NHK『バリバラ』が今年も『24時間テレビ』を挑発…障害者を消費する「感動ポルノ」を批判

24時間テレビ「愛は地球を救う」』(日本テレビ系)の放送がスタートする8月22日の深夜(23日午前0時)、今年もNHK Eテレで『バリバラ~障害者情報バラエティー~』の特番が放送される。

 今回は「24分テレビ~愛と憎しみのパンデミック~」というテーマの生放送で、公式ツイッターでは「新型コロナのパンデミックがおさまらない真夏の夜に、愛と色気のワクチンを生放送で注入!」と宣伝している。裏番組の『24時間テレビ』を挑発している上に、人類が直面している新型コロナウイルスのパンデミックもネタにした格好だ。

「日本初の障害者のためのバラエティ番組」をうたう『バリバラ』がスタートしたのは2012年。16年には、「みんなちがって、みんないい」を新テーマとして、障害者だけでなく「生きづらさを抱えるすべてのマイノリティー」に対象を広げ、セクシャル・マイノリティなども取り上げる番組としてリニューアルした。

 一躍注目を浴びたのは、16年8月の「検証!『障害者×感動』の方程式」という生放送だ。当日は裏番組で『24時間テレビ』が放送されており、同番組の企画や制作手法に一石を投じていることは明らか。いわゆる「感動ポルノ」の是非を問う内容が大反響を呼んだ。これ以降、『バリバラ』は『24時間テレビ』の裏で特番を放送している。

「16年の放送では、『障害者の感動的な番組をどう思う?』という、『24時間テレビ』を彷彿とさせる質問に対する回答が話題になりました。『好き』と『嫌い』が健常者の場合はほぼ半々で『嫌い』がやや上回る程度だったのですが、障害者は圧倒的に『嫌い』が多かったのです。当事者である障害者の声を用いて、『24時間テレビ』のコンセプトを真っ向から批判したことになります」(テレビ局関係者)

 そのほかにも、「笑いは地球を救う」というロゴや、出演者が黄色いTシャツを着用するスタイルなど『24時間テレビ』のパロディ的な演出が多く、ネット上では「毎回攻めすぎ」「薄っぺらい24時間テレビより、こっちの方が本質を突いてるな」「日テレにケンカを売るEテレ」などと波紋を呼んでいる。

「昨年も、予告の段階で『なぜか障害者が注目される8月最後の週末……』と『24時間テレビ』を挑発し、『2.4時間テレビ 愛の不自由、』というテーマで、大炎上して社会問題化したあいちトリエンナーレの『表現の不自由展・その後』もパロディにする形で、障害者と性という内容に踏み込んでいます。冒頭から、脳性まひの男性が『哀れむような愛ならいりません! 地球を救う愛と言われてもピンときません! 私を救う愛が欲しい!』と訴えて話題になりました」(同)

 また、今年6月には、NHK総合の国際ニュース番組『これでわかった!世界のいま』の公式ツイッターが炎上する騒動があった。アメリカで起きている黒人差別抗議デモを受けて、「白人と黒人の格差」を解説するアニメ動画を投稿したところ、その描写が「差別的だ」という批判を招き、NHKは動画を削除した上で謝罪に追い込まれた。

「この後、7月に放送された『バリバラ』の『Black Lives Matter、そして日本は』の中で、この騒動を取り上げ、何が問題だったのかを掘り下げる内容がありました。タブー視されがちな自局批判とも言える対応に、改めて称賛が集まりました」(同)

 忖度や組織の論理とは無縁に見える『バリバラ』だが、今年4月には「桜を見る会」をめぐって、物議を醸したこともあった。4月23日に「バリバラ桜を見る会第1部」というテーマで、ジャーナリストの伊藤詩織氏らをゲストに迎えて放送したのだが、予定されていた再放送が直前になって別の内容に差し替えられたのだ。この対応に「圧力があったのではないか」といった声が上がったものの、NHK側は否定。翌週の第2部も、予定通り放送された。

 いずれにしろ、今夏も『バリバラ』と『24時間テレビ』の激突は一見の価値がありそうだ。

(文=編集部)

スマホの5Gは“つながりにくい&通信料割高”…利用者になんのメリットもない

「2時間の映画が3秒でダウンロードできる」

 そんな触れ込みで、5Gがもてはやされていた。この5Gは、AIや4K、ARなどのテクノロジーともセットにされ、世界をガラリと変える立役者のような持ち上げられ方をしていた。2020年の3月には満を持して商用化がスタート。すでに都市部を中心にサービスが開始されている。

 そんな鳴り物入りでスタートした5Gだが、蓋を開けて見れば世界を変える動きは一向に見られない。「5Gを使っている知り合い」がいない人も多いのではないだろうか。サービス開始前には大きな注目も期待も集めていた5Gだが、この先数年は“使い物”にならないだろう。世界を変えるポテンシャルは持っているが、まだ時期尚早。キャリアのマーケティングに乗せられて騒ぐ必要はないのだ。

 ではなぜ数年は使い物にならないのか。

 現状を見てみると、ネット通信のニーズはきわめて高くなっている。特に、動画サービスは隆盛を極めている。YouTubeやNetflixは大人気であるし、Zoomなどビデオ会議ツールもビジネスの現場では当たり前の存在となった。そう考えると、4Gに比べて最高速度が100倍ともいわれる超高速性を持つ5Gは、すぐさまヒットして当たり前と思われる。

 だが、「つながりやすさ」と「料金」の2つの面において、ここ数年で5Gが普及していくことは考えづらい。

つながりやすさ

 順に見ていこう。まずはつながりやすさだ。

 一口に「電波」といっても、「周波数」によって、つながりやすさは大きく異なる。ここで、ソフトバンクがボーダフォンから日本法人を買収し、モバイル業界に参入した頃を思い出してほしい。「ソフトバンク=つながりにくい」というイメージがあったはずだ。これはイメージではなく、本当につながりづらかった。この悪評の原因は、ソフトバンクが使用していた周波数に由来する。当時のソフトバンクがメインで使用していたのは、「2.1GHz帯および1.5GHz帯」だった。一方で、ソフトバンクに比べて「つながりやすい」と言われていたNTTドコモとauは800MHz帯を使用していた。

 いったい何が違うのか。実は、周波数が高いと電波の「直進性」が強い。いわば、まっすぐ進むのは得意なのだが、回り込むような動きは苦手なのだ。すると、建物の裏側や山間部などでは、電波が届きづらかった。

 しかし、今ではソフトバンクに「つながりづらい」というイメージはなくなった。これもまたイメージではなく、本当につながりづらさはなくなった。今回も周波数が影響しており、ソフトバンクは12年に晴れて900MHz帯の通信が利用できるようになり、ドコモやauと肩を並べるようになった。ソフトバンクはこの時「プラチナバンド」と大々的に宣伝したことは記憶に新しい。

 4Gの世界では周波数の違いによって、「つながりやすさ」にこのような状況が生まれていたのだ。

 ところで、5Gの周波数はどうなっているのか。

 総務省の発表によれば、3.6〜4.6GHz帯(Sub6)、27〜29GHz(ミリ波)となっている。これはソフトバンクに限った話ではなく、ドコモやau、楽天も含めて、この周波数帯を使用することになる。

 つまり、いくら5Gが爆速とはいえ、電波の特性上直進性が強く、言うなれば「昔のソフトバンクのような状態」になる。ソフトバンクがつながりづらかった当時、多くのユーザーが「つながりにくいから」という理由での解約や避けることが多かった。当時のソフトバンクは値下げ競争に必死でもあったが(今ではその影もないが)、安さというメリットがあっても、つながりやすさのウエイトは重かったのだ。

通信料金も対応端末も高くなる?

 課題はそれだけではない。ただでさえつながりづらい5Gなのだが、安くはない。プランによって異なるが、各社の5Gプランを見てみると、4Gの料金プランに比べてプラス1000円といった相場になっている。加えて、5G対応のスマホは、非対応に比べて値も張る。日本でももっとも高いシェアを誇るiPhoneは5G未対応でもある。

 そもそも5Gによってもたらされる恩恵もかなり微妙だ。超高速性といっても、4Gや光回線でNetflixやYouTubeの4K画質での動画は十分に楽しめる。遠隔医療や、嵐が出演するソフトバンクのCMで行われているような、大勢がネットワークでつながりながら歌を歌う体験などであれば5Gの恩恵を受けられるかもしれないが、はっきり言って今のところ一般人には関係のない話でもある。

 加えて、5Gにしないと楽しめない、キラーコンテンツ/キラーアプリも不在だ。キラーコンテンツが出てきたとしてもインスタグラムなどがそうであったように、超高速性などを生かしたコンテンツが出てくるには、5Gがある程度普及してからでないと、出てこないだろう。

 このように、ほとんど恩恵もないのに、通信料金も対応端末も高くなる。よほど新しいもの好きでなければメリットはないのだ。

課題が解消されるのは数年先

 ただし、今後5Gの普及は間違いなく進んでいくだろう。現在は限定されている対応エリアも、今後はじわじわと広がっていく。加えて、現在はまだ3G回線に使用されている帯域が、5Gでも使われるようになる。対応端末も増えていくだろう。現在は生産に高いコストがかかる5G対応のチップも安価になっていき、端末代金も抑えられてくる。すると、今のところ5G普及のボトルネックになっている、つながりやすさと値段の課題が解消されていく。

 だが、それは数年後のお話。じわじわ進んでいき、しかも利用者にとっては「いつの間にか変わった」くらいの変化になる。3Gから4Gになったときよりも地味なシフトチェンジになるはず。その頃には現在の4Gのようになっており、なんら真新しさはない。その頃には、「2時間の映画が3秒で見られる!」と感動していた頃の思い出はとっくに消えているだろう。

 よくスマホの買い替えを検討している人が「5G対応しておいたほうがいいのかな」と迷う姿が散見される。少なくとも、一般人である我々には今のところ関係のない話と思っていい。

「2時間の映画が3秒でダウンロードできる」「世界を変える!」などの耳心地の良いマーケティングに踊らされてはいけない。

(文=加藤純平/ライター)

映画レビュー「シリアにて」

戦火を逃れてアパートに籠城した家族とその隣人。強盗が侵入し、キッチンに隠れるが、若妻と赤ん坊だけが取り残されてしまう。

投稿 映画レビュー「シリアにて」映画遊民 映画をもっと見たくなる! 映画ライター沢宮亘理の映画レビュー、インタビューetc に最初に表示されました。

「アルソア スキンケア」新ウェブ動画発表 30歳を迎える浅田真央さんが出演

化粧品や健康食品などの事業を展開するアルソア本社は8月20日、洗顔せっけん「アルソア クイーンシルバー」をはじめとしたスキンケアシリーズの新ウェブ動画発表会をオンラインで開催した。

アルソア スキンケア

動画「気分が上がる。SkinUp Care.~秋冬篇~」(https://www.arsoa.co.jp/で配信)はプロスケーターの浅田真央さんを起用。“気分が上がる”部屋で、浅田さんがスキンケアをするプライベートタイムを描く。

アルソア スキンケア
アルソア スキンケア
アルソア スキンケア
アルソア スキンケア

発表会では、浅田さんは動画と同じ衣装で、居心地の良さそうなリビングのセットが組まれたステージに登場。撮影の感想や普段のスキンケアなどについて語った。
浅田さんは、塗り絵や料理をしながらスキンケアをする今回の動画について「撮影は、自宅にいるように楽しめた」と話した。趣味でもある塗り絵は「下絵から自分で描くこともあり、色を付ける作業に癒やされながら集中している」と言い、「こんな時代なので、カラフルに仕上げた」と、繊細な色使いで完成させた花のモチーフの塗り絵を披露した。
セットには、彼女の私物である思い出の写真やクマのぬいぐるみ、手作りのクッションなども配置され、それぞれのエピソードに触れながら「将来は、動画のような光あふれる家に住みたい」と笑みを見せた。

アルソア スキンケア
アルソア スキンケア
アルソア スキンケア

浅田さんは、16歳から同社の製品を愛用しているといい「最近はマスクをする機会も多いので、特にスキンケアには気を付けている。汗をかいたらクイーンシルバーで洗顔し、ローションで保湿を心掛けている」と話した。
ステージでは、同社のインストラクターが、クイーンシルバーを使い洗顔に理想的な泡立てを実演。浅田さんは、逆さにしても落ちない泡を手にして驚きながら、その感触は「もっこもこ、ふっわふわ」と表現してみせた。また、製造に70時間かかるというクイーンシルバーについて「作る人の思いを感じながら使いたい」と語り、お勧めのスキンケアは「ぜいたくだけど、クイーンシルバーを洗顔だけでなく全身に使うこと。しっとり、モチモチするところが大好き」と明かした。

アルソア スキンケア
ステージには、浅田さんへのサプライズとして、特製のバースデーケーキが登場し、ひと足早い30歳の誕生日を祝った。浅田さんは「これまではスケート中心の生活だったが、30歳を機にゼロから気持ちを新たにスタートにしたい」と抱負を述べ「今は大変な状況だけど、前を向いて皆で頑張りましょう。そして、スキンケアで気分を上げましょう。私も15年を超えてアルソアを使い続けます」とメッセージを送った。
同社のホームページでは、新動画の他、「春篇」「夏篇」、メーキング映像も視聴できる。

山下、亀梨の未成年スキャンダルでジャニーズ御用「女性セブン」が相手女性を「嘘をつくほうが悪い」とバッシングの卑劣!

 案の定というべきか。山下智久とKAT-TUN亀梨和也の2人が未成年女性と飲酒、さらに山下はその女性をホテルに連れ込んでいた問題。17日になって、ジャニーズ事務所が山下を「一定期間の芸能活動自粛」、亀梨は「厳重注意」の処分を発表したことで、マスコミも一斉にこの問題を報じた。...

映画レビュー「沖縄スパイ戦史」

第二次世界大戦末期、陸軍中野学校が主導した「秘密戦」。少年たちはゲリラ戦で殺され、住民はマラリア地帯で病死させられた。

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ispace、シリーズB投資ラウンド資金調達を実施 新たな月面ビジネスコンセプトを発表

宇宙資源探査・開発事業を掲げるispaceは8月20日、シリーズB投資ラウンド資金調達と、新たな月面ビジネスコンセプトの発表を、オンラインで行った。
ispaceは民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のパートナーシップ事業およびペイロード事業(月への輸送サービス)を展開する宇宙ベンチャー企業。今回、シリーズB投資ラウンドで30億円の資金調達を実現したことにより、シリーズAと合わせた同社の累計調達の総額は135.5億円になった。(画像=©ispace) 

ispace袴田武史代表
ispace 袴田武史代表

冒頭、袴田武史代表は、「コロナ禍で多くの産業が方針転換を迫られる中、宇宙産業は着実に前進し、未来を切り開いている。この流れは、国のみならず、民間を巻き込み産業全体に拡大していくと信じている。今回シリーズB投資ラウンドで、インキュベイトファンド、宇宙フロンティアファンド、高砂熱学工業、三井海上火災保険の4社の支援を受け、宇宙資源開発の創出と、日本の民間企業の宇宙利用による産業化をより加速していきたい」と語った。

Mission1で使用するランダー(月着陸船)
2022年HAKUTO-R Mission1で使用するランダー(月着陸船)の模型(1/5サイズ)

インキュベイトファンドはシード期より同社の支援をするベンチャーキャピタル。宇宙フロンティアファンドは本年5月から運用を開始した宇宙特化型のファンドであり、同社への出資が第一号案件となる。高砂熱学工業と三井海上火災保険は、すでに「HAKUTO-R」のコーポレートパートナーであり、それぞれ月面での水電解技術の実証実験の検討、月ビジネスのリスクを支える「月保険」の開発を進めるという。
同社は、今回調達する資金を元に、2022年に実施予定のMission1で使用するランダー(月着陸船)の最終開発、23年のMission2で使用するランダーの先行開発、さらには24年以降 のランダーのサイズアップを見据えた先行開発を実行する。

高砂熱学工業の小島和人社長は、「今や“宇宙産業”は、誰もが挑戦できる未来の成長産業として捉えられ始めている。当社はispaceと志を同じくし、互いの人、技術、文化を尊重し、知恵を出し合いながら、熱利用と水電解技術を基軸に開発を進め、宇宙規模での社会貢献を目指した産業創出に挑戦していきたい」と話した。


また同日、資金調達の発表と合わせて、月面開発における新たなビジョン“Blueprint Moon”を発表した。“Blueprint Moon”は、月ビジネスに新たに参入する企業に有益な青写真を提供するというコンセプトで、月のデータ(画像データ、環境データ、テレメトリ、資源情報など)を収集し加工した上で顧客(政府宇宙機関、大学、研究機関、民間企業などを想定)に提供し、月面開発に役立ててもらうことを計画している。

政府は2020年6月、今後10年間の宇宙政策をまとめた新たな「宇宙基本計画」を閣議決定した。官主導だった宇宙開発への民間参入や宇宙ビジネスの拡大方針が打ち出され、国内の宇宙産業の市場規模を2030年代に倍増させる方針が明記されている。
袴田代表は、「ispaceは、これからも民間による宇宙産業の拡大をリードし、人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界を目指したい」とコメントした。

ispace中村貴裕COO・袴田代表
(左から)ispace中村貴裕COO・袴田代表

ispace公式サイト:https://ispace-inc.com/jpn/
関連過去記事:https://dentsu-ho.com/articles/6801

これからは、「観光スポット」よりも「観光パーソン」が人を呼ぶ

お互いの距離は離れていても、テクノロジーを上手に使うことで、今までよりも近くに感じられる。ちょっとした発想の転換で、まったく新たなつながりが生まれる。新型コロナをきっかけにして始まりつつある新しいライフスタイルは「リモコンライフ」(Remote Connection Life)といえるものなのかもしれません。リモコンライフは、Remote Communication Lifeであり、Remote Comfortable Lifeも生み出していく。そうした離れながらつながっていくライフスタイルの「未来図」を、雑誌の編集長と電通のクリエイターが一緒に考えていく本連載。1回目は「Discover Japan」の編集長・高橋俊宏さんに話を伺いました。


<目次>
【リモコンライフストーリー#01 】旅に出る理由
「ECサイト」にファンが集まり「旅行サイト」に変貌する!?
「ディスカバー・ご近所」0泊1時間の小さな旅でリフレッシュ
  毎日使える「一生モノ」を買う豊か

 

【リモコンライフストーリー#01 】旅に出る理由

(カワバタ メイ/IT系スタートアップ勤務/28歳の場合)

世界的なパンデミックによって、海外渡航が禁止され、世界中の人が旅の行き場を失った。新型コロナウイルスは、旅行のあり方もいや応なく変化させようとしています。この先、海外への渡航禁止が解除されたとしても、海外旅行を計画する人は少なくなるかもしれません。では、人々の旅行に対する意識は国内回帰に向かうのか?国内の観光スポットが再びにぎわいを見せるのか?

「Discover Japan」の編集長・高橋俊宏さんは、「観光の究極は“人”。会いたい人に会いにいく“人観光”なんです」と指摘する。「その土地に友達がいれば友達に会いに行きますよね。宿だって同じです。ひいきにしている宿のご主人とか女将とかと触れ合える瞬間が楽しい。その瞬間を求めて、毎年、訪ねてしまう。あの感覚です」。

そんな高橋編集長からの示唆をもとに、「リモコンライフ」で「旅」はどう変化するのか?ちょっとしたストーリーにまとめてみました。 

野澤友宏(電通1CRP局)

リモコンライフストーリーイラスト

時刻は午前11時。メイは、ノートブックを閉じて、大きく首を回した。朝イチから30分刻みで続いたリモート会議で、すでに首と肩はカチコチだ。新型コロナの感染は、これで第何波目になるのだろう……週の半分以上を自宅で仕事するようになって、早一年がたとうとしていた。メイは、ソファにもたれてスマホを手にとった。「次のGWはどこに行こう?」

去年は、学生時代の友人であるマヤと京都に行く予定だったが、新型コロナの影響でキャンセルした。今もまだ感染拡大は懸念されているが、国内旅行はかなり緩和されている。京都にリベンジするか?それとも、沖縄でのんびりするか?ぼんやり、あてもなくトリップアドバイザーをスクロールしていると、玄関のチャイムが鳴った。「お、きたきたきたきた……」

メイには、最近、ハマっているものがある。野生の鹿やイノシシの肉、“ジビエ”だ。特に、南伊豆にいる猟師さんがつくる ソーセージにハマっている。最初にイノシシ肉のソーセージを食べた時の衝撃は、いまだに忘れられない。かつて味わったことのない濃厚な旨味に一発でやられてしまった。それ以来、多い時で週に一度のペースで取り寄せている。

その猟師さんの存在を知ったのはTwitterがきっかけだった。それからInstagramでフォローするようになり、今ではFacebookでつながっていて、「今日仕留めた獲物」や「今開発中のソーセージ」など、日々の活動をリアルタイムで知ることができるようになった。もともとは一部の飲食店にしか卸してなくて、一般人は手の出しようがなかった。けれど、新型コロナで各地の飲食店が休業したことをきっかけにオンライン販売を開始。誰でもお取り寄せできるようになったのだ。

自粛期間中には、お取り寄せ仲間と一緒に猟師さんとのリモート飲み会を開催した。イノシシ肉と鹿肉のソーセージを食べながら、猟師さんの話を聞く。どこで獲物を見つけてどうやって仕留めたのか、ひとつひとつの仕事にそれぞれのストーリーがあり、ついつい聞き入ってしまった。最高に楽しい夜だった。

「そうだ、猟師さんに会いに行こう」早速、マヤにLINEをする。彼女ももちろんイノシシ肉にやられている一人である。すぐにソーセージにかぶりついている写真と合わせてOKの返信がくる。さすが肉食女子、話が早い。それから、猟師さんにmessengerを送る。すぐに返信が……来るわけはない。ので、南伊豆の観光案内をチェックする。すぐに、とある「観光案内所」のサイトが目に留まった。

「観光案内所」のサイトといえば、由緒ある神社だとか見晴らしのいい展望台、牧場や吊り橋の社員が並んでいるのが普通だろう。けれど、その「観光案内所」には、農家のご夫婦、神主さん、猟師さんらしきお兄さん、何をしている人か分からないおばあちゃん……、いろんな人の笑顔が所狭しと並んでいる。その土地の人たちとの交流をメインとした「観光案内所」だった。メイは、鼻の頭にしわを寄せて笑っている若い男性が気になった。イケメンというわけではないが、メイの好みの顔だった。

「お!陶芸家さんなんだ……!」その観光案内所のサイトはECサイトも兼ねていて、若い陶芸家の作品も販売している。一つ一つの作品を丁寧に撮影していて、クローズアップの写真からはザラついた手触りが伝わってくる。「今、買うか、それとも行ってから買うか……」。メイが小ぶりのお皿を見つめながら迷っていると、PCから新着メッセージを知らせる音が鳴った。猟師さんから返信だ。「ぜひぜひ、来てください。僕の友人夫婦2組も来る予定なので、一緒に山をご案内します。カワバタさんは器とか好きでしたよね。去年こっちに来た若い陶芸家がいるんで、工房に遊びに行きましょう。」──なにぃ!?

メイは、新しく増えた旅の目的に胸を躍らせながら、猟師さんへのメッセージを打ち始めた。

(このストーリーは
 フィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません)

「ECサイト」にファンが集まり「旅行サイト」に変貌する!?

上記の「リモコンライフストーリー」のヒントにさせていただいた「Discover Japan」編集長・高橋俊宏さんのインタビュー内容を、ぜひご覧ください。

リモート取材に応じていただいたDiscover Japan高橋編集長。(下段は、電通のプロジェクトチームメンバー)
リモート取材に応じていただいたDiscover Japan高橋編集長。(下段は、電通のチームメンバー)

人とモノとの距離って、実は、ECサイトができることによって近くなります。コロナの感染拡大によって旅行業界が大打撃を受けたことで、一流ホテルや名旅館がその名物料理などをオンラインで販売するようになりました。今まで現地に行かないと食べられなかったモノや買えなかったモノが身近に手に届くようになった事例がたくさん出てきています。

人とモノがオンラインで出会い、感想を伝えたりすることで新しいコミュニケーションが始まる。その結果、「じゃあ、現地に行ってみよう」といってオンラインからオフラインにつながっていくことが頻繁に行われるようになる。オンラインをきっかけに人とモノとの距離感がすごく縮まって、人と人とのつながりも近くなる、というような好循環が数多く生まれつつあります。

SNSを使って個人が発信しやすい時代のいいところは、地方にいてもその人の「キャラクター」を全国的に知ってもらえるということと、同じ価値観を持つ人がどんどんつながっていけること。SNSなどを通じてオンラインからファンになって、その人に会いに現地に行くっていう、そういう旅の形がどんどん出てくるはずです。ただ単に泊まりたい宿があるんじゃなくて、宿のご主人とか女将とか、その人の顔を見たくて旅をする。そういう方々が中心となって「おもてなしツアー」をしっかり組むとか、新たなビジネスチャンスがたくさん出てくるでしょう。

「ディスカバー・ご近所」0泊1時間の小さな旅でリフレッシュ

「不要不急の外出は避けましょう」という言葉がメディアで繰り返される中、改めて気づいたのは「余白」の重要性でした。特に、仕事をする上で何がいちばん重要かと考えて気付いたのは、雑談(笑)。オンラインでも会議はできるし、仕事の大半は済んでしまう。でも、「ちょっと集まって話そうぜ」みたいな他愛もない会話から実は多くのアイデアが生まれるということに改めて気付きました。世の中の発明って、きっと、考えようと思って考えついたことではなくて、井戸端会議や雑談とか、ふとしたときに気付いたことがほとんどだと思うんですね。

雑談がいろいろなものを生む「余白」として仕事に欠かせない時間であるように、自分にとって「旅」もまた大切な「余白」のひとつです。けれど、外出自粛期間中は「旅」に行けない。その代わり、近所を「散歩」をする時間が増えました。歩いているうちに「あ、こんなところに祠があるのか……」とか「なんだこの店?」とか、思わぬ発見がたくさんあって…。クリアな目でいろいろ見ていくと、自分が住んでいる場所にも実は目にしてないところがたくさんあることに思い至る。

そういうことに気付くことは、実は「旅」と何も変わらない。それも、ひとつの「観光」なんです。これから先、人々の「旅」そのものに対する思考も、自分の近所を見直すとか、自分の住んでいる地域や日本を見直すという方向に変わっていくだろうなと強く思いますね。コロナ禍が、自分の「足元」の魅力を再発見するきっかけになっていってほしいです。

毎日使える「一生モノ」を買う豊かさ

ひと昔前の“ゴージャス”みたいなものが、ここ数年チープに聞こえるようになってきています。「カネ出せばいいものを持てる」という時代から、セレクトするセンスが問われる時代へ……人々の考え方がずいぶん変わってきている。さらに、コロナをきっかけにして、今まで海外のハイブランドに使っていたお金を日本のハイクオリティーなものに使うようになるかもしれません。ハレの日のために特別なものを大金を出して買うというよりは、毎日を豊かに楽しむために上質なものを丁寧に選ぶという感覚です。

安さ優先・コスパ優先で消費してきた人たちの中にも、外出自粛期間が今の暮らしを見直すきっかけになった人がたくさんいました。ご飯茶碗ひとつ買うにしても、今までは100均で済ませてきたけれど、ちゃんとした器屋さんに行って、お気に入りの作家さんを見つけて買うようになる。「1万円のご飯茶碗だけど、毎日使うものだし、一生モノと考えるとお得かも……」みたいになっていくのかなと思います。

実際に、日本の伝統的なものはお直しがきいたりして一生使えるものが多い。経年変化して古びていくことが美しいというのは、日本人独特の感覚です。今まで持続可能性という概念だけが先走っていたSDGsの話も、実際に「暮らし」のところに落とし込んで考える人が増えるのではないでしょうか。そんなふうに、日々の働き方や暮らし方の「最適化」が進んでいくと、「ジャパン・ルネッサンス」が始まるかもしれないですね(笑)。ペストのあとにルネサンスが始まったように、日本から大きなイノベーションが起きることを期待しています。


【「リモコンライフ」チームメンバーより】

今回の取材で浮き彫りになったリモコンライフで「旅行」を楽しむためのキーワードとは以下のようなものだ。

◉「観光スポット巡り」より「観光パーソン巡り」
◉「人」を案内する観光案内所
◉ 手触りが伝わるECサイト 
◉ ECサイトと旅行サイトの直結
◉ 生産者とつながるリモート飲み会

新型コロナウイルスで、私たちのライフスタイルはどう変わるのか──人々の暮らしの中にまぎれたささいな変化や日々の心の変化に目を向け、身近な “新常態”を未来予測し、新たな価値創造を目指したい。この連載では「リモコンライフ」という切り口で、その可能性を探っていきます。

秋元議員逮捕で安倍首相・昭恵夫人と“買収実行犯”の関係に改めて注目が…安倍首相が「桜を見る会」に招待したジャパンライフも近く立件か

 安倍政権を直撃する事件が、またも動きを見せた。IRをめぐる汚職事件で起訴されている秋元司・衆院議員が、本日、再び東京地検特捜部に逮捕されたからだ。  今回の秋元議員の逮捕容疑は、組織犯罪処罰法違反の証人等買収の疑い。特捜部は8月4日に、贈賄側の中国企業顧問の被告に裁判で...

「急浮上した敵基地攻撃~踏み越える専守防衛」講演集会

9月22日(火・休)14:00~16:30

「急浮上した敵基地攻撃~踏み越える専守防衛」講演集会

講師:半田滋さん(元東京新聞論説委員)
講演後、質疑や連帯挨拶など予定
会場:国分寺労政会館 第5会議室(042-323-8515 JR国分寺駅南口徒歩5分)
資料代カンパ:800円

主催:横田行動実行委員会
連絡先:古荘(042-592-3806)

投稿 「急浮上した敵基地攻撃~踏み越える専守防衛」講演集会多摩ニュータウン暮らしの情報センター|SINCE1995 多摩ニュータウンで生活する人の情報ページ に最初に表示されました。