福山雅治『集団左遷!!』の顔芸はヘタなのか…業界関係者が語る“ましゃ”の本当の演技力

TBS系『集団左遷!!』公式サイトより

 現在放送中の連続ドラマ『集団左遷!!』(TBS系)で主人公を演じる福山雅治の熱演が、いろんな意味で話題だ。

 廃店寸前の三友銀行蒲田支店に課せられたノルマは、「半年間で融資額100億円」。上層部から「銀行の未来のために、ノルマを達成できなければ廃店にする」と言われ、部下たちを守るため支店長として奮起する福山は、とにかく走り、怒り、嘆く。ここで、2013年に『半沢直樹』大ヒットを生んだこの「日曜劇場」枠ではお約束の“顔芸”が炸裂するのだが、「福山の顔芸はサムい」「大根役者丸出しで引く」など、SNS上では罵詈雑言が炸裂。実際に同作を見てみると確かにかなりの熱演ぶりだが、そこに“男50歳、福山雅治の新境地”が感じられるような気も……。

 なぜ彼の顔芸はこれほどまでに不評なのか? あるテレビ局のドラマ部プロデューサーは、次のように語る。

「福山さんは、所属事務所アミューズの先輩女優、富田靖子の相手役という好待遇で事実上の役者デビューを果たし、俳優としてそこまでの下積みを経験しないままブレイクしてしまった。その勢いでミュージシャンとしても成功しその後も順風満帆のため、俳優業で大きく悩むこともなかったのでしょう。その結果、どうしても演技力がデビュー当時から大きく進歩していないんですよね。

 彼の人気が絶大なので、これまでは制作側が“福山雅治ありき”で、“福山ができる役”を考え、ここまでやってきたという側面もあると思います。結果どうしても、“感情がわかりづらいイケメン役”が多かった。実際、彼の芝居で最もよかったのは、『ガリレオ』シリーズ(フジテレビ系)の湯川学でしょう。ああいった、感情の起伏がなく淡々とロジカルにセリフを言うことが求められる役こそが、彼に最も向いているのだと思います。

 ところが今回の『集団左遷!!』における役は、まさにその真逆。感情をむき出しにして走り回り、部下を熱く鼓舞する中間管理職なわけですから、バリエーションに乏しいという彼の短所がどうしても露呈してしまう。といって、キャリア30年超の福山さんに演技の基礎から指導できるわけもないので、今作ではもう、彼のこうした大げさな演技を眺めているしかない。そもそも失笑ギリギリの過剰な演技が求められる日曜劇場で、しかも銀行モノとくれば、どうしても『半沢直樹』的な顔芸が求められてしまうのは仕方のないこと。でも、共演の香川照之さんや神木隆之介くんの芝居がウマすぎて、福山さんのバリエーションの空回り感が際立ってしまっていますよね。お茶の間に失笑が生まれてしまうのは、ある意味当然なのかもしれませんね……」

今秋には主演映画公開、“五輪仕事”獲得も視野に入れるか

 視聴率的にも、初回こそ13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を獲ったものの、2話目で8.9%と早くも1桁台に突入、その後も依然として低空飛行が続いている。最終話で視聴率42.2%を記録した『半沢直樹』には遠く及ばず……という結果になりそうである。

「そもそもこの『集団左遷!!』は『半沢直樹』シリーズの原作者である池井戸潤作品ではないし、演出スタッフも違う。にもかかわらず『半沢直樹』を意識しすぎていることが、最大の間違いだと思うんですよ。それに加え、7月からはまさに池井戸潤原作の『ノーサイド・ゲーム』が大泉洋主演で始まり、さらに来年にはなんと、『半沢直樹』待望の続編が7年ぶりに制作されることが発表されました。よりによって福山さんが『日曜劇場』で苦戦しているこのタイミングで、なぜ半沢の続編まで発表されたのか……理解に苦しみますね。もはや福山さんが“当て馬”のようにも思えてきて、不憫でなりませんよ」(前出のプロデューサー)

 先日オンエアされた第6話で「100億円のノルマ」は一応の着地点を見いだし、次回からは第2章が始まることとなった『集団左遷!!』。一方で、「物語としては面白いのに、あまりにも酷評されすぎている」と反論するのは、あるテレビ誌のライターだ。

「最初は情けない上司という感じでしたが、徐々に部下たちの信用を得て、銀行マンとして輝きを取り戻すという役柄が福山さんにマッチしてきて、がぜん面白くなってきたと思います。福山さんの熱演や顔芸にも慣れてきちゃって、クセになってきましたよ(笑)。第2章からは本部に戻り、銀行の闇がより深く描かれていくのですが、ここまできたら、もはやもっと顔芸を炸裂させてほしいですね。

 でも、“男が惚れる男”といわれるだけあって、ノルマ達成を目指して部下たちと一丸となって奮闘する福山さんはやはりとてもカッコよかった。第2章でも、外野からのネガティブな声を気にすることなく、そんなシーンをたくさん出していけば、逆に『半沢直樹』との差別化も図れると思います。11月には主演映画『マチネの終わりに』も公開され、その余勢を駆って東京オリンピックでも大きな仕事を狙ってることは間違いないでしょう。今回の『集団左遷!!』で多少コケたとしても、次の新曲を出せばまた確実に売れるのでしょうから、大きな傷にはならないと思いますね」

 とにかく賛否両論が渦巻く、俳優・福山雅治の熱演。とはいえ、誰が見ても忘れられない“顔芸”を確立したという意味では、彼が“新境地”を開くことには十分に成功したといえるのかもしれない。
(文=藤原三星)

藤原三星(ふじわら・さんせい)
ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。<twitter:@samsungfujiwara

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女子高生のSNS事情と、インフルエンサー選びの指標とは?

電通ギャルラボでは、特定ジャンルにオタク的な深い知識を持ち、その分野において市場を動かす鍵を握っている影響力の高い人のことを「ジャンル別イノベーター」と定義しています。彼らを活用したマーケティングを探る連載最終回では、女子高生のリアルな声を紹介。マイナビティーンズ※事業推進室の岩渕俊明さんとともに、電通ギャルラボの阿佐見綾香が、彼女らの情報源であるインフルエンサーに内在するジャンル別イノベーター的要素を探り、最後に連載全体を総括します。

※マイナビティーンズ:ティーン女子をターゲットとしたクロスメディア「マイナビティーンズonline」、ティーン限定のインフルエンサープラットフォーム「SPIRIT TEENS(スピリットティーンズ)」、ティーン向けプロモーションスペース「JOL原宿」、ティーンのマーケティング・リサーチデータを企業に提供する「マイナビティーンズラボ」など、あらゆるリソースを活用しながら企業のティーン向けマーケティング・プロモーションを支援している。

<目次>
Ⅰ-1 今どき女子高生が、フォローしたくなる情報発信者とは?
▼マイナビティーンズ女子高生の最近のSNS事情
▼女子高生のSNS事情三つの特徴
I-2 インフルエンサーを選ぶ指標は エンゲージメント+親和性
▼インフルエンサーを選ぶ指標はエンゲージメント率+親和性
▼クラスのコミュニティーリーダーに情報を投げるボトムアップ型PRも展開
KEY POINT        
Ⅱ 「ジャンル別イノベーターの時代」連載のまとめ      

マイナビティーンズ女子高生の最近のSNS事情

マイナビティーンズの会員である女子高生二人。彼女たち自身のSNS事情のリアルな声を、まず紹介します。

■Aさん(高校2年生)──インスタフォロワー1700人。カフェ情報を発信中

今ハマっているのは、Instagram。芸能人やカップルインスタグラマーの画像を見るだけでなく、自分でもカフェの画像を投稿して1700人近くのフォロワーがいます。「#地名+カフェ」のタグをつけて画像を投稿したらフォロワーが増えていきました。自分がカフェを探す時も、同じように「#地名+カフェ」で検索します。

反応がいいのは、「#表参道カフェ」で投稿した写真。上手に撮れた写真、おいしそうな写真は「お気に入り」される数が急激に増えます。友達とサラダのお店に行き、3人分のお皿をきれいに並べてインスタに投稿したら400人以上に「お気に入り」されました。「いいね」じゃなくて「お気に入り」されるってことは、後日その人もそのお店に行くつもりなんでしょうね。

フォロワー数は、2000人ぐらいで十分。1万人を超えると将来就職する時にアカウントが見つかる確率が高くなるのが嫌なので、1万人を超えたくはないですね。

カフェアカウントの他、友達のサブアカウントをフォローするためのインスタアカウントを持っています。こちらはフォロワー数20前後。鍵をかけ、「ストーリーズ」を中心に身の回りのことを投稿しています。

■Bさん(高校2年生)──世界観が統一されたインスタが好き。でも、頑張り過ぎはNG!

画像加工に凝っていた頃は、韓国のインスタで良く見られる彩度が低くて黒っぽく画像を加工したものを、インスタに投稿していたんです。ハッシュタグにハングルを使ったり、韓国で流行っているタグをつけたりしたら、コアな韓国好きのフォロワーが一気に増えました。でも、リアアカ(友人・知人用のアカウント)と韓国アカを一緒にしていたので、世界観を崩さないようにするのが大変。2000人以上のフォロワーがいましたが、疲れてしまったのでアカウントを丸ごと削除しました。今は検索して閲覧する用のアカウントをひとつ持っているだけです。

インスタでフォローしたくなるのは、タピオカだけ、コスメだけと投稿に統一感があるアカウント。インスタの「おすすめ」で気になる写真を見つけたら、アカウントをチェックしてフォローするか決めます。加工も重要ですね。同じアカウントなのに、韓国系、ふわふわ系、ナチュラル系と系統がバラバラだとフォローしないかも。美容院も、インスタに写真を載せていないところはパスします。

インスタは毎日のように投稿しないとフォロワーが減りますが、投稿が多過ぎてもフォローを外されます。頑張り過ぎのアカウントも「ダサいな」って思いますね。アカウントを相互に宣伝し合う交換宣伝で必死にフォロワーを増やしたり、洋服アカウントなのに自撮りばかり載せるようになったりすると「痛いな」って。「自然体でおしゃれ」なのが理想です。

女子高生のSNS事情三つの特徴

女子高生二人へのインタビューから女子高生のSNS事情の特徴が見えてきました。

①趣味アカ、リアアカ、ROMアカを使い分ける

自分の好きなジャンルの情報で世界観をつくり込む“趣味アカ”、身の回りのことを気軽に投稿する“リアアカ”の二つを使い分ける人、さらに投稿を読むだけ・情報を得るだけのROMアカの3アカウントを持っている人が多数派。フォロー数とフォロワー数がほぼ同じという女子高生が多い中、徹底的な画像加工と世界観のつくり込みで、フォロワー数が4桁を超える女子高生も一定数存在(マイナビティーンズではマイクロインフルエンサーと一般女子高生の割合は3:7程度)。

②情報収集はインスタとYouTubeが中心で、パーソナライズ情報が当たり前

コスメやグルメ、ファッションなどの情報源は、インスタ、YouTubeが中心。中でもよく見るのは、インスタの「おすすめ」。かつては必要な情報を自分から検索する時代でしたが、今どきの女子高生にとっては過去の閲覧履歴によりパーソナライズされた「おすすめ」の情報・コンテンツが自動的に“来る”のが当たり前の時代。その恩恵をすごく受けている世代なのです。

③インスタでフォローしたくなるアカウントの五つのポイント

インスタでフォローしたくなるアカウントの条件は、以下の5点。
・世界観が統一されている
・加工がキレイ
・頑張り過ぎず、自然体
・途中から投稿する内容が変わらずブレない
・投稿頻度が適切

ポイントはただ世界観がつくり込まれているというだけではなく、自然体でうそがないこと。頑張り過ぎてあざといものや、本当じゃないことには拒絶感を感じます。世界観の統一や内容がブレないことなどは、この連載のテーマである「ジャンル別イノベーター」に も通じる要素ですね。

インフルエンサーを選ぶ指標はエンゲージメント率+親和性

「マイナビティーンズ」では、さまざまなジャンルのインフルエンサーをアサインし、PR施策を実施しています。

施策のターゲットである女子高生はうそを嫌い、情報の信用性をシビアにチェックします。「#PR」とついた投稿は広告であることも、一定数の子たちは理解しています。とはいえ、PR投稿だからといって信用しないわけではありません。「これはPRです」と明言し、その上で信頼できるインフルエンサーが「2週間使い、良いと思ったところをお伝えします」と紹介すれば、納得してくれます。PRだと隠さないこと、最低でも2、3週間は商材を使用することで、信用性の高い情報として受け入れてくれるのです。

PRに起用するインフルエンサーを選ぶ際、かつてはSNSのフォロワー数を重視していました。しかし、Twitterからインスタへと女子高生の興味が移り始めた約4年前から、エンゲージメント率※がインフルエンサーを選ぶ指標に。Twitterはフォロワー数が多ければリーチし拡散もしますが、インスタは拡散しない分、エンゲージメント率を上げないと情報が伝わらないからです。

加えて徐々にインフルエンサーの信用度が取りざたされるようになってきて、今は、エンゲージメント+親和性の時代を迎えています。日頃からフォロワーとのコミュニケーションを深めているインフルエンサーを起用しても、PR投稿をした時にエンゲージメント率がグッと下がるようでは意味がありません。そのため、商材と親和性のあるインフルエンサーをキャスティングすることが重要なのです。

われわれがインフルエンサーをキャスティングする際も、商材がその人に適しているか、つまりその分野に深い知識を持つ「ジャンル別イノベーター」であるか、インスタやYouTubeの過去の投稿を通じてチェックします。ポイントはインフルエンサーが、インスタやYouTubeを通じて打ち出している“世界観”です。

先ほどの二人の女子高生を見ても分かるように、世界観はつくり込むものなのです。だから、投稿されたものを見れば、どんなテイストか、普段どんなことをしているのかが分かります。つまり、インスタやYouTubeはその人の“取扱説明書”のようなもの。プランナーには、こうした取扱説明書を読み解くスキルが求められるのです。

その点でいえば、YouTubeの方がジャンルや、やってることは分かりやすいと思います。インスタは“おしゃれなことをしていることが正義”というところがあるので、例えばカフェとコスメはジャンルが違うけれど、おしゃれだからと一緒にされてしまいます。YouTubeだとコスメ系の場合、例えば旅行に行ったとしてもご当地の化粧品を探してきて動画で見せたりするので分かりやすいです。本人のキャラクターもYouTubeの方が分かりやすいですね。普段ふざけてる子が急に真面目なことをやってもおかしいので、徹底的にふざける、といったように。

友達同士での来場促進を目的としたキャンペーンで、中学の同級生で構成された身内での遊びやネタ動画を発信しているユーチューバーを起用し、彼らの企画のシリーズに類似したPR動画を作成し、うまくいったという事例もあります。商材とインフルエンサーの親和性が高いことがポイントです。

※エンゲージメント率:フォロワーから「いいね!」やコメントなどの積極的な反応を示してもらえる割合

クラスのコミュニティーリーダーに情報を投げるボトムアップ型PRも展開

人気ユーチューバーやインスタグラマーではなく、クラスのコミュニティーリーダーに情報を投下するケースもあります。コミュニティーリーダーは、クラスの“一軍”。かつては運動ができる子、かわいい子などが一軍を占めていましたが、今はSNSで顔出しするかわいい子だけではなく、SNSでの自己表現が上手い子、SNSだとイケメンに見える子などいろいろなタイプがいます。フォロワー数の多寡を問わず、SNSを上手に使いこなしている子が増えています。

SNSを使いこなせる人気者は、自己表現が上手で、人に影響を及ぼす力、発信力を持っています。以前なら、芸能事務所に所属するインフルエンサーにしかアプローチできませんでしたが、今ではこうした高校生にもアクセスできます。

これまでのPR活動は、タレントやモデルなどの事務所に所属するパワーインフルエンサーに落とした情報を、コミュニティーリーダーがクラスに広めるという、上から下へのシャワー効果を狙っていました。

今のティーン女子は、友達からの情報を信用しやすいため、クラスのコミュニティーリーダーに情報を投下するボトムアップ型PRによって、口コミ効果を狙います。「コミュニティーリーダーから聞いたコスメを検索したら、パワーインフルエンサーもおすすめしていた。やっぱりこれは信頼できる商品なんだ」という流れをつくります。

学校など自分たちのコミュニティーにおけるインフルエンサーと、その領域で著名なジャンル別イノベーターの両方からの情報によりPR効果も高まるのです。

小学生の頃からSNSでのコミュニケーションやネットでの情報収集に当たり前に慣れ親しんできた女子高生たちは、目的に合わせて情報を集めたり編集したりするスキルが高くなっています。時代の最先端といえる彼女たちに向き合い続けるマイナビティーンズ岩渕さんの話からは、ジャンル別イノベーターの時代のマーケティングを読み解く重要な視点が多くありました。

押さえておきたいポイントは、次の3点です。

①コミュニケーションの軸が「言葉」から「画像の世界観」へ

女子高生たちは欲しい情報を「画像」や「映像」で獲得します。キーワードで直接的に検索して情報を探すのではなく、好きな世界観の画像をフォローして集めることでレコメンドされてくる情報の精度を上げたり、自らのSNS発信でも世界観をつくり上げて共感し合える人が集まってくるようにするなど、好きな画像や、そこから世界観を見つけ出すスキルが高くなってきているのです。TwitterからInstagramにトレンドが移り変わったときに、言葉よりも画像の時代へとパラダイムシフトが起こりました。

インターネット上の情報を収集して編集し、価値を持たせてシェアすることを「キュレーション」といいますが、元々は美術館や博物館で企画展を組織すること。テーマと世界観の勝負という点で、今は本来の意味の「キュレーション」が価値を持つ時代になってきているといえるでしょう。

②情報源は、パーソナライズ&レコメンドされた「1次情報」

女子高生たちは、SNSで人々が発信する「1次情報」を重視します。1次情報は、発信者本人が実際に見聞きしたり体験して手に入れた情報のこと。個人の発信すらも、パーソナライズされた「おすすめ」の情報として自動的に“来る”のが当たり前の今、自らの1次情報を価値あるコンテンツとして発信できる、表現力のあるジャンル別イノベーターが彼女たちに重宝される情報源となっています。

③情報発信にいっそう求められる「表現力」

女子高生たちは情報を集めるだけではなく、発信者としてのスキルも持ちます。どんな情報が見てもらえるのかを研究し、トライ&エラーを繰り返し、自らの「好き」に関連する情報をコンテンツ化して表現することができます。これからはそんな目の肥えた消費者が上の年代に上がってくるということです。この先に生き残るためには、言葉にする力、説明する力、世界観をつくる力などあらゆる表現力がキーになっていきます。

左から電通ギャルラボの阿佐見綾香さん、マイナビティーンズの岩渕俊明さん

「ジャンル別イノベーターの時代」全7回の連載は今回で最終回となりましたが、いかがだったでしょうか。

これまでの連載のポイントを簡単にご紹介します。

第1回:電通ギャルラボの「#女子タグ」マーケティングとは?

特定ジャンルにオタク的な深い知識を持ち、その分野において市場を動かす鍵を握っている影響力の高い人を「ジャンル別イノベーター」と定義。

第2回:消費のカギを握る「ジャンル別イノベーター」

ジャンル別イノベーターは、フォロワー数が多く影響力の範囲が広いインフルエンサーの中にも、フォロワー数が少ない一般の人たちの中にも、どちらにも一定数存在している。企業が効率的に市場の消費を動かすためには、影響力の大きいジャンル別イノベーターの力を借りることが有効。

第3回:土井英司さんに聞く、影響力のある“ジャンル別イノベーター”はどう生まれる?

話を伺ったのは、「ビジネス書」ジャンルのイノベーターとして影響力を持ち、ジャンル別イノーベーターのプロデュースも手掛ける土井英司さん。

影響力のあるジャンル別イノベーターを生み出すためには、「独自ポジションをつくること」と「伝える技術を磨くこと」が重要。マーケター側が重視すべきはジャンル別イノベーターの共感ポイントや思想を把握し、彼らの信念に反さない情報発信を提案すること。

第4回:メークにもっと自由を。常識を変え、市場を創り出したジェンダーレス男子。

話を伺ったのは、男女の境なくメークやファッションを自由に楽しむ“ジェンダーレス男子”という新ジャンルを確立したこんどうようぢさんと、ブームの仕掛け人であるプロデューサーの丸本貴司さん。

ジャンル別イノベーターの発信する新たな価値観は、マイノリティーがマジョリティーに変わるとき新たな市場をも生み出すパワーを持つ。

第5回:複数ジャンルで消費を動かすインフルエンサーの秘密に迫る

話を伺ったのは、複数ジャンルで消費を動かすインフルエンサーの佐藤ノアさん。

インフルエンサーが影響力を持つためには「時間」「ストーリー」「信頼関係」を意識して人間性に対する「ファン」をつくること、さらに独自のPR投稿へのルールをつくることによって、発信する情報への信頼度を高めることが重要。

第6回:「コト消費」の時代に生まれた新ジャンル「プロトラベラー」とは 

話を伺ったのは、「プロトラベラー」の羽石杏奈さんと、雑誌GENIC編集長の藤井利佳さん。

特定ジャンルの情報をキュレーションすることでジャンル別イノベーターとして消費を動かす力を得ていく。またキュレーションされた的確な情報が集まってくる場所をつくると人気が出る。

最終回の第7回では、時代の最先端といえる女子高生のSNS事情から時代を読み解きました。

ジャンル別イノベーターはそれぞれ非常にユニークでエネルギーを持った存在で、そのパワーの活用で社会や経済がより活性化する可能性を秘めています。電通ギャルラボはこれからも、ジャンル別イノベーターの時代に向けて、さまざまな施策やアイデアなどのソリューションの提供を続けていきます。またどこかでお会いできますことを楽しみにしています。

 

女子高生のSNS事情と、インフルエンサー選びの指標とは?

電通ギャルラボでは、特定ジャンルにオタク的な深い知識を持ち、その分野において市場を動かす鍵を握っている影響力の高い人のことを「ジャンル別イノベーター」と定義しています。彼らを活用したマーケティングを探る連載最終回では、女子高生のリアルな声を紹介。マイナビティーンズ※事業推進室の岩渕俊明さんとともに、電通ギャルラボの阿佐見綾香が、彼女らの情報源であるインフルエンサーに内在するジャンル別イノベーター的要素を探り、最後に連載全体を総括します。

※マイナビティーンズ:ティーン女子をターゲットとしたクロスメディア「マイナビティーンズonline」、ティーン限定のインフルエンサープラットフォーム「SPIRIT TEENS(スピリットティーンズ)」、ティーン向けプロモーションスペース「JOL原宿」、ティーンのマーケティング・リサーチデータを企業に提供する「マイナビティーンズラボ」など、あらゆるリソースを活用しながら企業のティーン向けマーケティング・プロモーションを支援している。

<目次>
Ⅰ-1 今どき女子高生が、フォローしたくなる情報発信者とは?
▼マイナビティーンズ女子高生の最近のSNS事情
▼女子高生のSNS事情三つの特徴
I-2 インフルエンサーを選ぶ指標は エンゲージメント+親和性
▼インフルエンサーを選ぶ指標はエンゲージメント率+親和性
▼クラスのコミュニティーリーダーに情報を投げるボトムアップ型PRも展開
KEY POINT        
Ⅱ 「ジャンル別イノベーターの時代」連載のまとめ      

マイナビティーンズ女子高生の最近のSNS事情

マイナビティーンズの会員である女子高生二人。彼女たち自身のSNS事情のリアルな声を、まず紹介します。

■Aさん(高校2年生)──インスタフォロワー1700人。カフェ情報を発信中

今ハマっているのは、Instagram。芸能人やカップルインスタグラマーの画像を見るだけでなく、自分でもカフェの画像を投稿して1700人近くのフォロワーがいます。「#地名+カフェ」のタグをつけて画像を投稿したらフォロワーが増えていきました。自分がカフェを探す時も、同じように「#地名+カフェ」で検索します。

反応がいいのは、「#表参道カフェ」で投稿した写真。上手に撮れた写真、おいしそうな写真は「お気に入り」される数が急激に増えます。友達とサラダのお店に行き、3人分のお皿をきれいに並べてインスタに投稿したら400人以上に「お気に入り」されました。「いいね」じゃなくて「お気に入り」されるってことは、後日その人もそのお店に行くつもりなんでしょうね。

フォロワー数は、2000人ぐらいで十分。1万人を超えると将来就職する時にアカウントが見つかる確率が高くなるのが嫌なので、1万人を超えたくはないですね。

カフェアカウントの他、友達のサブアカウントをフォローするためのインスタアカウントを持っています。こちらはフォロワー数20前後。鍵をかけ、「ストーリーズ」を中心に身の回りのことを投稿しています。

■Bさん(高校2年生)──世界観が統一されたインスタが好き。でも、頑張り過ぎはNG!

画像加工に凝っていた頃は、韓国のインスタで良く見られる彩度が低くて黒っぽく画像を加工したものを、インスタに投稿していたんです。ハッシュタグにハングルを使ったり、韓国で流行っているタグをつけたりしたら、コアな韓国好きのフォロワーが一気に増えました。でも、リアアカ(友人・知人用のアカウント)と韓国アカを一緒にしていたので、世界観を崩さないようにするのが大変。2000人以上のフォロワーがいましたが、疲れてしまったのでアカウントを丸ごと削除しました。今は検索して閲覧する用のアカウントをひとつ持っているだけです。

インスタでフォローしたくなるのは、タピオカだけ、コスメだけと投稿に統一感があるアカウント。インスタの「おすすめ」で気になる写真を見つけたら、アカウントをチェックしてフォローするか決めます。加工も重要ですね。同じアカウントなのに、韓国系、ふわふわ系、ナチュラル系と系統がバラバラだとフォローしないかも。美容院も、インスタに写真を載せていないところはパスします。

インスタは毎日のように投稿しないとフォロワーが減りますが、投稿が多過ぎてもフォローを外されます。頑張り過ぎのアカウントも「ダサいな」って思いますね。アカウントを相互に宣伝し合う交換宣伝で必死にフォロワーを増やしたり、洋服アカウントなのに自撮りばかり載せるようになったりすると「痛いな」って。「自然体でおしゃれ」なのが理想です。

女子高生のSNS事情三つの特徴

女子高生二人へのインタビューから女子高生のSNS事情の特徴が見えてきました。

①趣味アカ、リアアカ、ROMアカを使い分ける

自分の好きなジャンルの情報で世界観をつくり込む“趣味アカ”、身の回りのことを気軽に投稿する“リアアカ”の二つを使い分ける人、さらに投稿を読むだけ・情報を得るだけのROMアカの3アカウントを持っている人が多数派。フォロー数とフォロワー数がほぼ同じという女子高生が多い中、徹底的な画像加工と世界観のつくり込みで、フォロワー数が4桁を超える女子高生も一定数存在(マイナビティーンズではマイクロインフルエンサーと一般女子高生の割合は3:7程度)。

②情報収集はインスタとYouTubeが中心で、パーソナライズ情報が当たり前

コスメやグルメ、ファッションなどの情報源は、インスタ、YouTubeが中心。中でもよく見るのは、インスタの「おすすめ」。かつては必要な情報を自分から検索する時代でしたが、今どきの女子高生にとっては過去の閲覧履歴によりパーソナライズされた「おすすめ」の情報・コンテンツが自動的に“来る”のが当たり前の時代。その恩恵をすごく受けている世代なのです。

③インスタでフォローしたくなるアカウントの五つのポイント

インスタでフォローしたくなるアカウントの条件は、以下の5点。
・世界観が統一されている
・加工がキレイ
・頑張り過ぎず、自然体
・途中から投稿する内容が変わらずブレない
・投稿頻度が適切

ポイントはただ世界観がつくり込まれているというだけではなく、自然体でうそがないこと。頑張り過ぎてあざといものや、本当じゃないことには拒絶感を感じます。世界観の統一や内容がブレないことなどは、この連載のテーマである「ジャンル別イノベーター」に も通じる要素ですね。

インフルエンサーを選ぶ指標はエンゲージメント率+親和性

「マイナビティーンズ」では、さまざまなジャンルのインフルエンサーをアサインし、PR施策を実施しています。

施策のターゲットである女子高生はうそを嫌い、情報の信用性をシビアにチェックします。「#PR」とついた投稿は広告であることも、一定数の子たちは理解しています。とはいえ、PR投稿だからといって信用しないわけではありません。「これはPRです」と明言し、その上で信頼できるインフルエンサーが「2週間使い、良いと思ったところをお伝えします」と紹介すれば、納得してくれます。PRだと隠さないこと、最低でも2、3週間は商材を使用することで、信用性の高い情報として受け入れてくれるのです。

PRに起用するインフルエンサーを選ぶ際、かつてはSNSのフォロワー数を重視していました。しかし、Twitterからインスタへと女子高生の興味が移り始めた約4年前から、エンゲージメント率※がインフルエンサーを選ぶ指標に。Twitterはフォロワー数が多ければリーチし拡散もしますが、インスタは拡散しない分、エンゲージメント率を上げないと情報が伝わらないからです。

加えて徐々にインフルエンサーの信用度が取りざたされるようになってきて、今は、エンゲージメント+親和性の時代を迎えています。日頃からフォロワーとのコミュニケーションを深めているインフルエンサーを起用しても、PR投稿をした時にエンゲージメント率がグッと下がるようでは意味がありません。そのため、商材と親和性のあるインフルエンサーをキャスティングすることが重要なのです。

われわれがインフルエンサーをキャスティングする際も、商材がその人に適しているか、つまりその分野に深い知識を持つ「ジャンル別イノベーター」であるか、インスタやYouTubeの過去の投稿を通じてチェックします。ポイントはインフルエンサーが、インスタやYouTubeを通じて打ち出している“世界観”です。

先ほどの二人の女子高生を見ても分かるように、世界観はつくり込むものなのです。だから、投稿されたものを見れば、どんなテイストか、普段どんなことをしているのかが分かります。つまり、インスタやYouTubeはその人の“取扱説明書”のようなもの。プランナーには、こうした取扱説明書を読み解くスキルが求められるのです。

その点でいえば、YouTubeの方がジャンルや、やってることは分かりやすいと思います。インスタは“おしゃれなことをしていることが正義”というところがあるので、例えばカフェとコスメはジャンルが違うけれど、おしゃれだからと一緒にされてしまいます。YouTubeだとコスメ系の場合、例えば旅行に行ったとしてもご当地の化粧品を探してきて動画で見せたりするので分かりやすいです。本人のキャラクターもYouTubeの方が分かりやすいですね。普段ふざけてる子が急に真面目なことをやってもおかしいので、徹底的にふざける、といったように。

友達同士での来場促進を目的としたキャンペーンで、中学の同級生で構成された身内での遊びやネタ動画を発信しているユーチューバーを起用し、彼らの企画のシリーズに類似したPR動画を作成し、うまくいったという事例もあります。商材とインフルエンサーの親和性が高いことがポイントです。

※エンゲージメント率:フォロワーから「いいね!」やコメントなどの積極的な反応を示してもらえる割合

クラスのコミュニティーリーダーに情報を投げるボトムアップ型PRも展開

人気ユーチューバーやインスタグラマーではなく、クラスのコミュニティーリーダーに情報を投下するケースもあります。コミュニティーリーダーは、クラスの“一軍”。かつては運動ができる子、かわいい子などが一軍を占めていましたが、今はSNSで顔出しするかわいい子だけではなく、SNSでの自己表現が上手い子、SNSだとイケメンに見える子などいろいろなタイプがいます。フォロワー数の多寡を問わず、SNSを上手に使いこなしている子が増えています。

SNSを使いこなせる人気者は、自己表現が上手で、人に影響を及ぼす力、発信力を持っています。以前なら、芸能事務所に所属するインフルエンサーにしかアプローチできませんでしたが、今ではこうした高校生にもアクセスできます。

これまでのPR活動は、タレントやモデルなどの事務所に所属するパワーインフルエンサーに落とした情報を、コミュニティーリーダーがクラスに広めるという、上から下へのシャワー効果を狙っていました。

今のティーン女子は、友達からの情報を信用しやすいため、クラスのコミュニティーリーダーに情報を投下するボトムアップ型PRによって、口コミ効果を狙います。「コミュニティーリーダーから聞いたコスメを検索したら、パワーインフルエンサーもおすすめしていた。やっぱりこれは信頼できる商品なんだ」という流れをつくります。

学校など自分たちのコミュニティーにおけるインフルエンサーと、その領域で著名なジャンル別イノベーターの両方からの情報によりPR効果も高まるのです。

小学生の頃からSNSでのコミュニケーションやネットでの情報収集に当たり前に慣れ親しんできた女子高生たちは、目的に合わせて情報を集めたり編集したりするスキルが高くなっています。時代の最先端といえる彼女たちに向き合い続けるマイナビティーンズ岩渕さんの話からは、ジャンル別イノベーターの時代のマーケティングを読み解く重要な視点が多くありました。

押さえておきたいポイントは、次の3点です。

①コミュニケーションの軸が「言葉」から「画像の世界観」へ

女子高生たちは欲しい情報を「画像」や「映像」で獲得します。キーワードで直接的に検索して情報を探すのではなく、好きな世界観の画像をフォローして集めることでレコメンドされてくる情報の精度を上げたり、自らのSNS発信でも世界観をつくり上げて共感し合える人が集まってくるようにするなど、好きな画像や、そこから世界観を見つけ出すスキルが高くなってきているのです。TwitterからInstagramにトレンドが移り変わったときに、言葉よりも画像の時代へとパラダイムシフトが起こりました。

インターネット上の情報を収集して編集し、価値を持たせてシェアすることを「キュレーション」といいますが、元々は美術館や博物館で企画展を組織すること。テーマと世界観の勝負という点で、今は本来の意味の「キュレーション」が価値を持つ時代になってきているといえるでしょう。

②情報源は、パーソナライズ&レコメンドされた「1次情報」

女子高生たちは、SNSで人々が発信する「1次情報」を重視します。1次情報は、発信者本人が実際に見聞きしたり体験して手に入れた情報のこと。個人の発信すらも、パーソナライズされた「おすすめ」の情報として自動的に“来る”のが当たり前の今、自らの1次情報を価値あるコンテンツとして発信できる、表現力のあるジャンル別イノベーターが彼女たちに重宝される情報源となっています。

③情報発信にいっそう求められる「表現力」

女子高生たちは情報を集めるだけではなく、発信者としてのスキルも持ちます。どんな情報が見てもらえるのかを研究し、トライ&エラーを繰り返し、自らの「好き」に関連する情報をコンテンツ化して表現することができます。これからはそんな目の肥えた消費者が上の年代に上がってくるということです。この先に生き残るためには、言葉にする力、説明する力、世界観をつくる力などあらゆる表現力がキーになっていきます。

左から電通ギャルラボの阿佐見綾香さん、マイナビティーンズの岩渕俊明さん

「ジャンル別イノベーターの時代」全7回の連載は今回で最終回となりましたが、いかがだったでしょうか。

これまでの連載のポイントを簡単にご紹介します。

第1回:電通ギャルラボの「#女子タグ」マーケティングとは?

特定ジャンルにオタク的な深い知識を持ち、その分野において市場を動かす鍵を握っている影響力の高い人を「ジャンル別イノベーター」と定義。

第2回:消費のカギを握る「ジャンル別イノベーター」

ジャンル別イノベーターは、フォロワー数が多く影響力の範囲が広いインフルエンサーの中にも、フォロワー数が少ない一般の人たちの中にも、どちらにも一定数存在している。企業が効率的に市場の消費を動かすためには、影響力の大きいジャンル別イノベーターの力を借りることが有効。

第3回:土井英司さんに聞く、影響力のある“ジャンル別イノベーター”はどう生まれる?

話を伺ったのは、「ビジネス書」ジャンルのイノベーターとして影響力を持ち、ジャンル別イノーベーターのプロデュースも手掛ける土井英司さん。

影響力のあるジャンル別イノベーターを生み出すためには、「独自ポジションをつくること」と「伝える技術を磨くこと」が重要。マーケター側が重視すべきはジャンル別イノベーターの共感ポイントや思想を把握し、彼らの信念に反さない情報発信を提案すること。

第4回:メークにもっと自由を。常識を変え、市場を創り出したジェンダーレス男子。

話を伺ったのは、男女の境なくメークやファッションを自由に楽しむ“ジェンダーレス男子”という新ジャンルを確立したこんどうようぢさんと、ブームの仕掛け人であるプロデューサーの丸本貴司さん。

ジャンル別イノベーターの発信する新たな価値観は、マイノリティーがマジョリティーに変わるとき新たな市場をも生み出すパワーを持つ。

第5回:複数ジャンルで消費を動かすインフルエンサーの秘密に迫る

話を伺ったのは、複数ジャンルで消費を動かすインフルエンサーの佐藤ノアさん。

インフルエンサーが影響力を持つためには「時間」「ストーリー」「信頼関係」を意識して人間性に対する「ファン」をつくること、さらに独自のPR投稿へのルールをつくることによって、発信する情報への信頼度を高めることが重要。

第6回:「コト消費」の時代に生まれた新ジャンル「プロトラベラー」とは 

話を伺ったのは、「プロトラベラー」の羽石杏奈さんと、雑誌GENIC編集長の藤井利佳さん。

特定ジャンルの情報をキュレーションすることでジャンル別イノベーターとして消費を動かす力を得ていく。またキュレーションされた的確な情報が集まってくる場所をつくると人気が出る。

最終回の第7回では、時代の最先端といえる女子高生のSNS事情から時代を読み解きました。

ジャンル別イノベーターはそれぞれ非常にユニークでエネルギーを持った存在で、そのパワーの活用で社会や経済がより活性化する可能性を秘めています。電通ギャルラボはこれからも、ジャンル別イノベーターの時代に向けて、さまざまな施策やアイデアなどのソリューションの提供を続けていきます。またどこかでお会いできますことを楽しみにしています。

 

BC & F Dentsu、2019年エフィーAPACで五つのメダルを獲得

画像「Effectiveness Always Wins」(効果的なアイデアは、必ず勝つ)をテーマに、マーケティングコミュニケーション活動の効果を競う「アジア太平洋(APAC)エフィー・アワード2019」※1 の受賞結果が4月25日に発表された。

ニュージーランド・オークランドを拠点とする電通グループのBarnes Catmur & Friends Dentsu(以下BC&F Dentsu)※2はゴールドを含む五つの賞を受賞し、最も高い効果を上げたエージェンシーを選出する「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー」3位に輝いた。

※1 エフィー・アワードは1968年にNew York American Marketing Associationによって制定、マーケティング効果のグローバルスタンダードとして知られる。そのアジア版が「APACエフィー・アワード」。2019年は参加した14カ国から131のファイナリストが選ばれた。

※2 1996年に設立されたニュージーランドの大手総合広告会社で、現在は電通傘下。広告戦略の策定、クリエーティブの制作、メディアバイイングからデジタル、ソーシャル領域までを含むサービス全般を提供している。
 

今回のBC&F Dentsuの受賞作品は以下の通り。

■「The Face of Change」Movember Fundation - 金賞1(Small Budget - Services)、銅賞1(Governmental / Institutional)


ニュージーランドは世界で最も少年の自殺率が高い国として知られているが、声を上げることが難しい少年たちをどうすれば助けられるだろうか? チャリティー活動に参加し、男性のメンタルヘルスに関心を持ってもらうことで、彼らに意思表示してもらうことを提案した。

今回選んだのは、「Movember」というチャリティー活動を行う機関のキャンペーンだ。Movemberは、11月(November)にひげ(Mos)を伸ばすことが参加資格となるユニークなチャリティーで、ひげを成長・成熟の証しとして男性版ピンクリボンのような活動を行っている。チャリティーの内容は、前立腺がんの正しい知識を広めたり、治療のサポート、うつの改善や男性の健康全体の向上を目的としている他、少年たちの自殺防止にも力を入れるなど多岐にわたる。

このチャリティーに若い彼らが参加できるよう、ニュージーランド全土の高校の校長らに手紙を送り、校則から「ひげを生やしてはいけない」という項目をなくすことをお願いした。さらに、学校側がこの手紙を無視せぬよう、新聞にもその内容を載せ、世間からの支持も得られるよう工夫した。

その結果、募金は前回から40%増の170万ドルと記録を更新。これらの募金は「Movember」のチャリティーの活動費に充てられる予定だ。

■「Declaring War on Norway」Meridian Energy - 銅賞2(Other Products & Services, Positive Change Environmental - Brands)


ニュージーランドとノルウェーは、面積も人口もほぼ同じ。何かと比較されることが多いが、ニュージーランドは多くの面で進んでいるというのが一般的な認識だ。これに対しノルウェーは、「ノルウェーはニュージーランドの20倍以上もの電気自動車が普及している」と、自国の優れている点をアピールすることでニュージーランドへと攻撃をしかけた。

そこで、ニュージーランドの国営電力会社であるMeridian Energy社は、ノルウェーにプロモーションのひとつとして製作した「My next car will be electric」(次は電気自動車を買うつもり)という車両用のステッカーを製作して「反撃」するという、ユーモアを交えたキャンペーンを展開。、ノルウェーEV協会のCEOにツイートされるなど、大いに話題となった。

このキャンペーンを通して、同社のネット・プロモーター・スコア※3は3倍になり、競合数社の合計値を超える新規顧客数を獲得した。

※3 顧客の継続利用意向を知るための指標
 

■「How Tower Simplified Insurance」Tower Insurance - 銅賞1(Single Market – Products & Services Categories: Financial Products & Services)


Tower Insurance社は保険の難しくて面倒なイメージを払拭する広告キャンペーンを実施した。「What the world does. We undo.」(世界が壊すものを、私たちが直す)というコピーを掲げ、壊れたものが巻き戻されて元に戻る映像や、半分破壊されている野外広告を通して、顧客に対してシンプルで分かりやすく身近に感じることのできるブランド戦略の訴求を行った。

電通の海外ネットワークであるDANグローバルCEOでクリエーティブ部門を統括するDick van Motman氏は、「電通のDNAは、『成果を生み出す創造力』。BC & F Dentsuは、ネットワーク内でもこのことを大変よく理解している拠点のひとつです。ADFESTで電通グループがネットワーク・オブ・ザ・イヤーに選ばれた直後に彼らが受賞したことは、私たちの使命を実証するものです」とコメント。

また、BC & F Dentsu の常務取締役Murray Streets氏は、「チームの皆を代表して、エージェンシーの全員で達成したこの勝利を大きな誇りに思います。当社はAPACで3回にわたり独立系ナンバーワン・エージェンシーに選ばれてきましたが、電通のネットワークに加わったことで更なる成長を遂げました」と述べた。

BC & F Dentsu、2019年エフィーAPACで五つのメダルを獲得

画像「Effectiveness Always Wins」(効果的なアイデアは、必ず勝つ)をテーマに、マーケティングコミュニケーション活動の効果を競う「アジア太平洋(APAC)エフィー・アワード2019」※1 の受賞結果が4月25日に発表された。

ニュージーランド・オークランドを拠点とする電通グループのBarnes Catmur & Friends Dentsu(以下BC&F Dentsu)※2はゴールドを含む五つの賞を受賞し、最も高い効果を上げたエージェンシーを選出する「エージェンシー・オブ・ザ・イヤー」3位に輝いた。

※1 エフィー・アワードは1968年にNew York American Marketing Associationによって制定、マーケティング効果のグローバルスタンダードとして知られる。そのアジア版が「APACエフィー・アワード」。2019年は参加した14カ国から131のファイナリストが選ばれた。

※2 1996年に設立されたニュージーランドの大手総合広告会社で、現在は電通傘下。広告戦略の策定、クリエーティブの制作、メディアバイイングからデジタル、ソーシャル領域までを含むサービス全般を提供している。
 

今回のBC&F Dentsuの受賞作品は以下の通り。

■「The Face of Change」Movember Fundation - 金賞1(Small Budget - Services)、銅賞1(Governmental / Institutional)


ニュージーランドは世界で最も少年の自殺率が高い国として知られているが、声を上げることが難しい少年たちをどうすれば助けられるだろうか? チャリティー活動に参加し、男性のメンタルヘルスに関心を持ってもらうことで、彼らに意思表示してもらうことを提案した。

今回選んだのは、「Movember」というチャリティー活動を行う機関のキャンペーンだ。Movemberは、11月(November)にひげ(Mos)を伸ばすことが参加資格となるユニークなチャリティーで、ひげを成長・成熟の証しとして男性版ピンクリボンのような活動を行っている。チャリティーの内容は、前立腺がんの正しい知識を広めたり、治療のサポート、うつの改善や男性の健康全体の向上を目的としている他、少年たちの自殺防止にも力を入れるなど多岐にわたる。

このチャリティーに若い彼らが参加できるよう、ニュージーランド全土の高校の校長らに手紙を送り、校則から「ひげを生やしてはいけない」という項目をなくすことをお願いした。さらに、学校側がこの手紙を無視せぬよう、新聞にもその内容を載せ、世間からの支持も得られるよう工夫した。

その結果、募金は前回から40%増の170万ドルと記録を更新。これらの募金は「Movember」のチャリティーの活動費に充てられる予定だ。

■「Declaring War on Norway」Meridian Energy - 銅賞2(Other Products & Services, Positive Change Environmental - Brands)


ニュージーランドとノルウェーは、面積も人口もほぼ同じ。何かと比較されることが多いが、ニュージーランドは多くの面で進んでいるというのが一般的な認識だ。これに対しノルウェーは、「ノルウェーはニュージーランドの20倍以上もの電気自動車が普及している」と、自国の優れている点をアピールすることでニュージーランドへと攻撃をしかけた。

そこで、ニュージーランドの国営電力会社であるMeridian Energy社は、ノルウェーにプロモーションのひとつとして製作した「My next car will be electric」(次は電気自動車を買うつもり)という車両用のステッカーを製作して「反撃」するという、ユーモアを交えたキャンペーンを展開。、ノルウェーEV協会のCEOにツイートされるなど、大いに話題となった。

このキャンペーンを通して、同社のネット・プロモーター・スコア※3は3倍になり、競合数社の合計値を超える新規顧客数を獲得した。

※3 顧客の継続利用意向を知るための指標
 

■「How Tower Simplified Insurance」Tower Insurance - 銅賞1(Single Market – Products & Services Categories: Financial Products & Services)


Tower Insurance社は保険の難しくて面倒なイメージを払拭する広告キャンペーンを実施した。「What the world does. We undo.」(世界が壊すものを、私たちが直す)というコピーを掲げ、壊れたものが巻き戻されて元に戻る映像や、半分破壊されている野外広告を通して、顧客に対してシンプルで分かりやすく身近に感じることのできるブランド戦略の訴求を行った。

電通の海外ネットワークであるDANグローバルCEOでクリエーティブ部門を統括するDick van Motman氏は、「電通のDNAは、『成果を生み出す創造力』。BC & F Dentsuは、ネットワーク内でもこのことを大変よく理解している拠点のひとつです。ADFESTで電通グループがネットワーク・オブ・ザ・イヤーに選ばれた直後に彼らが受賞したことは、私たちの使命を実証するものです」とコメント。

また、BC & F Dentsu の常務取締役Murray Streets氏は、「チームの皆を代表して、エージェンシーの全員で達成したこの勝利を大きな誇りに思います。当社はAPACで3回にわたり独立系ナンバーワン・エージェンシーに選ばれてきましたが、電通のネットワークに加わったことで更なる成長を遂げました」と述べた。