい」(別のテレビ局関係者)という声もあるが、マツコの試練は続きそうだ。

(文=編集部)

 

 

 

株式相場、年始から急落で大荒れ、今年の低迷を暗示…即刻“予想外れた”アナリストたち

 2020年の東京株式市場の大発会(1月6日)は、前年に続いて波乱の幕開けとなった。米国のトランプ大統領がイラクの首都バクダッドへの空爆を指示。現地を訪れていたイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官が爆死したことを受け、中東情勢が一気に緊迫した。

 日経平均株価は一時、前年末比508円安に急落した。19年の大発会も452円安(一時、773円安)だった。値幅が高安(上下)いずれかで400円超となるのは2016年から5年連続である。地政学リスクが高まるなか、1月3日のNYダウも下げ、為替は1ドル=107円台まで円高が進んだ。国際原油相場も上昇した。ニューヨークの金先物は6年9カ月ぶりの高値をつけ続伸中。

 6日の東証1部の値下がり銘柄数は全体の85%を占めた。日米とも米・イランの武力衝突は株価に織り込んでいない。戦争を回避できなければ、株価の一段安は避けられそうにない。バブル崩壊の年となった1990年や、リーマン・ショックの2008年などは、大発会急落が年間の下げを暗示した。

 1月7日は前日比370円高の2万3577円と反発したが、8日は大きく下げ、7日に戻った分が帳消しとなり、さらに下値を模索する動きとなった。8日の安値は2万2951円である。

予想はしょせん予想

 年始恒例の新聞各紙の2020年相場アンケートのなかで、「日経ヴェリタス」(日本経済新聞社/1月5日号)だけは反面教師として参考になる。日経平均株価の安値をチェックしてみた。

 菊池真・ミョウジョウ・アセット・マネジメント代表取締役は弱気筋の筆頭だが、高値2万4500円(1月)、安値1万4000円(12月)。これが的中すると、証券会社が数社潰れる。安値1万7000円(月は明示せず)は草刈貴弘・さわかみ投信取締役最高投資責任者。草刈氏の予想は当たる。高値は2万6000円(同)。安値が2万円大台割れとしたのは、上野泰也・みずほ証券金融市場調査部チーフマーケットエコノミストの安値1万9500円(12月)、高値は2万4500円(8月)である。

 伊藤篤・新生銀行金融調査室長は安値1万9000円(5月)、高値2万5000円(12月)。田辺孝則・田辺経済研究所代表取締役は安値1万9500円(12月)、高値は2万4500円(1月)だ。筆者が信頼している藤戸則弘・三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ投資ストラジストは高値2万4800円(5月)、安値2万円(10月)である。筆者が信頼しているアナリストの多くは、高値2万5000円突破は難しい、と判断しているようだ。

 強気派はこうなる。嶌峰義清・第一生命経済研究所取締役首席アナリストは高値2万8000円(12月)、安値2万3000円(1月)。三宅一弘・レオス・キャピタルワークス運用本部経済調査室長も高値2万8000円(12月)、安値2万2000円(6月)。柳谷俊郎・あおぞら投信取締役会長は高値2万7500円(12月)、安値2万1500円(1月)。広木隆・マネックス証券執行役員チーフ・ストラジストは高値2万7200円(8月)、安値2万3500円(1月)。秋野充成・いちよしアセットマネジメント上席執行役員は高値2万7000円(10月)、安値2万2000円(2月)。大谷正之・証券ジャパン調査情報部長は高値2万7000円(12月)、安値2万1500円(1月)。ほかにも高値2万7000円は数人いる。

 当たらないことで有名な日本経済新聞、1月1日付の経済人株価予想では、高値2万7000円(12月)が最高。大和証券グループ本社の中田誠司社長だ。安値は2万2000円(2月)である。その次は、三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長で高値2万6500円(9月)、安値2万3000円(3月)。高値2万6000円だと、大和ハウス工業の芳井敬一社長が6月と予想。安値は11月で2万1000円とした。日本電産の吉本浩之社長は2万6000円(12月)、2万2000円(6月)とした。退任が確実視されている吉本社長を登場させるのは残酷ではないのか。

 昔は良く当てた信越化学工業会長の金川千尋氏は高値2万6000円(12月)、安値2万1000円(5月)。日本ガイシの大島卓社長が12月に高値2万6000円、安値は2万2500円(1月)。東京海上ホールディングス社長の小宮暁氏は高値2万6000円(11月)、安値は2月で1万9500円。安値2万円割れを予想したのは小宮社長1人。

 該当月は違うが高値2万5000円、安値2万1000円という標準の回答をした経営者は伊藤忠商事・岡藤正広会長、三越伊勢丹ホールディングス・杉江俊彦社長、セコム・中山泰男会長、サントリーホールディングス・新浪剛史社長である。味の素・西井孝明社長は高値2万4000円(10月)、安値2万1000円(2月)だった。

 20人中会長が6人も回答していたのが目を引いた。日頃の日経の社長アンケートでも登場が多い富士フイルムホールディングスの古森重隆会長は「いつもの通り」で驚かないが、日頃の回答は社長名なのに、あえて会長にした企業もある。その思惑はなんなのだろうか。財界のイス獲りなのか。

 1月3日付読売新聞「景気・戦略30人の回答」でも株価を聞いている。同じ回答者なのに2019年は日経と読売で高値・安値が異なる人が複数いた。回答者名は違っていても企業が同じなのに予想の数字が違うケースもあった。広報部の責任者が調整した結果、ミスが起こったとしか思えない。本人はアンケート結果をきちんと確認しないのか。

 小宮暁・東京海上HD社長は違った。日経では安値1万9500円(2月)なのに読売では安値2万円。伊藤忠商事は日経は岡藤会長で、読売は鈴木善久社長。名前は違っても高値2万5000円、安値2万1000円で一致。商社業界随一といわれる“広報力”できちんと対応した。大和証券グループ本社の中田誠司社長、味の素の西井孝明社長、サントリーHDの新浪剛史社長、三越伊勢丹HDの杉江俊彦社長は完全に一致。株価予想でダブった経営陣はこれだけ。東京海上HDはお粗末ではないか。

 日経はパナソニックの津賀一宏社長、三井不動産の菰田正信社長をスルーしていた。読売は三菱商事の垣内威彦社長を落とし、三井物産の安永竜夫社長に回答させていた。リーディングカンパニーのトップを自負する社長・会長が両紙で落とされるとその企業の広報部長の首が飛ぶというジンクスがある。今年はいかに。 読売は経済同友会代表幹事のSOMPOホールディングスの桜田謙吾社長をスルー。経団連会長会社の日立製作所の東原敏昭社長は両紙で回答している。

 今年もトヨタ自動車の豊田章男社長は出てこない。ポリシーがあって回答しないのだろうか。ソニーの吉田憲一郎代表取締役はトヨタを見習ったのだろうか。日経の有望銘柄の1位がソニー、2位がトヨタ自動車なのに両社とも回答していない。両紙とも建設(スーパーゼネコン)、陸運(ヤマトHDなど)から回答を求めていないのはなぜか。日産自動車を除外したのは見識があったからであろう。

初日に予想が外れた“専門家”

 株価の予想などあてにならないとわかっていても、大発会に予想が外れてしまった“専門家”は顔を洗って出直したほうがいい。アンケートの締切りが12月20日前後であるのはわかるが、それを理由にしてはいけない。

「日経ヴェリタス」の予想で今年の安値を2万4000円(1月)とした平野憲一・ケイ・アセット代表(元立花証券)は即アウト。2万3500円(1月)とした広木隆・マネックス証券執行役員も脱落。ご両人は証券界の論客として名前が売れているが、1日で即アウトはいただけない。豊田英男・水戸証券投資情報部部長は安値2万3800円(10月)。10月の安値という予想が、たった1日で没(ボツ)となってしまった。

 前野達志・岡三アセットマネジメントシニアストラテジストは安値2万3500円(1月)。松本聡一郎・クレディ・スイス証券日本最高投資責任者は安値2万4000円(1月)。日本最高投資責任者という肩書が泣いている。松波俊哉・ニッセイアセットマネジメントチーフ・アナリストは安値2万3700円(3月)、圷正嗣・SMBC日興証券チーフ株式ストラテジストは安値2万3500円(1月)だ。以上、7人が初日に競争中止とあいなった。

 安値2万3000円とした人は12人。首の皮一枚でセーフの状態だが1月8日には一時、2万2951円(624円安)まで突っ込んだ。12人もアウトとなった。トランプ大統領がもっと吠えれば、さらに脱落者が増える。73のサムライのうち20人近くが初日段階でレームダックとなり、3日目で競争中止である。こんな予想、誰が信じるものか。JPモルガン・アセット・マネジメントは2人の連名で回答している。2人ともグローバル・マーケット・ストラテジストだそうである。

 2016年は大発会から6日連続安となったが、初日に回答者66人中29人が年間安値予想を割り込み、6日目の1月12日には、“脱落者”が52人に達した。今年は連名の会社があるから67人である。

 日経新聞の株価予想(経済人20人)では、さすがに初日にアウトは出なかったが、安値2万3000円(1月)とした東京エレクトロンの河合利樹社長は3日目で脱落した。三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長は経済同友会の代表幹事の時代から「まるで評論家」(有力財界人)だったが、安値2万3000円(3月)で同じくアウト。読売では、片野坂真哉・ANAHD社長が安値2万4000円で初日でアウト。後藤高志・西武HD社長は2万3000円だから3日目で脱落だ。

 よくよく読売の回答をチェックしてみると、安値が2万円を切ると回答した人が2人いた。御手洗冨士夫・キヤノン会長兼CEOと八郷隆弘・ホンダ社長の2人が1万9000円だった。安値2万円が7人もいて、株価の先行きについて、かなり慎重な見方をしていることがわかる。

(文=有森隆/ジャーナリスト)

ローソン&『鬼滅の刃』コラボ、グッズ配布開始時刻前に在庫切れ続出…独り占め→転売も多発

 人気キャラクターの無料販促グッズを大量に入手して、インターネット上で転売する「転売ヤー」がまた問題になっている。今回、騒動になったのはローソンが7日から始めた、「週刊少年ジャンプ」(集英社)連載中の人気漫画『鬼滅の刃』(作・吾峠呼世晴)とのコラボキャンペーン。いったい何が起こったのか。

 キャンペーンはローソン全店で7日午前7時に始まる予定だった。お菓子など対象商品3点の購入者に、同漫画の主人公・竈門炭治郎と妹・禰豆子の戦闘シーンを描いた絵柄など全5種のクリアファイルを配布するというものだった。各店計20枚の在庫を用意していたという。

早朝から店前にファンが殺到

 事前告知されていたこともあり、ローソン各店には配布開始の午前7時前からファンが長蛇の列をつくったようだ。ところが、一部店舗ではそうしたファンへの対応に困ってか、早々に配布を開始。なかには、グッズを“独り占め”するように1人で複数枚を入手する客が現れた。そのため、本来の配布開始時間の午前7時前には在庫がなくなる店が相次いだようだ。

 千葉県内のローソンの店員は次のように語る。

「ここのところ有名アイドルグループのキャンペーン販促グッズが思った以上に出ないこともあって、正直油断していました。早朝からすごい勢いでお客が来て一瞬で無くなりましたね。

 昨年冬のコミックマーケットで『鬼滅』の人気が出ていることは知っていたので、うちの店ではあらかじめ経験豊富な店員でシフトを組み、1人当たり1枚という制限をさせていただきました。ただ事情を知らない高齢のオーナーが運営しているフランチャイズ店などでは、対応に困ったのではないでしょうか。加えてキャンペーン開始が早朝の時間帯だと、経験不足の新人アルバイトや店長が店番をしていることが多いので、混乱するだろうなとは思います」

 一方、Twitter上では、入手できなかったファンの悲痛な投稿が溢れた。

「私の妹(4歳)。いつも朝は8時に起きるのに、鬼滅のファイルのために三日前から早起きの練習して、今日6時半にローソンに行き並びました(3番目)。そしたらなんと1番目の人が20枚全部とった。妹ギャン泣き。店員さんも注意せず。許せぬ」(原文ママ、以下同)

「鬼滅の刃ローソンコラボクリアファイル 告知通り7時ジャストにいきましたが、その時点ですでに売り切れ。どうやら、7時前に店頭に並べていたようです。せめて告知通りに対応していただきたかった」

「鬼滅の刃のローソンコラボ行ったら20枚しかクリアファイルないのに1人5枚とか書いてて、並んだのに買えなかった」

早々にメルカリで転売

 そうしたファンたちの嘆きに拍車をかけたのが、入手したクリアファイルをメルカリなどで大量に転売する人物が出始めたことだ。8日正午現在、メルカリでのクリアファイルの相場は1枚1000円前後。全5種類セットだと2000~3000円で、買い手がつくスピードも速い。

 アニメや漫画のコラボキャンペーンのグッズが転売される事例は、これまでにも数多くあった。たとえば、ファミリーマートが2016年にテレビアニメ『おそ松さん』(テレビ東京系)グッズの配布キャンペーンを実施したところ、店内でファン同士の奪い合いが発生し、大きな問題になった。

 人気コンテンツを利用したキャンペーンでは、あらかじめ各店舗に配布のルールや開始時刻、待機列のつくり方などの周知が必要だ。店ごとに開始時刻や配布枚数が違ったりすれば大騒動ともなり得る。果たして、今回のキャンペーンでは明確な配布ルールはあったのか。また、それは各店舗にちゃんと周知されていたのか。

 今回の騒動に関しローソン広報室に問い合わせたところ、次のように回答があった。

「予定時刻前の配布やおひとりで複数枚をお持ちになられるお客様がいらっしゃったとのご指摘を受け、現在、確認を進めております。本企画を楽しみにされていたお客様には、ご迷惑をおかけし大変申し訳なく思っております。販売開始時間や制限数の徹底をはかるとともに、店舗での運用方法の見直しについて今後検討してまいりたいと考えております」

(文=編集部)

植松被告、やまゆり園障害者19人殺害を「正義」だと確信…強烈な欲求不満と他責的傾向

 相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年7月、入所者19人が刺殺され、職員を含む26人が負傷した事件で、殺人罪などに問われた元職員、植松聖(さとし)被告の初公判が8日、横浜地裁で開かれた。

 植松被告は起訴内容を認め、「皆様に深くおわびします」と述べた。だが、その直後、突然両手を口に近づけ暴れ出して取り押さえられた。いまだに「意思疎通の図れない人は死ぬべきだ」という独りよがりの主張を繰り返している彼が心から謝罪しているのか、疑問である。

 彼が犯行に及んだ心理を理解するうえで鍵になるのは、事件後の精神鑑定で「自己愛性パーソナリティー障害」と診断されたほど自己愛が強いことだと思う。彼の自己愛の強さは、さまざまな言動に表れている。その1つが、事件の5カ月前にレポート用紙3枚分の手紙を衆議院議長に渡そうとしたことだろう。

「障害者を大量に殺害する」 計画を総理大臣に伝えてほしいという内容だったらしいが、これは「自分は特別な人間だから、自分の思想や行動は特別な偉い人にしか理解されない」と思い込んでいたからではないか。何の根拠もないのに、そう思い込んでいたからこそ、「特別な偉い人」である衆議院議長にわざわざ手紙を渡しに行ったと考えられる。

 強い自己愛の持ち主は、自分自身を過大評価しがちで、「本当の自分はもっとすごいはず」と思い込みやすい。そのため、「これだけでしかない」現実の自分を受け入れられず、現状に満足できない。必然的に欲求不満が募りやすいし、うまくいかないのを他人のせいにする他責的傾向も強くなる。この2つの要因は、植松被告にも認められる。

強い欲求不満

 植松被告は何よりも仕事に対して欲求不満を募らせていたようだ。小学校の図工の教師をしていた父親の影響か、幼少の頃から父親と同じ小学校の教師をめざしていたにもかかわらず、教員採用試験に合格できず、一時的に引きこもりに近い状態だった。また、大学卒業後、飲料メーカーの配送員として勤務したが、「給料が安すぎて、経済的にきつい」と訴え、半年で退社している。

 さらに、「小学校教師はハードルが高いから、特別支援学校の教員をめざす」と言って、2012年12月から障害者施設で臨時職員として働き始め、翌13年4月に常勤職員として採用されたものの、次第に「仕事が大変だ」と愚痴をこぼすようになったらしい。

 2013年5月に勤務先で発行された家族会誌には、彼の「心温かい職員の皆様と笑顔で働くことが出来る毎日に感動しております」というメッセージが掲載されており、当初は前向きな姿勢を示していたし、仕事にやりがいも感じていたことがうかがえる。だが、次第に勤務地度が悪くなった。入所者の手の甲に黒いペンでいたずら書きをしたり、勤務中に「障害者は死んだほうがいい」と口走ったりするようになったのだ。

 このように勤務態度が悪くなった一因に、いくら親身になって障害者を支援しても、障害者の状態が劇的に改善するわけではなく、やりがいを感じられなくなったことがあるかもしれない。しかも、障害者がコミュニケーション能力に問題を抱えていると、意思の疎通が困難なことも少なくないので、理解も感謝もしてもらえないと植松被告が思い込んだ可能性もある。いずれにせよ、いくら頑張っても報われないと感じると、欲求不満が募るし、勤務態度も悪くなりやすい。

他責的傾向

 こうした欲求不満の原因をすべて他人に求めようとする他責的傾向も認められる。この他責的傾向は、自分の挫折や失敗を他人のせいにして責任転嫁しようとする傾向であり、植松被告が逮捕時に供述した「辞めさせられて恨みがあった」という動機に端的に表れているように見える。

 なぜ、責任転嫁するのか? 自己愛が強すぎるために、「これだけでしかない」現実の自分に満足できず、自分が「こうありたい」と願っていた理想像との間のギャップを受け入れられないからだ。

 植松被告にとっての理想像は、父親と同じように小学校の教師になり、教育に情熱を傾ける自分の姿だったのだろうが、現実の自分は教員採用試験に落ちて、子供の頃からの夢を叶えられなかった。そのうえ、「特別支援学校の教員をめざす」ための足がかりとして就職した障害者施設でも、勤務態度の悪さについてたびたび注意されていた。

 もちろん、誰だって多かれ少なかれ理想と現実のギャップに悩むはずだ。だが、自己愛が強いと、このギャップを受け入れられず、他人に責任転嫁して、「自分に能力がないわけでも、努力が足りないわけでもない」と思い込もうとする。つまり、「自分は悪くない」と主張したいわけで、自己愛の傷つきを防ぐための防衛手段ともいえる。

 もっとも、世の中の大多数の人々は、いくら他責的であっても、大量殺人など犯さない。ほとんどの大量殺人犯には、もう1つの要因が顕著に認められる。強い被害者意識である。

 植松被告も、被害者意識がかなり強かったように見える。だからこそ、退職に追い込まれたのは障害者を見下す態度や優生思想を正当化する自分自身の言動のせいだったにもかかわらず、その原因を施設、職員、そして入所していた障害者に求めて恨みを募らせたあげく、最も弱い存在である障害者に攻撃の矛先を向けたのだろう。

 被害者意識が強いと、「自分だけが理不尽な扱いを受けている」と何でも被害的に受け止め、「不正に害された」と怒りに駆られる。古代ローマの哲学者、セネカが指摘しているように、「怒りとは、不正に対して復讐することへの欲望」にほかならないので、復讐願望も抱きやすい。

正義を振りかざした大量殺人

 私が何よりも怖いと思うのは、植松被告が独りよがりの正義を振りかざして犯行に及んだことだ。「自分はいいことをした」と差別的な発言を繰り返しているので、自分は正しいことをしたと思っている可能性が高い。つまり、正義と信じているわけだが、自らの殺傷行為の正当性を疑わないのは一体なぜなのか?

 この謎を解く鍵は、植松被告が語った「辞めさせられて恨みがあった」という動機にあるように思われる。彼のこれまでの人生を振り返ると、自分の人生がうまくいかないことに対する恨みが相当強かったと推察される。

 だが、それを認めたくなかったのだろう。自分の人生がうまくいかず、そのせいで恨みを抱いていると認めることは、自分の負けを認めることに等しい。そんなことは彼の強い自己愛が許さなかったはずだ。

 自分の人生がうまくいかなかったことも、そのせいで自分が恨みを抱いていることも認めたくなかった植松被告には、何らかの正義が必要だった。だからこそ、「意思疎通の図れない人は死ぬべきだ」という独りよがりの正義を振りかざしたのだ。 

 フランス語で恨みを意味する「ルサンチマン ( ressentiment )」という言葉を用いて、「正義の起源がルサンチマンにある」ことを見抜いたドイツの哲学者、ニーチェはさすがである。ニーチェが指摘したように、植松被告は「復讐を正義という美名で聖なるものにしようとしている」にすぎない。

(文=片田珠美/精神科医)

参考文献

片田珠美『無差別殺人の精神分析』新潮選書、2009年

片田珠美『「正義」がゆがめられる時代』NHK出版新書、2017年

セネカ『怒りについて 他二篇』兼利琢也訳 岩波文庫、2008年

フリードリヒ・ニーチェ『道徳の系譜学』中山元訳 光文社古典新訳文庫、2009年

木村拓哉、“10代ファン急増”報道に疑問噴出「むしろ誰だか知らない」「嵐ですらオッサン扱い」

 主演を務めた連続テレビドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)が12月29日に最終回を迎えた木村拓哉。年が明けて、1月4日、5日に放送された2夜連続スペシャルドラマ『教場』(フジテレビ系)でも主演を務め、8日にはソロアルバム『Go with the Flow』をリリースするなど、幸先の良いスタートを切っている。そんな木村の活躍を支えるのは、実は急増している10代のファンなのだという。

 1月6日発売の「女性セブン」(小学館)では、年末に行われたという『グランメゾン東京』の打ち上げの様子や、同ドラマの最終回の平均視聴率が16.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、全11話で2ケタをキープしたこと、さらに昨年は初めて刑事役に挑んだ映画『マスカレード・ホテル』が公開から7日間で動員数100万人を突破するヒットとなったことなどを報じている。

 そして、記事の中で取材を受けたテレビ誌編集者は「ここ数年、木村さんは若者層の間で“カッコイイおじさん”として人気が広がっている。木村さん見たさに『グランメゾン』を視聴していた10代の子も少なくないんです」と証言。また、芸能関係者は「『教場』では、初めて見せた白髪姿も話題になりました。その“おじさん”な外見も、“逆にカッコイイ”と、ますます幅広いファンを獲得していきそうです」と語っている。

 確かに、『グランメゾン東京』は木村主演の最近のドラマの中ではかなりの高視聴率を叩き出しており、実際に視聴者からも「ドラマとして純粋におもしろい」「久々にテレビドラマを最後まで追いかけました」「かつてのキムタクドラマの王道って感じでいい」と絶賛の声が上がっていた。また、木村の演じた役どころについても「珍しく年相応の役を演じていて好感が持てる」と好評だった。

 そんなドラマ好調の理由のひとつとして“10代のファン層獲得”が挙げられているわけだが、ネット上では

「ドラマがおもしろかったのはキムタクだけの力じゃなくて、ほかのキャストやスタッフのおかげもあるでしょ」

「本当に10代がドラマを見ていたのだとしたら、キスマイの玉森くん目当てだったのでは?」

「10代だったら嵐ですらオッサン扱いだし、むしろ誰だか知らないでしょ」

「そもそも痛々しいオジサンにしか見えないのだが」

「今の若い子がわざわざキムタクにハマるかな? 変に若作りしてるから“大人のカッコよさ”もないし、同年代なら西島秀俊や竹野内豊のほうが素敵に見える」

と疑問や違和感を訴える声が続出。今の木村を「10代から人気」とするには、少々無理があるというわけだ。

 一方で、フジテレビ開局60周年企画のドラマ『教場』では、白髪姿の鬼教官に扮した木村に「新境地」という声が上がるなど、好評も得ていた。10代のファンが増えているかどうかはさておき、今後新たなファン層を開拓する可能性はあるだろう。

 また、木村は今年に入ってソロ歌手としての音楽活動を本格的に始動、1月8日に豪華作曲陣とタイアップしたオリジナルアルバム『Go with the Flow』をリリースした。ソロデビューの発表当初は「今の時代に“歌手・キムタク”なんて需要あるの?」「まわりのお膳立て感がすごい」などと言われていたが、アルバムの仕上がりはまずまず好評のようで、今後はセールスのゆくえが気になるところだ。

 ただ、この歌手活動に関しても、そのタイミングが物議を醸している。木村のアルバム発売の1週間前の1月1日には香取慎吾のアルバム『20200101(ニワニワワイワイ)』が発売されているのだ。SMAP解散後、ジャニーズ事務所に残留した木村と、退所して草なぎ剛、稲垣吾郎とともに「新しい地図」として活動を始めた香取の初ソロアルバムの発売日がぶつかったことに、ネット上では「ジャニーズの『新しい地図』潰し?」「無言の圧力みたいで怖い」という声が上がっていた。

 また、木村は2月に国立代々木競技場第一体育館と大阪城ホールでライブツアー「TAKUYA KIMURA Live Tour 2020 Go with the Flow」を開催するが、3月には同じく代々木競技場で「新しい地図」がファンミーティングを行うことが発表され、ネット上で「露骨にぶつけてくるね」「複雑な気持ちのファンも多そう」と波紋を呼んだ。

 香取のソロアルバム『20200101』は週間売上2.8万枚でオリコン週間アルバムランキング1位を獲得したが、木村の『Go with the Flow』は果たしてどうなるだろうか。

(文=編集部)

「むしろ9年もよく続いた」…藤本敏史ですら耐えられなかった木下優樹菜の“人間性”

 昨年末、お笑いコンビ「FUJIWARA」のフジモンこと藤本敏史とタレントの木下優樹菜が離婚を発表した。7歳と4歳の2人の女児の親権は木下が持つという。

 木下は昨年、姉が勤めていたタピオカ店経営者への“恫喝ダイレクトメール騒動”を受けて芸能活動自粛に入っており、藤本が関係各所に頭を下げて回り“献身的な夫ぶり”をみせていたとも報じられていただけに、世間に驚きを与えた。一方、すでに1年ほど前から別居(所属事務所は否定)していたなかでタピオカ騒動が離婚の決定打になったという報道も出ているが、詳細な理由や経緯などは明らかにされていない。

「そもそも2人の結婚は、結婚願望が強かった木下のほうが強く望んだものだった。むしろ9年もよく続いたという印象」(木下を知る芸能事務所関係者)

 2人はテレビ番組『クイズ!ヘキサゴン2』(フジテレビ系)などでの共演を経て、2010年に結婚。木下は藤本との熱愛を報じられる直前に、同番組の共演者だった上地雄輔とも熱愛が報じられ、本人たちがきっぱり否定したこともあった。

「上地は当時、これから仕事に集中して地位を築いていかなければならない時期でしたし、オバカキャラを前面に出すもののイケメン俳優でもあり、女性ファンも多く、とても結婚を考えられるような状況ではなかった。そもそも上地さんは横須賀のお坊っちゃんですし、葛飾の元ヤンキーだった優樹菜とはどう考えても不釣り合いでしょう。

 一方の優樹菜は『若いママになりたい』ととにかく結婚願望が強かった。そういうタイミングでフジモンさんから声がかかり、徐々にフジモンさんになびいていったという印象です」(当時を知る関係者)

 結婚後、木下はバラエティ番組などでも夫婦間の収入格差や藤本への不満をあけすけに語ることも多かったが、あくまで“ネタ”として笑い流されてきた。

「優樹菜は人前でも、平気でフジモンさんを馬鹿にするような態度を取ることは普通で、温厚なフジモンさんも優樹菜を注意することもありました。喧嘩の際にお互いに離婚届を持ち出したことも何度もあると優樹菜がテレビで話していますが、さすがのフジモンさんでも堪忍袋の緒が切れることもあったようです。今回のタピオカ騒動で、フジモンさんのほうが立場が上になったことも、優樹菜からしたら気に入らなかったのでしょう。子どもの親権は優樹菜が持つといいますが、正直、親しい人は心配していますよ」(前述と同じ木下を知る芸能事務所関係者)

 藤本は離婚発表に際し、「これから夫婦という形でなくなっても、子育てにおきましては父親、母親として二人で協力してしっかり責任を果たしていきたいと考えております」とコメントしているが、藤本が所属する吉本興業関係者はいう。

「最後まで藤本さんが大人になって、優樹菜さんのワガママを受け入れたんです。子煩悩な藤本さんは、本当は親権だって渡したくない。でも、離婚後も同じマンション内の別々の住戸に住むので、生活環境はそれほど大きくは変わりません。離婚調停などになって争うより、優樹菜さんの思い通りにしてあげた上で近くで見守るというのが、藤本さんの選択だったようです。藤本さんらしいといえばそれまでですが、タピオカ騒動で自分の仕事にも影響が出ているにもかかわらず、そこまで譲歩するとは」

“おしどり夫婦”の幕切れは、あっけないものとなった。

(文=編集部)