JRA函館記念、度肝を抜く“まさかの穴馬”が来る?マスコミがこの情報を知らない理由!

 東京オリンピックの延期や新型コロナウイルスの影響で、紆余曲折があった2020年夏の日本中央競馬会(JRA)函館開催だが、いよいよ今週でフィナーレを迎える。函館競馬場はJRAの全10競馬場のなかで唯一、海が見える競馬場であり、多くの競馬ファンにとって「グルメ・五稜郭・函館競馬」という観光は夏の風物詩でもあった。しかし今年の函館開催は残念ながら無観客競馬となってしまい、地元観光業にも大きな影響を与えただろう。それでも、今週末に行われる2つの重賞レース、函館2歳ステークスと函館記念では、大きく盛り上げて締めくくってもらいたいものだ。

 この夏デビューした2歳馬が対決する函館2歳ステークスも見ものだが、やはり注目は高額万馬券必至の函館記念だろう。このレースは過去10年で1番人気はわずか1勝、そして13年連続で万馬券が飛び出している波乱のレースだ。菊花賞や天皇賞(秋)の王道を目指す馬というよりも、ハンデ戦ゆえの恩恵を活用し、格下ながら重賞制覇を目指すような馬が数多く出走する。それがこのレースをより難解にさせているようだが、今年の出走予定馬を見ても、まさしく「難しい」の一言だろう。

 しかし、難しいレースはイコール高配当となりやすいレースともいえるわけで、この函館記念は一獲千金を狙うチャレンジャーには最適のレースでもある。そこで、この難解な函館記念を的中させるべく、競馬界のレジェンドたちが集結した「シンクタンク」に最新情報を聞いた。すると、迷うことなく、

「ここだけの話ですが、函館記念は○○○○が来ますよ!

と、衝撃的な情報を語ってくれたのだ。それは現在までスポーツ紙やインターネットの競馬情報サイトを見ても、大々的に報じられていないようなまさかの穴馬。なお、その実名はマスコミへの情報漏れを防ぐため、レース直前まで非公開とのこと。だが、なぜシンクタンクはそんな馬の情報を掴むことができたのか、そして函館記念はどんな結末となるのか、多くの競馬ファンは気になるところだろう。しかし、語ってくれたさらなる情報には、まさしく度肝を抜かされた。

「我々シンクタンクは、函館記念を含め、毎年、夏競馬にかなり力を入れています。それは、夏競馬は開催地が地方に分散し、マスコミ記者の数が少なくなって取材に限界があり、結果として注目すべき馬の情報を取り逃しているからです。その馬の情報を知る我々からすれば、これ以上に美味しい馬券はありません。つまり、マスコミの知らない情報馬を独占的に入手できるので、それらが万馬券的中につながり、我々やユーザーの皆様が大きな利益を手にすることができるという仕組みができあがっています。これが、我々シンクタンクが夏競馬をイチオシする理由なのです。

 そのなかでも、今週特に注目の穴馬情報が集まっているのが、函館最終週で行われる函館記念です。このレースは毎年万馬券が飛び出していますが、波乱となっているのはマスコミの取材不足に一因があります。

 しかし、シンクタンクの情報ルートは、各陣営の関係者から直接本音を入手できますし、その情報を他方面から裏付けを取ることで万全を期しています。さらにレース直前まで電話やメールなどで関係者へ直接確認を取り、レース当日の天候や馬場状態も徹底的に情報を収集。ですから、マスコミとは比較にならない精度の高い情報をユーザーの皆様へ提供できるのです。

 今年の夏競馬は6月から約1カ月で24本の万馬券を的中させました。なかでも新馬戦で仕留めた13万8540円の10万馬券は、多くのファンから御礼が殺到するなど、夏競馬におけるシンクタンクの情報力をあらためて認識していただいたといえるでしょう。

 今週末の函館記念も、来週以降の夏競馬も、シンクタンクが全力で収集した核心の情報は必見ですよ。なお、この函館記念を含め、夏競馬は価値のある情報を毎週無料で提供してまいりますので、ぜひご利用いただければと思います」(シンクタンク担当者)

 シンクタンクは今年の夏競馬で24本の万馬券を的中させているが、これは昨年の夏全体(6~8月)で的中させた37本を大きく上回るペース。まさしく絶好調なのだ。そんなシンクタンクが「自信の提供」と断言する函館記念の「無料情報」は必見。しかも函館記念だけでなく、函館2歳ステークスや中京記念といった重賞レースの関係者情報も無料で公開してくれるとのこと。これは絶対に目が離せない。

 そもそもシンクタンクは、競馬人気をつくり、競馬の発展に貢献し、今も多くの現役の関係者に慕われる大御所が集結した老舗の競馬情報会社。その関係者は競馬界を代表する超大物ばかりで、その影響力は絶大だ。なかでもハイセイコーでお馴染みの増沢末夫氏(元JRA調教師・元JRA騎手)は、まさに競馬界の重鎮。さらに夏のローカル競馬を得意とし、史上初の全場重賞制覇を達成した安田富男氏(元JRA騎手)や、G1実績のある平井雄二氏(元JRA調教師)を筆頭に、中野渡清一氏、境征勝元氏といった元JRA調教師など、実際に競馬で活躍した大物関係者が活躍。その人脈は全国に広がり、マスコミも把握できない膨大な数の情報が届けられている。そんな情報力を持つ彼らの「結論」は、何を置いても優先すべきものだろう。

 シンクタンクは今年すでに103本の万馬券を的中させ、4週連続G1レース的中などビッグレースにも滅法強い。さらに1000倍を超える10万馬券を何本も的中させるなど、競馬ファンにとって理想的な存在だ。マスコミの情報力が低下する夏競馬は、情報が少ないため予想するうえでも非常に難解だが、そこは思い切ってシンクタンクに丸投げするというのも妙手であろう。自ら予想しなくても、プロの予想や情報を参考にすればいいのが、競馬の良さでもある。万馬券必至で一獲千金が狙える函館記念は、ぜひシンクタンクの無料情報を活用しよう。

(文=編集部)

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※本稿はPR記事です。

中小企業の“駆け込み寺”日本M&Aセンターとは何者か?全国巨大ネットワークの正体

 日本M&Aセンターは6月2日、第8回「M&Aバンクオブザイヤー」を発表した。最高賞「バンクオブザイヤー」は富山県の北陸銀行が受賞した。北陸銀行は2年連続、通算5度目の受賞となった。M&A(合併・買収)を通じて地域に貢献する「地域貢献大賞」も受賞した。

 中小企業のM&Aを手がける日本M&Aセンターは毎年、買収仲介の取り組みについて、提携している金融機関を表彰する。北陸銀行の2019年度のM&Aの成約件数は過去最多の30件に上り、5年間で2.5倍に急増した。

 日本M&Aの三宅卓社長は、メディアの取材に「新型コロナの影響で右往左往していた中小企業の経営者が先を考え始めた。高齢で先行きが厳しい企業も多い。7~9月は例年の数倍の3000件以上の相談が来るだろう」と話す。コロナ禍による経済の悪化で中小企業の倒産や廃業が増えている。会社の譲渡を希望する企業が増える一方で、ピンチをチャンスに変えるための買収に打って出る企業もある。「海外事業の拡大を含め今後30年、M&Aは増える」と三宅社長は予想している。「M&Aをいっそう活発にするためには成功事例が欠かせない」とも。

20年3月期の成約数、売り受託件数とも過去最多

 M&A業界は、中小企業の後継者不足などを背景に高い成長を続けてきた。日本M&Aセンターの決算説明資料によると、市場規模は23兆円。大企業の事業再編でM&Aは巨額になっている。日本M&Aセンターの20年3月期の連結決算の売上高は前期比12.5%増の320億円、営業利益は13.7%増の142億円。純利益は15.9%増の102億円と増収増益だった。

 成約数、受託件数は過去最多を記録した。成約数は前期の770件から885件へ14.9%増。5年間(15年3月期338件)に2.6倍になった。売り案件の受託件数は前期の1100件から1450件へ31.8%増えた。

 コロナの影響は出た。20年1~3月の成約数は142件。四半期ごとに220件以上あった成約数が急落した。新型コロナの感染拡大により景気の先行きに対する不透明感が強まったことから、(企業の)買い手が様子見姿勢を強め、成約が低迷した。21年3月期の業績見通しは「未定」とした。

 成約数が右肩上がりで増えたことから株価は上昇を続けた。昨年の3000円前後から、2020年1月には4100円を付けた。コロナショックで急落したが、3月期決算が好調だったことに加え、コロナ禍で会社を売却する中小企業が増加するという思惑から、株価は強含みとなり、7月7日には5100円の年初来高値をつけた。コロナショックで年初来安値(2365円)を3月23日につけたが、その後、反転し、株価は2.1倍となった。

分林会長は観世流の能楽師

 1991年4月、全国の公認会計士・税理士が中心となり、株式会社日本エム・アンド・エーセンター(現・日本M&Aセンター)を設立。このベンチャー企業に現会長の分林保弘(わけばやし・やすひろ)氏(76)と、現社長の三宅卓(みやけ・すぐる)氏(68)が参画した。分林氏は京都市生まれ。父は観世流能楽師、母は裏千家茶道教授。3歳で初舞台を踏む。観世流能楽師分林道治氏は甥にあたる。

 立命館大学経営学部在学中の1965年、「全米能楽公演ツアー」を企画・実行。全米35州を巡り、20以上の大学で4カ月にわたり能楽公演を行う。当時の米国社会・経済に強く影響を受けて帰国した。

 1966年、卒業後、外資系コンピュータメーカーの日本オリベッティ(現NTTデータジェトロニクス)に入社。全国の中小企業や会計事務所にコンピュータシステムを販売する会計事務所担当マネージャーを務めた。

 このときの人脈が日本M&Aセンターの会計事務所ネットワークの基礎となった。クライアントである会計事務所で「経営権の承継」問題が増えていることがわかった。後継者問題を解決するためのM&Aが必要だと考えた。91年、公認会計士や税理士とともに、日本M&Aセンターを設立。取締役に就き、翌92年に社長に就任。2008年に会長となる。

日本オリベッティの上司と部下が“脱サラ”で起業

 三宅氏は神戸市の生まれ。大阪工業大学工学部経営工学科卒。「プロの写真家」になるつもりで暗室に籠りきっきりになり、2年留年した。その頃、写真のテーマにしていた「人間疎外」を解決するツールはコンピュータだと信じ、1977年、コンピュータ会社の日本オリベッティに入社。工学部出身だったのでソフト部門を志望したが、「ソフトの才能」がないと言われ、1年で営業に出された。新卒営業は飛び込み新規開拓部隊で、そのときの上司が“鬼の営業課長”の異名をとる分林氏だった。

 分林課長の下で会計事務所営業を6年。その後、金融機関に融資支援や国際業務のシステムの企画・販売を行うビジネスを7年やった。名古屋の金融事業所長をやっているとき、分林氏が名古屋にセミナーにきていて、夕食をともにした。

 夕食の席で、「今度、後継者問題を解決するためにM&Aの会社を設立するつもりだ」という話を聴き、「これにはぜひ参加したい」と思った。「全国の税理士・会計士をネットワークするので全国展開が必要なのだ。俺(=分林)が東をやるから、お前(=三宅)は西をやってくれ」ということになって参加した。ちょうど38歳の時だ。

 日本M&Aセンターは分林氏と三宅氏が二人三脚で立ち上げ大きくした会社だ。三宅氏は2008年、分林氏の後任の社長に就いた。12年8月9日放映されたテレビ東京系の『カンブリア宮殿』で、インタビュアーの村上龍氏から、三宅氏は自著『会社が生まれ変わるために必要なこと M&A「成功」と「幸せ」の条件』(経済界刊)について「今年読んだ本で一番面白かった」と言われた。

脱サラで成功した2人が直面する「経営権の承継」の問題

 日本M&Aセンターは全国の会計事務所を「地域M&Aセンター」としてネットワーク化。20年3月末現在、899の地域M&Aセンターがある。会計事務所のネットワークは、分林氏の日本オリベッティ営業時代からの約40年の付き合いを基に出来上がった。

 2000年、地方銀行とのネットワークの拡大を目的に全国M&A研究会を立ち上げた。信金中央金庫と提携後、子会社の信金キャピタルや全国の信用金庫と提携を順次拡大していった。20年3月末現在、98の地方銀行、215の信用金庫と提携している。地域金融機関のネットワークは、三宅氏が金融機関営業をやっていたときからの20年以上の付き合いでつくられた。

 M&A支援専門会社として06年、東証マザーズに上場。07年、東証1部に指定替えになった。16年から海外に進出。19年には上場支援サービスを始めた。

 中高年サラリーマンから脱サラして起業した2人は大成功を収めた。分林会長の持ち株比率は4.62%で第5位の株主。三宅社長は7.08%を保有する第3位の大株主だ(20年3月末時点)。2人とも決して若くはない。中小企業の経営者と同様に、日本M&Aセンター自身が「経営権の承継問題」に否応なしに向き合わざるを得なくなっている。

(文=編集部)

発見!買いたい気持ちを2倍に増やす、超シンプルな方法。

通販広告と心理学、異色タッグのプロジェクトチームが、3年かけて通販広告のデータを解析。その成果をまとめた『売れる広告 7つの法則』(光文社新書)より、全7回シリーズでトピックスをご紹介します。

本シリーズも、いよいよ最終回。というわけで今回は、すべての人がすぐに必ず実践できて、しかも買いたい気持ちを2倍に増やせる、とっておきの秘策をご紹介したいと思います!

なんて、ちょっとうさんくさい感じの導入から始めてみましたが、実際のところ、突然「買いたい気持ちを倍増させる秘策」と言われても、普通は「そんな都合のいい方法、あるわけないだろ」とか、「あったとしても、汎用性のないインチキ手法だろ」などの感想しか持たないと思います。

ですが、これ、うそじゃないんです。これまでに蓄積された通販広告のデータをくまなく洗ったところ、間違いなく効果が出る、それでいて必ず誰もが実践できるシンプルな方法があることが分かったのです。

その方法とは、あなたが考えたセールストークを、ただ3回繰り返すこと。たったそれだけ。

データが確かに示す、「3回繰り返し」の効果。

実をいうと、われわれがデータを洗いざらい調べる何十年も前から、購買意欲を高める上で「3回繰り返すこと」が効果的だ、という話は、通販業界の定説となっていました。皆さんも見たことあるかと思いますが、たいていのテレビショッピング番組は、同じストーリーを3回繰り返す構成となっています。

専門的には、この繰り返しの単位をロールと呼び、ロールが3回繰り返される3ロール型の構成がテレビショッピングの基本中の基本とされているのです。もちろんそうなっている理由は、このやり方が一番売れるからに他なりません。

そんな中で今回、私たちが挑んだのは、この“定説”が本当に正しいのかの検証でした。具体的には、3ロール型のテレビショッピングの映像をインターネット上でモニターの方々に視聴いただき、その反応を測定する実験を行ったのです。

実験は、映像を見ながら「いいね」「悪いね」「買いたいね」の三つのボタンをリアルタイムで押してもらうという方式で行いました。その結果が次の図です。

通販連載7回目表1

図に入っている区切り線は、ロールの分かれ目となります。ロールごとに見ると、すべてのロールで最初に「悪いね(グレーの実線)」が高まり、その後に「いいね(黒の実線)」が、そして最後に「買いたいね(赤の点線)」が高まる傾向があるのが分かります。これは、まず冒頭でネガティブな共感を獲得し、その後に商品の存在を伝えて好感をつくり、最後に対価を伝えて購買を決断してもらう、というテレビショッピングの鉄板ストーリーが生み出した心の流れとなります(この点については、過去の連載で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください)。

そして、注目してほしいのは、同じストーリーのロールを3回繰り返した際の変化、とりわけ「買いたいね」の変化です。分かりやすいように、「買いたいね」の反応のみを抜き出した、次の図をご覧ください。

通販連載7回目表2

先ほども触れた通り、「買いたいね」は各ロールの最後に設けられた対価を伝える部分、いわゆる「CTA(Call To Action)」で高まるのですが、ロールごとのこの数値の変化を見てみると、ロール1からロール2でやや高まった後、最後のロール3で倍の高さになっているのが分かります。「買いたいね」ボタンが買いたいと思った時に押されることを考えると、まさに3回繰り返すことで買いたい気持ちが倍増した、ということを表す結果です。

テレビショッピング以外でも、同様の現象が。

実は、3回繰り返しによる購買意欲向上の効果は、テレビショッピング以外の通販広告でもしばしば見られます。

通販連載7回目表3

上の図は、2分間の通販CM、いわゆるインフォマーシャルを3回続けてモニターに見せ、商品を欲しいと思ったかどうかを1回見るごとに聞いた結果です。こちらの実験でも、倍増とまではいきませんが、「3回繰り返すことで欲しい人が増える」というデータを得ることができました。

また、通販のコールセンターに注文の電話をしてきた方に、「何回くらい広告を見て電話したか」をヒアリングすると、たいていの人が「3回くらい」と答えます。

こうした事象も踏まえると、「3回繰り返すことで買いたい気持ちが増す」というのは、確かな事実だと言って間違いないのではないでしょうか。

3回繰り返すと「買いたい気持ち」が増す理由。

でもなぜ、同じ情報をただ3回繰り返すだけで、買いたい気持ちが増すのでしょう。

その理由は、一言で言うなら「反芻効果」です。現代人の「買いたい気持ち」は、1回の情報接触だけでは完結せず、むしろ、複数回情報に触れることで強化され完成されるのです。

それをモデル化したのが、私たちが提唱する購買心理モデル「A・I・D・E・A(×3)」です。

AIDEA×3

ご覧のように、購買に向けての基本的な心理変容は、第1ステップの「A」から第5ステップの「A」に至る流れとなるのですが、加えて大事なのが、この一連の心理変容を3回繰り返すこと。最後に付け足された「×3」が、まさにそれを意味します。

モノと情報があふれる中で買い物をする現代人は、たとえ一度の情報接触で「買いたい気持ち」を抱いたとしても、そのまま即「買う」行動に移るかというと、そうではありません。むしろ、最初の情報接触で商品を検討の俎上に乗せ、その後、数度の検討の中で競合商品との比較を行うなどして、十分に納得できた上で初めて、商品を買う決意を固めるものなのです。つまり、同じ情報に複数回触れてもらうことが有効なのは、このやり方が効果的に反芻の機会をつくり出し、納得を生み出すことができるやり方だからです。

これこそがまさに、「セールストークを3回繰り返すことで売り上げが倍増する」というお話の裏にある、現代人の購買心理です。モノや情報があふれる時代だからこそ、1度のセールストークで買ってもらうことは難しい。そんなときに効果的に何度も検討してもらうきっかけとなり、買う必要性を確信してもらえる方法、それが「セールストークを3回繰り返す」ことだというわけです。

ご納得いただけた方には、ぜひとも実践をしてみることをお勧めいたします。

連載を終えるに当たって、思うこと。

さて、約4カ月にわたって連載させていただいた当コラムですが、おかげさまで無事最終回を迎えることができました。第1回から考えると、わずかな期間で世の中が完全に変貌を遂げてしまったことに驚きを禁じ得ません。

一方で、そんな変化の中で注目を増したのが、非対面型のビジネス形態です。この連載で取り上げているダイレクトマーケティングもその範疇に挙げられます。

この先も経済活動をできるだけ停滞させず、新しい生活様式に応えていくためには、非対面型のビジネスを今まで以上に有効なものとし、事業者と生活者の双方にメリットのあるものに昇華していくことが欠かせません。長く非対面型のビジネスに関わってきた者として、そのノウハウをできる限り共有することで、少しでもこれからの社会のお役に立ちたい、そんな気持ちで毎回の記事を書いてまいりました。

最終回を迎えるにあたり、改めてそんなダイレクトマーケティングの本質を整理すると、次の二つの点に集約できます。一つは、「非対面型であれ対面型であれ、人がモノを買う心理変容は根本的には変わらない」という点。そしてもう一つが、「とはいえ、心の動かし方には、非対面ならではのポイントがある」という点です。つまり、言い方を変えると、正しい応用法を用いさえすれば、対面型で培った本質を生かした非対面型ビジネスは十分に可能だということです。本コラムが、そんな応用法のヒントになれば、本当にうれしく思います。

以上で全7回のコラムは終了です。お読みいただいた方々、どうもありがとうございました。なお、本コラムの内容は、拙著『売れる広告 7つの法則』(光文社新書)で詳しく解説しています。こちらも手に取っていただけますと幸いです。

アスリートブレーンズ為末大の「緩急自在」Vol.4

為末大さんに「いま、気になっていること」について、フリーに語っていただく連載インタビューコラム。唯一、設定したテーマは「自律とは何か、寛容さとは何か」。謎の「聞き手」からのムチャ振りに為末さんが、あれこれ「気になること」を語ってくれます。さてさて。今回は、どんな話が飛び出すことやら…。乞う、ご期待。

為末さんインタビュー画像

──前回は、ケアレスミス、についてあれこれ話を伺いましたが、ケアレスミス同様、人間が克服すべきコンプレックスについては、いかがですか?

為末:コンプレックス=劣等感、と訳しがちですが、この言葉、心理学的にはいい意味もあるんですよ。

──確か、「心のしこり」みたいな大きな意味でしたよね。

為末:仏教に、こんな話があって、日々、熱心に観音様にお参りする村人の話なんですが、そこまで熱心になにをお願いしているのか、と尋ねられた村人はこう答えた、というんです。「私は観音様のことを、心からお慕い申し上げています。お慕いしているからこそ、どうか私の煩悩をすべて取り去らないでほしい。煩悩がなくなったら、もはや観音様にお参りする理由がなくなってしまいますから」。

──おもしろいお話ですね。

為末:つまり、劣等感でも、夢でも希望でも、なんでもいいんですが、心の奥底に引っかかっているものが、きれいさっぱりなくなってしまうと、人は途方に暮れるものなんですね。アスリートの世界では「叶っちゃうと、終わっちゃう」とよく言われるのですが。

──燃え尽き症候群、みたいな。

為末:一方で、僕自身は「ストレス」はあまり感じなかったように思う。どうしてかな、と考えると「競技には、終わりがある」から。

──ああ、それはすごくわかります。古代のエジプトだか、メソポタミアだったか、忘れましたが、罪人へ課せられた最も過酷な労働というものがあって、山と積まれた土砂を、わずか1メートル横にスコップで移動しろ、と言われるんですって。で、移し終わったら、「よし、じゃあ、その山を元に戻せ」と。これを終わりなくやらされる、という…

為末さんインタビュー画像

為末:イノベーションを起こす動機には2種類あって、一つは「こうあるといいな」というもの。もう一つは「この問題を解決したい」というもの。後者は要するに「ストレスを解消したい」ということなんです。起業家の特徴として、「成功するための我慢」は出来るのだけど、「その場に居続ける我慢」は出来ない。だから、物事を変えようとしちゃう。僕自身、自由のないストレスには耐えられないけど、自由のあるストレスはむしろ楽しんじゃいますね。

──なるほど。

為末:アスリートの世界では「リラックスの習得」と言うんですけど、人間は最初からリラックスはできないんですね。リラックス、つまり体も精神も弛緩した状態というのは、緊張との落差があって初めて認識されるもので、つまり極度のストレスを体験して初めて、ああ、これがリラックス状態なんだ、ということを学んでいくんです。

──確かにそうですね。さあ、リラックスしてください、と言われてもどう振る舞ったらいいのか、わからない。

為末:おそらくは、ストレスと幸福の関係もそうなんだと思います。人生の中でも「揺らぎ」は必要なんでしょうね。話が飛びますが…

──いいですね。

為末:僕はよくブータンに行くのですが、

──幸せの国、ですね?

為末:彼らの幸せの秘訣は、言い方は悪いのですが「無知」から来るものが大きいように思う。ネットやSNSの時代においては、もはやそうではないのかも知れませんが、余計な情報が入ってこない、ということは、人にとってとても幸せなことのように思いますね。自然と「リラックス」が習得できている。

──確かに現代人は意図的に情報を「遮断」することで、幸せを感じているところはありますものね。

為末:アスリートには、「ゾーン体験」というものがあるんです。集中力が極限に達したとき「ああ、いま、ゾーンに入ったぞ」という感覚が沸き起こる。イメージとしては「ゲームに夢中になっている」あの感じ。カクテルパーティー効果と言われるものと同じだと思うんですが、外のリソースをすべて遮断して、ある一点にのみ集中する。

──アスリートならずとも、それは人間誰しもが持っている能力ですものね。その感覚を、意図的に操れるかどうかが、トップアスリートと一般の人間との違いなのでしょう。

為末:集中が得意な人間というのは、「自閉」の傾向が強い。集中できない人は、「多動」傾向が強い。何にでも好奇心が沸く。そして「察知する」ことに長けている。どっちが偉い、というわけではありませんが。

──それこそ、多様性ということで。

為末:AIの、物事を「最適化」する能力というのは、平たくいうと「気が散らない」ということだと思うんです。僕自身は、AIに対して、そこまでの期待はしていません。なにしろ、AIが生まれて、3回目らしいですよ。今度こそ、本当のAI革命だ!と言われたのは(笑)。もちろん、クルマの自動運転が可能になったり、遠隔操作での医療が可能になったり、と便利なことはたくさん出て来るんでしょうけど。それが、とてつもなくドキドキ、ワクワクする世界か、と言われるとそうでもない。ミスとか、ストレスとか、コンプレックスみたいなものとどう付き合っていくか。そこに、個人も、法人も、社会も、成長と感動のきっかけがあるような気はしますね。

(聞き手:ウェブ電通報編集部)


アスリートブレーンズ プロデュースチーム白石より

世の中はどんどん「効率化」が進んでいます。この流れは圧倒的不可逆で、私が子供の頃に感じていた、(もしくは感じてすらいなかった)不便さやその時の感覚が、時に懐かしくもあるほど。一方、そんな時代にあっても、無くならないどころか増えていくばかり(な気がする)「心のしこり」と、そこから来る劣等感。目の前のことにあがいて、格闘する毎日。でも、為末さんと対話をしていると、この「心のしこり」すら、解きほぐし方次第で、今求められる「その人らしさ」や「幸福」のタネになり得ることに気付きます。私たちはこのアスリートブレーンズという活動を通じて、人や社会における「心のしこり」探しやその解きほぐしにチャレンジしていきたいと考えております。

アスリートブレーンズ プロデュースチーム電通/日比昭道(3CRP)・白石幸平(CDC)

為末大さんを中心に展開している「アスリートブレーンズ」。アスリートが培ったナレッジで、世の中(企業・社会)の課題解決につなげるチームの詳細については、こちら

アスリートブレーンズロゴ

生協、オイシックス、大地を守る会…注目の「食材宅配サービス」の品揃え&価格を比較!

 今春の自粛生活で思い知らされたのは、日々の「買い物」の大変さだ。毎日スーパーに行って食材を選別したり、重い袋を持って歩き回ったりするのは意外と負担が大きい。そんな悩みを解決してくれるのが、コロナ禍で急激に利用が伸びたという「食材宅配サービス」だ。

 ひと口に食材宅配サービスといっても、品揃えや価格はさまざま。そこで今回は、主要なサービスをピックアップし、それぞれの特徴をまとめてみた。

生協の宅配サービスは子育て世帯にぴったり

 消費者のための協同組合である「生協(コープ)」の宅配は、地域ごとに運営組合や配送エリアが異なる。加入時には500~1000円程度の出資金が必要だが、脱退時に返金され、月々積み立てることも可能だ。食材や日用品が安いので、常備するものが決まっている世帯や人数の多い世帯が定期購入するのに向いているだろう。

 それでは、東京都で利用できる生協系の宅配サービス7つのうち、メジャーなものを挙げていこう。

コープデリ(コープみらい)」は圧倒的な商品点数と日本一の組合員数を誇る生協で、食料品の価格が生協の宅配サービスのなかでもっともお手頃だ。週1回、決まった曜日・時間帯に配達される「ウイークリーコープ」は、不在時は保冷ボックスに入れて玄関先に置いてもらえるので、受け取りに手を煩わされることもない。

 現在は東京都、埼玉県、千葉県の新規加入受付を休止中だが、休止期間中に登録入力を進めた場合、通常の特典(人気商品プレゼント、おすすめ商品割引)に加え、買い物に利用できる1000ポイントが付与されるキャンペーンを行っている。

「パルシステム」は無農薬・無添加にこだわった独自商品を開発しており、「東都生活協同組合」は産直・国産にこだわった商品ラインナップとなっている。いずれも安心・安全品質の食品が好評を博しているが、価格はコープデリよりもやや高めだ(パルシステムは登録から利用まで約3カ月かかる)。

「生活クラブ」も国産、無添加、減農薬にこだわり、牛乳は紙パックではなく瓶詰めのものを扱うなど、環境に対する意識も高い。毎月1000円の積み立て増資が必須となるが、脱退時に全額返還される(現在、東京23区では新規加入受付を休止中)。

 また、生協の宅配サービスは、小さな子どもがいる家庭向けに利用手数料が免除もしくは割引される制度を設けており、離乳食メニューやレシピも充実している。まさに、子育て世帯にぴったりのサービスといえるだろう。

家事の時短に役立つ「ミールキット」とは

 料理をつくる際、食材が足りなかったり調理時間が長かったりして心が折れることもあるだろう。そんな場面で役立つ“ミールキット”が注目を集めている。必要な食材や調味料、レシピがセットになっており、食材は使い切りのため余計な生ゴミや余り物が出ないというメリットもある。ここでは、手軽に料理をつくりたい人におすすめのミールキットを扱う食材宅配サービスに注目してみよう。

「Oisix(オイシックス)」では、有名料理家たちが監修する「Kit Oisix」を提供している。毎週20種以上登場する充実のラインナップで、2人前(主菜と副菜)1000~2000円とやや値は張るものの、SNS映えするおしゃれなメニューが女性に人気だ。珍しい有機野菜などを詰め合わせた「おためしセット」(1980円)や、30分で3品の調理が完了する「献立セット ちゃんとOisix」の「おためし5日間体験セット」(3300円)などで気軽に試すことができる。

 ミールキットに特化した「ヨシケイ」は、5日間の献立をまるごと任せられることから、家事に多くの時間を割けない共働き世帯に人気のサービスだ。量は2人前から、価格は1人1食(主菜と副菜)あたり300円からという設定で、他社のミールキットと比べるとかなり安い。定番おかず、外食メニュー、和食、健康食など、4タイプのメニューから選べる。

 なかでも「カットミール」は、その名の通り食材がカットされた状態で届き、10~15分の時短調理を叶えてくれる。ちなみに送料は無料で、月曜から金曜までスタッフが届けるという、珍しい配送スタイルだ。鍵付きボックスの無料貸し出しがあるので、留守がちでも安心な点もうれしい。

 シェフ監修の高級食材とレシピが毎週届く「Tasty Table」は、2名用の主菜・副菜セットが税別4000円からとなっている。週ごとにメニューが更新され、好みのメニューを選ぶシステムだ。基本的には定期宅配だが、希望すれば配達を休んだり、都度注文へ変更したりすることもできる。日常の食事も大事だが、週に一度の豪華メニューのクッキングは気分転換に最適だろう。

有機野菜の食材宅配サービスも

 健康志向が高く、より体にいいものを摂りたい、もっと料理の質を追求したい、という人には有機野菜の食材宅配サービスがある。代表的なのは、オイシックスと同じオイシックス・ラ・大地が運営する「らでぃっしゅぼーや」と、「大地を守る会」だ。

 有機・低農薬野菜、無添加食材にこだわり続けて27年のらでぃっしゅぼーやの定期宅配は、野菜8種~、果物1~2種、加工品5品~を組み合わせて約5000円。毎週買う食材を登録すると3%オフの価格で購入でき、買い忘れも防ぐことができる。

 大地を守る会は1週間分相当の「畑まるごと野菜セット」「産地限定野菜セット」などを扱っているほか、旬の食材をセレクトした「おまかせ野菜お試しセット」も提供している。

 いずれも、生協系のサービスと比べると一般食品の取り扱い点数が少なく価格は高いが、野菜の品質は折り紙付き。味の濃い有機野菜や地域の伝統野菜など、スーパーではなかなか見かけない野菜との出合いもある。購入画面には野菜を使ったレシピがたくさん掲載されているので、新しいメニューに挑戦してみるのもいいだろう。

 新たな生活様式のお供に、これらの食材宅配サービスを検討してみてはいかがだろうか。

(文=清談社)

ライバル車を足して2で割ったような新型タフト、ダイハツの商品企画は大丈夫なのか?

 6月10日、ダイハツは新型クロスオーバーの「タフト(TAFT)」を発売した。“Tough & Almighty Fun Tool”をキーワードに、「日常からレジャーシーンまで大活躍、毎日を楽しくしてくれる頼れる相棒」をコンセプトとしたニューモデルである。

 けれども、このタフトを見て、なるほどまったく新しいカタチの新ジャンルカーだな、と思う方はそう多くはないのではないか? 少しクルマに興味のある方なら、これはスズキの「ジムニー」を参考にしたデザインか、あるいは同社の「ハスラー」の対抗だろう、などと感じるはずだ。

 実際、自動車雑誌などではその両車との比較試乗記事が展開されていて、クロスオーバー車としてはハスラー以上ジムニー以下、なんて結論が書かれたりしている。それが的確かどうかはともかく、ここで感じるのは、以前「タント」のときにも書いたように、最近のダイハツの商品企画に対する疑問である。

 知られたところでは「ワゴンR」に対する「ムーヴ」、「アルトラパン」に対する「ミラココア」など、わりと以前からスズキの後追い商品が散見されたダイハツだけど、ここに来て、そこへ一種の「軽さ」のようなものが加わってきたようで、それがどうにも気になるのだ。

 たとえば「キャスト」。ムーヴ同様のトールワゴンとして、1台でスタイル、アクティバ、スポーツと3つの顔を持たせたのが特徴だが、スタイルは自社の「ミラジーノ」の後継を思わせる一方、アクティバはライバルのハスラー、そしてスポーツは同じく「アルトワークス」への対抗を感じさせた。

 この「1台で3つの役割」というのがとにかく安易で軽い。実際、同じボディでも、飾り付けの違いで3パターンくらい簡単にできるという発想はユーザーに見抜かれ、今年の3月にはアクティバとスポーツが、カタログから静かに消えていったのである。

 また、女性スタッフによる企画を前面に出した「ミラトコット」もなかなかに軽い。開発主査は決して女子向けではない性差を越えた魅力があると語ったが、結局その雑貨のような佇まいはどっち付かずの結果を招き、早くも影の薄い存在になりつつある。

 そして名車の呼び声も高かった初代コペンは、2代目で「着せ替え」という安易な発想を持ち込んで基本の美しさを失い、慌ててバリエーションを増やすという本末転倒な施策に出るものの、もはや泣かず飛ばずの状況だ。

 さらに新型タントでは、突然「良品廉価」なる発想を打ち出し、従来同車が持っていた高品質感をあっさり捨ててしまった。クオリティや装備までを省略して低価格にシフトしたタントは、新型でありながら販売に従来のような勢いはない。

一発屋で終わらない、本物のオリジナリティを!

 そこに、ライバルを足して2で割ったようなタフトである。いくら屋根一面のガラスが開放感と非日常感をもたらすと言っても、しょせんは部分の話で全体の個性にはならない。もちろん、本格四駆の初代とはまったくの別物だ。

 まあ、あまりに独創的なスズキと比べるのは酷とはいえ、それにしても最近のダイハツは商品企画の詰めが甘い。ポッとつくってはすぐに記憶から消えていくような展開が多過ぎるのだ。

 それが、トヨタの完全子会社化による影響なのか、単に商品企画チームの力不足なのかはわからない。ただ、単発で消えつつも「ストーリア」や「YRV」「ネイキッド」「エッセ」など、過去には独自性を持つクルマを出しているし、先のタントはいちジャンルを確立した。つまりポテンシャル自体は持っているんである。

 その点、いいとこ取りのタフトは安全パイなのかもしれないけれど、少なくとも新しいジャンルを築くようなオリジナリティは持っていない。だから、メーカーとしてのポテンシャルと商品企画のちょっとしたズレを、いまいちど見直すのがダイハツの急務だと筆者は思う。

(文=すぎもと たかよし/サラリーマン自動車ライター)

山口宇部空港からJR草江駅まで歩いてみた…利便性低いが古きよき宇部線のクモハ123系

【註:本記事の内容は、2019年に取材されたものです。】

 中国地方には現在1県に1つ以上の空港があるが、1970~80年代には、利便性が高いとはとてもいえないような状況だった。日本海側の山陰地方は、1954年に米子空港が、1957年に鳥取空港が、1966年に出雲空港が開港したが、いずれも当初は滑走路が1200mと短く(いずれも1970年代に1500m、1990年代に2000mに延長または新設)、大型機の就航は不可能だった。

 より深刻だったのは瀬戸内海側の山陽地方で、滑走路が1200mだった旧岡山空港(現・岡南飛行場)は、山などの障害物があり延伸は難しかった。結局、現在の岡山空港が1988年に開港するまで、ジェット機の就航は不可能な状況だったのだ。

 旧広島空港(現・広島ヘリポート)も1972年に滑走路を1200mから1800mに延伸したものの、それ以上の拡張は難しかった。着陸時に市街地上空を旋回する必要があるなどアプローチに難があり、住宅地に近いことから騒音問題も頻発するも、1993年に現在の広島空港へ実質的な移転をするまでは、紆余曲折があった。

 中国地方の西端に位置する山口県からは、北九州空港も十分アクセス圏内だったが、こちらも2006年までの旧空港は滑走路が1500~1600mと短く、中大型ジェット機の就航は不可能だった。米軍と自衛隊の滑走路を活用した岩国飛行場も、民間機の定期便が復活するのは2012年まで待たなければならなかった。

 そんな使い勝手のよくない空港が多い中国地方の中で、1970~80年代に唯一存在感を示していたのが山口宇部空港だ(当初は「県営宇部空港」)。1979年に滑走路を2000m化。早々に東京・羽田便にジェット機が使用されている。

 だが、現在では山口宇部空港はかなり微妙なポジションに立たされている。県庁所在地で、人口では県2位の山口市からは直線距離で約33kmなのだが、人口1位の下関市からは北九州空港のほうが圧倒的に近い(そもそも両空港間の直線距離が約25kmと非常に近い)。

 人口3位の宇部市はともかく、4位の周南市からは岩国飛行場とほぼ同じ距離。5位の岩国市は完全に岩国飛行場の圏内だ。かつては県どころか中国地方を代表する空港であった山口宇部空港だが、現在では山口県内の一部地域のニーズを担うのみとなっているのが現状なのである。

 それにもかかわらず、東京・羽田便が日本航空、全日空、スターフライヤーのトリプルトラックによる1日10往復と、かなり健闘している(2020年7月現在、運休便もあり)。2003年以降、山陽新幹線が新山口駅と徳山駅に「のぞみ」を停車させてから、利用者数が減少していたが、スターフライヤーが就航した2014年頃から再び回復に転じた。宇部市には宇部興産などの大企業も存在しており、堅調なビジネス需要が支えているといえそうだ。

 今回は山口宇部空港から、JR宇部線の草江駅までのレポートをお送りする。歩いたのは2019年初夏である。

 利用者のニーズが多い空港はたいてい、建設時あるいは後付けで駅が併設される。ほとんどが大都市のアクセス空港で、羽田・成田・伊丹・関西・神戸・中部・福岡・新千歳・仙台・那覇の各空港がそれにあたる。

 余談だが、上記とは違った形で空港駅が作られたのが宮崎空港だ。創業地である宮崎県北部の延岡市に多くの工場群を抱える化学メーカーの旭化成は、東京や大阪へ出張する社員のため、延岡工場と宮崎空港を結ぶヘリコプターによる社内定期便を運行していた。

 しかし1990年9月、台風の影響でそのヘリコプターが墜落し、10名が死亡する惨事が発生する。旭化成はヘリ便を廃止する一方、延岡と宮崎空港を結ぶ日豊本線と日南線の高速化と、空港アクセスの向上をJR九州と宮崎県に要望。旭化成が3億円弱の費用を負担し、高速化は1994年に完了。アクセス駅も1996年に開業したという経緯がある。

 さて、一方でニーズの少ない空港は、バスによるアクセスが主流だ。ゆえにそうした空港には近くに駅がないので、空港から最寄り駅まで歩いてみる……というのがこの連載の主旨なわけだが、山口宇部空港はその例外にあたる。なんと山口宇部空港からは直線距離で400mほどの距離に、JR草江駅があるのだ。これで「歩いてみた」といっては読者からお叱りを受けそうな近さなのだが、こればかりは仕方ない。

山口宇部空港からJR草江駅まで、400mを歩いてみた

 空港から近距離にあるといっても、この草江駅は空港建設時にないし後付けで作られた駅ではない。草江駅が停留所として開業したのは1923年、駅に昇格したのは1943年。1966年に開港した空港よりはるか前から存在する。つまり、駅の近くにたまたま空港ができたわけである。

 しかし、長らく草江駅は、時刻表やパンフレットで山口宇部空港の「最寄り駅」としては案内されず、アクセス駅として機能していなかった。現在では一応、空港のホームページに「徒歩7分」との記載があり、駅の時刻表も掲載されているが、草江駅の2018年の1日平均乗車人数は95人で、年間でいえば3万4675人。一方の山口宇部空港の年間利用者数は102万2386人。つまり、山口宇部空港へのアクセスに鉄道を利用する人は極めて少ないといっていいだろう。

 山口宇部空港のターミナルは1階にチェックインカウンターが並び、2階にショップやレストラン、3階にラウンジと展望デッキのある、地方空港らしいオーソドックスな造りだ。

 最近、自動車が展示されている空港が増えている。羽田空港にあるメルセデス・ベンツの情報発信拠点「Mercedes me Tokyo HANEDA」などが有名だが、山口宇部空港でも2010年からマツダが常設展示を行っている。マツダといえば広島の企業だが、山口県にも本社工場に次ぐ規模の防府工場(山口県防府市)があるため、山口の製品であることをアピールする狙いがあるのだろう。

 ターミナルの外に出てみると、バラの咲いた庭園があった。約180品種、1000株ほどが植栽されている。まったく予備知識なしで見つけたのだが、どうやら見頃は5月中旬から下旬。偶然にもちょうどいい時期に来ることができたようだ。

 ターミナルを背に右方向に進むと、「ふれあい公園」という広々とした芝生のスペースが広がっている。ただただ一面に芝生が広がる空間で、遊具などはないが、ボール遊びなどは存分に楽しめそうだ。

 左手に曲がり、空港の入り口にさしかかると、もう踏切が見えてきた。100mほど進み、踏切を渡ったところが草江駅だ。徒歩7分とのことだったが、5分ほどで着いてしまった。距離が距離なので仕方ないのだが、ふれあい公園以外にまったく見所がないルートだった。

 JR草江駅は無人駅で改札もなく、券売機も存在しない。交通系ICカードも対応範囲外だ。単式1面1線の極めてシンプルなホームと、雨がしのげる小さな駅舎があるだけだ。

123系、昭和の香りを色濃く残す電車

 さて、それなりに利便性が高いにもかかわらず草江駅がアクセス駅として利用されない理由は、航空便と列車のダイヤが連携していないこと、宇部線が利用しづらい路線であることが背景にある。

 もともと宇部線は、沿線に宇部興産やセントラル硝子、小野田セメント(現・太平洋セメント)などの大工場が並び、石炭や石灰石などの貨物輸送が中心だった。現在は通勤や通学需要を中心とした旅客輸送を行っているが、利用者は少なく、BRT(バス・ラピッド・トランジット)への転換も検討されている。

 現在の宇部線は典型的なローカル線で、特に日中は閑散としている。朝夕は1時間に2本の列車が来る時間帯もあるが、日中は1~2時間に1本のペースとなっている。電化されているものの、全線が単線で線形も悪く、スピードが出ない。

 宇部市の中心駅である宇部新川駅から新山口駅へは、いったん宇部駅へ戻ってから山陽本線で宇部新川駅へ向かうルートが最も早く、乗り換えを含めて約40分(営業キロ31.4km)。路線バスでも42分ほど。一方で宇部線では50分以上かかる(営業キロ27.1km)。そう、宇部線はバスより遅いのだ。

 空港から新山口駅も、リムジンバスなら30分。宇部線では徒歩に加え、草江駅から40分前後かかる。さらに飛行機と電車のダイヤが連携していないから、かなりの待ち時間が発生する。料金はバスが910円、宇部線が420円と分があるものの、利便性では明らかに劣る。

 実際に宇部線に乗ってみると、確かに遅い。駅間が短いし、車両交換の時間も長い。4駅10分と近い宇部新川駅までの区間なら利点はあるが、そこから先は乗り換えが必要な場合も多いので、やはりバスのほうが……となってしまう。

 あえてこのルートをおすすめするのであれば、よほどの鉄道好きか、極限まで費用を節約したい人ということになるだろうか。105系とともに運用されている123系(クモハ123系)は現在、宇部線と小野田線でしか使用されていない。昭和の香りを色濃く残す電車に乗ってみるのも一興である。

(文=渡瀬基樹)

●渡瀬基樹(わたせ・もとき)
1976年、静岡県生まれ。ゴルフ雑誌、自動車雑誌などを経て、現在はフリーの編集者・ライター。自動車、野球、マンガ評論、神社仏閣、温泉、高速道路のSA・PAなど雑多なジャンルを扱います。

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へずまりゅうだけじゃない、逮捕も訴訟も恐れない迷惑系YouTuberたち

正解のないWEBマガジン~wezzyより】

よりひとYouTubeより

 迷惑系YouTuberへずまりゅうがスーパーで会計前に刺身を食べる動画を撮影し逮捕されたことが話題だが、いわゆる迷惑系YouTuberにとって逮捕もアカウント停止も自身への注目度を高める手段に過ぎないのかもしれない。今度はモノ申す系・迷惑系YouTuberとして知られるよりひとが、アイドルグループZOCの元メンバー戦慄かなのを名指しして“違法薬物使用”疑惑をかける動画を投稿し、物議を醸している。

 女性人気の高いアイドルグループZOCを7月8日に卒業した戦慄かなの。卒業理由は「近い将来の夢を実現させるため」と発表していたが、11日、戦慄はグループを“辞めさせられた”ことをTwitterで匂わせ、「自分が追い出したのにそっちが美しく見えるような都合よく名前使われる 人格破綻しすぎてる頭おかしいよ」等とプロデューサーの大森靖子を批判した。

 さらに戦慄は、自身が受けた「乱用薬物検査報告書」の写真と共に、<ちゃんと検査行ってたけど全部白なのにデマ流されてしんどい><私はZOCを辞めたくなかったし薬物検査は陰性だった>と、ZOC関係者から薬物疑惑がかけられてクビになったことを明かした。

JRA種牡馬モーリス評価「大暴落」セレクトセールでドゥラメンテとの明暗クッキリも……真価を問われるのはまだ先の理由

 13日、14日の2日間に渡って行われた「セレクトセール2020」も終了。2日間の合計落札総額187億6200万円は過去最高の205億1600万円を記録した昨年に次ぐ2番目。コロナ禍で開催が危ぶまれた状況下ながらも大盛況に終わった。

 昨年亡くなった2大種牡馬ディープインパクト、キングカメハメハの後継種牡馬争いにも大きな注目が集まるなか、今年の新馬戦で話題となったドゥラメンテとモーリスの産駒の成績がセールの結果にも影響する結果となった。

 今夏から産駒がデビューした新種牡馬として、期待の高かったのがこの2頭だ。しかし、ドゥラメンテはアスコルターレが早々にデビュー勝ちを収めたものの、以降は連敗が続いた。評判馬スワーヴエルメがデビュー戦を2着に敗れる誤算もあったが、何とかセレクトセール直前にダノンシュネラネラとドゥラモンドで勝利をあげて面目を保った。

 一方、モーリスは期待の大きかったブエナベントゥーラ、レガトゥスをはじめとする上位人気馬がことごとく敗退、初勝利をあげたのは6番人気の穴馬カイザーノヴァのみ。新馬戦の結果が、そのまま産駒の落札額に直結することが多いセレクトセール前に評価を落とすこととなった。

 今年のセレクトセールでドゥラメンテ産駒は3頭が億超えするなど多数の高額落札があったが、モーリス産駒は遠く及ばぬ高額落札3900万円にとどまった。それぞれの評価は大きく明暗を分けたといえる。

 だが、競走馬としての実績はクラシック2勝のドゥラメンテに対し、G1・6勝のモーリスの方が上の見方もできる。スピード主流の近代競馬でマイルG1・4勝は強調材料でもあり、古馬でも活躍する成長力も見せている。モーリス自身も本格化したのは古馬となってからのため、産駒も同じ成長曲線となる可能性も高い。評価を下すには、まだ早過ぎる印象も拭い切れない。

「父のスクリーンヒーローは古馬で本格化しました。産駒のゴールドアクターも古馬になってからG1を勝ちましたし、モーリスにしても同様です。近年は使いだしが早くなる傾向もあって6月からデビューさせたこともありますが、結果的にやはりまだ早かった印象ですね。3歳秋から古馬になって本格化する可能性が強いだけに、この時期だけで評価を下げてしまうのはまだ早いと思われます。

ただ、購入する側からすれば、先のことよりも目に見える結果を優先したくなるのは仕方がないでしょう。ドゥラメンテは骨折した影響も大きかったとは思いますが、古馬でG1を勝つことはできませんでした。こちらの方が早い時期から走る可能性が高いといえるでしょう。そういう意味ではドゥラメンテ産駒に対して、モーリス産駒が安くなったのは必然だったのかもしれませんね。」(競馬記者)

 今年の3歳でも6億円で取引されたアドマイヤビルゴがG1出走すら叶わなかった一方で、1200万円で取引されたデアリングタクトが無敗で牝馬クラシック2冠を制したように、必ずしも金額イコール能力とはいえないのが競走馬でもある。

 晩成タイプと見られているモーリスの産駒だけに、真価を問われるのはまだ先のこととなりそうだ。