JRA WIN5「4000万馬券」の立役者はマイネル軍団!? 金鯱賞(G2)デアリングタクトもご満悦の万馬券連発!

 7日、中山・阪神・小倉の3競馬場では合計36レースが開催された。1番人気馬が「14-4-10-8」という好結果を残した一方、伏兵馬の活躍も目立ち、万馬券が乱れ飛んだ。その数は、馬連が4本、3連単は100万馬券1本を含む27本にも上った。

 多くのレースで波乱の主役を務めたのが、岡田繁幸氏が率いる「マイネル軍団」と弟の岡田牧雄氏が率いる「岡田スタッドグループ」だ。本稿では両者をまとめて「マイネル軍団」とするが、先月下旬からその勢いはとどまるところを知らない。

 先月27日には、3場すべてのメインレースを「マイネル軍団」が制圧。7日には、中山メインの弥生賞(G2)で岡田スタッド生産馬のタイトルホルダーがダノンザキッドなどを抑えて重賞制覇を飾った。現3歳世代はノーザンファーム生産馬が重賞19連勝中だったが、「マイネル軍団」がついにこれに終止符を打った。

 単勝1.3倍のダノンザキッドが3着に敗れたことで、「4-2-1」人気の上位決着にもかかわらず、3連単配当は2万3580円に跳ね上がり、WIN5の4000万を超える高額配当にも「マイネル軍団」が一役買った。

 弥生賞以外でも「マイネル軍団」は大暴れを見せた。岡田繁幸氏の妻・美佐子氏が代表を務めるビッグレッドファーム生産馬は「2-1-1-7」と一見平凡の成績にも見えるが、勝利したのは5、7番人気の伏兵。さらに9番人気馬が2着、そして阪神メインの大阪城S(L)では15番人気のマイネルフラップが3着に突っ込んだ。

「もしこの日出走したビッグレッドファーム生産馬11頭すべての単勝と複勝をそれぞれ1000円ずつ買っておけば、2万2000円が6万3000円になっていました。大阪城S直前に『マイネル軍団』の勢いに気付いて、マイネルフラップの複勝を1000円買おうとしましたが、締め切りに間に合わず……。複勝14.3倍を取り損ねてしまいました」(競馬記者)

 ビッグレッドファームを上回る「3-1-1-3」という好成績を残したのが、コスモビューファームの生産馬たちだ。特に小倉10Rの稲佐山特別(1勝クラス)では3頭が出走し、4番人気ウインベイランダーが優勝、6番人気ウインローズブーケが3着に逃げ粘り、3連単配当は4万円を超えた。

 これ以外にも中山7R「4歳上1勝クラス」では、サラブレッドクラブ・ラフィアンが所有する11番人気マイネルレンカが3着に激走。3連単15万馬券の一端を担った。とにかくこの日は人気にかかわらず、「マイネル軍団」の馬を買っておけば、収支は大幅プラスになっていただろう。

 そんな勢いに乗って、岡田牧雄氏がセレクトセールで購入したデアリングタクトが14日の金鯱賞(G2)に登場する。

 ご存じの通り、昨年史上初となる無敗牝馬3冠を達成。世紀の一戦として盛り上がったジャパンC(G1)でも3着に入り、この春は香港のクイーンエリザベス2世C(G1)参戦を視野に入れている。叩き台の一戦でも、単勝オッズは2倍を切る1番人気が濃厚。「マイネル軍団」の後押しを受けて、あっさり始動戦をクリアしてくれるだろう。

 ただ、馬券的妙味なら、14日に行われるフィリーズR(G2)に特別登録があるフリード(岡田繁幸氏所有)とブルーバード(サラブレッドクラブ・ラフィアン所有)の2頭に注目すべきだ。前者は抽選対象のため、アネモネS(L)に回る可能性もあるが、どちらにしても人気薄が予想される。

 今の「マイネル軍団」なら14日の東西ダブル重賞制覇、フリードがアネモネSに出走すれば、今年2度目の3場メインジャックも決して夢物語ではない。

パチンコ「かつてのファン奪還作戦」!? 「一撃6万発」など好調ムードを高める“追撃弾”を求む!!

 遊技機開発の会社が日本を訪れる外国人向けに、8ヵ国語に対応したパチンコのハウツー動画を公開したというニュースを見ました。8月に開催される(?)東京五輪も見据えたものだと推察しますが、正直パチンコ・パチスロはインバウンドに期待しないほうがいいと、私は思っているんですよね。

 カジノでええやんと。1個1円とか1枚20円とかのチマチマしたベットで長時間プレイすることで期待値を確保するような効率の悪い賭けに興味を示すなんてマニアックなマイノリティに違いありませんよ。

 さらっとベットした1万円、10万円が一瞬で10倍100倍になって返ってくるようなカジュアルさ、多くとも数回のやりとりで終わらせることができるスマートさが、求められてるような気がします。

 勘違いしてほしくないのですが、これはパチンコ・パチスロを貶めているのではなく、逆にばーっと張ってドカーっと出てワーキャー喜んでいるような、大味な外国の方にパチンコ・パチスロみたいな緻密で奥深いゲームが理解できるかって話なんですよ。

 パチンコ・パチスロを好む外国人といえば、同じような緻密で奥が深い「麻雀」を発明した中国人が圧倒的。この事実が先の町男理論を証明しているのです。

 とはいえ、最近では日本人でさえ若者を中心にパチンコ・パチスロから離脱する傾向があり、その代替としてのインバウンドといった戦略もあるとは思います。

 しかし、いま1番やるべきは「かつてパチンコだったファンたちへ」向けた奪還作戦なのではないでしょうか。

 その意味では、P機の新時代に突入して一撃6万発など「強力な出玉性能」と「バラエティに富んだゲーム性」を提示できているパチンコは「大チャンスの時」を迎えているはず。ここで何かさらなる盛り上がりを見せるような追撃弾がほしいところです。

 それに関してひとつ、まあたいしたアレじゃないんですが、リリースされる機種にはそれぞれ製作を主導した開発リーダーの名前を告知するのも面白いかなと。映画監督みたいな。映画でもあの監督だから観ようみたいな動向が存在しますし、例えば「あの獣王を作った!」みたいな惹句があれば昔のファンも興味を引くでしょう。

 また、名前が表に出ることによって開発者側の意識も変わります。批判にさらされる緊張感ゆえに下手な機械は作れません。一方、作り手としての文脈や背景といった従来ならわからない部分でのアプローチが認識され、テーマ性や作品性、フィロソフィーなど関わるマシンに通底するものをファンに理解してもらうような文化性も構築できたりできなかったり。

 当然、ファン側で作った人を認識できればいいので本名である必要もないし、顔出しもマスト事項ではありません。なんか画期的なすごい仕組みやとてつもない大ヒット機種を目の当たりにして、称賛を向ける相手がわからないのってもったいない気がしたんですよね。

 パチンコ・パチスロを発展させるのも衰退させるのも、もちろん世の中の状況や流れも無関係ではありませんが、結局、機種の面白さに尽きるじゃないですか。マーケティングや宣伝広報はあくまで手段。

 見つけてもらわなかったら存在しないのも一緒な時代ではありますが、そもそもが魅力のある面白いものでなければ意味がないのです。

 えーっと、何の話でしたっけ?

(文=大森町男)

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ayumi hamasaki~LIVE in CASINO~』や『CRテレサ・テン』、『CR T.M.Revolution』や『CRピンク・レディー』など、クオリティの高い歌モノパチンコを創造し続ける大一商会。

 そんな同社はこのほど、新たな歌モノパチンコ『P中森明菜・歌姫伝説~THE BEST LEGNED~』の販売を発表し、スペシャルサイトをオープンした。

 本機は同社が誇る人気コンテンツのひとつ『中森明菜』シリーズの最新作で、大当り確率は1/319.68。図柄揃いは全て10R、約1,500個の出玉を得られるのが大きな特徴だ。A図柄揃いの「白熱ライブBONUS」、特殊当りの「白熱CHARGE」後は次回大当りまで電サポが続く「白熱ライブモード」へ突入する。

 一方、数字図柄揃いの「歌姫BONUS」後は時短100回転の「ライブモード」がスタート。同モードは外部から確変か否かは分からず、曲を最後まで歌い切れば大当りが約束される。

 確変中の大当り確率は1/39.96。時短引き戻しを含めたトータル継続率は約71.5%だ。

 通常時は「DESIREステージ」「北ウイングステージ」「少女Aステージ」「サザンウインドステージ」「十戒ステージ」の5つで構成され、「プレート予告」「保留変化予告」「ちび菜フィルムステップアップ」「DIVA ZONE」「すべり連続演出」など豊富な予告演出を用意。

「NEXTライブ予告」「白熱ライブ予告」「タイマー予告」などは大チャンスで、「DIVA ZONE GOLD」は「SPリーチ」への発展が確定すると思われる。

 リーチはノーマルリーチから発展する「歌ロングリーチ」、発展分岐演出や特殊ルートから発展する先述のSPリーチなどがあり、SPリーチの「DESIRE」「ミ・アモーレ」は期待大。新規演出のひとつ「白熱DESIREリーチ」は本機最強のスーパーリーチで、「セカンドラブ全回転」はその時点で大当りが濃厚だ。

 ライブモード中は「ホワイトライブモード」「レッドライブモード」「パープルライブモード」と3つのタイプから選択が可能で、ホワイトライブモードは先読み重視のシンプルソロライブ。レッドライブモードは予告多彩なデュエットライブで、新規の「パープルライブモード」はマイクの数だけチャンスがストックされる。

 なお、収録楽曲は「スローモーション」「禁区」「TATTO」「難破船」などお馴染みの曲に加えて、「SAND BEIGE-砂漠へ-」「ジプシー・クイーン」「トワイライト-夕暮れ便り-」「Rojo-Tierra-」の4曲を追加。シリーズ最多「17」もの名曲を聴くことができるので、ファンならば是が非でもコンプリートしたいところであろう。

 導入は4月5日を予定しているとのことだ。

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コロナ禍で「リモハラ」が多発! 訴えられない管理職になるために

 リモートワークで上司とのコミュニケーションを不快に感じる部下が8割、部下とのコミュニケーションに悩む上司が5割超。こんな衝撃的な調査結果を、2020年5月にダイヤモンド・コンサルティングオフィス社が発表しました。


 部下からは、「チャット上での言葉づかいがきつい」「仕事をサボっていないかチェックされる」といった不満の声が挙がっているといい、出社時よりもリモートのほうが、ストレスがたまると答えた部下は6割を超えています。


 リモートワークで直接話す機会が減った上司と部下。その関係性に大きな変化が現われていることがうかがえる内容です。(出典:ダイヤモンド・コンサルティングオフィス「企業で課題になりつつあるリモートハラスメント(リモハラ)、リモートでの上司とのコミュニケーションにストレスを感じたことのある部下は約8割」)


 企業の人材育成を30年以上支援し、350社、1万4000人以上を育成した実績を持つ人事政策研究所代表の望月禎彦さんによると、「部下の考えていることが分からない」「反抗的な態度を取る」「成長しない」といった上司の悩みが深くなっているようです。


 リモートワークでは、相手の細かな表情も分からず、言葉のニュアンスも伝わりづらい。上司としては、部下との心理的な距離がつかみづらい傾向があります。だからといって、小まめに連絡すると圧迫されたと感じる部下が「リモハラ(リモートでのパワハラ)だ」と言い出すこともあります。部下の不満に気付かないまま放置すると、場合によっては録音、録画をされて訴えられる可能性すら存在するのです。

 

■部下の気持ちを「見える化」する部下ノート


 そこで、望月さんがお薦めするのが「部下ノート」です。


 望月さんが、人事評価システムを提供する「あしたのチーム」創業者の髙橋恭介氏との共著で出版した『1万人の部下をぐんぐん成長させたすごいノート術 部下ノート』(アスコム刊)によると、部下との関係性を改善するために必要なのは、部下ノートを使った「小さな観察」とのこと。


 自分が発した言葉に対して、部下がどう反応したのか。少しでも気になる点があれば、1日1行でいいのでノートに書きます。それを続けることで、部下の状況が「見える化」されるのです。


 人間は見ているつもりでも、「印象」で判断していることが多いと望月さんは語ります。リモートではなかった当時に「これくらい言っても大丈夫」だったので、その印象を引きずったまま接して部下の気持ちが離れてしまう恐れもあるのです。


 そして大事なのは、上司自身が接し方をアップデートさせること。不安があれば、今までのアプローチを変えてみたら、上手くいくこともあります。望月さんによると、部下ノートを使って指導内容を少しずつ軌道修正することで、「リモハラ」に関する悩みのほとんどは消えるといいます。


 部下ノートは、上司の指導力向上が見込まれるため、パワハラ・リモハラ対策になるだけではなく、仕事の効率化や生産性アップにも有効。残業時間の削減や、販売力向上などの成果に結び付けている企業も多数あります。


 特にリモートワークは、プライベートとの切り替えが難しく、生産性が落ちる傾向が見受けられます。望月さんによると、部下ノートを活用して、リモート前と後で生産性を変わらず維持しているケースもあるとのこと。


 1日1行で誰でも続けられる部下ノートですが、効果的な書き方にはコツがあります。テレワークの働き方にもやもやしている。そんな人は『1万人の部下をぐんぐん成長させたすごいノート術 部下ノート』を一読してみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)


※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

パチスロ6号機「機械割114.9%」マシンを完全攻略へ!「○○発生」は高設定が濃厚!?

 プラモデルの部品群「ランナー」を貯めることで大当り及び大量出玉へと発展する、ネットの『パチスロ フレームアームズ・ガール』。

 全世界で人気を誇る美少女プラモデルシリーズの世界観を組み込んだ革新的なゲーム性でファンから注目を集める一方、設定6の機械割「114.9%」という6号機屈指のハイスペックも大きな魅力のひとつだ。

 既報の通り、本機はA・Bと2種類ある共通ベルのうち、状況を問わず右上がりに揃う共通ベルA出現率に設定差がある。その数値は設定1:50.0分の1~設定6:44.0分の1で、それなりのサンプルが集まれば設定推測要素として活用できる。

 ボーナス終了画面やAT終了画面は設定示唆の役割を担い、ボーナス終了時の「フレズヴェルグ」「武希子」「全員集合」は、その順に高設定期待度がアップ。「風邪をひいたあお」の出現は、設定2以上が濃厚となる。

 AT終了画面は通常or有利区間完走時でパターンが変化し、通常での「武希子」「フレズヴェルグ」は、やはり高設定示唆。「あお・公園背景」は設定2以上、「全員集合」は設定4以上に大きな期待が持てる。

 有利期間完走時のAT終了画面については、「あお(卒業式)」は奇数設定、「フレズヴェルグ(クリスマス)」は偶数設定示唆。「文化祭」「ビーチ」は高設定示唆で、「メイド」は設定2以上のサインとなるようだ。

 このほど、これらの要素に加えてAT直撃当選率、ロングフリーズ発生率などにも設定差があることが判明した。

 通常時のAT直撃当選率は偶数且つ高設定ほど高まり、設定6ともなればその数値は3789分の1まで上昇。確率18445分の1の奇数設定とは約5倍の開きがあることから、早期に1回でも確認できればしばらく様子を見るべきか。

 特化ゾーン「LAST BATTLE」へとつながるロングフリーズ抽選は押し順1枚役成立時に行われ、トータル発生率は他の設定が72638分の1なのに対して、設定5のみ18445分の1。AT直撃当選率と同様に分母が大きく即効性はないものの、1回でも発生すれば設定5の可能性が一気に高まる。

 このほか、本機はAT突入時のVストック獲得率にも設定差があり、こちらの数値は奇数&高設定が優遇。最も低い設定2で3.13%、最も高い設定5&6で7.03%と2倍以上の差があるが、設定1でも5.47%でVストックへと結び付くことから、あくまで参考程度に捉えておこう。

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Nintendo Switchソフト年間売上ランキング、なんと「桃鉄」を抑えて2位はあのジャンル?

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

おうち時間の普及に伴い、ゲームの売上も軒並み向上している昨今。大手ゲームメーカーの任天堂は2月1日、「2021年3月期 第3四半期 決算短信」で「Nintendo Switch」の累計販売台数が7,987万台に達したと発表した。巣ごもり需要の増加による結果だろう。
中でも注目したいのは、任天堂が公開した2020年の年間ダウンロードランキングだ。3位が、2020年11月19日に発売された「桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~」。1988年に発売されて以来、今なおファンに愛されている根強い人気シリーズだ。2位は「世界のアソビ大全51」に。ニンテンドーDSで3作品がリリースされていた同商品は、ボードゲームやカードゲームを、ゲーム初心者でも楽しめるのが特色である。ゲームの豊富さもユーザーの人気度を上げるひとつの理由と言えるだろう。最近ではボードゲームの需要も増えてきているが、ゲームの利便性と遠く離れた人とも通信できる気軽さから世界のアソビ大全51がボードゲーム以上に好評を集めているようだ。
では、そうした2作品を差し置いて1位となったのは…?

不動の人気!1位はあつまれ どうぶつの森

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JRA M.デムーロ「騎乗停止」でランドオブリバティが迫られる究極の選択!? 13勝コンビに振り回されたお騒がせ馬のピンチに「あの騎手」が急浮上

 昨年12月にはまさかの27連敗を喫し、月間未勝利という屈辱も味わったM.デムーロ騎手。長らく続いたスランプの影響もあってか、以前に比して騎乗馬の質は低下。重賞でも昨年5月にラウダシオンで制したNHKマイルC(G1)を最後に連敗中である。

 デムーロ騎手の持ち味は積極果敢でアグレッシブな騎乗。全盛期にはあっと驚かせる神騎乗で大舞台を勝ちまくった。復活を期すデムーロ騎手にも意地はあっただろう。先週の日曜中山で1カ月半ぶりとなる1日3勝を挙げ、ようやく復調の兆しを見せ始めた。

 だが、今回はそのアグレッシブさが思わぬ大失態となってしまった。

 中山8R(2勝クラス)で7番人気の伏兵スペキュラースに騎乗し、見事な勝利を挙げたデムーロ騎手だったが、スタート直後に内側に斜行。これにより4頭が進路の狭くなる不利を受けた。

 この件について、加害馬に騎乗していたデムーロ騎手には、3月20日から21日まで2日間の騎乗停止処分が下された。

 デムーロ騎手にとってさらに痛恨だったのが、騎乗停止処分の対象とされる21日がスプリングS(G2)の開催日であることだ。このレースには有力馬のランドオブリバティとのコンビで参戦を予定していたものの、一転して白紙となってしまった。

 ランドオブリバティは昨年のホープフルS(G1)で2番人気に推された素質馬だ。三浦皇成騎手が主戦を任されていたが、4コーナーで逸走して競走中止。その後、課された平地調教再審査を合格し、実戦復帰を果たしたのが先月のきさらぎ賞(G3)だった。

「今日はとにかく無事にゴールできて良かったです。今日に関してはコーナーを回ってくれました」

 1番人気で3着に敗れはしたが、逸走した前走と違ってゴールできたことを評価した三浦騎手だったが、事態は思わぬ急展開を迎えることになる。

 ランドオブリバティ陣営がスプリングSで三浦騎手からデムーロ騎手への乗り替わることを発表すると、今度はまるで“鞍上トレード”のようにタイムトゥヘヴン陣営からデムーロ騎手から三浦騎手への乗り替わりが発表されたのだ。

 三浦騎手は7日の弥生賞(G2)でタイムトゥヘヴンに騎乗して6着に敗れたが、デムーロ騎手の騎乗停止により、スプリングSのランドオブリバティの鞍上は白紙となってしまった。

「ランドオブリバティ陣営にとってもこれは想定外ですね。タイムトゥヘヴンが敗れ皐月賞参戦が厳しい状況となったことで三浦騎手が空くかもしれませんが、降板を告げた相手に再び騎乗依頼というのも避けたいところでしょう。

デムーロ騎手はスプリングSに騎乗は出来ませんが、一時的に他の騎手に代打騎乗を任せて本番はデムーロ騎手というやり方はありそうです。ランドオブリバティのスプリングSの結果次第とはなりますが……」(競馬記者)

 問題は誰に依頼するのかということになるのだが、そこで急浮上しそうなのが僚馬のエフフォーリアの主戦を任されている横山武史騎手の存在だ。

 横山武騎手はタイトルホルダーで弥生賞を制したが、同馬はデビューから戸崎圭太騎手が手綱を執っていた馬。主戦の戸崎騎手はサウジアラビアに遠征したため、3月9日まで自宅で自主隔離期間に入っている関係で一時的な代打の意味合いが強かった。

 また、横山武騎手にはデビュー前から素質にベタ惚れしているエフフォーリアという大本命がいるため、皐月賞本番でもコンビ続行が濃厚とされている。幸いにもランドオブリバティもエフフォーリアも同じ鹿戸厩舎の馬であり、他陣営の馬よりは融通が利きやすいという事情もある。

 先週の開催を終え、13勝で並んだデムーロ騎手と三浦騎手。2人に振り回される格好となったランドオブリバティ陣営にとっては、頭の痛い春のクラシックとなりそうだ。

PayPayの勝ちすぎも逆に困る? LINE Payとの統合は淘汰の幕開けか

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

「PayPay」と「LINE Pay」が統合に関する協議をすることが明らかとなり、発表直後から各種メディアで大きく報じられた。一部報道をはじめ「LINE Payが無くなる」と捉えた人も少なくなかったが、現時点で統合されるのは“国内のQR・バーコード決済”の分野に留まることが公式に発表されている。本件では完全なる吸収合併とはならなかったが、近年のQRコード決済の乱立ぶりもあって「ついに淘汰がはじまったか」と考える人が多かったも無理からぬことではないだろうか。
今回は、ここ数年続く“キャッシュレス戦国時代”を経て、これからQRコード決済サービスはどんな方向に進んでいくのかも考えていきたい。

LINE Payは存続し、PayPayはその力を借りて拡大

 今回「LINE PayがPayPayに吸収されて消えてしまう」という見方が生じたのは、やはり「4月下旬から一部PayPay加盟店でLINE Payが使えるようになっていく」という報道からだろう。ひとまずは、ユーザーが店舗のQRコードを撮影・決済を行なう「ユーザースキャン方式」の店舗に限られるようだが、親会社が統合し競合サービ…

続きは【オトナライフ】で読む

ビールの搾りかすからプラスチックができる!?~脱プラと素材開発とSDGs

電通グループを中心とする7社が協働して、企業のサーキュラーエコノミー(循環型経済)構築への取り組みを支援する「SDGsビジネスソリューション」(リリースはこちら)。

電通テック

今回は、プログラムに参画している電通テックの取り組みを紹介。電通テックは、顧客企業のプロモーション課題に応じた各種ソリューションを提供し、プロダクト開発も手掛けています。  

今、世界中で「脱プラ」の動きが加速しています。石油由来プラスチックの削減に貢献する素材として注目を集めているのが、植物素材。トウモロコシやサトウキビなど、さまざまな植物を原料にしたプラスチックが生まれています。

そんな中、電通テックが注目したのは、ビールづくりで出る「大麦残渣(おおむぎざんさ)」(大麦の搾りかす)でした。なぜ大麦に着目したのか、大麦残渣のプラスチックとはどんなものか?旗振り役を務めた電通テックの虎渡(とらと)慎吾氏と、開発パートナーである事業革新パートナーズ(※)の茄子川仁社長に話を聞きました。

※事業革新パートナーズ:バイオプラスチック新材料の研究開発・製造を行うベンチャー企業。樹木の主要構成成分であるヘミセルロースを使ったバイオプラスチックの開発に世界で初めて成功した実績を持つ。


SDGsビジネスソリューション

広告やプロモーションの世界でも、「環境対応素材」が求められている!

─まずは脱プラや脱炭素を取り巻く社会の動きについてお聞かせください。レジ袋の有料化や管首相の脱炭素宣言で、世の中の関心が高まっていることは間違いないと思うのですが、企業の動きや現状はどうなのでしょうか?

虎渡:広告主をはじめとする企業も、確実に環境への関心度合いが変化してきていると思います。私たち電通テックは、電通グループ唯一のプロモーション会社として、オンラインとオフラインを問わず、マーケティング戦略からエグゼキューションまでを行っています。その一環としてノベルティーグッズなどの制作をしていますが、2019年の後半ごろから、「環境対応素材を使ってほしい」とお客さまに言われることが増えてきました。

例えば「石油由来ではない素材でコップをつくってほしい」「環境対応素材を使ってイベントの各種資材を制作してほしい」といったオーダーがどんどん入るようになりました。そういった需要の高さを感じたことが、素材開発へと一歩踏み込むきっかけになりました。

案件レベルではなく企業レベルで、「環境に配慮したものでなければ調達してはならない」というガイドラインを持つケースも少なくありません。今では、飲料、流通、生命保険をはじめ、ほとんどの当社取引先企業で、環境対応素材の使用が推奨されていると感じます。

茄子川:こうした動きは、今後、ますます加速するといわれています。きっかけは、アメリカの大統領がトランプ氏からバイデン氏に変わったこと。政権が変わり、経済や環境に対する方針が180度切り替わって、一度脱退したパリ協定にも再加入することを表明しました。これによって世界的に、環境対応商品の開発を急ぐ流れが起きています。

世界の中で、特に環境への取り組みが進んでいるのがヨーロッパです。ヨーロッパには、もともと家庭内で生ごみを堆肥化させるコンポストという文化が根付いており、脱プラ、脱炭素への理解が広がりやすい背景がありました。生活者にとって、植物由来の材料が使われた商品を選んで買うことは、もはや当たり前のこと。ですから企業も当然の責任として環境対応素材を開発し、商品に使用しています。

虎渡:ヨーロッパでは、税制面でも環境対応素材が優遇されているようですね。

茄子川:はい。意識の面でも制度の面でも、日本よりも10年ぐらい先を行っていると思います。それはつまり、日本が10年も遅れているということ。世界の波を受け、日本の社会や企業も、遅まきながらやっと「本腰を入れねば」という局面に立ったのだと思います。

ビール工場で毎日大量に発生する「大麦残渣」

─次に、今回のプロジェクトについてお聞かせください。電通テックと事業革新パートナーズが協働で、大麦残渣から植物由来のプラスチック素材をつくる実証実験を行ったとのこと。どのようなきっかけで、大麦残渣に注目されたのでしょうか?

虎渡:冒頭で述べた通り、近年、私たちの事業で、「環境対応素材の使用」が求められることが多くなってきました。それで、植物由来のプラスチック素材について情報集めや勉強をするようになり、「植物由来のプラスチックをつくるには、“糖”が重要である」という知識を持っていたのです。

「糖が多く含まれた植物で可能性があるものってなんだろう」、そう考えたときに、パッと思いついたのが、プロモーションの仕事でお世話になっている飲料メーカーでした。以前、大麦を絞った後のかすはほんのり甘いと聞いたことを思い出し、「もしかしたら、ビールの製造工程で出る大量の大麦の搾りかすって、可能性があるんじゃないかな……?」、そう思って茄子川社長に話してみたら、「それ、いいですね!」となって。協働プロジェクトとして進めてみよう、となりました。

茄子川:われわれが扱うヘミセルロースという植物由来のプラスチック素材は、これまで、杉や竹などの樹木から取っていたんですよね。大麦というのは、まったく思いつきませんでした。しかも、ビールの搾りかすというかたちで大量に発生している。これを使うことができれば、大変エコでサーキュラーな取り組みになります。虎渡さんの発想に気づきをもらい、まさに目からうろこが落ちるような気持ちでした。

さらに、虎渡さんがツテのある飲料メーカー数社に対して、当社の技術や大麦残渣の可能性をプレゼンテーションしてくださり、実証実験に協力してもよいという企業を見つけてくださったんですよね。

虎渡:一緒にクラフトビールの会社に大麦残渣をもらいに行って、ビールを飲みながらいろいろ話しましたよね(笑)。

茄子川:そうそう。お互いほろ酔いで、ヘミセルロースの活用法や今後の可能性について話し合いました(笑)。

当社は、ヘミセルロースを原料とするバイオプラスチック開発の技術を持つ世界で唯一の会社です。この技術を、より広範に、サーキュラーに活用する道筋が新たにひとつ見いだせた。それがとてもうれしく、熱い気持ちになったことを覚えています。

SDGsビジネスソリューション
醸造過程で出た大麦残渣は、口に含むとほんのり甘い味がする。

樹木や大麦から取れる「ヘミセルロース」ってなに?

─事業革新パートナーズが扱うバイオプラスチック素材、ヘミセルロースについて教えてください。そもそもなぜ、植物に含まれる糖がプラスチックになるのでしょうか?よく聞くセルロースとヘミセルロースはどう違うのですか?

茄子川:植物には、加工しやすく、熱に強く、食べ物にもなる、多糖という成分が含まれています。これを抽出し、熱を加えたり、引っ張ったり、構造を少し組み替えて化学合成を行ったりすると、プラスチックの機能を持つ素材になるのです。ちなみに多糖は、化学式でいうところのCとHとOでできています。実はプラスチックも、石油原料・植物原料を問わずCとHとOで構成されています。基本的な分子構造が同じなので、糖からプラスチックができるのです。

植物由来のプラスチック素材としてよく知られているセルロースは、強度が高く、とても硬いところが特徴で、建材などにも使われています。しかし流動性がなく加工がしにくいというデメリットがある。一方のヘミセルロースは、強度は低いものの、分子の結びつきが弱く流動性があるため加工しやすいメリットを持っています。しかしヘミセルロースは単独での研究開発が進まず、世界的に未利用な資源として放置されています。

ヘミセルロースにセルロースを加えれば、コップなど、ある程度の強度が必要なプラスチック製品をつくることも可能です。セルロースとヘミセルロースは、互いを補完し合うことができる素材です。

虎渡:今回のプロジェクトでは、大麦からヘミセルロースを抽出するプロセスをイチからつくっていただきました。ヘミセルロースをバイオマスプラスチックに精製する技術は、事業革新パートナーズ独自のものですが、そのヘミセルロース自体を大麦から抽出したことに意義や意味があると思っています。世界中で植物からこれを取り出し素材にすることができる企業や団体は他にありません。ですから、前例のないことを試行錯誤しなければならなかった。大変なご苦労があったのではないかと思います。

茄子川:そうですね。抽出するプロセスでは、温度、水量、圧力などを変えては検証を繰り返し、最適な数値を探ってシミュレーションを重ねていきました。まるで砂漠から砂金を探し出すような、本当に気が遠くなりそうな作業で……。それだけに、実際にプロセスが完成したときはうれしかった。非常に大きな手応えを感じました。

SDGsビジネスソリューション

大麦残渣は優秀な原料。バイオマス発電に活用される可能性もある!

─大麦残渣を活用したバイオプラスチックの可能性や、今後の展望について教えてください。

虎渡:今後は、大麦残渣から何キロのバイオプラスチックができるかを検証し、少しでも収率(一定量の残渣から生まれるバイオプラスチックの割合)を増やしていきたいと考えています。収率が上がるほど事業化やマネタイズがしやすいだけでなく、なにより多くの企業が採用しやすくなると思います。そうすると、本当の意味でサーキュラーな仕組みとして、一気に広まり機能し始めると思うんですよね。現在の収率は70%。これを1%でも2%でも高めるのが目下の目標です。

茄子川:70%というのは、杉や竹といった樹木から抽出するよりも高い数値です。大麦残渣は、とても優秀な原料といってよいでしょう。また、将来的に、ヘミセルロースは、バイオマス発電のエネルギー源になる可能性も秘めています。実現できれば、より広い範囲でのCO2の削減効果が期待できる。企業はもちろん、社会、地球への貢献度も大きくなります。

虎渡:そう、大麦残渣、そしてヘミセルロースは、とても将来性の高い環境対応素材なんですよね。今後も本格的な活用や事業化を念頭に置きつつ研究を進めていく予定です。

そして、私たち電通テックは、ものづくりで得た知見や企業とのつながりをベースにして、大麦残渣だけでなくさまざまなバイオ原料を活用した環境対応素材の研究開発をコーディネートしていきたいと思っています。

次回は、別の素材を使った植物由来のプラスチック開発の最新事例を紹介します。

変革のアーキテクト 味の素社 児島宏之CIO×電通BDS 山原新悟氏【前編】

「自社の中から新しい価値が生まれてこない」
「今まで自分たちの強みが通用しなくなり、逆に重しにすらなってきている」
「小さな変革の動きを、どうすれば社内の大きな変革のうねりにつなげられるのか」
そういう声を、多くの経営陣から伺います。

そんな中、変革の全体設計(アーキテクチャー)を描き、既成概念を壊しながら全社横断で挑んでいる企業が存在します。本連載では、自らアーキテクト(全体設計者)として社内の事業変革を遂行するトップエグゼクティブに話を伺い、その神髄に迫っていきます。

第1回は、味の素株式会社(以下、味の素社)から児島宏之専務執行役員 CIO(Chief Innovation Officer)をお招きし、電通ビジネスデザインスクエア(以下、BDS)の山原新悟氏と対談。同社の変革への取り組みやハードル、そして目指している未来像を聞きました。

児島CIOと山原氏
味の素社・児島宏之CIO(右)と電通ビジネスデザインスクエア・山原新悟氏

未来を描き、味の素グループの事業モデルを変革する

山原:味の素社は現在、「食と健康の課題解決」という目標に向け、グループ全体で「事業モデル変革タスクフォース」を立ち上げ、変革を推進しています。その中核である「未来創造プロジェクト」について教えてください。

児島:私は2019年に研究開発企画部の部長となり、以来ずっと、味の素グループの“次の10年”を考えてきました。

通常の事業計画は、顧客や世の中が求めていることを基につくられますが、中長期の話になると、当然「顧客の視点」が見えにくくなります。すると逆に、「当社の技術ならこういうことができる」といったように、自社の今の技術起点で事業計画を考えてしまいがちです。

しかし、それでは持続的な成長は期待できません。2030年の社会課題や生活者ニーズを起点に、味の素グループがどういうバリューを創造すべきかを考え、そのために必要な事業テーマやプロセスをバックキャストで策定していく。それが「未来創造プロジェクト」です。

「味の素グループのASV経営 2030年の⽬指す姿と2020–2025中期経営計画」
出典:「味の素グループのASV経営 2030年の⽬指す姿と2020–2025中期経営計画」

その構想が徐々に膨らみ、オープンイノベーションやコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)の運営なども組み合わさり、全社で挑む「事業モデル変革タスクフォース」として推進しています。

山原:味の素社はアミノ酸領域はじめ、世界的な知的資産を数多くお持ちです。その研究部門をリードしてきた児島さんが、アセットから考えるのではなく、バリューから考えないとビジネスにならないという考えに至られたのがとても興味深いです。

児島:それは、私自身の経験からきた考えです。私は1985年の入社以来、2019年に今の部に異動するまでずっと、研究所で技術開発に携わってきました。その間、中長期の未来を見据えた研究にも数多く挑戦してきました。技術開発が成功し、特許化したものはたくさんあったのですが、一方で、事業化には至らず、お客さまの価値につながっていないと感じることも少なからずありました。

実はそれも、今の自分たちにできることを起点に研究を行っていたからであり、未来のお客さまの価値を創造できていなかったから。今になってそう思うのですが、当時はそのことに気づけていませんでした。

そういった経験が、「お客さまにとっての価値をしっかりと理解し、そのためにできることを考えるべき」という発想の転換につながったと思います。

児島CIO

R&DからR&Bへ。研究開発で終わらず、自ら事業化まで見据えるチームへ

山原:「未来創造プロジェクト」を中心となって推進されているのは、児島さん率いる研究開発企画部です。2020年7月にR&B企画部(R&B:Research&Business)という名称に変更しましたよね。

児島:リサーチ&デベロップメントというと、研究開発して終わり。そこから先は「誰かがやるだろう」と思いませんか?

リサーチ&ビジネスには、お客さまに価値を提供して、お金を頂くところまでを視野に入れ、責任を持ってリサーチからやるという意思を込めています。

研究開発企画部はこれまでコストセンターだったわけですが、来年度からは、利益を生み出すプロフィットセンターとしての役割を果たせるよう、会計上の手続きも進めています。研究開発したモノを売って、お客さまからお金を頂き、それがわれわれの予算として使えるという形です。

山原:今までの仕事の仕方や考え方からすると大改革ですね。

児島:そうですね。売るからには当然責任も生まれ、品質や安全性をどう担保するのかという、今までになかったアクションの必要も出てくるわけですから。

山原:社員の皆さんの反応はどうでしたか?

児島:「私たちの役割はここまで」という垣根がなくなったことで、逆に皆が積極的に動いてくれている印象です。

今回のプロフィットセンター化しかり、未来創造プロジェクトのような活動は、今まで当社では行われてきませんでした。このプロジェクトを通じて、私を含め、社員全員が積極的に相談し合い、目指すべき方向が共有されるようになったと感じています。

山原:変革やDXは、ともすれば手段が目的化して、その先に自分たちはどうなるべきかという部分が薄らいでいくことがあります。でも、味の素社の皆さんは、「変わっていくこと」を自分の中で消化し、そのためにするべきことを考えているということですね。

児島:プロジェクトのメンバーたちと話をしていく中で、変革の先にある「Picture of the Future」(未来構想図)を生み出すプロセスが大事だと気付きました。

ビジョンやパーパスという言葉で未来像を示す企業が多いかもしれませんが、最も重要なのは、「お客さまに何が提供できるのか」「その提供すべきバリューをどうつくっていくのか」という構想図を示すことだと思います。

対談風景

「夢を実現したい」という思いが新しい価値を生み出す

山原:「事業モデル変革タスクフォース」では、「社内起業家発掘プログラム」などにも取り組んでいます。社内から起業したいアイデアを募集して、実際に形にしていくというプロジェクトですが、応募された方々を見て、どう感じましたか?

「味の素グループ 統合報告書2020」
出典:「味の素グループ 統合報告書2020」

児島:私が特に印象的だったのは、まず非常に多くの社員が自ら手を挙げて応募してくれたことです。しかも、今回の募集を見てから考えたのではなく、「新しい顧客価値とは何なのか」「味の素グループのポテンシャルを活かしたら何ができるのか」、そういったことをずっと考えてきた人が多かった。すごくうれしかったですね。

自分を振り返ってみると、やはり会社に入ったときには「こういうことをやりたい」という思いは持っていたわけです。しかし、実際には自分のやりたいこととは違う仕事にも多く関わってきました。「いつか、どこかで自分の思いを実現したい」とは思いつつも、現状に満足してきてしまったこともあったと思います。

また、あまり多くはないのですが、味の素グループを去り、別の企業やフィールドで活躍している方もいます。実は、そういった方々がどうして会社を辞めてしまったのか、あまりよく分かっていなかったんです。しかし今回、プログラムに応募した人の話を聞いて、味の素グループの中では実現できなかった自分のやりたいことをどこかで実現するために会社を辞めていったのかと、とても納得しました。

だからこそ、これからの味の素グループを背負って立つ社員の皆が会社を辞めてしまうのではなく、社内で実現する機会をつくり、思いを実現してもらいたい。出てきたアイデアを事業化につなげ、お客さまの価値につなげる責任があると、身が引き締まる思いです。

山原:入社前からアイデアを持っていても、今回のような取り組みがなければ、日々の仕事に追われ、その思いは消えてしまっていたかもしれないですし、最終的には会社を去ってしまう方もいたかもしれません。

人との出会いや夢の実現に向けた仕組みを次々と生み出していくこと自体が、今、味の素グループの変革につながっていると思います。新しい価値は、人の結びつきや思いを起点に発展していくものだと、改めて感じています。

山原氏

※後編に続く