パチスロ「超激甘スペック」や「86%の高継続率」が降臨! 敏腕メーカー「激アツ機」を続々!!

 6号機時代でも抜群の存在感を放っている「ネット」。これまで画期的システムを送り出し続けてきた敏腕メーカーは、2020年も話題作を発表しファンの注目を集めた。

 今年4月には『スナイパイ71』を導入。出玉の主軸は差枚数管理型AT殲滅大作戦。バトルに勝利すれば「OST」へ突入する。OSTは差枚数上乗せ特化ゾーンで、液晶左下の弾丸がある限り継続だ。お馴染みの「OPT」も健在で、最大継続率は99%を誇る。

 大きな特徴は「筐体のランプ色で目押し難易度と完全攻略時の機械割が変化」する点。青パネルならば奇数設定、赤パネルならば偶数設定とパネルの色で設定の奇数or偶数が判別できる仕様だ。

 青の「スタンダードモード」は2コマ目押しで102.0%以上、赤の「プロフェッショナルモード」はビタ押しが要求されるが完璧にこなせれば数値は104.1%超に達する。

 導入後の反響は上々。「トップクラスの甘さ」「ヤレる機種」といった声が浮上した。そんな本機に続いて『ハイパーブラックジャック』がホールへ降臨。86%の高継続率ループを搭載した「2.5次元パチスロ」への注目も高かった印象だ。

 出玉増加の主軸は1G純増約6.1枚のAT機能。過去シリーズのシステムを発展的に継承しており、通常時はゲーム数消化や小役の連続成立などでボーナスを目指す。

 ボーナス中は「ストックタイム」突入抽選が行われ、ビッグ中は2択のルーレットチャンスを正解させるほどチャンスとなる。「ストックタイム」は1セット30G継続。消化中は小役成立でボーナスストック抽選だ。

 契機を問わずストックに成功すれば30Gが再セット。ストックタイムとボーナスのループ率は約86%を誇る。ストックタイム中5の倍数ラウンドで当選したボーナスは、昇格の大チャンスだ。「ストックタイムハイパー」は、毎ゲームボーナスがストックされるプレミアムトリガー。「ストックタイムの真骨頂」を堪能することができる。

 お馴染みの「リオ」ではなくスーパーコスプレイヤー「えなこ」をフィーチャーした作品であることも特徴。Vシネマの帝王「竹内力」も登場するなど、演出面も大きな話題となった。これまでとは異なる独自のシーンを楽しめる点も魅力だ。

 両機ともに多くのファンを楽しませたわけだが、ネットは2021年も話題作を導入予定となっている。

 全世界累計出荷数150万個突破の人気プラモデルシリーズを原作としたアニメとのタイアップ機『パチスロ フレームアームズ・ガール』がスタンバイ。

 出玉率は6号機トッブレベルの114.9%、〈作製〉〈相性〉〈強化〉から生まれた組み合わせ数1万通り以上の熱いバトルシステムを実現するなど魅力的な仕上がりだ。

 早くも期待の声が続出している状況。敏腕メーカーが、来年もホールを大いに盛り上げてくれそうである。

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iDeCo、実質利回り15%の金融商品?「企業年金なし・退職金なし」の人ほどやるべき?

「老後のおカネが足りるか不安……」という人に老後資金づくりとして「個人型確定拠出年金」(以下、iDeCo)や「つみたてNISA」を勧めるのは、ファイナンシャル・プランナーとして、今やテッパンともいえる。

 ただ、実際にこれらを利用している人は、まだ少ないのが現状だ。どうやら、投資を経験したことがない人にとって、投資信託などのリスク性商品での運用は、すこぶるハードルが高いものらしい。しかし、これらの制度は、老後資金が計画的に積み立てられ、運用によって元本が殖える以上に、税制優遇が受けられることが最強のメリット。とくにiDeCoの節税効果は高く、仮に金利ゼロの商品で運用しても、やっておく価値は大である。

 今回のコラムでは、そんなiDeCoの節税メリットについて紹介したい。

iDeCoの加入率は公的年金被保険者全体の2.5%

 まず、iDeCoの加入状況を確認しておこう。国民年金基金連合会が運営するiDeCo公式サイトによるとiDeCoの加入者数は172.4 万人(2020年9月時点(※1))となっている。2001年に導入された当時は、対象者が自営業者や企業年金のない会社員のみ。加入者数の増加もじわじわといった感じだった。

 その後、普及推進のテコ入れ策として、2016年9月、公募によってiDeCo(イデコ)という愛称が決定。2017年1月には、加入対象範囲が大幅に拡大され、これまで加入できなかった専業主婦や公務員も加入できるようになった。原則として60歳未満の国民年金、厚生年金加入者は誰でも加入できる(ただし、自営業者等は国民年金保険料を納めている人、勤務先で企業型確定拠出年金に加入している場合はiDeCoに加入できる旨の規約変更を行っている人に限る)。

 対象拡大によって、これ以降、iDeCoの加入者は急増した。しかし、それでも被保険者全体から見ると多いわけではない。iDeCo の加入対象者数を公的年金被保険者数(6,746 万人、2019 年 3 月末時点(※2))とすると、それに占める加入者数の割合(加入率)は2.5%にすぎない(iDeCoの加入者数とのタイムラグはご容赦願いたい)。

 年金の種類別の加入者数と加入率をみると、第1号加入者(自営業者等)が約19.3 万人で約1.3%、第2号加入者(会社員、公務員)が約146.9 万人で約3.3%、第3号加入者(専業主婦等)が約6.2万人で約0.7%となっている。

 第2号被保険者の加入率が最も高いが、iDeCoの本来の趣旨からすると、会社員に比べて、公的年金や企業年金などが見込めず、自助努力が必要な自営業者等の加入率は、もっと高くなっても良さそうだが。

※1「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者数等について」(2020年9月時点)

※2:厚生労働省「令和2年版 厚生労働白書」

2020年5月改正で、iDeCoの加入者の対象がさらに拡大

 そして今後、加入者の範囲がさらに拡大される改正も実施される。2020年5月の年金改正で、iDeCoの加入条件に関して以下の2つが変更になる予定だ。

(1)iDeCoに加入できる年齢の引き上げ

 iDeCoに加入できる年齢の上限は、現行60歳だが65歳に引き上げられる(2022年5月から)。ただし、60歳以降、会社員として厚生年金保険に加入、または国民年金に任意加入して、保険料を納める必要がある。20歳から60歳までの40年間、国民年金に加入していた人等は、任意加入も不可のため、iDeCoも加入・継続できない。

(2)企業型のiDeCoの加入者の範囲が拡大

 勤務先はiDeCo加入の旨の規約変更が要件だったが、使い勝手が悪くiDeCoへの加入者は少ないのが実態だったため撤廃された。規約の内容にかかわらず、iDeCoに加入できる(2022年10月から)

 よく50歳以上の人から「今からでもiDeCoに加入したほうがおトクですか?」と質問を受けるが、自営業・フリーランスはもちろん、勤務先に企業年金がない、退職金が見込めない会社員の方には、有利に老後資金を増やす観点から活用をお勧めしてきた。

 今回の改正で、加入期間が延長すれば、積立・運用期間も長くなり、50歳代でも始める価値は高まりそうだ。

iDeCoの税制上のメリット

 それでは、iDeCoの税制上のメリットについて説明しよう。iDeCoでは、「拠出時」「運用時」「受取時」のそれぞれで、優遇措置が講じられている。

(1)拠出時

 掛金全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税が安くなる。所得税等は、課税所得に税率を乗じて計算するが、元となる所得から掛金の全額を差し引くことができるので、課税所得が減るためである。

(2)運用時

 通常、金融商品は収益に対して課税(源泉分離課税20.315%)されるが、iDeCoなら非課税で再投資される。

(3)受取時

 iDeCoは「一時金」または「年金」で、受取方法を選択できる(金融機関によっては、年金と一時金の併用も可)。一時金で受け取る場合は「退職所得控除」、年金で受け取る場合は「公的年金等控除」の対象となり控除が受けられる。

 具体的に(1)(2)について、どれくらい税金等でおトクになるか、以下のシミュレーションサイトを使って試算してみよう。

※モーニングスター「iDeCo加入者診断&節税シミュレーション」

<前提条件>

・企業年金のない会社員(毎月2万3,000円)

・年収500万円

・60歳まで積立

・扶養者(配偶者あり・16歳未満の子ども2人)

・移換資金 0万円

【ケース1】運用利回り0.0%

「拠出時」:優遇額20年間 834,000円①(年間41,700円)

「運用時」:運用益0円②・優遇額0円③

① +②+③=合計834,000万円

【ケース2】運用利回り1.0%

「拠出時」:優遇額20年間834,000円①(年間41,700円)

「運用時」:運用益20年間584,922円②+優遇額118,827円③

① +②+③=合計1,537,749万円(このうち節税額952,827円)

【ケース3】運用利回り2.0%

「拠出時」:優遇額20年間834,000円①(年間41,700円)

「運用時」:運用益20年間1,247,181円②+優遇額253,365円③

① +②+③=合計2,334,546万円(このうち節税額1,087,365円)

0%で運用しても税制上のメリットは大きい

 上記の試算はあくまで概算なので、扶養家族の数や生命保険料控除など、その他の所得控除の額によって、もっと節税できる額は増える。

 ただ、ざっくり言えば、年収が高い、加入期間や積立期間が長い、運用利回りが高いほど、税制メリットも大きくなる。

 しかし、注目すべきは【ケース1】のように、利回りがゼロでも税制メリットがあるという点だ。年27万6,000円の掛金で、年41,700円の節税できるというのは、実質約15%の利回りが得られるのと同じこと。今時、安全確実で15%の収益がある金融商品などないことくらい、みなさんもご存じだろう。

 とはいえ、iDeCoには、さまざまなコスト(手数料)がかかる。以下の図表をご参照いただきたい(「運営管理機関」とはiDeCoを取り扱っている金融機関を指す)。

 毎月のコストとして、少なくとも図表中③+④171円はかかる。毎月の掛金2万3,000円に対して、コストが占める割合は約0.7%。そして⑤口座管理手数料は、ネット証券など無料あるいは条件付き無料の金融機関も多いが、300円前後かかる場合もある。金額は数百円でも、これが10年~20年と毎月かかるとなると、投資額に対してかなり割高だ。

 となれば、金利0.02%の定期預金ではなく、少なくともこれらのコスト以上の利回りの金融商品で運用したいところである。

運用してきた給付金の受け取り方法はどれを選ぶ?

 続いて「受取時」の節税効果は、受取方法によって計算が変わってくる。受取方法は「一時金」「年金」「併用」の3つ。受給できる金額は運用次第で変わる。基本的に60歳到達時点で通算加入者等期間が10年以上あると60歳から老齢給付金を受け取ることができる。

 ただし、50歳以上の人がiDeCoに加入した場合、10年に満たないことがあり、その場合は、通算加入者等期間に応じて受給開始年齢が決まる(例:8年以上→61歳から70歳になるまで)。「一時金」と「年金」の受け取りのポイントは次の通り。

・一時金で受け取る場合

 60歳~70歳の間(2020年5月改正で、2022年10月から、iDeCoの受給開始年齢が75歳まで延長)に、退職金のように一時金として受け取る。この場合は、会社員の退職金と同じように「退職所得控除」が適用される。

 退職所得の計算にかかる「勤続年数」はiDeCoの「加入期間」に置き換えて計算(「勤続年数」と「iDeCoの加入期間」が重なっている場合、長いほう)。退職金がない自営業者や専業主婦も同様となる。

・年金で受け取る場合

 60歳以降、5年から20年の期間で年金として受け取る。この場合は「公的年金等控除」が適用され、控除後の課税所得金額が雑所得扱いとなり、他の収入(給与収入など)と合わせて総合課税される。

 なお、受給開始年齢の上限までいずれも選択しなかった場合、すべてが一時金で支給される。

結局どちらを選ぶのがトクなのか?

 退職金のない自営業や退職金が少ない会社員は、一時金で受け取ったほうが税金はゼロで受け取れる可能性が高い。40歳から60歳までiDeCoで積み立てた場合、退職所得を計算する際の退職所得控除額は、40万円×20年=800万円(勤続年数20年以下の場合)となる。

 となると、退職金がない場合、20年間のiDeCoの受取額(運用益含む)が800万円以下なら税金はかからない。退職金がある会社員の場合、勤務先からの退職金とiDeCoの一時金の合計額が退職所得控除額に収まる範囲で受け取れば良い。これを超えてしまうなら、退職金とiDeCoの受け取り期間をずらすという方法もある(60歳でiDeCoを受け取った後、65歳で退職金を受け取ると再度、退職所得控除が使える(5年ルール)。

 一方、年金で受け取る場合はどうなるか?

 2020年分以降、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が1,000万円以下の場合、公的年金等の収入金額が65歳未満の人は年間60万円以下、65歳以上の人は年間110万円以下なら税金を払う必要がない。したがって、例えばiDeCoの受取額が300万円以下の場合、60歳から5年間で60万円ずつ受け取れば税金はかからない。

 こちらも、iDeCo以外の公的年金の額や、60歳以降の働き方によって変わってくる。また、iDeCo分の年金額が増えることで、確実に、所得税、住民税、社会保険料の負担は増えるし、iDeCoは受け取り時にも1回につき440円の手数料がかかる。

 そもそもiDeCoの節税メリット以前に、受け取る人がセカンドライフを送る上で、一時金と年金のどちらがありがたいか、という観点が最も重要だ。これらも含めてiDeCoの“出口戦略”はなかなか難しい問題で、しっかりとご検討いただきたい。

(文=黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー)

サンミュージック社長とアイドル評論家が語った、岡田有希子の“あの日”とベッキー事件

 芸能界が転換期を迎えている。

 相次ぐ自死、大手プロダクションからの独立、YouTubeをはじめ既存メディアに頼らない表現手段の確立――。ほんの十数年前にはおよそ考えられなかった変化の数々が、この数年のうちに怒涛のように芸能界を襲っている。

 こうした変化を、長く芸能界に携わってきた賢人たちはどのように眺めているのか。この2人に、そのあたりのことについて語り合ってもらうこととした。

 ひとりは中森明夫。

 今や世界共通語となっている「おたく」の名付け親にして、アイドル評論家。1980年代には「新人類の旗手」と呼ばれ世間を賑わせ、昨秋には初の自伝的小説『青い秋』(光文社)を上梓し高い評価を得た。

『青い秋』は自伝的な内容ではありつつも、主人公の中森明夫が「中野秋夫」などといったふうに多くの登場人物の名にわずかながら変更が加えられており、あくまでも小説という体裁となっている。その主人公の目線から、「“おたく”の誕生」「新人類と呼ばれた時代」「国民的美少女」「自殺した伝説のアイドル」など、中森氏の“芸能人生”を彩ってきたいくつかのエピソードが瑞々しく描かれている。

 もうひとりは相澤正久。

 大手芸能プロ「サンミュージックプロダクション」の代表取締役社長にして、中森氏とは30年以上の親交を持つ。サンミュージックは相澤の父・相澤秀禎氏(2013年に逝去)が設立、桜田淳子、松田聖子、早見優など、数多くの伝説的女性アイドルを輩出し、現在は安達祐実やベッキーなどの一般タレントのみならず、カンニング竹山、小島よしお、メイプル超合金、ぺこぱなど独自のスタンスで活躍する人気のお笑い芸人が所属することでも知られる業界の老舗だ。

【後編】の今回は、亡くなった伝説のアイドル・岡田有希子のこと、芸能プロとタレントの間で交わされる契約のこと、そして芸能不祥事における芸能プロのリスクマネジメントなどについて話を聞いた。

【前編】はこちら

あまりにも頭がよすぎた、繊細だった岡田有希子の悲劇

――1986年4月8日、1983年にデビューして売り出し中だったサンミュージック所属のアイドル・岡田有希子さんが、当時四谷四丁目の交差点にあった事務所ビルから飛び降りて亡くなりました。わずか18歳でした。このことについては、中森氏の最新小説『青い秋』のなかの「四谷四丁目交差点」の章でも触れられています。あの日のことをお聞かせください。

相澤正久(以下、相澤) 事務所のコマーシャル担当として、大手町まで広告代理店との朝食会に行ってたんですよ。事務所に戻ってきたのが12時半くらい。すでにビルの周りが大騒ぎになっててビックリしちゃって。一番最初に思ったのは、どんなに怪我しててもいいからとにかく生きててくれ、ってことでした。彼女の一番最初の仕事って、僕が担当してるんですね。彼女と話をしてまず感じたのは、非常に頭のよい子だなということ。成績もほぼオール5に近かった。旺文社の模試で全国1位を取ったこともあるほどです。

――岡田有希子さんは、非常に学業優秀だったそうですね。芸能デビューを許可する条件として愛知県有数の進学校への合格を母親より課され、見事クリアしてみせたと聞きます。

中森明夫(以下、中森) 彼女に関しては、とても頭がよく繊細すぎたのかもしれないという気もしますね。

相澤 非常に繊細で、周りに対して細かい気配りもできる子でした。もうちょっと大雑把なほうがよかったのかな。頭がよすぎて自分を追い込んじゃったのかなあって思います。人間的にもすごくいい子でした……。

中森 芸能事務所というのは人を扱う仕事だから、いろんなことがありますよね。ベッキーの時の恋愛問題などもしかり。

相澤 ベッキーも、何に対しても一生懸命で人を信頼する非常に生真面目な性格の子でしたから……。

中森 でもそういう時にタレントさんをどうケアしていくのか、というところが大切ですよね。と同時に今はコンプライアンスが厳しいから、何かタレントさんに不祥事が起こった時に、その方が出演していたドラマ、映画、テレビ番組から出演部分を削除したりヘタしたらすべて撮り直したりして、とてつもなく大きな影響が出ますよね。企業CMなどの場合、タレントさんサイドが背負わなければならない違約金なども大きな額になるといいます。そのあたりのリスクマネージメントについては、どのようにお考えですか?

相澤 うちはもともとは先代が西郷輝彦を手がけたりしていて、音楽から始まっている事務所なんですよ。ですから契約というものをすごく大事にしていて、まずは契約という取り決めをして、お互い納得してから芸能活動をスタートさせる形になってるんです。だからたとえ今日来たばかりのタレントさんでも、必ず契約をします。それからタレントに対してわかっておいてほしいのは、「自分だけが傷つくわけじゃないんだよ」ということ。「何か事件を起こす前に、世間や周囲にどう迷惑をかけるのかを考えて行動しなさい」と、いつも言っています。それでもいろんなことが起きてしまうわけですが。

月間の稼ぎが最も大きかったのは小島よしお、ひと月でギャラ1700万円

――サンミュージックさんはお笑い部門もあり、現在ではかなりの数のタレントさんが所属されています。そのひとりひとりとすべて契約書を交わしておられるということですか。

相澤 そうですね。ただしお笑いの場合は「預かり」という形もあって、2段構えになってるんですね。まずは預かり契約、そこから本契約になるという流れ。本契約になると、ギャラのパーセンテージが上がります。

中森 サンミュージックのタレントさんって、実はすごく儲かると聞きます。

相澤 今まででひと月に一番大きな金額をもらったのは、小島よしおですよ。1カ月でギャラ1700万円かな。頑張ったら頑張った分だけきちんと払う。頑張ったらちゃんとギャラがもらえるということでいいんじゃないかなと思っています。アメリカンドリームじゃないけど、それが励みになるからね。そういう意味では、競争させるということも絶対に必要だとは思うんですよ。周りも、「じゃあおれも頑張ってやろう」ってなるじゃないですか。去年『M-1グランプリ2019』で決勝まで行ったぺこぱもそうですね。うちの会社のお笑い部署「プロジェクトGET」は、もともと私がお笑いが好きで1996年に立ち上げたものです。そこからダンディ坂野、カンニング竹山、小島よしお、髭男爵ら多くの芸人が出てきました。

中森 サンミュージックの芸人さんって世間からは「一発屋芸人」と呼ばれがちですが、実はその後もずっと事務所にいて、活躍を続けている方が多いんですよね。小島よしおさんだってそうかもしれない。

相澤 「一発屋芸人」といえばすぐに思い浮かぶダンディ坂野だって、今でもCM10本やっていますからね。うちの事務所は、「タレント再生工場」ともいわれています(笑)。

――タレントさんを育てる上でのコツはあるのでしょうか?

相澤 あまりガチガチのアドバイスはしませんね。やりたいことを尊重したほうが絶対伸びるので。伸びないマイナス面だけを削っていってあげて、その後どうすればプラスになるかを考える。その子たちの持ってる個性、ポテンシャルを伸ばすやり方です。

中森 小島よしおさんもカズレーザーさんもカンニング竹山さんも、それぞれまったく個性が違いますよね。

相澤 ゴー☆ジャスの「ゲーム」、髭男爵・ひぐち君の「ワイン」なども、好きな部分を伸ばした結果、仕事に結びついているパターンでしょうか。結局はタレントの努力なんですよ。我々がやってあげられることって結局は、仕事を取ってくるとか先達としてのアドバイスをしてやるくらい。それが次に結びつくかどうかは、そのタレント次第ですね。

中森 お父上で先代の相澤秀禎会長と以前対談した際、「アイドルにとって大切なこと」をおうかがいした時におっしゃっていたのは、「清潔感。それともうひとつは、欠点が魅力になるということ」ということでした。例えば、「松田聖子はO脚だって言われてた。だからこそミニスカートをはかせたんだ」と。普通、O脚なら足を隠したいじゃないですか。でも実際ミニスカートになった松田聖子を見てみると、「ああ、なるほどなあ」と僕も思った。つまり、欠点こそが最大の魅力であり個性だっていうことなんですよね。だって、欠点を隠しちゃったらみんな同じになるんだから。

宮沢りえのお母さんに、「“3M”ってなんだ、ほかと一緒にするな」と激怒された

――「おたく」という言葉は、中森さんによって1983年に生み出されました。今は世界中で通用する言葉になっています。

相澤 「おたく」の意味する範囲が、今やすさまじく広がりましたよね。

中森 ファッションオタクとか美容オタクとか、今はもう、なんでもオタクっていいますよね。

――ネガティブなニュアンスもほとんどなくなったように感じます。

中森 今の秋葉原に行くと、隔世の感を覚えます。昔はただの電気街だったのが、今や世界的なオタクシティー。海外の人たちもコスプレをして闊歩していたりね。例えば今、Twitterで人気アニメの公式アカウントがツイートをすると、へたしたらすべてのリプライが英語だったりするじゃないですか。本当に時代は変わったなって思います。

――「おたく」以外にも中森さんは、1991年に「3M」(宮沢りえ、観月ありさ、牧瀬里穂の3人のこと)、1996年には「チャイドル」(野村佑香、栗山千明、前田愛、前田亜季ら、当時活躍した子役アイドルの総称)など、新しい言葉を次々と生み出し、社会に定着させています。

中森 でも、その裏ではやらなかった言葉もたくさんあるんですよ(笑)。まあ、ライターは言葉を生み出すのが仕事ですからね。キャッチーな言葉を作って雑誌記事に載せると、盛り上がるじゃないですか。「3M」については当時、宮沢りえのお母さんに「ほかと一緒にするな!」ってすごい剣幕で怒られましたけどね(笑)。

相澤 クリエイターとして、その目で見たものをきちんと言葉に落とし込めるというのは、素晴らしいことだと思いますよ。

秋元康さんのように、アイドルをプロデュースする側に回ろうとは思わなかった

――「おたく」という言葉だけでも歴史に残るのでは。

中森 それでしか残らないんじゃないかと思いますが(笑)。でも、書いてるときはこんなになるなんて思ってもみなかった。「おたく」なんて、最初は単なるコラムのひとつに書いたワードでしかなかったですからね。だから、偶然といえばただの偶然です。だけど偶然ってすごく大事で。ただぼーっとしてたらダメなんですよ。日頃から、そういった偶然が起こった時に、それをどう生かすのかということを常に考えておく。イチローだって、3回に1回しかヒットを打てない。だけど、打席に立たなければヒットは打てない。どれだけバッターボックスに立ち続け、バットを振り続けるかってことですよね。

相澤 クリエイターとしての中森さんのすごいところは、例えば電通という会社に入って仕事をしていけば、もともとその人が持っていたものを会社人として捨てなきゃいけなくなることもある。だけど中森さんは一貫してフリー、ずっと自由人的に生きておられるじゃないですか。そうすると、企業というフィルター、しがらみを通さないから、中森さんのなかから生まれるものは、常に新鮮さを保ち続けることができる。

――「アイドル評論家」をみずから名乗っている方って、実は中森さんだけしかいないでしょう。

中森 逃げ遅れただけだけどね。昔はアイドル雑誌がたくさんあったし、ライターもその分いっぱいいたんだけど。どんどんなくなっていっちゃって、みんななんとなく就職したり組織に属したりしてまともになっていってしまった。

――秋元康さんのように、アイドルをプロデュースする側に回ろうとは? お誘いはたくさんあったと思うのですが。

中森 確かに依頼はあったけど、断ってきた。やっぱり役割が違うし、それに事務所の方がどれだけ大変な思いをして大変なことをやっておられるかというのは、ウラ側も含め間近で見てますからね。そこは一線を引いておきたい、というところでしょうか。僕は、おのれの“分際”をわきまえていますよ。

相澤 いや、しかし『青い秋』には感銘を受けました。中森さんはもっといろいろとお書きになって、賞を狙うべきですよ。本当に繊細な文章をお書きになる。作家として評価されるのも時間の問題だなと感じています。

(構成:岡島紳士)

【前編】はこちら

JRA無観客競馬で響き渡った怒号、そしてG1「1位降着劇」……川田将雅VS北村友一「因縁」の対決も、ロードカナロア2世がたどり着いた予想外の結末【高松宮記念2020】

 今年3月に行われた春のスプリント王決定戦・高松宮記念(G1)は、数名のジョッキーたちが「何かとゴタゴタしたレース」と記憶しているファンも多いに違いない。

 モズスーパーフレアが勝ったことで松若風馬騎手にとっては初のG1制覇となったが、これは1位入線したクリノガウディーの降着によって繰り上がり優勝したもの。松若騎手としては、今度こそ先頭でG1のゴール板を駆け抜けたいと思っていることだろう。

 また、レース後に「僕の頼りなさで、迷惑を掛けてしまってすみません」と猛省した鞍上の和田竜二騎手は、この件以降、クリノガウディーには騎乗せず。本馬も極度の不振となってしまい、今では「幻のG1馬」と呼ばれてしまっている。

 一方、『みんなのKEIBA』(フジテレビ系)に出演していた、競馬評論家の井崎脩五郎氏が「明らかに普通なら(不利がなければ)勝っていた」と語ったダイアトニックの北村友一騎手にとっても、この高松宮記念は何かと因縁のあるレースだ。

 昨年の高松宮記念は北村騎手にとって、まさに「悪夢」そのものだった。

 騎乗したダノンスマッシュは京阪杯(G3)、シルクロードS(G3)を連勝中。日本がアジアに誇る「龍王」父ロードカナロアが歩んだ軌跡と重ねたファンは、本馬を1番人気に支持した。

 しかし、結果は最後の直線で伸びを欠いての4着……それも3コーナーで内側に斜行したとして、北村騎手が過怠金10万円の処分を受ける、踏んだり蹴ったりの結果に終わってしまった。

 ただ、“悲劇”はそれだけで終わらない。その後、ダノンスマッシュ陣営は高松宮記念の結果を踏まえ、新たな鞍上に川田将雅騎手を抜擢したのだ。

 実は、北村騎手のダノンスマッシュの斜行で不利を受けたのが、アレスバローズの川田騎手であり、ここから本馬の主戦騎手に定着。北村騎手にとっては何とも皮肉な結果となった。

 さらに、北村騎手と川田騎手の“因縁”は、新型コロナウイルスの影響で強いられた今年初の無観客競馬を舞台に「再燃」する。

 前哨戦・阪急杯(G3)のゴール手前、1頭分の進路を巡って北村騎手のダイアトニックと、川田騎手のフィアーノロマーノが衝突した。どちらも1、2番人気という負けられない戦いの中、北村騎手が進路を勝ち取り2着に入線した。

 だがゴール後に審議のランプが灯り、北村騎手のダイアトニックは、川田騎手のフィアーノロマーノの進路を塞いだとして3着に降着……大きな不利を受けた川田騎手の怒りが爆発し「ユーイチ!」という声が、無観客で静まり返った阪神競馬場に響き渡った。

 しかし、その一方でダノンスマッシュの主戦となった川田騎手も苦戦の日々が続く。

 高松宮記念直前の記者会見で「私自身左回りは乗っていないのですが、そこに関しては心配していません」と、かつての主戦・北村騎手をチクリ。この“先制パンチ”まではよかったのだが、肝心のレースでは出遅れて10着に大敗……。

 皮肉にも左回り適性は、次走に乗り替わったD.レーン騎手が京王杯スプリングC(G2)を勝ったことで証明されている。

 その後、再び川田騎手とコンビを組んだ秋のスプリンターズS(G1)では2着と気を吐いたダノンスマッシュだったが、R.ムーア騎手に乗り替わった暮れの香港スプリント(G1)であっさりとG1初制覇してしまった。

 なお、日本馬が香港スプリントを制したのは、ダノンスマッシュの父ロードカナロア以来の快挙となった。

 かつて父も勝利した京阪杯(G3)、シルクロードS(G3)を連勝し、「ロードカナロア2世」と期待されたダノンスマッシュは、北村騎手でも川田騎手でもなく、ムーア騎手によってその期待に応えたというわけだった。

パチスロ「超ループ」で楽々「完走」!? 新台「ハイエナ」の「注意点」とは…

 大松のパチスロ「ハイエナ」実戦。今回は『~ガールズケイリン~GⅠフェアリーグランプリ』について書いていきたい。

 本機は純増約2.6枚のAT「GK DREAM」を搭載した6号機。AT中は疑似ボーナスを抽選しており、ボーナス中は純増約4枚へ上昇する。

 ATの平均獲得枚数は約700枚といわれており、威力は充分。レースに勝利すればセット継続となり、5セット継続で有利区間完走濃厚となる。

 高い確率で疑似ボーナスが訪れるため、状況次第ではセット継続なしでも2400枚出てしまうこともあるだろう。

 AT「GK DREAM」は、特化ゾーン「リンのごほうびチャンス」からセットがスタート。AT消化中は「LAPポイント」を獲得してバトルを発生させ、勝利できれば疑似ボーナス当選の流れだ。

 通常時はCZ「ウイニングチャンス」を目指すゲーム性。周期抽選タイプで、主人公を育成し周期終了後の「予選レース」で勝利できればCZ突入となる。

 本機のキモは「サイコロ目」といわれる役で、中リールor右リール中段にチェリーが停止したハズレ目が重要。通常時はサイコロを獲得し周期を進めたり、AT中はポイント獲得やバトル勝利抽選を行っている。

 狙い目はズバリ「天井狙い」だが、1つ注意が必要だ。2種類の天井機能が搭載されており、「500G+αでCZ当選」と「8周期目の予備レース到達でAT当選」である。

 8周期目にさえ到達すればAT濃厚の展開となるが、その前に500Gに到達してしまった場合はCZ止まりとなってしまう。

 周期ゲーム数は不定期で、サイコロの目によって大きく変動する。実戦上は1周期消化まで約60〜 70G必要となったため、8周期天井を目指す場合は残りゲーム数を計算しつつチャレンジすることになるだろう。

 今回座った台は218Gで5周期開始直後の台。残り282Gで4周期消化すればATが約束されるため、非常にチャンスといえる。

 回していくと無事に8周期目へ到達。すぐに予備レース、ウイニングチャンスを経てATに当選した。

「リンのごほうびチャンス」では160Gの大量獲得に成功。その甲斐あってか疑似ボーナスにバリバリと当選し、2セット目ながら有利区間完走の出玉獲得となった。

 AT中は「LAPポイント」の獲得が倍となる「凛モード」、または4倍となる「凛凛モード」への突入が大量出玉のカギとなりそうだ。実戦では「凛凛モード」に突入し、疑似ボーナスのループが止まらず、そのまま完走してしまった。

 気になった方、ご興味のある方は是非チャレンジしてみてはいかがだろうか。
(文=大松)

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JRAグランアレグリア「政権交代」告げたサプライズ! 女王アーモンドアイ消せない傷痕…… 「真の最強馬」が来年の競馬界を統一か【安田記念2020】

 単勝1.3倍に支持された圧倒的1番人気の完敗に誰もが目を疑った。

 6月7日、東京競馬場で行われた春のマイル王決定戦・安田記念(G1)は、池添謙一騎手の3番人気グランアレグリア(牝4、美浦・藤沢和雄厩舎)の圧勝で幕を閉じた。

 牝馬限定G1のヴィクトリアマイルに参戦した最強馬は、涼しい顔でノーステッキ4馬身差の独走劇。かつて多くの名馬達が跳ね返されて来た7冠の壁。だが、芝G1最多勝を目論む女王アーモンドアイにとっては、寄り道替わりに立ち寄った給水所のようなボーナスレースだったのかもしれない。

 戦前からすでに当確ムードに満ち溢れ、メディアや専門紙でさえ1強を後押しする声で埋め尽くされていた。単勝オッズも1.4倍だった牝馬相手の前走から、1.3倍とさらに支持を集めていた。

 それもそのはず、対戦相手がほぼこれまで戦ってきたメンバー。未対戦だったとはいえ、グランアレグリアは前走の高松宮記念(G1)を2着(3位入線繰上り)に敗れていた馬だった。

 その背には主戦のC.ルメール騎手ではなく、代打の池添謙一騎手の姿があった。両馬に跨がって来たルメール騎手がアーモンドアイに騎乗をすることから、競馬ファンがアーモンドアイの勝利を確信するには十分な根拠となったのかもしれない。

 14頭立てのレースは、ダノンスマッシュが先手を主張して先頭。ミスターメロディが2番手、アドマイヤマーズが3番手に続いて前半3ハロンは34秒2の平均的な流れ。スタートのよくなかったアーモンドアイは後手に回ったものの、ルメール騎手の素早いリカバリーで中団の8番手まで取りついた。

 絶対の自信を持つ女王にとって不測の事態があるとすれば、1年前の同レースで外から内へ切れ込んだロジクライから受けた不利のようなアクシデントだ。とにかく無事に回って来さえすれば、自ずと結果はついてくる。ルメール騎手も抜群の手応えで伸び伸びと走るパートナーへの信頼は揺るがなかっただろう。

 最後の直線に入りと、前を行くケイアイノーテックの外へとアーモンドアイを導いた。行く手を遮るものは何もない。後は”いつも通り”に、末脚を炸裂させて前の馬を交わすだけの作業をこなすのみだった。

 外から1頭、また1頭とライバルを交わすアーモンドアイ。前年に不覚を取った相手であるインディチャンプを捉えたまでは問題なかったが、今年はさらに前方でゴール板を駆け抜けるグランアレグリアの姿があった。

 同馬は3番人気と決して人気薄の激走とはいえないものの、あのアーモンドアイ相手に2馬身半という決定的な差をつけて完勝したことに、競馬ファンの多くが狼狽するよりなかった。

 スタートの不利があったとはいえ、それは他馬から受けたものではない。前年の春秋マイル王であるインディチャンプを破ったことからも、能力の衰えとは言い難く。そのあまりにも鮮やか過ぎる政権交代劇に、「完敗」「力負け」の文字が浮かび上がる。

 歓喜に沸くグランアレグリア陣営とは対照的に、アーモンドアイ陣営のショックはあまりにも大きかった。

 ルメール騎手も「スタートは良くなかったのですが、道中はスムーズでした」と展開による不利ではないと潔く認め、「勝ち馬の後ろから行って、直線追い出しましたが、いつものような脚ではありませんでした。コンディションは良かったのですが……」と状態面に問題はなかったと振り返るしかなかった。

 しかし、ルメール騎手にとって幸運だったのは、敗れた相手のグランアレグリアもまた自身のお手馬だったことである。続投を願う池添騎手の想いは届かず、陣営からルメール騎手とコンビを復活してのスプリンターズS(G1)参戦が発表されることになる。

 秋は天皇賞(G1)からジャパンC(G1)へ向かったアーモンドアイ、スプリンターズS(G1)からマイルCS(G1)へ向かったグランレグリアと、それぞれの道を進むこととなった。

 どちらも見事な完勝でG1を連勝したのは衆知の通りだ。

 その一方でグランアレグリアを管理する藤沢和雄調教師からマイルCSのレース後に、「あと400m延びても走れると思う。1200mは向かない。使うところを間違えたよ」と驚きの言葉も飛び出した。かつてバブルガムフェローやシンボリクリスエスで制したように、秋の天皇賞は藤沢師にとっても好相性の舞台。ルメール騎手も「距離を延ばしてもいけると思います」と2000mへの適性に太鼓判を押した。

 グランアレグリアは短距離路線の選択が既定路線だったとはいえ、秋に両馬の対決が見られなかったことは非常に残念というしかない。アーモンドアイは9冠を達成してターフを去ったが、グランアレグリアは来年も現役を続行する。

 どちらが真の女王だったのかの答えは、来年グランアレグリアがどのようなパフォーマンスを披露するかによって、証明されることになるのかもしれない。

JRAは何故2021年「有馬記念の後に」ホープフルSを復活させるのか。意外な事実と「大損」となった今年の失策とは

 

 ファン投票1位のクロノジェネシスが優勝した有馬記念(G1)によって、2020年の全日程を終了した競馬界。歴史的レースとなった11月のジャパンC(G1)に勝るとも劣らない名勝負には、多くのファンが満足して一年の競馬を終えたに違いない。

 グランプリを“大トリ”に、まさに「これぞ競馬」という大団円に終わった今年の中央競馬。しかし、来年からはこうもいかないかもしれない。かねてから物議を醸したホープフルS(G1)が、再び中央競馬開催のラストを飾ることになったからだ。

 2017年からG1に昇格し、開催を12月28日に固定されたことで有馬記念に替わって、一年の競馬を締める役割を託されたホープフルS。しかし、古くから有馬記念を年間最後の競馬と親しんできた多くの競馬ファンからは、早くから反対の声が上がっていた。

 そんなファンの声が届いたのか、今年はG1昇格後初めてホープフルSが有馬記念の前日に開催されることとなり、競馬は有馬記念で終了する従来の形を取り戻したように見えた。

 しかし、来年2021年には再びホープフルSが競馬の大トリを飾ることに……この背景には、一体何があるのだろうか。

「JRAを始めとした競馬界としては、年末の有馬記念開催から、年明けの1月5日前後に開催される金杯までの間隔をなるべく空けたくないという思惑があるそうです。

今年は有馬記念が27日で、来年の金杯まで1週間程度しかないということもあって、26日の土曜日開催に前倒しされたホープフルSですが、来年は有馬記念が12月26日と早まるため28日開催が復活した経緯があります」(競馬記者)

 そうなるとホープフルSの有馬記念前日開催は、残念ながらファンの声が届いたわけではなかったということか……。また、28日開催は「今後も続く」可能性が濃厚なようだ。

「実は、今年のホープフルSの売上は80億3759万8800円で、前年比マイナス43.7%と大幅なダウンとなりました。JRAが今年開催した平地G1の中では、唯一100億円に届かなかった最低の売上です。

また、JRAにはこれまで何度も有馬記念後の競馬開催を試みては、ファンから顰蹙(ひんしゅく)を買ってきた歴史があります。ホープフルSのG1昇格、並びに有馬記念後の開催は、年明け金杯との“間”を繋ぎたいJRAにとっても、大きな大義名分となるわけです。今年のような事情がなければ12月28日の固定開催は当分続くでしょうね」(別の記者)

 つまりホープフルSの有馬記念前日開催は、多くの競馬ファンにとってはよかったが、前年から約62億円の売上ダウンとなったJRA的には失策だったということか。

 これならお得意の「土日月の3日間開催にすればよかった」という声が漏れ聞こえてきそうだ。

『鬼滅の刃』缶コーヒー、販売直後に5千万本突破…ダイドー、年間利益が予想の5倍に爆増

 映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の興行収入が歴代1位になった。東宝の11月の興行収入は前年同月比10倍に達した。集英社から原作マンガの最終巻が発売された日の早朝、書店周辺の人出が普段の2倍になったという。カレーのコラボ商品、丸美屋食品工業の「鬼滅の刃カレー」は一時、発売直後の週に、新製品の発売後1週間の平均実績の60倍近い売れ行きを記録した。『鬼滅の刃』の経済波及効果は2000億円を超えると試算されている。

『鬼滅の刃』のコラボ缶、3週間で5000万本突破

 ダイドーグループホールディングス(GHD/東証1部)傘下のダイドードリンコが『鬼滅の刃』をあしらった缶コーヒーを1500万本追加販売する。『鬼滅の刃』とのコラボは、「ダイドーブレンド」発売45周年を記念して実現した。「ダイドーブレンドコーヒーオリジナル」に加え、新発売の「ダイドーブレンド絶品微糖」「ダイドーブレンド絶品カフェオレ」の3品に『鬼滅の刃』をデザインした計28種類のコラボ缶コーヒーを発売した。10月5日の発売直後から話題となり、約3週間で累計販売5000万本を突破した。

 ダイドーブレンドコーヒーをあまり飲んでいなかった若年層が商品を認知し、購入につながったという。この結果、缶コーヒーの年間販売計画を1500万本上乗せすることにした。ダイドーGHDは2021年1月期の連結業績予想を上方修正した。純利益は前期比41%増の25億円になる。従来予想は同72%減の5億円だったから、実に5倍だ。営業利益は前期比49%増の43億円と、従来予想から25億円オンする。原料のコーヒー豆の国際価格の下落が利益を押し上げた。

 10月単月のコーヒー飲料の販売数量(本数ベース・速報値)は、前年同月比49%増となった。コーヒー飲料の販売本数は11月も10%増と好調を維持している。それでも、21年1月期の連結売上高は前期比7%減の1560億円にとどまる。マレーシアでの飲料販売撤退が響く。トルコのミネラルウォーター販売も同国通貨リラ安で売り上げが目減りした。

連結売上高の8割が自販機、看板商品は缶コーヒー

 国内飲料事業は連結売上高の7割強を占める主力事業だ。2~10月期の売上高は前年同期比7%減の869億円。カテゴリー別ではコーヒー飲料が半分を占め、コーヒー類の売上高は4%減の436億円。チャネル別では自販機チャネルが8割弱。自販機チャネルの売上高は9%減の686億円だった。ダイドーGHDは自販機缶コーヒーの一本足打法である。定価で販売する自販機は、スーパー向けなどと比べて利益率が高い。全国に約28万台展開する自販機が業績のカギを握る。

 近年、コンビニ各社がいれたてのコーヒーを強化しており、競争が激化した。そこへコロナ禍による外出手控えという逆風が加わった。若者層の取り込みを狙った起死回生策が『鬼滅の刃』のコラボ缶だった。コラボ缶は大ヒットしたが、一時的な話題にとどまる可能性は否定できない。

コロナ時代を乗り切るための新事業の数々

 日本で独自に発展した自販機ビジネスは曲がり角を迎えている。品揃えの多いコンビニとの競争が激しくなっている。自販機の設置台数はピーク時の13年から7%減の2305万台である。自販機を通した飲料の売上数量も5億810万ケースと13年比で13%減った。売り上げが減っているところに新型コロナウイルスが直撃した。在宅勤務の普及で稼ぎ頭だったオフィスや駅の自販機の販売減が続いている。

 ダイドーGHDは自販機を設置した場所を生かした新事業を模索する。大王製紙などと組み、ベビー紙おむつを売る自販機を設置、今後は全国200台に増やす。自販機の脇で傘の貸し出しサービスも始めた。スマホを充電できる自販機も試験的に導入する。

 NTTドコモと組み、自販機に次世代通信規格「5G」の基地局を設ける。既設の自販機の上にアンテナなどの設備を取り付ける。全国に28万台あるダイドーの自販機を活用して、5G通信できる地域を広げる。

 あらゆるモノがネットでつながるIoT対応の自販機を投入する。通信機器を付けてリアルタイムで売れ行きを把握する。場所や気候を応じて商品群を変更できれば、売り上げ増につながるという計算が働いている。22年1月までに直営の自販機、約8万台すべてをIoT化し、データを生かした作業効率化で自販機の商品の補充に関わる人員を3割減らす。

 ダイドードリンコは新たなビジネスモデルの確立を急いでいる。

(文=編集部)

もし今年“コロナがなかった場合”、日本は今頃…街中に訪日客があふれ、活況に沸いていた

 令和に入って、巨大台風などの自然災害、パンデミックと、想像外の出来事が続いている。台風・豪雨で鉄道路線や国道は寸断され、全国各地に運行を再開していない路線が残ってしまった。新型コロナウイルスの感染拡大が、人々の日常生活自体を大きく変えることは確実で、新しいライフスタイル、とくにリモートワークの普及により鉄道業界への影響が心配されている。

新型コロナウイルスの感染拡大

 令和2年は、新型コロナウイルスの感染で大混乱の一年であった。そもそも新型コロナは、前年末に中国の一地方、四川省の武漢市で最初の感染者が発見され、1月までは中国内のローカルな問題であった。それが横浜港に向かっていた豪華クルーズ船のダイヤモンド・プリンセス号で感染者が発見され、2月に横浜港に入港すると、その対応で国は厚生労働省を中心に大混乱となった。

 中国で感染者が急増しても、当時の安倍晋三首相は、中国の習近平主席の来日予定に気を使って入国制限を中国の武漢などの一地方に限定した。1月末からの旧正月には多くの中国人観光客が日本にやってくることになった。その観光客のなかから感染者が見つかり、さらに観光客と接点のあった観光バスの乗務員や観光地の販売員が感染し、国内で市中感染が進んでいることが予想された。3月になると、スペイン、イタリアでの医療崩壊があり、各国では強力な国民の活動制限が行われ、日本もようやく海外からの入国制限に動くことになった。

 前年のインバウンドの旅行者数は3188万人で、対前年比2.2%増と好調であった。しかし、令和2年に入ると、1月は前年同月比1.1%減、2月は58.3%減と大きく減少した。そのなかでも、インドネシア、フィリピン、ベトナム、オーストラリア、ロシアからの入国客は、2月としては過去最高を記録し、コロナがなければ前年に比べて大きくインバウンドが増加したであろうことが想像できた。

 さらに、2月28日には北海道で「緊急事態宣言」を発出。東京都でも公立学校の春休みの前倒しによる休校措置が始まったが、その後国も同様な方針を決めたために休校措置は全国に広がった。3月には、月末近くに東京都の小池知事がロックダウン(都市封鎖)にまで言及して危機感をあおった。安倍首相は、4月7日にようやく重い腰を上げて緊急事態宣言を発出し、11日以降、感染の広がる自治体では県境を越えた移動の自粛と事業所や商店への休業が要請され、補償金や協力金の名目の財政措置が講じられた。

 しかし、結果的に新型コロナウイルスの国内感染は3月にはピークアウトしており、国の対策の遅れを露呈することになった。

 当時、一部に、新型コロナの感染は気温が上昇するにしたがって穏やかになるという考えがあり、筆者もそれに期待した一人であるが、次の感染拡大は8月末以降との認識でいた。しかし、第1波が完全に終息を見ないうちに、7月には予想外に再拡大が始まった。

 国は、第1波が沈静化したことから、コロナ後の経済回復策としてGo To イベント政策を打ち出したが、当初8月上旬の開始をめざしていたところ、なぜか7月の中旬に急遽1週間の前倒しを決定した。地方の経済への影響の大きい観光業や都市の中小の飲食店への肩入れとして立案された政策であるが、期せずして感染拡大のなかでの開始となってしまった。東京発着の旅行を除外していたが、10月1日から対象に加えられた。

 その後、一時感染拡大は落ち着きを見せたが、収束には至らずに、そのまま第3波に突入した。11月末から政府は「勝負の3週間」として飲食店の時間短縮を要請していたが、12月の半ばには、毎日のように感染者数、重症者数、死亡数の記録を更新していった。

 東京都について、12月18日から27日までGo Toトラベルの東京着の停止と東京発の自粛を決め、12月14日には菅義偉首相は突然、Go Toトラベルを全国で12月28日から1月11日まで中断することを発表した。菅首相はGo To政策の継続を強く主張していたが、感染拡大により医療体制がひっ迫してきており、年末年始の医療が手薄くなる時期の感染を抑え込む必要を認識したのである。当然、観光業や飲食業には影響が見込まれるが、「with コロナ」、新型コロナウイルスと共存していくという政府の方針の限界を表している。コロナを完全に終息させない限り経済の本格的な回復は見込めないであろう。

新型コロナの経済への影響

 新型コロナによるマクロ経済に対する影響は、前年の10月に消費税の税率が引き上げられたことによる景気後退が前段にあって、それが回復する余裕もなく新型コロナで大きな打撃を受けることになった。

 日本の実質GDPは、前年の10~12月には消費税率の引き上げにより、前期比-1.8%、年率-7.0%の大幅減少となった。通年でも前年比0.6%増と、6年ぶりの低水準であった。景気動向を見計らって、消費税の引き上げを目指していたが、必ずしも景気の力強さがみられない場面での税率の引き上げとなり、当然の結果として経済の不振をもたらした。

 年々財政支出の増加により国債の発行高が巨額となっていたため、景気による影響の小さい消費税の増税で安定した歳入を図るために、ある程度の経済の低迷があっても強行する覚悟があったのであろう。しかし、運が悪いことに、予想もしなかった新型コロナの感染拡大が起こってしまった。

 令和2年には、新型コロナの感染拡大と営業自粛によって1~3月の実質GDPは前期比0.6%減、4~6月は同7.9%減と2四半期連続の減少となった。その後7~9月には3.36%戻したが、この年の前半の落ち込みを埋め合わせるには大幅に不足していた。そして、冬に入っても感染者の増加は続いており、通期でも大幅なマイナスが予想される。

鉄道業界では、新型コロナがなければ今年はどうなっていたのか?

 新型コロナの影響は、産業ごとに濃淡があり、巣ごもり需要が見込まれる産業分野では売り上げが大幅に増加したケースもある。しかし、鉄道業界は、リモートワークの奨励により通勤需要が減少し、長距離でも出張などのビジネス需要や不要不急とされる観光需要を中心に利用客数が大幅に減少したために、おしなべて減収・減益となった。多くの事業者が運転資金さえ事欠くような状況になった。

 そもそも新型コロナがなかったならば、今年は特別の年になるはずであった。JR東日本は3月に山手線、京浜東北線に高輪ゲートウェイ駅を開業した。田町の車両基地を縮小して、東海道線、山手線、京浜東北線の線路を順次切り替えて、広大な再開発用地を生み出して、品川開発プロジェクトを立ち上げた。

 品川開発プロジェクトは、国家戦略特別区域会議の答申を受けて国が認定した「グローバルゲートウェイ品川」のコンセプトに基づき、将来東京が国際都市としてアジア諸都市に勝ち抜くために、企業のオフィスや外国人ビジネスパーソンの生活空間を新しく生み出そうという野心的な構想に基づいて開発されることになっている。

 また、7月には2週間にわたり東京オリンピック・パラリンピックが東京都と隣接県を中心に、開催されることになっていた。直前にマラソンの酷暑対策として北海道の札幌市に会場を移すことが決まって一部に混乱も見られたが、JR東日本をはじめとする東日本の鉄道会社は、観客輸送に伴う特需で忙しくなるはずであった。

 オリンピック・パラリンピックの観戦では、インバウンドの常連国である中国、韓国、台湾、香港だけでなく、欧米を含めた世界中からの観光客が見込まれ、国内の観光事業にとっては飛躍する機会になったであろう。

 開催期間中は、成田空港、羽田空港、関西国際空港などの主要空港だけでなく、国際チャーター便の飛ぶ地方空港でも海外からの来訪客で賑わうはずであった。北海道では、PPP(Public-Private-Partnership)手法を導入して、新千歳空港など7空港の運営が民間企業の北海道エアポートに任された。基本的にはターミナルビルの経営が中心であったが、6月には北海道の玄関口である新千歳空港について、空港施設の運営についても担当することになった。あえてオリンピックのタイミングを選んで、海外からの観戦客が北海道の行楽地にも流入することを期待して実施したのであろう。

 オリンピック・パラリンピックによるインバウンド特需は、新型コロナの感染拡大により霧消し、JTB総合研究所によると、令和2年9月中のインバウンド客は1万3700人と、前年比99.4%の減となったという。9月までの9カ月間の累計は397万3154人で、令和元年の3188万人に比べて87%減少したことになる。

 政府は10月1日から、順次入国条件を緩和しており、まずはビジネスでの交流を再開させようという考えである。レジャー目的の海外からの旅行客については、ワクチンの供給体制が確立し、各国での感染状況が沈静化する段階での検討課題ということになるであろう。コロナ以前の需要規模に戻るには5年程度の長さで考える必要があるという計算もある。

 もともと東京オリンピックは、代々木と臨海部などでのコンパクトな開催が目玉であったが、結果的に会場は北海道と東日本全体に広がった。開催費用は、延期に伴う追加費用を含めて1兆6000億円余りとなった。各地での観客輸送のキャパ不足が懸念されていたが、とくに多くの会場が建設された東京の臨海部では、観客輸送のための公共輸送機関の整備が遅れていた。

 都は、築地市場を豊洲に移転し、跡地には新たに環状2号線を建設して、湾岸の選手村と新国立競技場などの主要施設を結ぶことを計画していた。築地市場は、更地にして環状2号線とオリンピック・パラリンピック開催中の選手・関係者用の駐車場(バス850台、乗用車1850台)に利用する計画であった。しかし、平成28(2016)年8月に小池都知事が就任すると、新たに建設された豊洲市場の問題を浮かび上がらせ、豊洲移転を一時凍結した。

 計画の遅れにより、環状2号線は築地市場を迂回して片側1車線の暫定道路としてオリンピックに間に合わせることになった。環状2号線には、虎ノ門・新橋から臨海部まで連節バスを使って大量輸送を行うBRT(Bus Rapid Transit=バス高速輸送システム)の運行を計画した。

 BRTの運行は京成電鉄に委託されることになり、京成は新たに令和元年7月に「東京BRT」を設立した。京成バスが100%出資する完全子会社である。令和2年5月の運行開始を予定していたが、新型コロナの感染拡大に伴い10月まで延期された。環状2号線の整備の遅れだけでなく、当然、オリンピック・パラリンピックの延期が影響したのであろう。

 湾岸部には大規模な選手村が建設されたが、オリンピック・パラリンピック後は、改修してマンション群「HARUMI FLAG」として分譲、賃貸を行うことが決まっている。分譲、賃貸あわせて5632戸が開発され、分譲マンションは、令和元年7月から販売が始まった。第1期分の最高予定価格は2億2900万円と高額であるという。

 コロナ以前の計画では令和5年春の竣工を予定していたが、オリンピック・パラリンピックの延期により工程の見直しが必要となっており、入居時期も延期することになる。

 鉄道各社は、オリンピック輸送の具体的な内容は公表していなかったが、JR東日本は、開会式の会場の最寄り駅である千駄ケ谷、信濃町、原宿の改造をすすめ、千駄ケ谷と原宿の2駅では臨時ホームを常設ホームに改造して、混雑緩和を図った。また千駄ケ谷、信濃町を通る総武緩行線では一部の駅でホームドアの使用を開始したため、ドア位置が異なるオレンジ色の中央線の車両の使用を終了させた。

 中央線は、朝夕は総武線と運行系統を分離し、総武線は御茶ノ水で折り返し、中央線は東京発着の各駅停車で運行していた。3月のダイヤ改正以後は、終日、総武線は三鷹まで、中央線は東京発着の快速として運転することになった。今後中央線では、令和5年度にグリーン車2両を増結して12両編成に増強する予定になっている。

 コロナ後の旅客減少の段階では、減収を抑えるためにグリーン料金のような付加価値サービスが重要になっていくのであろう。通勤ライナーの特急化も同様に、実質的な料金の値上げである。令和3年春のダイヤ改正では、東海道線の通勤ライナーの特急化が予定されている。

これから……予想

 新型コロナの感染拡大の対策として、国は、企業に対して出社の自粛、リモートワークの奨励を行った。ネット環境の進歩により、自宅に居ながらにして会議に参加できるというリモート会議の周知が進み、参加者が一堂に会する必要がないという魅力を認識することになって、コロナ後も、多くの企業ではネットの活用が続くことになるのであろう。

 今までは、大都市の問題は、過密・集中であった。朝には郊外から都心に向けて大挙して通勤者が移動し、鉄道や道路の混雑は深刻度を増し、国は混雑緩和のために、長年にわたって企業にフレキシブルな就労時間の導入を求め、時差通勤を推奨してきた。

 期せずして、新型コロナによって、リモートワークが進んで、通勤電車の混雑が緩和されることになった。JR東日本の見込みでは、コロナ後も2割程度旅客が減少するという。従来の混雑率180%の路線の場合、旅客が2割減少すると、144%まで緩和されることになる。大きな整備投資を行わずに、国が目標とする150%をクリアすることが可能となった。

 リモートワークが一般化すると、なにも職場近くに居住する必要はなくなる。かつてバブル経済の頃、都心の地価の高騰により人口が郊外に転出した。長時間電車に揺られて都心まで通勤し、近郊区間を中心に通勤電車の混雑が悪化したのであるが、いまや週に1回会社に通勤して、あとの4日は家で仕事をすればよいので、貴重な睡眠時間を縮め、通勤で疲労困憊するということも無用になるのである。

 郊外では、リモートワークに伴う新しい需要を見込んで、シェアオフィスやボックスタイプのワーキングスペースが各地に登場している。開放室タイプの施設は、喫茶店などの他の業態の転換もあるかもしれない。もともと外回りの営業の途中で、コーヒーショップで仕事の整理といった光景を良く目にしたが、セキュリティ面で問題があるため、外出先でのパソコンワークを禁止している企業もあった。もともとニーズが高まっていたものの、いままでは実数が多くないのでビジネスにはつながらなかったといえよう。

 鉄道各社もエキナカのコワーキングスペースの開発に熱心で、先行して導入したJR東日本は、東京駅や新宿駅などの改札内にボックスタイプを設置し、15分単位の料金で、延長は一回限り、それ以上は改めて予約が必要と、なかなか長時間の利用には使いにくかった。朝夕を中心に利用が多く、予約待ちで利用をあきらめた人も多いようだが、昼間は比較的すいていたので、次の段階としてこの時間帯の新しい需要の創出が課題であった。コロナに伴い、この時間帯のニーズを取り込む形で、駅前にあるJR系ホテルのホテルメッツが客室を活用した半日利用できるプランを設けた。

おわりに

 新型コロナの大流行は、大災害に匹敵する社会的な悲劇であるが、一方で、これからの人々の生活パターンを大きく変化させる歴史上の一大事件として記録されることになるかもしれない。ネット社会が叫ばれて久しいものの、日本ではデジタル技術が人々の生活に浸透していなかったことが浮き彫りとなった。あとで工業化した国のほうがより近代的な設備で操業を始めることができるので、デジタル技術の導入には有利であった。

 今回のコロナ問題で、旧態依然の日本の生産の場で、デジタル化により大きく近代化、効率化が進む可能性がある。これから人口減少期に入ることから、生産性の向上による生産額の維持は、日本経済の規模を維持するうえで必須であるが、これまでは生産の海外シフトが進むことで国内の空洞化が進むばかりであった。生産を国内へ回帰することで海外依存度を下げていくことも政策課題として強調されて良いのではないかと思う。

 アメリカのトランプ大統領が“America first”のキャッチフレーズのもと、海外からの批判にも動じずに経済のアメリカ回帰の政策を推進し、世界一の経済大国の地位を盤石なものにしている。日本も、なりふり構わず、あえて既存のサプライチェーンも見直すことで、国内の経済再生のための強力な政策を実行してほしい。

(文=佐藤信之/交通評論家、亜細亜大学講師)

“ナイキ1強”の厚底シューズ、アディダスが大逆襲…箱根駅伝でも勢力2分か

 2017年夏に一般発売された「ナイキ厚底シューズ」が、世界のマラソンを席巻している。メジャー大会の表彰台を次々に占拠すると、18年9月のベルリンではエリウド・キプチョゲ(ケニア)が従来の記録を1分18秒も短縮する2時間1分39秒の世界記録を樹立。昨年10月のシカゴでも、ブリジット・コスゲイ(ケニア)が女子世界記録を一気に1分21秒も塗り替える2時間14分4秒をマークしている。

 今年3月の東京マラソンでは、男子完走者107人中94人(87.8%)がナイキ厚底シューズを着用。その圧倒的なパワーに気づいた選手たちが、続々と他メーカーからナイキに履き替えている。

“衝撃の速さ”もあり、今年1月末に世界陸連から「シューズに関するルール改定」が発表された。4月30日以降は「靴底の厚さは40mmまで」に制限された。新たなレギュレーションのなか、各メーカーは新モデルを模索。そのなかで王者を脅かすシューズが登場した。

 アディダスの”新厚底シューズ”「アディゼロ アディオス PRO」だ。同モデルを着用したペレス・ジェプチルチル(ケニア)が、9月5日のプラハ・ハーフマラソンで女子単独レース世界記録となる1時間5分34秒をマーク。10月17日の世界ハーフマラソン選手権でもジェプチルチルが、同世界記録を更新する1時間5分16秒で制している。

 男子もアディゼロ アディオス PROを履くキビウォット・カンディエ(ケニア)が世界ハーフマラソン選手権で2位に入ると、12月6日のバレンシアハーフマラソンで57分32秒の世界記録を樹立。同レースでは世界ハーフ王者でナイキを着用するジェーコブ・キプリモ(ウガンダ)に競り勝っているのだ。

 これは”ナイキ一強時代”に風穴を開けたと言ってもいいだろう。ナイキ厚底シューズの大成功で、各メーカーは同モデルを研究。最近はカーボンプレートを搭載した厚底タイプが続々と登場している。しかし、ナイキを打ち負かすところまでは至っていなかった。

ナイキvs.アディダスの情勢

 ハーフマラソンといえどもナイキに勝ったアディゼロ アディオス PROは、どんなシューズなのか。

 カーボンプレートに厚底というのはナイキと同じだが、カーボンプレートはソール全体を覆うかたちではない。足の中足骨をヒントに調整された5本のカーボンスティックをソールに組み込み、高反発性の独自フォーム素材で挟み込む構造になっている。厚底(ヒール部分 39 mm、前足部 31.5mm)にもかかわらず着地時の安定性があり、爆発的な推進力を得ているようだ。

 アディゼロ アディオス PROは重量225g(27cm)で2万7500円(税込)。ナイキ厚底シューズの最新モデルである「エア ズーム アルファフライ ネクスト%」は重量213g(27cm)で3万3000円(税込)だ。同レベルの威力があるなら、価格が5500円違うのはランナーの購入心理に影響するだろう。

 21世紀のマラソンは、アディダスとナイキの戦いが続いている。

 男子は03年のベルリンでナイキを履くポール・テルガト(ケニア)が2時間4分55秒をマーク。人類で初めて2時間4分台に突入したが、その後はアディダスを履く選手たちが時計の針を動かすことになる。

 ハイレ・ゲブレセラシェ(エチオピア)が07年に2時間4分26秒、08年に2時間3分59秒。11年にパトリック・マカウ(ケニア)が2時間3分38秒、13年にウィルソン・キプサング(ケニア)が2時間3分23秒、14年にデニス・キメット(ケニア)が2時間2分57秒と、世界記録を短縮していったのだ。

 しかし現在、キメットの2時間2分57秒は世界歴代5位まで陥落。同歴代4位まではナイキの靴を履いた選手が占めている。

 この流れは、国内でも顕著になっている。ナイキ厚底シューズが登場する前の17年箱根駅伝は、出場210人のうちアシックスが67人(31.9%)、ミズノが54人(25.7%)、アディダスが49人(23.3%)、ナイキが36人(17.1%)、ニューバランスが4人(1.9%)だった。

 その後、ナイキがシェアを拡大。前回の20年箱根駅伝では出場210人中177人(81.3%)がナイキを着用していた。そのシューズの影響もあり、10区間中7区間(2、3、4、5、6、7、10区)で区間記録が誕生した。

 総合優勝に輝いた青山学院大学は、アディダスとユニフォーム契約をしている。19年大会は9人がアディダスを履いていたが、前回は10人全員がナイキを着用。王座を奪還しただけでなく、大会記録も7分近く塗り替えた。

 アディダスとしては、まずは青学大勢にアディゼロ アディオス PROを履かせて、王者・ナイキに逆襲を果たしたいところ。アディダスの躍進で”シューズ戦争”がさらに激化しそうだ。
(文=酒井政人/スポーツライター)