元プロ野球「ドラフト2位」選手がパチスロ店で逮捕… 財布を「置き引き」ホールでの貴重品管理は厳重に!

 現在、プロ野球は交流戦を開催中だ。6月7日時点で横浜DeNAベイスターズ中日ドラゴンズが同率で首位と、例年になくセ・リーグが健闘。2年ぶりの開催ということもあって大きな盛り上がりを見せている中、プロ野球ファンを驚かせる事件が発生した。

 オリックスバッファローズの元投手でトレーナーの男性が6月2日、兵庫県警須磨署に窃盗の疑いで逮捕。その容疑は2月7日午後4時半ごろ、神戸市須磨区中落合2のパチスロ店で男性会社員がパチスロ台に置き忘れた財布(現金4万2千円など在中)を盗んだ疑いで、男性は同署の調べに対して容疑を認めているという。

 逮捕された男性は、2003年のプロ野球ドラフト会議で、2巡目で指名されてオリックス・ブルーウェーブ(当時)に入団。1年目にはフレッシュオールスターゲームにも選出されるなど有望視されたが、2006年のシーズンオフに支配下登録を外され、育成契約として再契約。翌年に引退した。

 その後はトレーナーや独立リーグのコーチを務めたものの、先の愚行。同署によると、店内の防犯カメラから容疑が浮上したという。

 パチンコホールでは、置き引きへの注意喚起を再三、アナウンスし続けている。それなのにも関わらず、依然として遊技台の上、あるいは横に財布やスマホなどの貴重品を置くプレイヤーが後を絶たない。

 無論、常に注視していれば被害は避けられるであろう。ただ、トイレへと席を立つ際や遊技を終了する際、特に大勝ち時や大負け時など気分が高揚、もしくはイラ立っている状態では貴重品を置き忘れたまま離れてしまう危険性がある。

 なかには「コインが落ちていますよ」などと他の方向に視線を向けさせた瞬間に盗もうとする悪質なプレイヤーも存在するだけに、どんなときも細心の注意が必要だ。

「私も先日、入口近くのパチスロフロアで遊技していると、警察官が続々と入店するのを目撃。どうやら店内で置き引きがあったようで、その後、ひとりの若者が連行されていた。

聞いた話によると、財布を盗んだ後も店内を徘徊していたところで御用となったとか。犯罪に手を染めた後も店内にいるとは……呆れるほど大胆な若者ですよ」(パチスロライター)

 あくまで遊技とはいえ、パチンコホール内には大なり小なり欲望が渦巻いている。負けが込んだことで良識人なのに一瞬、魔が差してしまう…などといったことも考えられなくはないので、貴重品はしっかりと管理しておきたい。

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パチスロ「万枚」も狙えた人気シリーズ「A×AT」で降臨!「最高傑作」との宣言に期待が高まる!!

 A×ATで蘇る人気シリーズ。ヒットメーカーのサミーはこのほど、最新タイトル『パチスロコードギアス 反逆のルルーシュ3』の製品サイト及びスペシャルムービーを公開し、その概要を明らかにした。

 同シリーズとしては、2012年に初代『パチスロ コードギアス 反逆のルルーシュ』が登場。1セット40G継続のART「ブラックリベリオン」が出玉増加の肝で、消化中はセット数上乗せ抽選が行われるほか、上位ART「ガウェイン」や高継続率「ループシステム」などもある。

 2016年には、第2弾『パチスロ コードギアス 反逆のルルーシュR2』がデビュー。ART中に獲得した「ピース」の分だけ敵に攻撃→成立役に応じてダメージを与えられるギアスバトル勝利で次セット継続が確定するゲーム性で、スザクへ勝利した場合は上位ART「ゼロレクイエム」へと昇格する。

 その破壊力はかなりのもので、ツボにハマれば一撃5,000枚超えも十分に可能。万枚報告も浮上していた。ART中ボーナス後の準備状態でピースが貯まる際の地味な演出はマニア心をくすぐり、今なお多くのホールで絶賛稼働中だ。

 そんな同シリーズの久々となる最新作は、冒頭で述べた通り「リアルボーナスとATの連鎖で出玉を増やす仕様」とのこと。ベースは50枚あたり約36.2G、AT「ブラックリベリオン」の1G純増は約2.0枚で、AT初当たり確率は設定1:594.0分の1、設定2:565.9分の1、設定3:517.8分の1、設定4:437.0分の1、設定5:383.1分の1、設定6:322.0分の1となる。

 この仕様を聞いて、真っ先に思い浮かぶのが同社の『パチスロ頭文字D』である。

 こちらは増えないボーナス、いわゆる「ゼロボ」をプレイヤーに揃えさせる革新的ゲーム性で、小役ナビが発生するAT中はゼロボから通常時への復帰が早いことから、ボーナス無抽選ゾーンが短い=ボーナス出現率がアップする仕組み。ゼロボ成立時はATにまつわる各種抽選が行われ、引けば引くほど展開が有利になるといった特徴もある。

 一部では、当機のリアルボーナスも出現率が変動するタイプと噂されている。ということは、当機にも『パチスロ頭文字D』の「ドリフト目」的な出目が存在するということか。

 現時点でリール配列は公開されていないが、スペシャルムービーを見る限りは緑色の「C.C.絵柄」がカギを握ると思われる。

 いずれにせよ、同社は適合の時点でその旨を発表するなど、かなりの力の入れようである。自ら「思い出せ、本物のパチスロを」「シリーズ最高傑作、進軍開始!」と謳っているだけに、その詳細の公開を心待ちにしたいところだ。

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JRAまさに“呪われた”1番人気!? 単勝売上「約30億円」が“死に金”に……、 波乱連発の今春のG1シリーズ10戦を徹底総括!!

 先週の安田記念(G1)は、8番人気ダノンキングリーが優勝。単勝1.5倍の1番人気グランアレグリアは2着に敗れた。

 同G1でグランアレグリアに投じられた単勝票数は4,984,229票。金額にすると約5億円が“吹っ飛んだ”ことになる。

 思い返せば、3月28日の高松宮記念(G1)から先週の安田記念まで、今春のG1レースで1番人気に支持された馬たちは、ことごとく2着以下に沈んでしまった。

 高松宮記念は2番人気ダノンスマッシュが勝利。1番人気レシステンシアは2着に終わった。4月4日の大阪杯(G1)も、単勝1.8倍で圧倒的人気のコントレイルは3着。優勝したのは4番人気レイパパレだった。

 続く3歳クラシックロードを振り返れば、桜花賞(G1)1番人気のサトノレイナスは2着、皐月賞(G1)のダノンザキッドは15着に惨敗。

 5月に入っても、春の天皇賞(G1)は1番人気ディープボンド2着、NHKマイルC(G1)ではグレナディアガーズが3着。記憶に新しい、オークスとダービーの両G1ではそれぞれソダシが8着、エフフォーリアは2着と、牡馬牝馬ともに1番人気の馬が2着以下。そして冒頭の安田記念の例に繋がった。

 結果的に今春のG1レース10戦のなかで、1番人気で勝利したのは5月16日のヴィクトリアマイルを制したグランアレグリアただ1頭。着度別成績は1着1頭、2着5頭、3着2頭で着外2頭。勝率はわずか10%、連対率60%、複勝率80%という結果に終わった。

 昨春と比較すると、その違いは一目瞭然だ。

 2020年春のG1レース10戦で、1番人気に推された馬の着度別成績は1着5頭、2着3頭、3着1頭で、着外は高松宮記念のタワーオブロンドンが12着に惨敗しただけだった。

 勝率は50%で、連対率80%、複勝率は驚異の90%と、「1番人気を買っていればほぼ、間違いない」現象が起きていた。これに比べると、昨春シーズンとはあまりにも異なる今春のG1シリーズだったといえる。

 “呪われた1番人気”と揶揄したくなるほど、とにかく、1番人気が負けまくった今春のG1シリーズ。冒頭の安田記念では、1番人気グランアレグリアに土がついたことで、投じられた単勝売上約5億円が“死に金”と化した。

 1番人気が勝利したヴィクトリアマイルを除く、10戦のうち9戦で2着以下に沈んだ1番人気に投じられた単勝売上を集計すると、いかに大量の“死に金”が発生したかわかる。

 各9戦の単勝売上の時系列データから、1番人気に投じられた単勝票数を調べると、ダービーでエフフォーリアに投じられた単勝は6,501,347票。1票100円として約6.5億円と計算できる。

 同様にオークスは3,573,500票で3.5億円、大阪杯では4,961,830票で約5億円と、それぞれ奇跡の白毛馬ソダシと、無敗の三冠馬コントレイルら、人気馬が1番人気に推されたレースでは、その金額はさらに高額となった。

 一方で、混戦が予想されたNHKマイルCのグレナディアガーズには1,557,949票で約1.5億円、春の天皇賞ではディープボンドに1,967,491票で約2億円。高松宮記念はレシステンシアに1,596,767票で約1.6億円と集計。

 牡馬と牝馬、それぞれクラシック一冠目の皐月賞ではダノンザキッドに2,225,212票で約2.2億円。桜花賞はサトノレイナスに2,343,264票の約2.3億円が集まった。

 しかし結果はご存知のとおり。前述した安田記念の約5億円と合わせると約30億円が、文字通り“死に金”へと変貌してしまったのだ。

 さらに上半期最後のG1レースとして待ち受けるのが、宝塚記念。6月27日、阪神競馬場で開催予定の同G1の1番人気は、昨年の覇者クロノジェネスだろうか。

 グランプリレースとよばれるだけに、1番人気へ投じられる金額は、さらに高額になることは間違いないだろう。

 果たして、宝塚記念の1番人気馬は、負け続けた今春のG1レースの1番人気の“呪い”を解くことができるか。これ以上の“死に金”を生み出さないためにも、その動向に今から注目したい。

(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

五代目山健組若頭が逝去…神戸山口組離脱を牽引した武闘派組織の今後

 1990年~2000年代前半まで隆盛を誇った五代目山口組体制の中でも最大勢力を誇ったのが、現在は山口組とは袂を分かち独立路線の歩みを続ける山健組であった。

 その山健組の中で保守本流といわれてきたのが、渡辺芳則・五代目山口組組長が発足させた健竜会である。健竜会の傘下組織には“山口組最強の四次団体“と言われ一世を風靡した三島組などがあり、初代からの伝統は、六代目山口組体制の今日まで脈々と受け継がれている。

「健竜会の代をとった親分は、その後、山健組組長へと昇進しており、神戸山口組の井上邦雄組長もかつて健竜会の四代目を務めてから、山健組の組長に就任しています。同じく社会不在を余儀なくされている五代目山健組のトップである中田浩司組長も健竜会の五代目を務めていました。山健組の中にあっても、健竜会はそれだけ特別な組織ということです」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 そんな巨大勢力である山健組が大きな動きを見せたのは、四代目・井上組長体制のときと。同組が中心となり、六代目山口組を離脱し、他十数団体と神戸山口組を結成。ここが今もなお続く、山口組の分裂問題の始まりとなったのだ。

 井上組長が神戸山口組組長を兼務するようになると、その後、山健組の五代目を同組で若頭を務めていた五代目健竜会・中田会長に譲り、同時に六代目健竜会会長には、五代目山健組の西川良男若頭が就任したのだった。

 そうして門出をきった五代目山健組に衝撃が走ったのは、2019年のこと。六代目山口組傘下の組員に自ら銃弾を浴びせ、重傷を負わせたとして、中田組長が逮捕されてしまったのだ。その衝撃は、それだけに留まらなかった。今度は、神戸山口組の最大勢力であった山健組が、拘束中の中田組長の意思のもとで、神戸山口組を離脱することになったのだ。ここに山健組の苦悩が生じることになったのではないかと言われている。

「なぜならば、神戸山口組のトップは四代目山健組を務めた井上組長で、その井上組長から五代目を継承したのが、離脱した中田組長率いる五代目山健組だったからだ。言うなれば、井上組長と中田組長が袂を分かったのだ。そうして、五代目山健組は、神戸山口組に残留を決めた山健組勢力と、神戸山口組を離脱した五代目山健組に分かれることになった。だが実際は、神戸山口組を離脱した五代目山健組勢力が数の上でも上回ることになった。その筆頭格にあったのが、中田組長から絶大な信頼を受け、五代目山健組で若頭を務める、六代目健竜会の西川会長だった」(事情通)

 しかし、その西川会長が新型コロナウイルスに感染したことから体調を崩し、持病が悪化。闘病生活の末に6月6日未明に他界することになったのだ。

「他界した西川会長は、中田組長の留守を守り、山健組を支え続けていた。人望もあり、今後を期待されていた親分だっただけに、業界内でも西川会長の訃報に大きな波紋を呼んでいる」(某組織幹部)

五代目山健組若頭が他界したことで、今後の山健組の動向に業界内では注目が集まっている。

(文=山口組問題特別取材班)

JRAダノンキングリー「屈辱」コメントでグランアレグリアのプライド崩壊!? 安田記念(G1)前走「最下位馬」に偉業阻止された女王の誤算、絶対に負けられない秋のリベンジマッチ

 6日に東京競馬場で行われた春のマイル王決定戦・安田記念(G1)。昨年に続く連覇を目論んだグランアレグリアの野望を阻止したのは、8番人気の伏兵ダノンキングリー(牡5、美浦・萩原清厩舎)だった。

 昨年はアーモンドアイを破り、最強マイラーに名乗りを上げたグランアレグリア。初距離だった2000mの大阪杯(G1)こそ、切れを削がれる重馬場に苦戦して4着に敗れたが、マイルに戻った前走のヴィクトリアマイル(G1)で格の違いを見せる大楽勝。秋の天皇賞を前に負けられない戦いだったが、今年は自身が大金星を許す側となってしまった。

 ダノンキングリー陣営にとって最高の結果を導いてくれたのは、間違いなく川田将雅騎手の好騎乗だ。

「たくさんともに競馬をしてきましたし、見ていたので、いろいろイメージする中で競馬を迎えられました」

 川田騎手のコメントから伝わるように、これまでライバルに騎乗してダノンキングリーの走りを見続けていたことが大きかった。これが初コンビながらも、息のあったコンビを誕生させたのだろう。

 きわめて“優等生的”なコメントを出した川田騎手に対し、ダノンキングリーを管理する萩原調教師が同馬を「マイルに対応できましたが、正直、どの距離が一番いいのかつかめていません」と評したことは、グランアレグリア陣営にとっては屈辱的な内容だったかもしれない。

 既にG1・5勝を挙げているグランアレグリアは、最強マイラー候補としても名前が挙がるほどの存在である。その相手を破ったダノンキングリーの最適距離はマイルといっても過言ではないほどだ。にもかかわらず、敗れた相手から適性距離がまだつかめていないと言われてしまっては立場がない。

 勿論、グランアレグリアは中間の調整で左前脚の爪を気にするといった一頓挫、C.ルメール騎手は「手応えが前回と全く違っていた」「呼吸的にも苦しそうでした」「直線も反応が普段より遅かった」と振り返ったことからも、本調子にはなかった可能性はある。

 だが、馬の状態を優先する藤沢和雄調教師が出走を決断したからには、能力を出せるだけの仕上がりにあったはず。“負けて強し”を印象付けたレースではあったものの、敗れたことに変わりはない。

 そこで注目されるのが、2頭の秋の対戦だ。

 グランアレグリア陣営は秋の天皇賞制覇が今年の最大目標。そして、マイルの安田記念で初G1勝利を決めたダノンキングリーは、日本ダービー(G1)で2着に入っているように、距離の融通は利くタイプ。マイルから2000m辺りが適性だろう。

 そのため、2頭が秋に歩むローテーションは、再戦によるリベンジマッチが濃厚と考えられる。

 ダノンキングリーが昨年、最下位に終わった秋の盾で再び女王の前に立ちはだかることになるのか。それともグランアレグリアがリベンジマッチで今度こそ最強を証明してみせるのか。

 いずれにしても我々競馬ファンからすれば、新たな楽しみが増えたことを歓迎したいところである。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

なぜ失業率低下でも雇用環境が悪化?大量の「求職活動断念者」「不本意非正規雇用者」

はじめに

 雇用環境を示す最も代表的なデータに失業率があり、日本の失業率は総務省「労働力調査」の中で公表される。そもそも失業率とは、労働力人口に占める失業者の割合と定義され、労働市場における需要と供給のバランスで決まってくる。

 需要要因では、例えば景気が悪くなって企業の生産活動が停滞すれば、人材への需要が落ち込んで失業率が上がる。一方、供給要因には労働参加率があり、これは人口構成や労働意欲によって変動する。例えば、高齢化や景況感の悪化、ウイルス感染に対する恐怖心の高まりなどによって人材が労働市場から退出すれば、労働参加率の低下を通じて失業率が低下する場合がある。

労働参加率の上昇が労働力人口を押し上げ

 我が国の失業率の推移を振り返ってみよう。リーマンショック後となった2009年度の5.2%をピークに低下基調となった完全失業率は、2019年度には2.3%まで低下したが、コロナショックに見舞われた2020年度は2.9%までの上昇にとどまっている。

 しかし、失業率の上昇が限定的だからといって雇用環境の悪化も限定的とは限らない。実際に2020年度の失業者数の増加を要因別に分解してみると、就業者数は▲69万人も減っているが、労働力人口も▲32.5万人減っているため、結果として完全失業者が+36.5万人の増加にとどまっている。つまり、就業者が減少していても、労働参加率の低下により労働供給も減っているのである。

 コロナショックに見舞われた2020年度以降、移動や接触を伴うビジネスを中心に企業の労働需要が落ち込んだ一方で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で求職活動すら断念している人が多いことが、求職活動が条件となる失業者の増加を抑制している。雇用調整助成金の拡充だけではなく、移動や接触を伴うビジネスを中心に就業をあきらめて非労働力化した女性が増えたからである。

増える新たな求職活動

 足元では非自発的な失業者数にピークアウトの兆しが見えてきたが、一方で新たに求職活動をし始めた失業者数が増え始めていることからすれば、失業者数全体がピークアウトしたとはいいきれない。潜在的な就業希望者がまだ多数存在しているとすれば、まだ労働供給の余地があることを示している。これが、景気が最悪期を脱しても雇用環境の改善には時間がかかる理由の一つである。

 そもそも、完全失業者とは「就業を希望して実際に求職活動をしている人」である。つまり、就業を希望していても、何がしかの理由から就業活動をしていない人は含まれない。実際、就業環境が厳しくなったり新型コロナウイルス感染のリスクが高まったりすると、求職活動をあきらめてしまう人は増える。つまり、実際の労働需給の状況を見るには、非労働力人口に含まれる就業希望者の動向にも注意が必要だ。

豊富な労働供給予備軍

 総務省「労働力調査」の詳細結果を確認すれば、2021年1-3月期時点で214万人の失業者数を上回る254万人の就業希望者(就業を希望しているが、求職活動をしていない人)が存在することがわかる。非求職の理由別にみても、「適当な仕事がありそうにない」が95万人、「出産・育児・介護・看護のため」が51万人存在し、依然として潜在的な労働供給の余地があることがわかる。

 潜在的な労働供給の余地は、現職の雇用形態別にみても指摘できる。2021年1-3月期時点の非正規雇用者数は2055万人となり、全雇用者数の34.5%を占める。そしてなかでも、正規の仕事がないという理由で非正規になっている雇用者(以下、不本意非正規)は、今年1-3月時点で失業者数を上回る219万人存在する。

 特に、我が国で非正規の雇用者比率が上がりやすい背景には、正社員を解雇しにくい日本特有の雇用慣行がある。例えばコロナショック後のように急激に業績が悪化する局面では、企業は最大のコストである人件費の削減を余儀なくされる。ところが人件費の大部分を占める正社員の雇用は調整しにくく、非正規社員または新卒採用を減らすかしか現実には方法がない。こうした日本特有の雇用慣行により、不本意非正規の雇用者にしわ寄せが来やすい。

表面上の失業率より悪い雇用環境

 実際、最も代表的な雇用環境を示す指標である完全失業率は低下しているが、広義の失業率ともいわれる未活用労働指標は逆に悪化していることには注意が必要だろう。

 というのも、完全失業率は就業者と完全失業者を合わせた労働力人口に占める完全失業者の割合を示したものだが、直近の四半期データに基づけば、今年1-3月期時点で▲0.1ポイント低下の2.8%となっている。そして男女別で見れば、男性が▲0.2ポイント低下の3.0%に対して、女性が+0.1ポイント上昇の2.6%となり、女性の雇用環境が悪化しているように見える。

 しかし、就業していてももっと働きたいと考えている人や、非労働力人口の中でも働きたいと考えている人も存在するが、そうした人たちは完全失業者にはカウントされていない。このため、総務省は平成30年からこうした状況を加味した広義の失業率ともいえる「未活用労働指標」を集計して公表している。

 そして、なかでも最も範囲を広げた未活用労働指標LU4(=「労働力人口+潜在労働力人口」に占める「失業者+追加就労希望者+潜在労働力人口」の割合)を見ると、今年1-3月期時点で+0.6ポイント上昇の7.1%の水準にあり、特に男女別では男性が+0.5ポイント上昇の6.1%にとどまっているのに対し、女性が+0.7ポイント上昇の9.1%の水準にあることがわかる。

 この理由としては、非労働力人口のなかでも働きたいと考えていても、就業環境の厳しさや感染を恐れて求職活動していない人たちが失業者としてカウントされていないこと加えて、女性の割合が高い非正規労働者を中心にもっと働きたいと考えている人が多数存在すること等が推察される。したがって、景気が良くないわりに失業率が低く抑えられているからといって、楽観視できないということは未活用労働指標からも明らかである。

 以上の分析に基づけば、仮に緊急事態宣言の時期や期間をさらに拡大するようであれば、政府には予備費を有効に活用した柔軟で迅速な政策対応が求められるといえよう。

(文=永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト)

●永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト

1995年早稲田大学理工学部工業経営学科卒。2005年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。1995年第一生命保険入社。98年日本経済研究センター出向。2000年4月第一生命経済研究所経済調査部。16年4月より現職。総務省消費統計研究会委員、景気循環学会理事、跡見学園女子大学非常勤講師、国際公認投資アナリスト(CIIA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、あしぎん総合研究所客員研究員、あしかが輝き大使、佐野ふるさと特使、NPO法人ふるさとテレビ顧問。

因縁の対決…藤井聡太、渡辺明に完勝した“妙手”を解説…史上最年少の九段昇段なるか

 18歳の藤井聡太二冠=棋聖、王位=のタイトル初防衛はなるのか、注目の決戦。いや、対する渡辺明三冠(37)=名人 棋王、王将=にとってはそれ以上に「因縁の」といってよい、棋聖戦5番勝負の第1局が6月6日、千葉県木更津市でスタートした。早い展開の将棋となったが、完勝で先勝したのは藤井だった。

 現在「最強」といわれる渡辺だが、この棋聖を含めた三冠だった昨年7月、藤井に1勝3敗で棋聖位を奪われ、若きタイトルホルダー誕生の「引き立て役」になってしまった。その後、豊島将之二冠(31)に挑戦して初めて名人位を獲得しすぐに三冠には戻したが、苦労して挑戦権を得た棋聖戦で藤井に負けるわけにはいかない。渡辺は棋聖を奪還して三冠を守ればその時点で自身初めての四冠になるが、四冠なら羽生善治九段(50)=永世七冠資格以来である。

 渡辺はこれより少し前、名人戦で若手の斎藤慎太郎八段(28)の挑戦を受け、第1局こそ大逆転されたが、あとはしっかりと盛り返して4勝1敗で名人位を初防衛していた。藤井と渡辺の対局前の公式戦対戦成績は藤井の5勝1敗だった。昨年の棋聖戦の3勝1敗、さらに朝日杯将棋オープンで藤井が2勝している。渡辺には分が悪い相手だ。

怒涛の「桂馬3連打」、随所に好手

 先手番は渡辺。互いに居飛車で進める「相掛か」という戦型。2月の朝日杯と似た形になった。一般に藤井は桂馬が好きなのか、使い方が非常にうまいが、この対局では最後はなんと桂馬を4枚とも手にし、渡辺の玉の上方に3枚の桂馬がのしかかって仕留めに来た。渡辺玉はついに逃げることができなかった。

 ABEMAで解説していた広瀬章人八段(34)=元竜王=は、渡辺が4五桂と桂馬を繰り出したのに対して藤井が応じた「3三桂馬」について「なかなか指すことができない素晴らしい手」と舌を巻いていた。普通は3三に成り込もうとする敵駒は定位置の桂馬で処理する。自陣の桂馬を3三に上げて渡辺の桂馬にぶつけて受ければ、自玉の逃げ道も攻撃の角筋も塞いでしまう。しかし、繰り出した桂馬が逆に3三の桂馬で取られれば、渡辺の玉はより危なくなる。渡辺は仕方なく5三に桂馬を成り込ませた。その他、香車で相手の角を取れる場面で、あえて香車の前方に歩を打って重層的な攻めにしたり、あえて香車を成香(敵陣に入って金になる)にしないなど、随所に「好手」が見られた。

 全体的には、藤井の玉が脅かされることは一度もなく、午後6時半、90手目の藤井の6四桂で、少し時間を残した渡辺が、頭を下げて投了した。「秒読み将棋」になることもなかった。終了後の感想戦は50分くらいと、かなり長くやっていたが、「飛車を渡すわけにはいかなかったし」などと、振り返って朗々と話しているのはほとんど渡辺。藤井はたまに「あっ、8三銀ですか」などと小声を出すだけだった。渡辺は藤井と話しているというより、立会人の棋士と話している感じだった。

 渡辺が大きなポカをしたわけではない。速いテンポで指しあっていた中盤、藤井が放った「予想外の」(渡辺)手8八歩で渡辺の手がぱたりと止まった。この日、持ち時間4時間のうち1時間23分と、最も長考して8一香成と香車で飛車を取った。しかし渡辺は局後、この手が悪かったと自己分析し、「長考したところでまずい変化になって、一気に駄目になって残念。もうちょっといい内容の将棋を指さなければ」と、かなりショックだったようだ。敗れてもいつも、しっかりと報道対応してくれる渡辺だが、コロナ対策で主催者の産経新聞社とABEMAしかインタビューできないのは残念。筆者もABEMAの観戦だった。

藤井の「図太さ」

 藤井二冠は「今日は自然な気持ちで指すことができた。次もいい将棋になるように準備していきたい」と話した。防衛すれば、タイトル通算3期の規定を満たし、史上最年少で九段に昇段し、渡辺の21歳7カ月の記録を大幅に更新する。

 将棋の世界では初タイトルを防衛するのは難しく、過去の名棋士たちでも成功したのは3人に1人くらいである。あの羽生善治ですら、初タイトル(竜王戦)の防衛戦には失敗している。その時代の覇者たちは、急速に台頭してきた若手の勢いに一度は苦杯を喫しても、その若手を徹底研究して再度立ち向かってくる。若手にとって初防衛は、この重圧を跳ね返さなくてはならないのだ。しかし、ポーカーフェイスの藤井はそんな重圧を感じているようにも見えない。終局後「あまり防衛戦とか意識せず、昨年と同じように臨みたいと思っていた。自然体で指すことができたのかなと思う」と淡々と勝ちを振り返った。  

 対局前日、テレビのインタビューで藤井は「戦略という面では渡辺名人のほうに一日の長があると思います」と答えていた。当代随一の棋士を自分と比較して、実に客観的に「一日の長」とさらりと言ってしまえる藤井。「一日の長」の語意をどのように解釈していたかは不明だが、正しく解釈していたとすれば、これが藤井の精神的な強さ、悪く言えば「図太さ」でもあるのだろう。ちなみに「一日(いちじつ)の長」とは、「他の人より経験を積んだことで、技能などがわずかに優れていること」(「福武国語辞典」より)である。

 高校を中退し、棋士活動に専念し出した藤井。研鑽はますます深まっているはずだ。第2局以降は、勝負はもちろんのこと、寡黙なプリンスの吐く少ない言葉にも注目したい。第2局は6月18日に淡路島の洲本市で行われる。

(写真・文=粟野仁雄/ジャーナリスト)

●粟野仁雄/ジャーナリスト

1956年生まれ。兵庫県西宮市出身。大阪大学文学部西洋史学科卒業。ミノルタカメラ(現コニカミノルタ)を経て、82年から2001年まで共同通信社記者。翌年からフリーランスとなる。社会問題を中心に週刊誌、月刊誌などに執筆。『サハリンに残されて−領土交渉の谷間に棄てられた残留日本人』『瓦礫の中の群像−阪神大震災 故郷を駆けた記者と被災者の声』『ナホトカ号重油事故−福井県三国の人々とボランティア』『あの日、東海村でなにが起こったか』『そして、遺されたもの−哀悼 尼崎脱線事故』『戦艦大和 最後の乗組員の遺言』『アスベスト禍−国家的不作為のツケ』『「この人。痴漢!」と言われたら』『検察に、殺される』など著書多数。神戸市在住。

パチスロ新台「〇〇消灯」は危険!? まさかの「設定L」投入ホールに否定的な意見…

 アクロスの『ハナビ通』には、設定「1」「2」「5」「6」のほかに設定「H」なる特殊な設定がある。

 この設定Hは通常14.5分の1~15.8分の1である風鈴確率が4.8分の1までアップ。50枚あたりの平均消化ゲーム数はなんと「7728.3G」とほぼ減らない仕様で、ビッグ・REG共に出現率は1260.3分の1ながらもフル攻略ならば機械割は110.9%に達する。首尾よく掴めれば、勝利は約束されたも同然と言えるであろう。

 また、大都技研の『バンバンクロス』には設定「1」「5」のほかに設定「C」と「C+」があり、これらは技術介入度の高いCB当選率が優遇。CB中のビタ押しが完璧ならば勝利は必至で、特定日ともなれば積極的に投入するホールも少なくない。大都技研で言えば、『3×3EYES~聖魔覚醒~』の設定「C」も同様のスペックだ。

 特殊設定については、過去にはJPS作『ドリームジャンボ 幸福のチケットを君に』の設定「J」なども存在。こちらの詳細は不明ながらも、初当りはとにかく軽いとのことで、打ち手にとってエクストラ設定であることに変わりはない。

 一方、5月吉日より導入が開始されたベルコの『鬼浜爆走紅蓮隊 狂闘旅情編』、その設定「L」に関してはやや毛色が違う。先述した各種設定とは異なり、打ち手の敗北する確率が高すぎる仕様なのだ。

 一部では出玉試験対策用などと言われており、その機械割は驚愕の約80.5%とのこと。あまりにも危険すぎる数値であることから投入するホールなど皆無と思われていたが、ふたを開ければビックリ、平然と設定Lを使うホールもあるようだ。

 この様子はSNS上で瞬く間に拡散。軒並みマイナス4,000枚超と逆噴射したデータも公開され、各種まとめサイトにも取り上げられた。

 まさしく、コウヘイを思わせる極悪設定。多少のヒキをもってしてもどうにもならないスペックだが、実のところ、この設定Lは一発で見極めることができる。デモ画面で下パネルが消灯したら、設定Lが確定。よって、本機を打つ際は、とにもかくにも下パネルのチェックを心がけたい。

 仮に設定Lを見付けたら、着席厳禁。そんな設定を投入するホールに対し「近付かないことが賢明」といった意見が出ていることも自然かもしれない。

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 キターーーー!

 ついに来ましたよ。『PビッグポップコーンA』が。いやー、長い間待ち焦がれていました。このコロナ禍によってもう出ないんじゃないかと便秘に悩むアラフォーのOLくらい心配してましたが、ようやく製造元のA-gonから公式PVが公開されました。ありがとうオリゴ糖。地球に生まれてよかったー!

 そりゃいまさらの織田裕二やジョイマンも飛び出すってもんですよ。発表から1年以上。めちゃめちゃ面白そうなのに、ずっとお預けですからね。

 で、どんな機種なのかといえば役物メインの1種2種混合機なんですけど、この役物の仕組みが超斬新。中央に回転する可動片が搭載されたステージに玉が注入され、可動片が70秒間玉をかき回すんですが、その制限時間でハズレ穴に玉が吸い込まれずにステージ上に留まればV扉が開放されて大当りに導かれるというゲーム性。

 内容的には豊丸の『Pワイルドロデオ6750だぜぇ』を想像してもらえるとわかりやすいんですが、本機のほうが「ポップコーン」の名の通り、よりダイナミックな玉の動きを楽しめるんですよ。

 まずドットによるデジタル抽選で役物チャレンジへの挑戦権を獲得する流れですが、揃った図柄によって役物入賞を促すアタッカーの開放回数が変化して、最大14回の開放から導かれる入賞球は5個以上も余裕。複数の玉が役物内で無秩序に弾け飛ぶさまは圧巻です。

 で大当りすれば約1200発の出玉を獲得できるのに加え、50%の割合で時短2回+残保留1個で展開される「ポップコーンRUSH」に突入。小当り確率が約1/1(通常時が1/99)とスーパーアップするなかで、最大3回再び役物によるV入賞を狙います。

 このRUSH中はアタッカー最大開放となる「S」図柄揃いの確率が大幅にアップし、連チャン性も極限まで高められています。その数値なんと約83%。ポップコーン役物を最大限楽しめるうえに約1200発の出玉を高ループで獲得できると出玉性能もポップコーン。まさに弾け飛ぶパチンコ機となっているのですよ。

 ちなみに、6段階に区切られた大当り直撃パターンもあり、最高設定6と最低設定1にはほぼ2倍の確率差が存在するので、高設定なら直撃による大当りも期待できます。

 ここでの時短抽選に成功することでもポップコーンRUSH へ突入する場合もありますが、期待度はそこまで高くない設計となっているようです。おまけ要素として捉えていたほうがいいかもしれません。

 あくまで本機の主役は役物。ビックポップコーンによるダイナミックかつスリリングな70秒を堪能するパチンコなのです。

『P超モノ獣王』『P天龍∞2』『Pニュートキオ』と役物機の動きが活発になってきていますし、しばらくはアツいシーズンを過ごせそうで期待のレインボーブリッジが封鎖できませんっ!

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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大坂なおみも公表した「うつ」 知っておくべきうつの社会的性質

 女子テニス世界ランキング2位の大坂なおみ選手がうつ病に苦しんでいることを告白し、「全仏オープン」を棄権したことで、今あらためてメンタルヘルスに注目が集まっている。


 日々想像を絶するようなプレッシャーや緊張の下でプレーするアスリートにも、そうでない人にも、「うつ」は等しく襲い掛かる。大切なことはその性質について知っておくことだろう。

 

■「うつは伝染する」その真意と対処法


 個人的な問題だととらえられがちな「うつ」だが、実は社会的な側面も大きい。


 『鬱は伝染る。 最もありふれた精神疾患は,どのように蔓延ったのか,どうすれば食い止められるのか』(マイケル・D・ヤプコ著、福井義一監訳、定政由里子訳、北大路書房刊)は、うつの社会的文脈に焦点を当てつつ、自己否定的でストレスにつながる洞察や行動のパターンを変えることが根本的な回復や感染予防になると説く。


 気になるのが、タイトルにある「伝染る(うつる)」だ。もちろん、うつは風邪のような形で他人に伝染することはない。ただ、人間関係のトラブルを通じてまん延する。仕事や家庭、友情など、人間関係が難しくなると、うつは確かに増加するのだ。その意味で、本書ではうつは「社会的に伝染する」としている。


 これは具体的には、ある抑うつ的な人が周囲の人との間でトラブルを抱えた時、そのトラブルは相手の生活や精神状態に影響することを意味する。


 一人の抑うつ的な人が治療を受けなければ、その抑うつが少なくとも三人の他人の生活に影響する。一人の抑うつ的な親が治療を受けないと、その子どもは抑うつ的でない親の子どもよりも。少なくとも三倍は抑うつになりやすくなる。人間関係は、病原菌が病気を蔓延させるのと同じくらい確実に、抑うつを蔓延させることができる。(P21より引用)


 ここで断らなければならないが、「だからうつの人には近づくな」と言っているわけではない。むしろ逆である。うつは「人間の内側で生じるもの」であるのと同時に「人と人との間で生じるもの」であるため、人間関係を含めた社会的な要素が解決のカギになる。薬でうつの症状を抑えることはできるが、それは「人間の内側で生じるもの」という、うつの一要素にアプローチしているに過ぎない。症状は抑えられても、解決にはならないのだ。



 では、社会としてうつの蔓延にどう取り組んでいくべきか、というのが本書の主題である。社会という言葉が漠然と感じられるなら、「組織」でも「学校」でも「家庭」でもいい。ある集団のなかに抑うつ状態になったメンバーがいたら、どのように接していけばいいのか、うつが集団の中に蔓延しないためには何が必要なのか。そして、自分が抑うつ状態にあると感じたら、それをどう考えて、自分の行動をどう変えていけばいいのか。


 あらためてうつに注目が集まっている今、本書は必読だ。


(新刊JP編集部)


※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。