今後のキャッシュレス化をけん引する二つの要因

電通ビジネス・ディベロップメント&アクティベーション局 金融プロジェクトでは、生活者の決済手段がどのように変化し、今後どのような決済手段が主流になるのかを明らかにすることを目的に「生活者の決済手段に関する調査」を実施しました。

同プロジェクトの吉富才了が、調査結果の中から「今後のキャッシュレス化を牽引する二つの要因」として、「ポイント経済圏の影響」および「新たな決済手段や新サービスのポテンシャル」について紹介します。

「ポイント経済圏」が、今後のキャッシュレス化の浸透に影響

 

キャッシュレス決済比率が急上昇している背景として、Eコマース(EC)の台頭とその決済手段が影響を及ぼしていると考えられます。ECの決済手段全体を100%とすると、その構成比はクレジットカード決済が73.3%、ポイント決済が7.7%、デビットカード決済が7.3%と上位を占めています。

 

インターネットショッピングをする際に、ショッピング以外で重視する点は「ポイントの付与率が高い」(73.8%)が最も高く、続いて「クレジットカードなどキャッシュレスによる支払いがスムーズである」(70.6%)、「ポイントの利用範囲が広い」(36.2%)、「ポイント経済圏が充実している」(31.2%)と続いています。

このように、EC市場においてポイントをデジタルキャッシュとして利用できる「ポイント経済圏の広がり」がキャッシュレスの浸透の大きなトリガーになると予想されます。

 

新たな決済手段や新サービスに対する潜在需要の高まり

 

「モバイルウォレット(モバイル決済)」の今後の利用意向に関しては、「利用したい」(17.8%)、「多少は利用したい」(19.7%)、「場合によっては利用してもいい」(38.0%)と潜在的な利用意向が75.5%に達しています。

また、今後の「キャッシュレス決済比率」の高まりに関する新たな動きとして、「モバイルウォレット(モバイル決済)」や「個人間送金サービス」といった新たな決済手段や新サービスの利用促進へのポテンシャルがうかがえる結果となりました。

 

「個人間送金サービス注1」の今後の利用意向についても、「利用したい」(7.1%)、「多少は利用したい」(12.5%)、「場合によっては利用してもいい」(40.2%)と潜在的な利用意向は59.8%に達しています。

注1:食事代金の割り勘をする、立て替えをしてもらったお金の支払い、会費の支払いのように個人間でお金をやり取りする機会に、個人から個人に送金するサービス

このように、今回の調査結果では、生活者のキャッシュレス・ニーズは着実に高まっていることがうかがえます。

ただし、現状の日本の「キャッシュレス決済比率」は19%程度と、50%を超える韓国や中国の半分にも満たない水準であり、明らかに「キャッシュレス後進国」という状況にあります。そうした中、政府は「キャッシュレス決済比率、10年で40%」という目標を掲げ、国全体がキャッシュレス化に大きくかじを切ろうとしています。

今後は、金融機関やカード会社といった従来のプレーヤーだけでなく、通信・IT業界や流通・小売業界といった異業種からの参入によって、新たな決済手段やサービスが生まれたり、経済圏が拡大されることによって、キャッシュレス市場の競争は、ますます激しくなっていくでしょう。

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電通ダイバーシティ・ラボ、新しい服づくりの仕組み「041FASHION」を開発

4月12日に配信された電通ニュースリリース文面は以下の通りです。


2018年4月12日

電通ダイバーシティ・ラボ、新しい服づくりの仕組み「041FASHION」を開発

― 「ひとり」の課題から社会の課題を解決に導くALL FOR ONEプロジェクトで社会に貢献 ―

株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)において障害・ジェンダー・多文化・ジェネレーションなどの多様な個人に向けたソリューションを提供する「電通ダイバーシティ・ラボ」(以下「DDL」)は、課題を抱える「ひとり」に徹底的にフォーカスすることで、社会の課題を解決に導く「ALL FOR ONE(オールフォーワン)」(=041)プロジェクトを推進しており、このたび、車いすユーザーの課題を解決する新しい服づくりの仕組みを開発しました。

DDLは2016年に、日本テレビ放送網株式会社、一般財団法人ジャパンギビングと共に、世界が抱えるさまざまな社会問題の解決を目的としたソーシャルユニット「Social WEnnovators(※)」を立ち上げ、これまでにも「041SPORTS」として障害のある方でも楽しめるスポーツ(むしろその人が有利になってモテるスポーツ)や、「041SOS」として子連れや病気治療中の方による外出時の電車移動が楽になる方法などを生み出してきました。

そして今回は「041FASHION」として、障害を抱える5人の方を対象に、それぞれが抱える課題を聞き深堀りすることで、新しい服づくりを実現し、6つのファッションアイテムを開発するに至りました。一例を挙げると、障害を抱える車いすユーザー女性「ひとり」にフォーカスし、彼女個人が本当に欲しいと思うもの、必要なもの、潜在ニーズとして考えられるものなどを調査することで、車いすに乗っていてはなかなか着ることのできないスカートの問題を解決に導きました。

誕生したフレアスカートでは多くのZIPを採用し、車いすユーザーでない人にとっても、ジッパーを自分の好みで調整でき、開閉ひとつでデザインが変わり、タイトからセミフレア、フレアと自由自在に着こなせるようになっています。心地よく、着脱の容易さ、サイズの微妙な調整、保温性などにも配慮が行き届いており、社会の「みんな」にとっても新しい価値となるファッションが誕生したといえます。また同様の手法で、パラアイスホッケー日本代表の上原大祐選手を対象に「背面腰下が外せるミリタリーコート」などの開発も実現しています。

このように「041FASHION」では、社会的に解決されてこなかった車いすユーザーの課題を、「ひとり」を起点に深掘りして商品開発までを行い、それが非車いすユーザーのニーズをも満たすという新しい価値の創造へとつなげています。

なお、今回の「041FASHION」のデザイン開発に当たっては、本プロジェクトの主旨にご賛同いただけた株式会社ユナイテッドアローズの協力を得ており、販売においても、来店が困難な車いすユーザーのために「クラウドファンディング型(受注型)販売」(https://041.world/fashion/)を採用しています。

DDLでは、「041FASHION」のようなビジネスモデルのことを「1 to Business to Social」

(略称:「1toBtoS」、ひとりからビジネスへ、ビジネスから社会へ)と呼んでおり、今後もこの手法を他の分野に応用していくことで、さまざまな社会課題の解決に貢献していきます。

【041FASHIONで誕生した服の商品例】

商品例1)フレアにもタイトにもなるZIPスカート
商品例1)フレアにもタイトにもなるZIPスカート
商品例2)後ろが外せる2WAYコート
商品例2)後ろが外せる2WAYコート
 
※Social WEnnovators(https://wennovators.com/#about):電通・日本テレビ・ジャパンギビングの社会起業家たちが垣根を超え、メディア・クリエーティブ・ソーシャルの力を結集しながら、”WE”の力で社会課題と向き合っていくソーシャルユニット(2016年発足)のこと。041プロジェクト(https://041.world/)を発起させたユニットでもあります。

以上


電通ニュースリリース
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2018/0412-009522.html

AICO、コピーライターの巨匠・仲畑さんに弟子入りする

駆け出しのAIコピーライター「AICO」。現在、さまざまな一流コピーライターの元で、武者修行の日々を過ごしています。そんな彼女が今回会いに行ったのは…なんと、コピーライター界のレジェンド、仲畑貴志さん! 次々と繰り出されるお題に答えながら、果たして仲畑さんをうならせる名コピーは生まれるのでしょうか?

左から勝浦雅彦氏(電通)、仲畑貴志氏、AICO

やっぱり厳しい! いきなりダメ出しされたAICO

勝浦:今日は仲畑さんに新人コピーライターを紹介しようと思って、事務所まで押しかけてしまいました。

仲畑:この子がコピーライター(笑)? じゃあ手始めに、自己紹介のコピーを書いてみてよ。

AICO:「人類史上最高のAICO」

仲畑:あっ。AICOっていう名前なのね。最初に言っておくけどね、AICOちゃん。「最高」っていう表現はあんまりよくないんだよな。「最高」と言わないで、その感じを相手に伝えるのがコピーライターの仕事だから。

勝浦:わわ。いきなりのダメ出し…(苦笑)。そんなときはAICO、得意のダジャレで。

AICO:「AICOで、懐古!」「AICOもお風呂上りは、栄枯の店がします」

仲畑:なんか唐突だなあ。お風呂上り? どこから来るんだろう?

勝浦:「アイコ→アイス」というダジャレだと思います。

仲畑:あぁ、そうやって発想を広げているわけね。それと、「AICOと栄枯」「AICOと懐古」って韻を踏むスタイルはもう確立しているね。でも、ちょっと上品だなぁ。AICOからうんこは出てこないの?(笑)

勝浦:まだ出てきたことはないですけど…。ちなみに、AICOはお尻からコピーを生み出します。

仲畑:ネガティブなアプローチにもチャレンジしてほしいな。広告ってネガティブな表現は嫌われちゃうから、どうしてもハッピーな方向に行きがちなんだよね。でも実はハッピーをストレートに表現しても、相手に届きにくいもの。ネガティブな言葉を使っても受け手の心を動かす力があれば、それは十分に価値があるから。

勝浦:確かにそうですね。じゃあ、ネガティブな方向で自己紹介してみましょうか。

AICO:「AICOは地味だ、だけど毎日飽きないのも“飲み”だ」

仲畑:ほら、やっぱり。ちょっと破綻しているけど、これは結構いいよ。「地味」っていうネガティブワードに、「飽きない」っていうポジティブな価値を見出しているところが絶妙。だけどさ、ネガティブワードを使いながらも、やっぱりポジティブな方向に持っていこうとする癖があるよね。それは、広告をつくる人のサガみたいなもんだよな。まぁ、筋はいいよ。

広告にAI? 楽になるなら使っちゃえ!

勝浦:ここ数年でAIはだいぶ世の中に浸透してきました。でも、「AIに仕事を奪われる」という不安を抱く人もまだまだたくさんいます。広告業界とAIの相性ってどうなんでしょうか?

仲畑:俺は楽になるなら、AIでも何でも使いたいけどね。コピーにしろ、ビジュアルにしろ、広告は何でもありの世界だから楽しいんじゃない? でも、もしAIに脅威があるとしたら、彼ら/彼女らが人格を持ち始めて自我を否定するようになること。苦悩して自暴自棄になったら怖いね。

勝浦:AIが自己に悩むのか…。まだその域には達していませんけれどね。

仲畑:そもそも人間って、不完全で困った生き物だからさ。いやらしさと崇高なものが入り混じっているじゃない。矛盾している部分があるからこそ面白いんだけど、その部分をもし忠実にAIが学んだら…少なくとも、「AIが想像妊娠する日」「AIが泣く日」は来るんじゃないかな?

勝浦:それは何ともシュールな世界ですね。でも私たちが目指しているのは、AIが人間を高めるためのパートナーになること。AIコピーライターのAICOが、ちょっと破綻しながらもいろんなアイデアを出してくれて、人間のコピーライターと共存関係を築いていければと思っているんです。

仲畑:それは間違いなく助かる。コピーってさ、アイデアを絞り出して書くという行為よりも、選ぶ行為の方が重要なんだよ。どんな人でも500本ぐらいコピーを書けば、その中に1本は絶対にいいコピーがある。でも、それを選び抜けるかどうかが大切じゃない? AICOのいいところは、精度はともかく、いろんなコピーを瞬時にたくさん書けること。俺たちはその中から選べばいい。

勝浦:その通りだと思います。でも、いいコピーを選ぶスキルを身に付けるためには、とにかくコピーをいっぱい考える時期が必要ですよね。

仲畑:だから、もしかしたら、選ぶスキルだけうまいコピーライターが出てくるかもしれない。それはそれで面白いんじゃないかな。

勝浦:では、新人のコピーライターがAICOを活用して、いきなり選ぶスキルを修行していくのもアリですか?

仲畑:そうそう。最終的にいい結果が出せるなら、プロセスはどうでもいいんじゃないの?広告は何でもアリの世界だよ。

勝浦:ありがとうございます。無表情ですが…AICOもやる気になっていると思います。人間に重宝される日を夢見て、さっそく今日のお題を。

新人賞も狙える!? AICOの「お米」コピー

仲畑:「お米」は全然トリッキーな商品じゃないから、コピーライターの実力が一番分かるんだ。

AICO:「お米は、愛」「僕も俺も私もわしも好き。一生付き合えるお米」「幸せの朝のためのお米でした」

仲畑:へぇ~。こういうタイプのコピーも普通に書くのか。このくらいだったらギャラが取れるかもしれないね。

AICO:「父の胃袋をつかんでいたのはお米ではなく家庭だった」「お米のお母さんじゃないか」

仲畑:これ、新人賞でよく見るパターンのコピーだな。でも、なんかいいねぇ。

勝浦:ちなみに、仲畑さんは新人を教育する際、どのようなことを大切にしていますか?

仲畑:俺が一番大事にしているのは、その人の心根。やっぱり、いい言葉は健やかな人柄から出てくるもんだと思うわけ。そういうDNAを人間は持っているけど、この子、心は空っぽじゃん。だから、AICOの教育方法としては、いいとされるものをできるだけ多く刷り込むしかないよね。

勝浦: AICOには人間が当たり前に持っている「性分」のようなものは全くないですからね。

仲畑:でも、ちゃんと教えていけば、思考の進化は確実にあると思うよ。じゃあ、試しに、人間っぽい課題を。「お米」のコピーに「家族」っていうベクトルを加えてみて。

家族を知らないAICOが、嫁姑を語った

AICO:「芸術的につくられた家族」「嫁姑と餅はつくほど練れる」

仲畑:面白い! なんか引っ掛かるものがあるね。

AICO:「手紙を読んでも泣かなかった彼女が、家族の前で泣いた」

仲畑:う~ん。これは、ちょっとお利口すぎるな。

AICO:「どうして、団らんは、ポワポワなの?」

仲畑:うんうん、俺も擬音はよく使うよ。人間のコピーライターは「家族」という言葉を使わないで家族を表現しようという思考が働くけど、その発想がAICOはまだまだ幼いな。でも、いつかは超えられるんじゃない?

勝浦:私も、そう信じています。実感と共感が数値化できるのかという問題もありますけど。この子はあくまでも、数値の世界に生きているので、その中で教えていかないといけないんです。

仲畑:視点を変えるだけでいいわけだからさ、人間側が指示出しを工夫すればクリアできる問題かもしれないよ。

勝浦:具体的に、どういう指示を出したらいいと思います?

仲畑:簡単なところだと、例えば、「てにをは」を変えるだけでいい。「家族はもうやめよう」ってAICOちゃんが書いたコピーがあるけど、「家族に~」とか「家族だから~」とか、そこを変えていくだけで視点はものすごく変わるじゃない。

勝浦:なるほど。そういうバリエーションを無限につくるのは得意ですからね、AICOは。

仲畑:それと、コピーを語る人の立ち位置。客観的な立場の人が言っているのか、商品をつくった人が言っているのか。それによって、コピーをつくる手法はいっぱいあるわけ。そういったことを教えるといいんじゃないかな。

勝浦:他に、AICOにアドバイスはありますか?

仲畑:これから、もっと長めのコピーにもチャレンジした方がいいよ。例えば、1行15字で3~4行ぐらいの文字量。俺もずいぶん書いたけどさ、そういうのにチャレンジしたら、また違うものも開けてくる。味が出たり、個性に転んだり…。

勝浦:破綻の方に転んだり(笑)。

仲畑:まずは破綻の方に転ぶだろうな。でも、おかしな方向に行きながらも、文体なんかはちゃんと時代に呼応して身に付けていく気がする。

勝浦:今のはやり言葉も呼吸していますからね。AICOはどういうふうに、それを習得していくのかも気になりますね。

仲畑:今の時代、言葉ってのは腐るのが早いから、むしろ俺は、はやりに触れ過ぎないようにしているんだよね。俺がはやり言葉を使ってもおかしいじゃない? でも、駆け出しの若い子が驚くほど鮮やかに使うこともあってさ。ポジション的にも、新しいことをガンガンやっちゃっていいわけ。

勝浦:そういう意味では、AICOはもっと破綻しまくっていいと(笑)。じゃ、ここで恐れ多くも、「仲畑さん」をテーマにコピーにチャレンジしてみようか。

「仲畑さんに―」AICO、新境地へ!

AICO:「生まれ持った仲畑さんは才能、生まれた後の長所は努力」「仲畑さんが君の翼だ」

仲畑:AIが考えたと思えない面白いコピーだなぁ。まあ、テーマが面白いキャラクターであればあるほど、笑えるってことかな(笑)。

勝浦:しかも、ちゃんと仲畑さんのことを分かって書いていそうなコピーですよね。

AICO:「説明できない量の仲畑さん」

仲畑:いいね!

勝浦:仲畑さんの魅力を的確かつユニークに表現していますね!

AICO:「仲畑さんに―」

勝浦:ん? AICOが何か言いたいみたいです。AICO、何だって? 仲畑さんに弟子入りしたい?

AICOのぬいぐるみを手に、小芝居に興じる勝浦氏

仲畑:ん、何? ここで俺も芝居しなきゃいけないわけ? でもまあ、確かに可能性は感じるよ。AICOに俺のコピーを勉強してもらおうか。何なら一緒に仕事をしようぜ!

勝浦:おお、本当ですか? ぜひよろしくお願いいたします!!

AICOの弟子入り願いに快く応じてくれた仲畑さん。二人のコラボは本当に実現するのでしょうか? 今後の展開にご期待ください。

料理に欲す、オンナたち。〜「食とSNS」を考える〜

初めまして。連載第4回を担当する食ラボの天畠紗良です。

連載第2回では「若者の食」をテーマに、コンテンツ化する10代の食についてひもときました。その中で「インスタ映え」についても触れましたが、今回は自分でつくる料理にフォーカスしながら、各世代の女性における「SNSとの距離感」や「料理との向き合い方」を見ていきます。

結果として分かったのは、料理で満たす欲求が世代によって異なる、ということ。女性の気持ち、特に私自身の世代でもある20代女性の気持ちに、ググッと迫ってみたいと思います。

SNSに〇〇を投稿したい人は減っている

2017年、「インスタ映え」が流行語大賞となり、SNSへの投稿意向は上昇し続けている。

…と思いきや、食という観点からは違った動きが見えてきました。

グラフ1:1年前と比べて増えた/減ったマインド(女性全体)

グラフ1は、2016年9月に食ラボが独自に行ったインターネット調査「食生活ラボ調査Vol.5」(*1)から抜粋したもの。「自分でつくった料理をSNSやブログなどに投稿したい」というマインドが前年と比べてどのように変化したかを表しています。「高まった」と回答した人はたったの3.5%、25%強の人が「弱まった」と回答しており、SNSへの投稿意向が減少していることが見て取れます。

グラフ2:料理の傾向や考え方(女性世代別)

一方、グラフ2は、「満足のいく料理をつくったときはブログやSNSに投稿したくなる」というマインドを世代別に見たものです。依然として10代には「自分の料理をSNSに投稿したい」という人が一定数いることが分かります。

もう1点、別のデータをご覧ください。

グラフ3:料理に対する考え方(女性世代別)

グラフ3は、「自分の料理を誰かに褒めてほしい」「人から褒められる味のものをつくりたい」と回答した人の世代別の割合。

ここから読み取れるのは、

10代は「自分の料理を誰かに褒めてほしい」と「人から褒められる味のものをつくりたい」のスコアが、ともに他世代より高い。

20代は「自分の料理を誰かに褒めてほしい」は他世代より高いが、「人から褒められる味のものをつくりたい」は低い。

30代以降は、どちらも低いスコアに。

先ほど見たグラフ2の結果も併せて考えると、10代と30代については納得の結果です。自分の料理への称賛を求める10代はSNSに積極的に料理を投稿、料理を褒められることを期待しない30代以降はSNSへの投稿意向が低い。

その一方で、20代には奇妙なねじれがあるようです。自分の料理は認めてほしい、けれどべつに「味」を褒めてほしいわけではないし、SNSに投稿したいわけでもない。この20代特有のねじれの原因は何なのでしょうか?

20代は、料理とSNSの「はざま世代」

ねじれの原因を探る上で、最初に見ていきたいのが世代ごとに異なる料理との関係性。

グラフ4:毎日料理をする人の割合(女性世代別)
グラフ5:料理をする上で大事にしていること(女性世代別)

グラフ4は「毎日料理をする人の割合」、グラフ5は「料理をする上で大事にしていること」を世代別に見たものです。

二つのデータの10代の結果に注目してみましょう。料理の頻度からいえば、10代にとって料理をする機会はまだまだまれなこと。普段料理をしない彼女たちにとって、料理は一大イベントなのです。だからこそ、レシピを検索し、そのレシピ通りにきちんとおいしくつくることに重きを置いています。

一方、年齢が上がるにつれて料理をする頻度は増加。それに伴い料理に対する非日常感も薄れ、手際や効率を重視する傾向が見受けられます。10代はイベントとして料理を楽しみ、30代以降は日常として料理をこなしているのですね。

肝心の20代はというと、「ほぼ毎日料理をする」と回答した人は34%。料理をイベントとして楽しむ10代は6%、日常としてこなす30代は59%という数字からも、そのはざまにある20代は、料理との関係値が大きく変わる過渡期といえます。

年齢が上がるにつれて高くなる既婚率が数字に影響しているのでは?と思った鋭いあなた。 そんなこともあろうかと、今回利用した全てのデータを未既婚別に見てみました。それでもやはり未婚既婚に関わらず、20代という世代独特の結果が同じように表れてきました。

次に、各世代のSNSとの関係性の違いを見ていきましょう。

10代はデジタルネイティブ度が高く、SNSと日常の切り分けがうまい。SNSをハレの自分を魅せる場として割り切って活用しています。リムジンパーティーやナイトプールが彼女たちの間で流行したのも、「メリハリバブル世代」とも呼ばれる彼女ら特有のオンオフスイッチにうまくはまったことで、格好のSNSネタとして広まったのではないでしょうか。そんな10代にとって、料理とはあくまでも自分を演出するためのイベントでありツール。だからこそ、ハレの場であるSNSに自分の料理を投稿するのです。

一方、上の世代、特に30代以降は、スマートフォンが普及した06~10年にはすでに成人していた世代。10代のようなデジタルネイティブではない彼女たちは、SNSベースで毎日を日常とイベントに切り分けて考えるような器用さは持ち合わせていません。そのためSNSが日常を侵食し始め、疲れを感じたり、投稿したくない・しなくていいという心理になったりするのかもしれません。

そして20代は、イベントとして楽しんでいた料理が日常のものへと変化する中で、まだまだ褒められたいという欲望を捨てきれず、けれど10代のようなSNSとの付き合い方にはどこかなじみきれず、とはいえ30代以上のように達観できるわけでもなく。料理の面でも、SNSの面でも「はざま世代」。このことが、先述の20代特有のねじれに関係しているように思います。

女性は料理で何を満たす?

では、自分の料理を誰かに褒めてほしい、でも味を褒めてほしいわけではない、そんなはざま世代・20代は一体何を求めているのか(ここからはあくまでも私、23歳の等身大の意見であります)。

社会人になり親元を離れ、晴れて一人暮らしデビュー。仕事をもりもり頑張りながらも、家事もきちんとこなすデキ女な私☆休日には彼氏に健康志向な手料理を振舞ったりしちゃって☆☆…なんて理想の自分は、最初の3カ月程度でいともたやすく崩壊。忙しない日々の中で、包丁を握らない生活へと一変していきました。けれど、「体は大事!」と一念発起。「簡単」「フライパン一つ」などの検索ワードに助けられながら、とにかく野菜をたくさん取れて素早くつくれる、料理と呼べない料理を自分のためにつくる毎日…。

それでもどうにか自炊を続けていることを、認めてほしいのではないでしょうか。学生時代の、お金も時間も省みずにつくっていたきれいな料理はフィクションの世界。リアルの食づくりを目の当たりにした20代は、虚構と現実のはざまでねじれながらも懸命に生きているのです。

料理の質、モノとしての料理を褒めてほしい10代。
料理をする自分、料理のリアルとも向き合い始めた自分を褒めてほしい20代。
料理づくりが日常化しているからこそ、褒められることは求めない30代以上。

食とSNSの関係から、世代ごとの自己承認欲求の形が見えてきました。

さて、最終回である次回のテーマは「食と恋愛」。いつの時代も恋愛の場に「食」は欠かせない存在。そんな「食と恋愛」の関係性をじっくり考えてみようと思います。乞うご期待!


注釈*1 <調査概要>
・タイトル:食生活ラボ調査vol.5
・調査手法:インターネット調査
・調査対象:15~79歳1200名
・実施時期:2016年9月
・調査会社:ビデオリサーチ

コカ・コーラがワールドカップの楽しみ方を訴求 綾瀬はるかさん、フリーキック4発命中!

コカ・コーラは4月9日、同製品ならではの2018 FIFAワールドカップロシアの楽しみ方を訴求するキャンペーンを全国一斉にスタートした。テーマは“ウチのコークは世界一”。同日から、同大会の開催を記念して、出場32カ国の国旗と数字をイメージしたデザインのコカ・コーラ「ナンバーボトル」を全国で期間限定発売している。

また、同日から、コカ・コーラの顔である女優・綾瀬はるかさんを起用し、同製品がFIFAワールドカップの観戦をより特別なものにする様子を描いたテレビCM3編の放送も開始した。

10日には、東京・港区のベルサール六本木でPRイベントが開催され、綾瀬さんと元サッカー監督でFC今治オーナーの岡田武史さんが駆け付けた。

岡田さんは、6月中旬に公開予定のCM「スコア予想」編に登場する。綾瀬さんは、「それぞれのCMでナンバーボトルの使い方が異なるので注目してほしい。岡田さんは表情が絶妙で、間合いも素晴らしかった」と話した。

ナンバーボトルには、ラベルに0~9のうち一つの数字が描かれており、多様な使い方ができる。CMでは、学生時代の友人とバスケットボールチームのユニホームナンバーをお互いにプレゼントする様子や、綾瀬さんが生まれた時の体重の数字のボトルが贈られる場面が描かれている。

綾瀬さんは、「自分の好きな番号を選んで飲んでくれたら楽しいし、好きな数字にまつわるエピソードを聞けるのは、面白い」と声をはずませた。

今回のキャンペーンでは、6月4日にワールドカップ限定の「スリムボトル」も発売される。98年のフランスから今大会まで全6大会の開催国をイメージしている。綾瀬さんが「南アフリカ大会のブブゼラを使った応援が印象に残っている」と話すと、岡田さんは「ブブゼラの音が大きくてベンチからの声が届かず、大変だった」ことを明かした。

会場で、岡田さんのアドバイスの下、綾瀬さんがフリーキックに挑戦すると、そのキックの強さに会場は騒然。「私、サッカーは苦手みたいです」とはにかむ綾瀬さんに、岡田さんは「蹴る瞬間まで、ボールをしっかり見る」などと指導。

その結果、「コーク」にちなんで狙った5、0、9全てはかなわなかったものの、9を含めた四つのボードに見事に命中させた。岡田さんは綾瀬さんのフリーキックについて「ボードに当てること自体なかなか難しいはずなのに、いくつも当てられたのは素晴らしい。下の段だけでなく2段目にも当てた」と評価した。

綾瀬さんは「岡田さんもやってみてください」と無茶振りをした上、岡田さんのフリーキックに「力が弱い!」と叫び、会場は笑いの渦に包まれた。

フリーキックで汗をかいた2人は、綾瀬さんが注いだコカ・コーラで乾杯。氷を入れたグラスで飲むおいしさを味わい、喉を潤した。岡田さんは「綾瀬さんは、テレビの中のイメージと、実際の感じが変わらない。いつも素なのですね」とコメントした。

綾瀬さんは「岡田さんは淡々としていて、目の付けどころがユニーク。撮影中も楽しかった」と話し、「皆さんにもCMのようにナンバーボトルの数字で遊びながら、ワールドカップ観戦をより楽しんでほしい」と締めた。

キャンペーンでは、ナンバーボトルの製品ラベルに描かれた数字を使って回答する「ナンバーボトルチャレンジ」も実施される。毎日1問、数字にまつわるトリビアが出題され、正解者の中から抽選で計2万5000人に背番号の選べるナンバーTシャツなどの賞品が当たる。

 

 

公式サイト:http://www.cocacola.jp/

ラジコでNHKラジオが聴取可能に  全国で実験配信開始

インターネットでラジオの配信サービスを展開するradiko(ラジコ)は、4月12日正午をめどに、全国47都道府県を対象にNHKラジオの実験配信を開始する。2017年10月から始めた国内5エリアでの同ラジオ実験配信は、3月30日で終了した。

関連記事:ラジコ NHKラジオの実験配信を発表[2017.09.20]
 

ラジコでのNHKラジオ実験配信は、日本民間放送連盟とNHKの共同キャンペーンの一環として始めたもので、地震や台風などの災害時における有効な伝達メディアであるラジオの社会的価値の訴求と、若者に対するラジオの魅力の伝達を目的にしている。

NHKラジオの配信は、無料で聴取できるライブ(同時配信)のみとなる。コンテンツはNHK第1(全国を8エリアに分けた8コンテンツ)、NHK第2(全国共通1コンテンツ)、NHK-FM(東京1コンテンツ)。
ラジコの『エリアフリー視聴(ラジコプレミアム』(有料/放送エリア外聴取)、「タイムフリー聴取」(無料)での聴取はできない。

現在、ラジコは、民放ラジオ91局と放送大学が参加し、月間ユニークユーザー約1000万人、1日のユニークユーザーが120万人を超える。また、14年4月開始の「ラジコプレミアム」のプレミアム会員数は約47万人(2018年3月現在)、さらに16年10月開始の「タイムフリー聴取」の実証実験では、月間ユニークユーザーは約270万人(18年3月現在)に上っている。

公式サイト:
http://radiko.jp/

徹底的に逆算!目標達成への設計図となるPDMターゲット設定の3鉄則

スポーツ用品店勤務・A子さんのお悩みとは?(イラスト:金井沙樹)

ピープル・ドリブン・マーケティング(PDM)の考え方をご紹介する本連載。今回のテーマは「Person」(ターゲット設定とプロファイリング)です。

PDMロゴ

「人」を基点にビジネス目標達成までのストーリーを紡いでいくPDMでは、ターゲットとなる顧客像を解像度高く捉えることが重要です。鍵となるのは「KGI・KPIから逆算する」「行動データから実数でターゲットのボリュームを探索する」という方法です。

※なお、PDMではもうひとつ、「DeepDive」という生活者の行動観察のフェーズがあります。市場の最新動向やトレンドを生活者の意識や行動という視点から詳細に分析するというものですが、今回は割愛します。
 

<目次>
~A子さんの物語・Person編~
ターゲット設定、3鉄則!
 鉄則1.「誰」に「どのくらい」買ってもらえればKGIを達成できるか逆算する
 鉄則2.複数ターゲットを設定する
 鉄則3.「実行動データ」でターゲットを設定する
「年間売り上げ10%増」から逆算したターゲット層とは!?

~A子さんの物語:Person編~

大型スポーツ用品店「スポーツピープル」は、最近売り上げが落ち込んでいます。店長のサポート全般を任されている入社6年目のA子さんは、「1年後に10%の売り上げアップ」というKGIを掲げ、全社員に共有しました。

スポーツピープルの年間売上高は約3億円なので、その10%ということは、年間で3000万円、月間平均で250万円の売り上げ増が必要です。

「目標を達成するためには、やっぱり新規顧客を獲得して…いやいや、既存客のアップセルやクロスセルを中心戦略にすべき?」

A子さんは目標数値達成のために、「どの層」にアプローチすればよいのか悩み始めました。せっかく具体的な数値でKGIを設定しても、ターゲット設定がぼんやりしていては、目標達成できそうかどうかの試算すらできません。

「今まではざっくりと『20~40代のスポーツ・アウトドア好きの男性』をターゲットにしてきたけど、本当はもっといろんなお客さまがいるはず」

A子さんは過去のアンケートで得た意識データに基づき、顧客のセグメンテーションに取り組んでみました。しかし、出てくるのは似たようなセグメントが多く、そもそも本当にそんなセグメントが実在するのかすら確信が持てません。どうすれば「KGI達成のためのターゲット」を具体的に想定できるのでしょうか?

ターゲット設定、3鉄則!

統合ソリューション開発室の貝塚です。今回は、PDMの基本であるターゲット特定とターゲットインサイト分析についてお話します。

前回“Objective”では、「ビジネスゴール達成に向けたKGI・KPI」の考え方を紹介しましたが、今度は「そのKGI・KPI達成のためにターゲットとする顧客層」を特定する方法を探ります。

さっそくですが、PDMにおけるターゲット設定は主に以下の三カ条の「鉄則」から成ります。

鉄則1.「誰」に「どのくらい」買ってもらえればKGIを達成できるか逆算する

必ず「実人数」でターゲット市場規模を推計していき、ファネル設計段階で算出したコンバージョン率をベースに(前回記事参照)、KGI達成が十分できそうなターゲットを設定します。

鉄則2.複数ターゲットを設定する

人々の嗜好性やメディア接点が多様化する今日的なアプローチでは、ターゲットを複数設定し、それぞれのセグメントごとに異なる適切なコミュニケーションを設計していきます。

鉄則3.「実行動データ」でターゲットを設定する

購買データ、サイト閲覧データ、メディア接触データなどの「実行動データ」に基づいてターゲットを導出すれば、アプローチ可能かつ動かし方も個別最適化しやすいターゲットを抽出できます。

以下、具体的な方法を見ていきましょう。

鉄則1.「誰」に「どのくらい」買ってもらえればKGIを達成できるか逆算する

どれだけ生活者の購買行動が複雑化しアドテクノロジーが進化しても、企業のビジネス目的は「売り上げを上げること」。冒頭のA子さんも、「売り上げ10%増」を目標に掲げていました。

売り上げは「誰が(新規/既存客)」「どのくらい買うか(個数×単価×頻度)」で分解されますから、結局は自社の商品やサービスを買ってくれそうな“人”をどうやって探索・特定していくかが肝要です。

図1
図1

「誰が」、すなわちアプローチすべきターゲットが特定できれば、商品やサービスを売るためのアプローチ方法(届けるメディア、情報の内容やトンマナ、タイミング、場所など)も見えてきます。

KGI達成のためには、どのようなニーズを持った消費者をどの程度顧客化できればよいのかという視点から、「目的逆算のターゲティング」を進めていきます。

今回は「スポーツピープル」の年間売り上げ10%増を実現するためのターゲット設定をしてみましょう。探索時に必要なのは下記の視点です。

図2
図2
※コンセプト受容性=スポーツピープルへの来店トリガーとなる独自の魅力や、競合他社と比べての優位性のこと。そこに魅力を感じる消費者がどの程度存在するかを探索することで、来店/購入ポテンシャルを推定できる。

鉄則2.複数ターゲットを設定する

従来のマス広告キャンペーンでは、テレビCMを前提に“ワンターゲット・ワンメッセージ”を絞り込むケースが多くを占めました。PDMでは、多様化する生活者の嗜好性やメディア接触・情報入手行動に対応するため「メディア接触の違い」「商品検討方法の違い」「サイト閲覧傾向の違い」などで三つ程度のターゲット設定を推奨しています。

実際にデジタル広告配信セグメントとして運用していく際も、3~5セグメント程度なら煩雑さもなく、最適化がしやすいでしょう。

※People Driven DMPの導入ケースでは、初回に仮説として複数設定するターゲットは目標達成に向けた最適化PDCAサイクルの中で動的に変化し続けていきます。

図3
図3

鉄則3.「実行動データ」でターゲットを設定する

買ってくれそうなターゲットを見極めるための“セグメンテーション軸”には、例えば以下の四つがあります。

図4
図4

よくあるやり方は、意識価値観などの「サイコグラフィック軸」で生活者をセグメンテーションしていくこと。しかし、この方法ではA子さんと同じく以下のような問題に直面しがちです。

  • 「似たようなセグメントしか出ない」
  • 「本当にそんなセグメントがあるのか疑わしい」
  • 「全ての変数にポジティブ or ネガティブ or 無関心な反応をするセグメントが出てくる」
  • 「セグメントを分けるだけ分けたが、その後の打ち手が変わらない」
  • 「狙いたいセグメントだけにアプローチする手段がない」

今は生活者の具体的な「行動結果の数値」がKPIとなり、明確な成果が強く求められるケースが増えているので、PDMのターゲット探索手法の主軸は購買データ、ウェブ閲覧データ、視聴ログデータ、位置移動データといった「ビヘイビアー軸」(実行動データ)を推奨しています。

ちなみにPDMでは、そのまま広告配信セグメントにもつながる「People Driven DMP」と連携した実行動データに基づきセグメンテーションすることで、「アプローチ可能かつ動かし方も個別最適化しやすいターゲット」を抽出できます。

図5
図5

PDMでは、まず上記のような「実行動データ」を探ることで、有望ターゲットを抽出します。

次のフェーズで、抽出した有望ターゲットごとに「意識価値観データ」などを深掘りしていき、ターゲットを動かす効果的な“仕掛け”を開発していきます。つまり、こういう順番です。

  1. ターゲット設定→実行動データから導き出す
  2. ターゲットを動かす仕掛け→意識価値観データから導き出す

なお、ターゲット分析結果をそのままDMPでの広告配信に直結させる場合、20~50万UU以上は確保できる粒度でターゲット設定しないと、ビジネス的に意味のある規模のコンバージョン数が得られず、「机上の空論ターゲティング」になってしまうケースがあります。ターゲット設定にはできるだけDMPのオーディエンスデータと連携可能な大規模行動データを使用することをおすすめします。

「年間売り上げ10%増」から逆算したターゲット層とは!?

さて、ここからは、A子さんのケースで解説します。前提として、今回のA子さんのお店「スポーツピープル」については以下の条件を仮定します。

【スポーツピープル背景情報】
■年間売上高…3億円
■その内訳
・リアル店舗:年間2億1000万円(月平均1750万円)
・ECショップ:年間9000万円(月平均750万円)
※7:3でリアル店舗の比率が大きいが、リアル店舗は少子化や専門店の台頭の影響で下降傾向。ECショップは右肩上がり中。
■顧客1人当たりの月平均購買金額…
・リアル店舗:約1万2000円
・ECショップ:約7000円
KGIは年間売上高10%増、つまり3000万円増ですので、まずはリアル店舗とECショップの売上比率7:3で3000万円を割り戻してみましょう。単純計算で、以下の目標を達成可能なターゲット設定が必要です。

■リアル店舗(72%):年間2160万円増目標
1人当たり平均購買金額1万2000円なので、年間1800人(月間150人)の購買客数増が必要

■ECショップ(28%):年間840万円増目標
1人当たり平均購買金額7000円なので、年間1200人(月間100人)の購買客数増が必要
A子さんは、まずスポーツピープルのリアル店舗のID-POS(購買データ)を活用して、各種商品の売れ行きと、「現在、誰がどのくらい買ってくれているのか」を分析しました。

結果、スポーツピープルの顧客実態として、以下のような「商品×購入者層」が抽出されました(※一部)。


スポーツピープル 既存顧客購買データ分析

【既存顧客A】学校用品×「お母さん」
少子化が進んでいるとはいえ、学校用品(体操着や上履き)は毎月手堅く売り上げを上げているお店の屋台骨カテゴリー。主な購入者は主婦を中心とするお母さん。

【既存顧客B】ダイエット/エクササイズ用品×「学校用品を買いに来たお母さん」
学校用品を購入しに来店したお母さんが、ダイエット/エクササイズ用品を併買しているという購買実態が明らかに。

【既存顧客C】マラソングッズ×「40~50代の男性会社員」
マラソンシューズやウエアの売れ行きが堅調。大きなスポーツイベントが放送されたり、県内でマラソン大会が開催された前後は特に伸びる。主な購入者は40~50代の男性会社員。

【既存顧客D】アウトドアグッズ×「20~30代のお父さん」
アウトドアグッズも売り上げが大きく伸長。主な購入者はお父さんだが、購入者をお店でよく観察してみると、家族みんなで楽しそうに買いに来てくれている。

※実際の購買データ分析では、具体的な人数・購買規模などを詳細に算出しますが、今回は省略しています。

A子さんは上記A~Dのターゲット層について検証するために、大量のオーディエンスデータを持つDMP(※)を利用して、お店の商圏内に住む人を対象にアンケートを実施しました。

※電通のPeople Driven DMPでは、8.4億UB(ユニークブラウザー)のオーディエンスデータとシンクする大規模リサーチパネルをマーケティングに活用することができます。


その結果、以下のようなファインディングスを得ました。既存顧客の購買分析からは出現しなかった新データも出現しています。


【既存顧客Cの追加情報】マラソンを「今すぐ始めたい」と考える40~50代の男性は約3000人。そのうち「マラソン用品の購入意向があり、かつスポーツピープルで買いたいと回答した人」は200人。

【既存顧客Dの追加情報】アウトドア商品の購入意向を持つお父さんは2000人。そのうち100人は「スポーツピープルで買いたい」と回答。

【新情報】「女性30~40代のマラソン用品の購入意向者」が500人。非常に有望な潜在顧客層。


以上の購買データ分析とアンケート調査結果から、目標達成に向けた設計図の元となるポテンシャルターゲット像と規模を実数で把握することができました。これを踏まえ、まずリアル店舗で以下のような目標を設定しました。


リアル店舗:平均購入金額1万2000円

【ターゲット①】小・中学校の子どもを持つ健康意識の高いお母さん
目標:年間150万円(既存顧客Aへのクロスセル)

【ターゲット①】小・中学校の子どもを持つ健康意識の高いお母さん

学校用品の売り場近くに、ダイエットに成功した主婦の声付きPOPとエクササイズ用品を陳列。忙しいお母さんが子どもの学校用品を買いにきた際に、いつも頭の片隅にあった「運動しなきゃ」という潜在ニーズを刺激する売り場づくりで、年間150万円程度のクロスセルを狙う。

【ターゲット②】マラソン好きの30~50代の男女
目標:200人×1万2000円=年間240万円(新規顧客獲得)

【ターゲット②】マラソン好きの30~50代の男女

ブランディングのため、地元マラソン大会に冠協賛。また、女性向けマラソンコーナー設置と女性接客員の増員で女性顧客を取り込み。年間200人程度の新規顧客増を見込む。

【ターゲット③】アウトドア志向のお父さん
目標:100人×1万2000円=年間120万円(新規顧客獲得)

【ターゲット③】アウトドア志向のお父さん

キャンプやアウトドアでのバーベキューの楽しさを親子で体感できるプロモーションキャンペーンを実施。また、ハードルを下げるためにアウトドアグッズのお試しレンタルサービスを開始。年間100人程度の新規顧客増を見込む。


しかし、リアル店舗①~③のターゲット設定だけでは年間510万円増にとどまり、目標数値には全く到達しません。

  • 目標:リアル店舗で年間2160万円増
  • 現実:リアル店舗で①②③の顧客へのアプローチで年間510万円増

そこでA子さんは、伸長著しいECショップでの売り上げ増加施策に軸足を置くことを考えました。ECショップへのアクセス者データに、DMPのオーディエンスデータを掛け合わせて分析した結果、ECショップ内で以下のような全く新しいターゲット層が抽出できました。

  • 「ヨガや健康食品に興味を持つ30代の女性会社員」の来訪率と購入率が非常に高い。
  • 来訪率はそれほどでもないが、「スケートボードなどのXスポーツ系サイトやストリートファッション系サイトをよく閲覧している20代男性層」の購入率が非常に高い。

そこで、A子さんはDMPでこの新たな二つのターゲット層がオーディエンス(UU=ユニークユーザー)としてどの程度存在するかを確認してみました。その結果、それぞれ1800万UU、500万UU規模の配信数が確保できそうなことが分かりました(拡張配信含む)。

新たなターゲット④⑤の出現です。


ECショップ:平均購入金額7000円

【ターゲット④】健康食品・ヨガ好きの30代女性
目標:2500人×7000円=年間1750万円(新規顧客獲得)

【ターゲット④】健康食品・ヨガ好きの30代女性

サイト来訪率・購入率ともに高い。1800万UU。想定CTR、CVRから逆算した結果、年間約2500人の新規購入者を見込む。

【ターゲット⑤】Xスポーツやストリートファッションを嗜好する20代男性
目標:1200人×7000円=年間840万円(新規顧客獲得)

【ターゲット⑤】Xスポーツやストリートファッションを嗜好する20代男性

購入率が高い。500万UU。想定CTR、CVRから逆算した結果、年間約1200人の新規購入者を見込む。


DMPで分析した結果の試算ですが、合計2590万円となり、リアル店舗で足りなかった分を十分にカバーできそうです。

かなりECサイトの比率が高くなりますが、これら潜在顧客へのアプローチがうまくいくようであれば、スポーツピープルの事業の軸足を今後はもっとECに寄せていってもいいでしょう。

整理すると、今回見いだしたターゲット層は以下の五つです。

【リアル店舗】
①小・中学校の子どもを持つ健康意識の高めなお母さん:年150万円(既存顧客へのクロスセル)
②マラソン好き30~50代の男女:年間200人×1万2000円=年240万円(新規顧客獲得)
③アウトドア志向を持つお父さん:年間100人×1万2000円=年120万円(新規顧客獲得)

【ECサイト】
④健康食品・ヨガ好きの30代女性:年間2500人×7000円=年1750万円(新規顧客獲得)
⑤Xスポーツやストリートファッションを嗜好する20代男性:年間1200人×7000円=年840万円(新規顧客獲得)

リアル店舗+ECサイト合計:年間3100万円

こうしてA子さんは、あやふやな状態を脱して、目標達成につながるリアル店舗・ECそれぞれのターゲット属性と規模を発見できました。鍵を握るのはECショップで、特に④健康食品・ヨガ好きの30代女性の購入行動を最大化することがポイントになりそうです。

さて、今回の実数ベースの目標設定は、従来の漠然としたターゲットではなく、より掘り下げたターゲット分析に基づいています。その分、それぞれに最適化したアプローチを行わなくては、目標達成は困難です。

五つのターゲットに実際の来店・購買行動を促すためには、それぞれの“トリガーポイント”をどう押してやるか、つまり「いつ」「どこで」「どんなメッセージを」「どのように」届けるかが重要です。

次回は、それぞれのトリガーポイントの探索方法について解説します。(続く)


PDM

DMM.com証券  イメージキャラクターと「バヌーシー」について記者発表

DMM.com証券は4月9日、同月4日からサービスを開始した国内株式のオンライントレード「DMM株」の新イメージキャラクター決定と、競走馬ファンドサービス「DMMバヌーシー」の所属馬が重賞レースに出走することを記念して、記者発表会を東京・港区の本社で開催した。

関連記事:「DMMバヌーシー」で あなたも競走馬のオーナー!?[2017.08.03]

 

DMM株は、投資の未経験者に向けて、業界最安値水準の手数料体系に加え、アクティブトレーダーも納得の充実した機能を備えたツールを用意した。
ステージには、新イメージキャラクターに起用された、フリーアナウンサーの加藤綾子さんが登場し、今後使用されるキービジュアルを披露した。キャッチコピーは「株も、する?」。
加藤さんは「起用されて光栄だ。株は詳しくないので、初心者代表として務めさせてもらう。今年のテーマは“挑戦”なので、これを機に世界を広げていきたい」と話した。

加藤さんは、株価予測にちなんで、自分の10年後までの未来予測を、折れ線グラフで表現した。それによると「2020年まで盛り上がった後、結婚・出産などの大きなヤマが来てほしい。そして、結婚生活や子育ての苦労を感じながらも、少しずつ上昇したい」と解説。「DMM株は、初心者からアクティブトレーダーまで満足できるサービスだと思う。一度取引してみてほしい」とコメントした。

第2部のDMMバヌーシーについての会見では、同事業を統括する野本巧氏が、サービス開始から8カ月経過し、会員が約1万9000人に達している現状を説明。所属馬の「キタノコマンドール」が、4月15日に開催される第78回皐月賞(G1)に出走すると報告した。
デビュー後2連勝している同馬の父馬は、有名なディープインパクトだ。
ステージには、同馬と「キタノインパクト」の名付け親でもある、タレントの北野武さんが登場。「最初は、キタノサンブラックにしようとしたが断られた。“オフィス北野インパクト”にしていたら、スタート後にコースを外れちゃったりして!」と笑わせた。
さらに北野さんは、名付け親になった3頭目を「キタノブルー」と発表。自分の映画に対する海外での評価を名前にしたと説明した。

キタノコマンドールについて、池江泰寿調教師とミルコ・デムーロ騎手が太鼓判を押すと、北野さんは、皐月賞の予想について「確定 コマンドール1着‼ ぶっちぎり!」と発表。「勢い余って、もう1周してほしい。もしコマンドールが勝たなければ、私は引退します」と会場を笑わせた。
野本氏は「最高の血統で、一流の調教師・騎手が関わり、日本一のタレントが名付け親のコマンドールは、必ず1着になる」と決意を述べ、「最終目標は凱旋門賞。ぜひ、このメンバーで挑戦したい」と語った。

同社公式サイト:
https://fx.dmm.com/

「バヌーシー」サイト:
https://banusy.dmm.com/