カテゴリー: ビジネスジャーナル
瀬戸内は、世界に誇る日本最大のプレイス・ブランディングだ!

いま行きたい場所、瀬戸内
第1回・2回を通して、プレイス・ブランディングの考え方と実践についてお話ししました。第3回は、近年、プレイスの単位として日本最大級の瀬戸内地方の盛り上がりをプレイス・ブランディングの枠組みで解説していきます。
皆さんの中でも旅行先の候補として瀬戸内を挙げる人は多いのではないでしょうか? 今では、瀬戸内といえば、「アート」「サイクリング」「小さな島々」「のどかな海景色」「レモン」など、さまざまなイメージが広がると思います。
しかし、2012年の調査では、「よく分からない」という反応が多く見られました。なぜ、この数年で多くの人が行きたい場所として瀬戸内を挙げるようになったのでしょうか? その背景には三つの大きな活動がありました。
瀬戸内の魅力創造の活動①~そこにしかないアートがある島
そのひとつが、ベネッセによる直島での取り組みです。当時社長になったばかりの福武總一郎氏が、本社のある岡山に戻ったときに、人間の本当の幸せとは何かと考えるようになったことから、「よく生きる」を考える場所として直島を捉えるようになりました。
その後、ホテルと美術館が融合した「ベネッセハウス」が建てられ、その2年後の1994年から、そこでしか体験できないアートである「サイトスペシフィック・ワーク」がつくられるようになりました。このとき、今や瀬戸内の新しいシンボルである草間彌生の「南瓜」が生まれたのです。
こうした活動がベースとなり、香川県が連携することで、2010年以降、瀬戸内国際芸術祭が開催されるたびに、アートのある島の数も広がり、アートが点在する内海へと発展していきました。
瀬戸内の魅力創造の活動②~サイクリングの聖地
アートの取り組みは主に、瀬戸内の東側(岡山・香川間)で行われましたが、西側(広島・愛媛間)でもユニークな取り組みが始まります。きっかけは、地元のサイクリストたちが、1999年に開通した「しまなみ海道」をサイクリングロードにしようとする活動でした。
さまざまな調整を経て実現したものの、当初、利用者は伸び悩んでいました。ちょうどそのとき、台湾の自転車メーカー「ジャイアント」が日本でサイクリングロードを探していました。しまなみ海道や尾道を自転車で走ると、自然の風景や歴史を感じる街並みの変化を楽しむことができることから、他のサイクリングロードでは味わえない魅力に気付きました。
こうして、ジャイアントは、しまなみ海道に深く関わるようになり、イベントの支援や出店、そしてさまざまな情報発信によって、瀬戸内のサイクリング文化が世界へと広がっていきました。
瀬戸内の魅力創造の活動③~7県連携による瀬戸内のブランド化
アートやサイクリングといった体験コンテンツが生まれていく中で、今度は瀬戸内に面する七つの県(香川・愛媛・徳島・岡山・広島・兵庫・山口)が一緒になって瀬戸内を一つのブランドとして盛り上げようという動きが始まりました。
2013年に、瀬戸内ブランド推進連合という組織がつくられ、民間企業が参画することによって、統一化されたコンセプトのもと、レモンをはじめとする多くの瀬戸内ブランド商品が生まれていきました。
さらに、これまでバラバラだった情報発信活動も統合化されることで、瀬戸内のイメージが内外に広がっていきました。近年においては、観光のためのマーケティング組織「せとうちDMO(Destination Marketing Organaization)」が設立され、観光事業を支援する融資制度によって、クルーズ事業などの新たな体験コンテンツが生み出されています。
瀬戸内におけるプレイス・ブランディングとは?

十数年にわたる壮大な瀬戸内のブランディングについて駆け足で振り返ってきましたが、ここで「プレイス・ブランディング・サイクル」に沿って分析してみましょう。
単位の設定ですが、始めから「瀬戸内」という広域の単位が対象になっていたわけではありません。直島やしまなみ海道といった場所を意味付けすることからスタートしています。
やがて香川県が瀬戸内国際芸術祭を実施し、その後、沿岸の7県が連携することによって「瀬戸内」という広域単位が意識されるようになっていきました。
「瀬戸内」の意味についても、けっして表層的ではなく、「東京にはない生き方」や「独特な内海文化」など、深いレベルで瀬戸内ならではの意味や価値が探索され、だんだんと共有されるようになっていきます。
またアクターもさまざまです。内外の民間企業から行政、市民など多様な主体によって、交わりの舞台がつくられていきました。特に、ベネッセやジャイアントのように、ブランドの体現の場として瀬戸内を捉えようとする企業や、瀬戸内というブランドを用いて商品開発をする企業、さらに瀬戸内における事業に融資しようとする地元銀行など、さまざまな形で民間企業が関わっていきます。
複雑に絡み合う交わりの舞台の中から、瀬戸内の意味が詰まった多様なコンテンツが継続的に生み出されていきました。それらがバラバラでなく面として情報発信されることで、巨大で多層的な「意味の空間」として「瀬戸内」が浮かび上がっていったのです。
このように、皆さんが行きたいと思う瀬戸内の背景には、さまざまなアクターたちの出会いによって紡がれた壮大な物語が秘められていたのです。
もっと詳しく、瀬戸内のケースをお知りになりたい方は、本書「プレイス・ブランディング ~地域から“場所”のブランディングへ~」(有斐閣)を読んで頂ければ幸いです

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日本マクドナルド 今夏も風物詩の「ロコモコ」シリーズを 期間限定で販売
日本マクドナルドは、夏の風物詩として人気の商品「ロコモコ」シリーズを、7月11日から期間限定で販売する。また、マックカードが当たる他、ロコモコのクーポンが届くリツイートキャンペーンや、最高気温記録を更新した地域の店舗でのロコモコ無料試食券の配布、「Pokémon GO」のイベント参加券が入手できるキャンペーンなどを展開する。
発売に先立つ4日、都内の同社施設でキャンペーン発表会が行われた。

マーケティング本部の坂下真実部長は「“アツいぜ!ロコモコ”のタイトルに合わせ、暑苦しくプレゼンさせていただきたい。マクドナルドは、暑い夏にクールダウンして涼むのではなく、もっとアツくなって楽しんでもらう提案をする」とあいさつし、新メニューとキャンペーン概要を紹介した。

ラインナップは本格肉厚ビーフとパワフルエッグ、肉汁グレイビーソースのうま味が魅力の「ロコモコ」をはじめ、チェダーチーズをプラスした「チーズロコモコ」やハラペーニョ・チリペッパー入り特製ソースとスモーキーなベーコンを加えた新商品の「スパイシーロコモコ」、ブルーハワイ味のマックフィズなど全8商品で、新登場となるワイルドバーベキュー味のシャカシャカポテトを除く7商品はハワイ州観光局公認のフードとなる。
ハワイ州観光局のミツエ・ヴァーレイ局次長は、「昨年、日本で試食してから、ハワイでも“日本に行ったらぜひ食べて”と友人に勧めている。現地の新聞でも紹介されたので、この夏、日本を訪れるハワイの人は楽しみにしている」と、日本限定メニューがロコモコの本場でも注目されていると話した。


会場には、キャンペーンCMに出演するミュージシャン・西川貴教さんと、その脇を固める特別ユニット・ロコモコレボリューション(LMR)のメンバー2人が西川さんの楽曲に乗って登場。キメのポーズをとろうとした瞬間、タレントの高橋みなみさんがステージに乱入。センターポジションを奪うと「私はマックがめちゃめちゃ好きなのに、西川さんはズルい。久しぶりにセンターがやりたい!」とアピールした。
過去のキャンペーンで高橋さんと面識のあるドナルドが「LMR結成はアツいニュース。たかみなちゃんがセンター就任だね」とコメントすると、機嫌を損ねた西川さんは「今年はボクでしょ。なんならドナルドもいらない。夏には、ドナルドのように髪を赤く染めて、CMキャラクターから社長に就任する」と野望交じりに主役の座を主張した。

延々と続く小競り合いに割って入ったMCは「食レポ勝負で勝った方がセンターに決定」と提案。
ロコモコを試食した西川さんが「1.7倍の厚さのパティのボリュームは、持った瞬間に分かる。グレイビーソースもパティに合い、素晴らしい組み合わせ」と絶賛すると、高橋さんも「まさにハワイの王道。口に入れた瞬間に幸せとアツさが広がる。チーズが入ったバンズもたまらない。クセになる」とアツいコメントで応酬した。

他のシリーズ商品の食レポでも甲乙つけがたい勝負に、ジャッジ役のメニューマネジメント部・若菜重昭上席部長は、予想を裏切り高橋さんの勝利を宣言。
納得できない西川さんは「センターはボク以外にない。LMRもボクを信頼している」と猛烈にアピール。再審査の結果、引き分けでどちらも勝者と認定された西川さんは「素晴らしい出来レース感、ありがとうございます」とコメントし、会場の笑いを誘った。
安倍事務所が暴力団に通じる人物に選挙妨害を依頼していた決定的証拠! 「安倍代議士に選挙妨害を報告」の記述も
映画監督・長久允が語る「電通社員のまま、映画を撮り続ける理由」
広告の枠にとらわれない電通クリエーターを取り上げるインタビュー連載。
初回は営業からクリエーティブへ、そして今は映画監督としてさまざまな仕掛けをする長久允氏(コンテンツビジネス・デザイン・センター)に話を聞いた。
Yahoo!ニュースの1行から生まれた代表作
-電通社員でありながら映画監督として活躍している長久さん。普段どのような仕事をしているのでしょうか?
「そうして私たちはプールに金魚を、」で2017年にサンダンス映画祭※のグランプリを頂いたのをきっかけに、現在は社員として長編映画に取り組んでいます。
撮影までに分厚いコンテを描き、ロケハンをして、映画1本分を全て自分で演技した僕バージョンで撮ってビデオコンテをつくり、それを元に撮影します。
自分でPR設計までやることも多いです。ニュースに取り上げてもらえるように工夫してリリースを書いたり、イベントの仕込みからホームページの設計までやります。
頭からディテールを詰めないとできないタイプなので、全部自分でやりたくなってしまうんです。忙しくはありますが、好きなので楽しいし、自分でやった方が早いし、スタッフにも無駄な労力をかけなくていいかなとは思います。
※インディペンデント映画を対象とした映画祭で、クエンティン・タランティーノ氏を輩出するなど、映画関係者からの注目度が高い。
-「そうして私たちはプールに金魚を、」が生まれたきっかけを教えてください。
有給休暇を使って全く個人的に制作したものです。元々、青山学院大学でフランス文学を学びながら、ダブルスクールでバンタン映画映像学院(名称当時)に2年間通い、映像を学んでいたので、趣味で映画は撮っていました。
-鮮やかな色彩と斬新な構図、テンポの速さに魅了されるこの作品は、ごくありふれた中学生の女の子の日常を描いているものですが、どこから発想を得たのでしょうか?
この作品を撮ろうと思ったきっかけはヤフトピ(Yahoo!トピックス)の1行です。
埼玉県の中学生の女の子4人が学校のプールに400匹の金魚を放つというニュースだったんですが、そこに書かれていた彼女たちの動機が「きれいかなと思って」というたったひと言に凝縮されていて、本当にそうなのかなという違和感を抱きました。
なかったことにされてしまった彼女たちの気持ちを拾い上げて映像にしてあげたい。そんな使命感から生まれたのがこの映画です。
だから、ストーリーが浮かんだというよりも、感情が浮かんだのに近い。僕の勝手な思い込みなんですけどね。
各業界のニーズをとらえ、ヒットの仕組みをつくる

-PR設計に求められている切り口など、世の中の流れを読むために心掛けていることはありますか?
流れを読むというよりは、反対に、ここ数年でつくりたいものと世の中がフィットしてきたように感じます。
ツイッターなどで多くの人が言語化して、広告の効果が可視化できるようになったことで、ニッチなものでもちゃんと人の心に刺さっているということがロジックとしていえるようになりました。
むしろとがってた方がちゃんとトピックとしてニュース化もされるし、話題にもなる。そうなると、僕の変わった映像の方が効果のあることが立証されることも多くて。それは、すごくハッピーなことですね。
-アイデアを出すときに意識していることはありますか?
アイデアを出すためにとは限りませんが、作品をつくる上で嫌いなものを嫌いだと思うという気持ちは大事にしています。
例えば、最大公約数的でベタなストーリー展開がすごく嫌い。「こうしてこうやって設計したら感動するんでしょ」って、なんかこう人間を甘く見てるんじゃないかという気になってしまう。僕はシュールレアリスムが好きなんですが、言葉にできないような、理屈や計算じゃないもので人の心が動くという、ロジック化できない事象がすごく好きなんです。
そういうものって、いわゆる“スクールカースト”でいえば一番上の人たちに向いているものではないかもしれないけど、そこにいなくても大丈夫、最大公約数的なものが好きじゃなくても大丈夫だよっていってあげたい。だからそういう人たちに向いている作品をつくりたいし、そのために僕はこういうものが嫌いだという気持ちを大事にしています。
あと、心が閉じないようにすることも心掛けてるかな。
僕、人間は基本的に優しいはずだと思ってるんですが、世の中のコンテンツとかみんなのまなざしが厳し過ぎるんじゃないかと感じてて。そのことを直接メッセージにしたいというよりも、自分自身が厳し過ぎないまなざしでものをつくっていきたい。
例えば金魚のニュースを見たときに感じたように、いろんなことに一喜一憂できるような心の敏感さを保てるように生活したいとは思っています。
昔から、この人は実はこう思っているんじゃないか、物事はこうなっているんじゃないか、そんなふうに背景を考えるクセはありますね。

-最後に、他の人にはない自分の「スキル」は何でしょうか?
ヒットの仕組みまで考えられるところでしょうか。
僕は、どうしても自分のオリジナルの脚本で映画がつくりたかったんですが、オリジナル作品って、ヒットの道筋が見えないから出資者をなかなか集められず、成功させるのが難しいんです。
そもそも映画監督というのは情報の一番「川下」にいるので、今、映画配給会社が何を求めているのか、各企業にはどういう懸念があるのかといった情報は下りてきません。
でも僕の場合、電通にいることで「川上」の情報を得られ、各業界のニーズ分かります。そうすると、映画に登場するバンドを実際にデビューさせるとか、映画をゲーム化するとか、ヒットの仕組みをつくるために全方位的に取り組めるし、「こういう座組みがあればヒットします」と、プレゼンに説得力を持たせることができるんです。まだ実験中ですけどね。変わった物語でも、ちゃんと設計したら、ヒットすると思うんです。そしたらみんなハッピーじゃないですか。

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ニッチでとがったものに見えるけれど、「なんだか私のことを言っている気がする」と見る人の心をつかむ長久さんの映像。
その魅力は、長久さんならではの優しいまなざしと、電通にならではの世の中を俯瞰するマーケティング力に裏付けられたものだと感じました。
ありがとうございました。
(左下)ゆるキャラ「ごっちゃん」。ゴーヤのシーサーで沖縄健康長寿大使として沖縄テレビの番組も持つ
(右)THE YELLOW MONKEYの歌詞を載せた新聞広告