JRA宝塚記念(G1)クロノジェネシス「グランプリ3連覇」に黄色信号!? 待ち受ける「魔のドバイ帰り」、そして“怖い”福永祐一騎手の存在

 27日、阪神競馬場で開催される宝塚記念(G1)に昨年、春秋グランプリ制覇を達成したクロノジェネシス(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が出走。史上3頭目のグランプリ3連覇を目指す。

 2歳時から世代屈指の実力を見せ、秋華賞でG1初制覇を果たしたクロノジェネシス。古馬になってからは、アーモンドアイら超一流馬を相手に揉まれてきた。今回は無敗のレイパパレが最大のライバルと目されるが、戦ってきた相手関係からクロノジェネシスが1番人気に支持されるだろう。

 ファン投票1位の13万票以上を集めたクロノジェネシスだが、その状態面にも不安はなさそうだ。

「1週前追い切りで初めて乗ったルメール騎手も『乗りやすいし欠点がない』と自信を見せています。陣営もファンの期待に応えるべく、最終追い切りで100%の状態に仕上げてくるでしょう」(競馬誌ライター)

 しかし、初めての海外遠征帰りという点が懸念されている。

「有馬記念(G1)の後は、3月にドバイシーマC(G1)に出走。最後の直線で見せたミシュリフ、ラヴズオンリーユーとの叩き合いは記憶に新しいところです。間隔(3か月)は十分空いていますが、激戦だっただけにその反動は気になります。宝塚記念では海外帰りの馬はあまり結果を残せていませんからね」(同)

 実際に2000年以降のデータを見てみると、宝塚記念で海外遠征帰りの馬は「2-3-2-20」と冴えない。特に深刻なのが、ドバイ帰りの馬の「0-1-2-10」という成績。唯一の2着馬は16年のドゥラメンテだが、1番人気を裏切り、マリアライトに敗れてのものだった。

「同じ期間の香港帰りの馬の成績が『2-2-0-6』なので、同じ空路でもより長距離を輸送するドバイ帰りの馬の方が苦戦傾向にあります。競走馬にも人間同様、時差ボケもあると聞きますし、不安要素であることに間違いはありません」(同)

 クロノジェネシスが「ドバイ帰り」のジンクスを覆せるかが一つの注目ポイントとなりそうだ。そしてもう一つ、クロノジェネシスにとって不気味な存在も……。

 それがキセキと鞍上の福永祐一騎手である。キセキはこのレースで2年連続2着と相性抜群で、前走のQE2世C(G1)でも差のない競馬をしている。

 7歳を迎え、大きな上積みは見込めないが、クロノジェネシスの2週前追い切りに騎乗したのが実は福永騎手だった。斉藤崇厩舎に所属する団野大成騎手が北海道に滞在していたため、騎乗経験も予定もない福永騎手が異例の代役を務め、自らその実力を確かめたのだ。

「さすが、いい馬。バランスがいいし、牝馬らしからぬパワーがある」とレースではライバルになるクロノジェネシスをほめちぎった福永騎手。2週前とはいえ、その背中から感じ取ったモノはあるはず。「打倒クロノジェネシス」に秘策があってもおかしくない。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

ソフトバンクが紹介する「正しいスマホの持ち方」が話題! 誤った持ち方で指が変形の可能性も?

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「片手で持って片手で操作」はNG! 小指で支えてしまうと…

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回転寿司業界トップ「スシロー」が独走状態に入りそうなワケ!

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現在、日本国内の飲食店は新型コロナウイルスの感染拡大によって苦境に立たされている。一方、海外では感染拡大が落ち着きつつある国も出てきており、そこをめがけて日本の外食企業が海外進出を加速させているという。特に目立って海外進出しているのが、回転寿司チェーンだ。そして、いまスシローが絶好調たる背景とは!?

回転寿司チェーンは海外進出に向いている

 コロナ以前、日本は多くの外国人が訪れるインバウンドブームだった。「和食」はユネスコの無形文化遺産にも選ばれ、それをきっかけに健康的で四季を感じられる日本食のファンになったという海外の人も多いという。そしてコロナ禍のいま、日本国内の飲食店は活路を求め、日本食好きが多くいる国への進出を加速させている。なかでも海外進出が盛んなのが、回転寿司チェーン。「SUSHI」という言葉が世界で通じるほど定着していることに加えて、似た業態は世界を見渡しても見当たらないという事情から、進出国での評判は軒並み良いという。

 寿司が海外でも受け入れられている点以外にも、回転寿司チェーンが海外進出に向いていて、日本企業が優位に競争を進められる理由がある。それ…

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甘デジ「右50%が15R」納得出玉…安心の「100%ST」も魅力!パチンコ新台『北斗の拳』シリーズも発表「大手サミー」の傑作!!

 当時の出玉を完全再現したパチスロ新機種『パチスロガメラ』が絶賛稼働中。フル攻略ならば設定1でも機械割は102%に達する本機が好調のサミーだが、立て続けに話題作を発表した。

 人気シリーズの6号機『パチスロ コードギアス 反逆のルルーシュ3』。リアルボーナスとATの連鎖で出玉を増やすタイプで、ゲーム性を加速させる「GEASS BOOST SYSTEM」を搭載して登場する。過去作と同様に、ユーザーを興奮させてくれそうな気配だ。

 サミーの手腕に期待は高まるばかりだが、そんな同社はパチンコ分野にも激アツの新機種を投入する。

 ますは業界を代表する大物『北斗の拳』シリーズ。最強と呼ばれた北斗神拳伝承者・ 霞拳志郎が主役の『蒼天の拳』が7月に降臨予定だ。

 業界初となる「3種のV獲得率モード」を搭載したパチンコ新機種『P蒼天の拳 天刻』。最大約3200発という出玉が、高確率で繰り返されるという強烈な一撃性を実現した。

 そのポテンシャルの高さは、最高峰と言えるだろう。個人的には相性の問題で『蒼天の拳』シリーズに良いイメージを持っていなかったが、本機には大きく期待している。導入開始から狙いたいと思える1台だ。

 他にも「ド定番コンテンツ」に「新たな刺激」が加わった『P火曜サスペンス劇場 最後の推理』がスタンバイ。右打ち時はALL約1500発の出玉を獲得でき、継続率は約80%。まとまった出玉を狙えるスペックだろう。

 新たに搭載されたエピソードや、船越英一郎&片平なぎさコンビに加え豪華キャストが登場する点も見逃せない。スペック以外にも惹かれる要素を感じる。こちらも少し期待してしまう新台だ。

 業界を代表するヒットメーカーは、どのようなサプライズを用意してくれるのだろうか。期待は高まるばかりである。

 サミーは、これまでも「名作」と思える機種を発表してきた。改めて考えてみると、サミー製マシンの中には現在でも自身の“主力”と思える機種が多い。『北斗無双』を含む「北斗シリーズ」や「エウレカシリーズ」など、多くの機種を遊技しているわけだが…。

 最も重宝している機種は上記シリーズではない。甘デジながら「右打ち50%が15R」の出玉感を装備。さらには「100%ST」という安心感も持ち合わせた傑作である。

 タツノコプロによる人気アニメとのタイアップ機『デジハネCRハクション大魔王』。「ハクション大魔王」は再放送でしか見たことはないが、音楽やキャラクターなどあらゆる要素が私の心を鷲掴みにした。

 そんな愛する作品とのタイアップという時点で興味は惹かれるわけだが、先述した通り本機を打ち続けている最大の理由は優秀なスペックにある。

〇〇〇
大当り確率:約1/99.9 → 約1/72
確変タイプ:100%(ST50回)
カウント:8C
ラウンド:4R or 15R
大当り出玉:約384 ~約1440発
賞球数:2&3&7&12
〇〇〇

 大当りすれば必ずSTに突入するという安心設計。潜伏確変や小当りは一切存在せず全ての大当りに出玉が付いてくる。この時点で打つ意欲が沸いてくるが、右打ち中は50%が15R(約1440発)と出玉感に拘った振り分けを採用している点も魅力だ。

 これにより継続率は控えめながら、まとまった出玉を獲得することも可能。甘デジとは思えぬ一撃にも期待できる仕様となっている。

 ドラムマシンらしい「シンプルな面白さ」を存分に堪能できる点もポイント。迫力満点の「ドデカ図柄」や、ゲーム性を高める「4thリール予告」、アニメオープニングテーマも流れる「楽曲リーチ」など楽しめる要素は満載だ。

 朝一からのスタートダッシュ要因としてだけではなく、負けを取り返すための“最終手段”としても期待に応えてくれているマシン。かつ、原作ファンである私を様々な角度から楽しませ癒してくれる文句なしの仕上がり。残された時間は、少しでも多く遊技したいと思っている名作だ。

(文=デニス坂本)

<著者プロフィール>
 企業の品質管理業務を経て、フリーライターの道へ。主に趣味であったパチンコ・パチスロの実戦記事を作成してきた。現在はパチmax!の編集部において、業界関係者から得た情報、約20年のパチンコ・パチスロ経験を活かした記事を紹介。インタビューやプレス発表会の記事なども担当している。

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楽天モバイル、ショートメッセージ(SMS)詐欺を注意喚起!! フィッシング詐欺の防止対策を解説

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楽天モバイルは公式サイトで「宅配便の不在通知を装った迷惑ショートメッセージ(SMS)にご注意ください」と、不審なSMSに対する注意喚起を行っている。これらの不審なSMSに記載されているURLをタップするとフィッシング詐欺サイトに誘導され、個人情報やクレカ情報などを盗まれてしまうのだ。そこで今回は、楽天モバイルが公開している不審なSMSの対策方法を写真付きで詳しく解説しよう。

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パチスロ超6号機級「15000枚」突破を手堅く狙える!? 「リバースロック」中毒者必見の立ち回り術!! 

 その圧倒的な出玉性能を、既に体感したファンも多いことだろう。6月吉日、セブンリーグの『パチスロ鉄拳4デビルVer.』が待望のホールデビューを果たした。

 5号機時代に『ミリオンゴッド』シリーズと肩を並べるハイスペックマシンとして万枚突破を続出させた、山佐ブランドの『パチスロ鉄拳デビルVer.』。その後継機である本機は、1G純増約2.7枚のAT機能「デビルラッシュ」が出玉増加の主軸を担う。

 このATは、ひとたび突入すれば期待出玉はなんと約1,600枚。AT終了後に有利区間がリセットされれば100G継続+α「デビルゾーン」へ移行し、この間はフリーズ出現率が大幅アップすることから、さらなる大量出玉の上乗せが狙えるというのが大きな特徴だ。

 故に、AT突入→有利区間リセット→フリーズ発生→AT突入→有利区間リセット→フリーズ発生…というループも可能で、ホールでは万枚どころか15,000枚突破の快挙も。6号機のデメリットとも言える有利区間リセットを応用することで、5号機以上の出玉力、デビルの名に相応しい悪魔的展開を実現させたマシンなのである。

 肝心の有利区間リセットタイミングは、AT終了後及びデビルゾーン移行時。ATへの足掛かりとなるCZ「ジャッジメントバトル」敗北時は例外なく有利区間が引き継がれ、その場合は482G以内に再度、CZに当選する。

 無論、次のCZでも敗北してしまうケースもあるが、有利区間引き継ぎ→CZ敗北を繰り返すと最大天井200Gの「デビルゾーン準備モード」へ移行。その後は強制的にデビルポイント1,000ptに到達し、デビルジャッジを経てデビルゾーンがスタートすることとなる。 

 このシステムを踏まえると、本機はデビルゾーン準備モード滞在中、あるいは移行直前の台が狙い目。当然、6.1号機の本機には有利区間最大1,500ゲームのリミットがあることから、イメージとしては500G台→CZ失敗→400G台→CZ失敗…といった履歴の台を見つけることができれば、少ない投資で大量出玉に繋がるチャンスがあるというわけだ。拾える可能性は高くないだろうが、探してみる価値はあるだろう。

 なお、デビルゾーン中の紅蓮ナビ(金)、レインボーカットイン、デビルアイランプ点灯などはフリーズ確定。先代でお馴染みのリバースロック3段階も同様で、このリバースロックはトータル約20分の1で発生する。1段階→2段階と発展する際の絶妙な間に、一喜一憂すること必至だ。

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JRA伝説の新馬戦再び!? 福永祐一「ダービー出れるわ」ゆくゆくは引退を発表した父の後継種牡馬にも……、「鉄板ニックス配合」の大物がベールを脱ぐ

 27日、宝塚記念(G1)当日に行われる、阪神5R芝1800mの新馬戦。

 昨年の勝ち馬ダノンザキッドは2歳G1のホープフルSを優勝。皐月賞(G1)でも1番人気に支持された。2着のワンダフルタウンも青葉賞(G2)など重賞2勝と、翌年のクラシック戦線を賑わせたが、今年もハイレベルなメンバーが、顔を揃えそうだ。

 今年の日本ダービー(G1)をシャフリヤールで制した藤原英昭厩舎が、“ダービー連覇”に向けて送り出すのが、同厩舎で共にデイリー杯2歳S(G2)を制したベッドベルジュール、レッドベルオーブの弟・レッドベルアームだ。

 兄の2頭はディープインパクト産駒だったが、こちらはハーツクライ産駒。1週前追い切りに騎乗し、デビュー戦でも手綱を執る予定の福永祐一騎手は、「ハーツクライ産駒で馬っぷりがいい。距離は兄たちよりもつと思う」と『スポーツ報知』の取材に対しコメント。

 さらには、笑顔を見せながら「ダービー出れるわ」とも話していたというのだから余程のスケールを感じているのかもしれない。

「宝塚記念当日の阪神芝1800mの新馬戦には、ショウナンパンドラの全弟ローマンネイチャーや、ルメール騎手が騎乗予定のディープインパクト産駒キラーアビリティ、ダノックス&川田将雅騎手の黄金コンビ・ダノンフォーナインなど、超豪華メンバーが出走を予定しています。

レッドベルアームは2週前追い切りの時点では、デビュー戦はまだ未定とのことでした。1週前の感触が非常に良かったようで、強豪が揃うと分かった上であえてこのレースにぶつけてきたということは、それだけ仕上がりや素質に自信があるということではないでしょうか」(競馬記者)

 厩舎がダービー連覇を目指す中、福永騎手は早くも“ダービー三連覇”を見据えているのかもしれない。レッドベルアームの母レッドファンタジアの仔は、4頭全てがデビュー戦で2着以内に入っており、2戦目までに勝ち上がっている。いきなり走れる血統でもあり、初戦から注目の1頭と言えそうだ。

 一方でつい先日、レッドベルアームの父であるハーツクライの種牡馬引退が発表された。

 同馬が繋養されている社台SSの吉田勝己代表取締役は、「今年もつけていないし、もう来年も種付けをしません。後継種牡馬も出してくれたし、牧場を助けてくれた馬。これからはゆっくりしてほしい」と話したという。

 ハーツクライの後継種牡馬としてはジャスタウェイやワンアンドオンリー、スワーヴリチャードなどが挙げられる。レッドベルアームも今後の活躍次第では、ハーツクライの後継種牡馬として名を連ねることも可能かもしれない。

「レッドベルアームの血統構成は父の代表産駒であるスワーヴリチャードと同じ、父ハーツクライ×母父アンブライドルズソングです。この血統は15頭中8頭がJRAで勝利を収めている“鉄板のニックス配合”と言っていいでしょう。

血統背景的には大物感が十分にありそうです。兄のレッドベルジュールは現役時代にG2を1勝のみでしたが、種牡馬入りを果たしています。レッドベルアームも活躍次第によっては種牡馬入りすることも十分に可能でしょう」(同)

 日曜日にデビューする若駒たちは来年のクラシックはおろか、種牡馬としても今後末永く競馬ファンを楽しませてくれるかもしれない。非常に楽しみな一戦となりそうだ。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

富士興産に敵対的TOB…ファンドの背後に「任天堂の創業家」と「村上ファンド」か

 石油製品の販売を手掛ける東証1部上場の富士興産を舞台に、熾烈な敵対的買収が繰り広げられている。

 買収を仕掛けるのは新興のアクティビストファンド、アスリード・キャピタル。2020年から富士興産の株を買い増し、21年1月4日には13.61%まで買い進み、筆頭株主だった石油元売りトップのENEOSホールディングス(12.64%)を抜き筆頭株主に浮上。その後も市場で買い増しを進め、現在は15.27%を保有する。

 そのアスリードが4月28日から突如として富士興産にTOB(株式公開買い付け)を開始した。TOB価格は1250円。当初設定されたTOB期間は4月28日から6月14日までの30営業日。TOBの下限はすでに保有している15.27%を含めて40%に設定し、上限は定めていない。下限を過半数とせずに40%としたのは、富士興産の株主総会における議決権行使比率などを勘案し、40%でも十分に経営支配権を握れる算段がつくと踏んだもよう。

 アスリードは、TOB開始前には富士興産経営陣に対してMBOによる非公開化を提案していたとされるが、TOBについては富士興産に知らせることなく開始された。TOBの目的は、富士興産の非公開化(100%株式取得による上場廃止)だが、肝心の富士興産経営陣の賛同を得ていない。

 富士興産は5月17日、TOBに対する意見表明を留保し、質問権を行使。アスリードは24日、対質問回答報告書を提出。同日、富士興産は買収防衛策を公表した。

 5月28日には富士興産は、TOB期間終了日を当初の6月14日から6月24日に予定されている定時株主総会以降に延長するよう要請。同時に、TOBに反対意見を表明し、6月の定時総会で買収防衛策導入の承認と新株予約権の無償割当ての議案を上程し、株主意思確認を行うことを明らかにした。さらに富士興産は、剰余金の配当として、普通配当と特別配当合わせて1株当たり103円とすることをあわせて公表(前年実績は普通配当のみで1株当たり16円)した。

 ところがアスリードは6月8日、TOB期間の延長を拒否すると公表。あくまで6月14日にTOBを終了させることを宣言した。それに対して富士興産は11日、アスリードによる期間延長拒否を受けて、7月末日を基準日として買収防衛策(新株予約権の無償割当て)を取締役会決議のみで発動した。これを受け、アスリードは14日、新株予約権無償割当ての差し止め仮処分を申し立て、TOB期間を7月9日まで延長することを発表した。新株予約権無償割当ての差し止めが認められなければ、TOBを撤回することも公表している。

資金源は任天堂創業家か

 熾烈な敵対的買収を仕掛けるアスリードとは何者か。

 19年11月に設立されたシンガポール籍のアクティビストファンド。20年8月ごろから、富士興産やキャリアデザインセンターなど時価総額が100億円程度の上場会社の株を物色していた。代表者は門田泰人氏。UBSやドイツ銀行など外資系投資銀行を経て、米系PEファンド、ローンスターに転じ、その後、アスリードを設立している。

 アスリードは、一部では「エンゲージメントファンドの皮をかぶった狼」とも報じられ、「投資先候補の企業には横柄な態度でいきなり敵対的な要求を突き付けて」いくスタイルとも報じられている。アスリードをよく知る人物によると、「実態は村上ファンドの一つ」という。「UBS時代に村上世彰氏と知己を得て、アスリード設立後も投資判断など実質的に村上氏の指揮下にあり、“村上ファンドの別動隊”とされている」(ファンドに詳しい事情通)

 その村上ファンドの別動隊ともいえるアスリードを資金面で裏から支えるのが、任天堂創業家の資産運用を生業とする「Yamauchi No.10 Family Office」(以下、山内FO)だ。山内FOは、任天堂の創業家で中興の祖といわれる山内溥氏の養子で、血縁的には孫にあたる山内万丈氏が2020年に設立。万丈氏は溥氏の没後、巨額の遺産を相続し、その資産規模は1000億円に上るともいわれている。この任天堂創業家が、長期資金としてアスリードに出資し、富士興産に敵対的買収を仕掛けているという構図だ。

ジャパンシステム買収では対抗TOBを目論むが失敗

 富士興産への敵対的TOB以前に、山内FO・アスリード連合による「幻の第一号案件」といわれるものがある。20年12月、財務管理ソフトを手掛けるJASDAQ上場のジャパンシステムに対して、ロングリーチグループというPEファンドが取締役会の賛同を得て実施していた友好的TOBに割り込むかたちで、山内FOはジャパンシステムの当時の社長を抱き込むかたちで対抗TOB・MBOによる非公開化の意向を表明した。

 このときの座組みは、山内FOが前面に出て対抗TOBを実施し、その戦略的パートナーとしてアスリードがTOBを支援するというものだが、関係者によると、この時も実質的にはアスリードが仕掛けていたという。アスリードは村上氏の意向により、この強引ともいえる対抗TOBの意向表明をせざるを得なかったという。

 山内FOは、ロングリーチの行うTOBのほうが経営陣に敵対的だと繰り返し批判を展開するが、ジャパンシステムには過半数の株を保有する親会社DXCテクノロジーが存在し、その親会社はジャパンシステム取締役会が賛同するロングリーチによるTOBを支持。最終的に、ロングリーチグループによるTOBが成立し、非公開化を実現している。

 山内FOは、宣言した対抗TOBを開始することなく空振りに終わる。対象会社の支持を得ていない段階で非公開化をぶち上げるという構図は、今回の富士興産の事例とも通じる。

両社の意見は真っ向から対立

 富士興産の経営権をめぐる戦いは、6月24日に開催される富士興産の定時株主総会で山場を迎える。富士興産は6月24日の定時株主総会で事後的に、買収防衛策を株主意思確認の総会決議に諮る。買収防衛策導入と新株予約権無償割当ての両議案が承認されれば、取締役会で決定した買収防衛策発動は継続し、いずれか一つでも否決されれば、買収防衛策発動を中止するというもの。株主の意思で買収防衛策が認められるかどうかにより、現在アスリードから申し立てられている新株予約券無償割当ての差し止めの仮処分にも影響すると考えられるからだ。

 両者の主張は、山場となる株主総会に向けて真っ向から対立している。まず富士興産側だ。意見表明報告書の中で次のようにアスリードを厳しく批判している。

・実態は非公開化ありきの非公開化のための非公開化

・変更報告書の不提出罪・虚偽記載罪に関し捜査が現実化するリスク

・このように金融商品取引法に違反していると疑われる者が当社の100%株主になってしまうと、当社の信用を失います

・アスリード・キャピタルの関心は当社の現預金

・キャッシュの使い道がなくなっている状況、大胆な株主還元を頂かないと困ると言い、24 億円を自己株式取得に充てた場合のシミュレーションを提示し自己株式取得を求めてきた

・アスリード・キャピタルが、多数派株主として自己の利益のみを目的として濫用的な会社運営をし、当社の企業価値を損ない、株主共同の利益を害するおそれがある

 一方でアスリード側も、訂正公開買付届出書で富士興産経営陣をこう批判している。

・本有事買収防衛策は、(中略)明らかに経営陣の保身、経営陣による株主の恣意的な選別を目的としている

・コーポレートガバナンスを退行させる悪質なもの

・前中期経営計画が事実上未達であるにも関わらず、経営責任を自覚する様子が見られないことから、新中期計画への経営陣のコミットメントは疑わしく、新中期計画の実現には強力な経営の規律付けがなされなければ難しいと言わざるを得ない

 富士興産の広報担当者は次のように語る。

「私たちはTOBには反対しています。大きな懸念を抱いているからです。彼らは私たちの中期経営計画に反対し、非上場化するよう主張していますが、具体的な経営についてはこちらに任せると言って方向性を示しません。これでは彼らが何をしたいのかよくわかりません。それで買収防衛策を発動したわけですが、現在差し止め請求を受けており、その成り行きを伺っています」

 ここで富士興産の株主に承認されれば、アスリード・キャピタルはその第一号案件で、撤退を余儀なくされる可能性が高い。「株主に認められなかった敵対的買収者」として、その後の案件にも影響は必至だ。「別動隊」としての戦略的意義が損なわれることにもなりかねない。

 他方、株主が買収防衛策を否決すれば、TOBの下限は既存保有分と合わせて40%と低く設定してあり、アスリードのTOBが成立する可能性が高い。非公開化まではできないとしても、議決権行使比率によっては取締役選任議案などを実質的に通すことができるようになり、実質的な支配権を握ることとなる。果たして24日の総会で株主たちはどう判断するのか、目が離せない。

(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

●松崎隆司/経済ジャーナリスト

1962年生まれ。中央大学法学部を卒業。経済出版社を退社後、パブリックリレーションのコンサルティング会社を経て、2000年1月、経済ジャーナリストとして独立。企業経営やM&A、雇用問題、事業継承、ビジネスモデルの研究、経済事件などを取材。エコノミスト、プレジデントなどの経済誌や総合雑誌、サンケイビジネスアイ、日刊ゲンダイなどで執筆している。主な著書には「ロッテを創った男 重光武雄論」(ダイヤモンド社)、「堤清二と昭和の大物」(光文社)、「東芝崩壊19万人の巨艦企業を沈めた真犯人」(宝島社)などを多数。日本ペンクラブ会員。

自衛隊、隊内で性的暴行受けた女性自衛官に「嘆願書」承諾を強要…事件を隠蔽の意図か

 元自衛官で20代女性のAさんが、昨年7月に北海道の矢臼別演習場での訓練中に40代の男性幹部自衛官Bから性的暴力を受けた強制性交事件について、その実態と、陸上自衛隊の情報管理の甘さについて見てきた。

 今回は事件に関するAさんへの聴取内容が部隊内に漏えいした原因に加え、自衛隊側がBに懲戒免職処分を下す直前、Aさんに処分公表を見送ることに同意させる「嘆願書」を手渡していた事実について明らかにする(記事中の階級は当時)。

中隊長が聴取内容書いた書類を机の上に放置、隊員全員が閲覧可能に、誹謗中傷に拍車

 前回、警務隊によるAさんへの聴取内容がダダ漏れになり、誹謗中傷される原因になっていることについて報じた。本来、聴取内容は警務隊をはじめ、ごく一部の人間しか知り得ないはずである。Aさんへの取材によると、中隊長が隊内の自分の机の上に、聴取内容が書かれた書類を隊員全員が閲覧できる状態で放置していたことが原因だという。その書類を閲覧した隊員の間で噂話が広がっていった。

 この中隊長は動画投稿SNS「TikTok」の熱心なユーザーであり、Aさんに対する聴取直後に自分の動画を投稿するなど、およそAさんの性被害に真剣に向き合っている姿勢とは思えなかったという。Aさんはこの中隊長について現状報告をしなければならなかったが、事件について必要以上の内容の報告を求められ、話すとそれが隊内に広がり、誹謗中傷に拍車をかけていた。

 さらに、Aさんの母親とも被害への対応などをめぐってLINEで連絡を取っていたが、「いっしょにご飯を食べに行こう」などと、Aさんの事件とまったく関係ないメッセージを送っていた。Aさんの母親は奇異に感じ、その後の連絡は控えるようにしたという。

 性暴力の被害者への聴取内容はプライバシーの最たるものである。犯行について被害者に語らせる行為はセカンドレイプとも呼ばれ、被害者に大きな精神的苦痛をもたらす。その点からすれば、直接聴取する警務官にすら話すのが辛い内容であり、それを万人が見られるような状態にしておくとは、明らかに不適切である。

 中隊長だけでなく、直属の上司である営内班長に対してAさんが電話で報告した内容も漏えいしていた。この班長も聴取内容を閲覧できたが、風呂場で内容を別の隊員に漏らしているのが目撃されている。

警務隊の人事制度

 今回の事件では、自衛隊内の警察にあたる警務隊の聴取が、Bの「同意があった」という発言に引きずられ、被害者であるAさんに過度に圧迫的になっていたことについては前回指摘した。これには警務隊の人事システムが関係あるという。以下は防衛省幹部の解説。

「警務官は自衛官が陸曹段階で選択して就任するため、自衛隊内の階級秩序に縛られることが、今回の圧迫的な聴取の原因だと考えられます。警務隊は指揮系統上、防衛大臣直轄ですが、現場レベルでいうと階級が上の人間にはどうしても弱い。例えば、Aさんのように自分よりも階級が低い自衛官には積極的に聴取できますが、Bのような幹部自衛官となると『俺より階級が下のお前らがエラそうに』と凄まれれば躊躇するのが実態です。

 まして、相手が将官といった高級幹部だった場合、不祥事を積極的に取り調べることなど不可能に近い。今回の事件についても、階級が自分たちより上のBが『同意があった』と言った以上、それを覆してAさんの見方をするより、Bの発言を前提とした結論に持って行くほうが無難で保身につながると考えた疑いが濃厚です」

 不祥事を取り締まるべき警務隊が自衛隊内の階級制度に縛られている限り、公正な監視体制が実現することは困難だ。隠蔽体質をなくすためにも、自衛官と人材育成システムを別にするなど組織改編が必要だろう。

自衛隊、幹部へのコネの有無で違いすぎる待遇

 自衛隊の階級社会の悪弊が出るのは、警務隊だけではない。今回の事件では、幹部へのコネの有無で懲戒処分への大きく違いが出る体質も明らかになった。

 Aさんは聴取が始まった後、昨年10月に自衛隊OBなどからなる自衛隊援護協会に被害を相談したところ、あるOBが懲戒処分の検討状況について自衛隊側に確認してくれることとなった。その結果、少なくとも10月下旬の段階では、Aさんが所属していた北部方面隊第7師団第7特科連隊を管轄する北部方面総監と7師団長は、事案を把握していなかったことが明らかになったという。OBの間でこの件が話題になり、それが北部方面総監の耳にも入り、聴取が円滑に進むようになった。Aさんは「もし自分が援護協会に相談しなかった場合、自衛隊側はBを懲戒免職処分にせずに、懲戒処分にして残留させていた疑いが相当強い」と憤る。

 当然だが、訓練中の強制性交事件は重大案件である。北部方面総監が事案発生から約3カ月も経過して把握すらしていないというのは本来あり得ない。Aさんが前出のOBから聞いたところによると、「中隊から上がってきた報告書では、相違点や不審な点がいくつもある文書であった」という。少なくとも連隊などで、もみ消しの動きがあった可能性もある。

 今年3月末で退官した湯浅悟郎前陸幕長の下で、不祥事のもみ消しが常態化していたことについてはすでに指摘した。Aさんが知人の陸自幹部に陸上幕僚監部に直接事件について報告したほうがいいか相談したところ、「今の陸幕だとムダだから、やめたほうがいい」と諭されたという。陸自全体で当時の湯浅体制の隠蔽体質が知れ渡っていたということを裏付ける証言だ。

Aさん、所属部隊幹部から無責任発言を受けて精神的苦痛

 この事件の対処にあたった前連隊長の1等陸佐は、Bが起訴された12月に陸上幕僚監部防衛部防衛課研究室長に異動している。事件が発生した7月末から4カ月ほど経過してからの異動になるが、「明らかに対応としては遅く、事件の最終的な責任をとらなくてよいようなタイミングを陸幕上層部と図っていたのでは」(先の防衛省幹部)との疑念の声も出ている。

 この1佐は連隊長としてAさんと面談した際、「一度起きた化学反応は止められない」と発言し、副連隊長も「国家賠償請求訴訟をすればいいじゃないか」と話したという。聴取内容が漏えいしたことで誹謗中傷を受けたAさんに対し、情報管理の甘さについての謝罪や、再発防止に向けた積極的な言動は何もなかった上、司法に任せればいいというような無責任な発言は非常に大きな精神的な苦痛を与えた。

公表をやめさせるための「嘆願書」まで作成

 隠蔽体質の極めつけは、Bの懲戒免職処分が公開される直前の今年2月に師団側が作成し、Aさんに承諾するように求めた以下の「嘆願書」だ。

 この「懲戒処分公表に関する嘆願書」の4番目の項目にはこうある。

「マスコミへの公表にあたり、個人情報は伏せると聞きましたが、部隊や周囲の人がそのニュースを見聞きしたら、分かる人には分かってしまうと思います。公表によって私や家族がそのニュースを見聞きしたり、誰かから事案について言われたりして、自分や家族が精神的に耐えられるかが不安であります。懲戒処分の公表による精神的苦痛、また、家族にも悪影響があると本末転倒になってしまいますので、多くの人に知られないよう公表しないでいただけるよう嘆願します」

 Aさんが依頼したものではないにもかかわらず、Aさんや家族の「精神的苦痛」を代弁する形で記述されている上、最後の「多くの人に知られないよう公表しないでいただけるよう嘆願します」という一文からは、自衛隊がこの事件についての公表を避け、隠蔽する意図があったことがうかがえる。これを被害者であるAさんに承諾させようとしているのだから、モラルが疑われる。

 加害者のBには実刑判決が下されることがほぼ確実となっていた時期での文書であるだけに、Aさんに「自衛隊は最後まで被害者の自分を守らないばかりか隠蔽しようとしている」という苦痛を、追い打ちのように与え、自衛隊の組織全体への信頼を失わせた。これに湯浅体制下で防衛省、陸幕が関与していたとすれば、関係した幹部の責任が問われる。自衛隊内では、懲戒処分があると毎回このような文書を被害者に承諾させるような慣習があるのかについても、防衛省は明らかにする責任がある。

防衛省と自衛隊の幹部は、若い女性の夢が性暴力により潰された重みを実感すべき

 性暴力が女性のキャリアを潰してしまう例は少なくない。Aさんはもともと消防士志望だったが、試験に落ち、病院で救急救命士として勤務していた。知人に誘われて自衛隊に入隊し、将来は消防士になることを目指していたが、今回の被害を受けて、夢を断念した。「いつ被害がフラッシュバックしたり、心身に異常を来したりするかもしれない身では、人の命を預かる仕事に就くべきではないから」という。

 社会貢献の意志が強いAさんは、20代ながら確固たる志を持っていた。それがBの身勝手な欲望により踏みにじられたばかりか、陸自の隠蔽体質によりさらに傷を広げられた。今回、辛い思いで事件について語ってくれたAさんはこう話す。

「今後、私が受けたような被害が再発し、他の女性自衛官にも辛い思いをしてほしくないという一心です。自衛隊内にはまだ女性自衛官の同期がおりますし、これからも女性自衛官が入隊してくるでしょうが、今のままではとても安心できません。

 今の自衛隊は災害支援などで国民の支持を得ていますが、Bがもし懲戒免職にならずに自衛隊に残ったとしたら、国民はどう思うでしょうか? 災害支援の現場で女性に性暴力を振るうかもしれないような男性自衛官がすぐそばにいるとわかったら、どんな気持ちになるでしょうか? 階級が下ということや、女性というだけでまともに人間扱いされない組織は健全といえるでしょうか? それらのことについて、岸信夫防衛相以下、防衛省幹部、陸自幹部には徹底して考え対策を講じていただきたいです。

 もしそうでなければ、女性自衛官を募集するということは、世間の風潮に迎合した単なるキレイゴトにすぎず、狼の群れに羊を投げ込むようなものではないでしょうか。自衛隊が国民の信頼を得る組織となるためにも、二度と私のような被害者を出さないようにしていただきたいです」

 問題は、被害者の尊厳を踏みにじるような組織体質が、自衛隊には明白に存在するということである。防衛大学出身の陸幕長が約30年続き、一般大卒の吉田圭秀氏が4月に就任した。筆者は純血主義が今の陸自の体たらくにつながっていると考えており、吉田氏にはぜひ組織体質の改善を図っていただきたいと思う。今後の採用方針としても、一般大卒、社会人からの転入組など多様性を確保するのは必須だろう。

 今回はたまたま陸自内で露見したが、海上自衛隊も航空自衛隊も隠蔽体質は同じである。岸防衛相以下、責任ある自衛隊幹部は総出で体質を改善すべきである。

防衛省の見解

 なお、当サイトが防衛省陸上幕僚監部広報室に複数の質問項目を送付したところ、以下の回答が寄せられた。

「・元来、個別の事案について逐一詳細をお答えすることは差し控えさせていただいております。

・各種事案が発生した場合、事実に基づき厳正に対応しています。

・被害者またはその関係者のプライバシー等の権利利益を侵害するおそれがある場合等の理由により公表が適当でないと認める場合には、公表内容の全部または一部を公表しないことができるとしており、個々の懲戒処分の公表については、様々な状況を総合的に判断し、適切に対応しております」

(文=松岡久蔵/ジャーナリスト)

●松岡 久蔵(まつおか きゅうぞう)

Kyuzo Matsuoka

ジャーナリスト

記者クラブ問題や防衛、航空、自動車などを幅広くカバー。特技は相撲の猫じゃらし。現代ビジネスや⽂春オンライン、東洋経済オンラインなどにも寄稿している。ツイッターアカウントは @kyuzo_matsuoka

ホームページはhttp://kyuzo-matsuoka.com/

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JRA宝塚記念(G1)「117億円」が一瞬で紙くずに……。ゴールドシップの「超後方ポツン」に横山典弘も苦笑い!? “愛されキャラ”の怪走に響き渡った悲鳴、怒号、落胆の声

 今週末の阪神競馬場では宝塚記念(G1)が開催される。単勝1倍台に支持された大本命馬が敗れるなど波乱の続いた春G1だが、今年の上半期の掉尾を飾るグランプリレースには、どのような結末が待っているだろうか。

 同レースは雨が降りやすい梅雨に行われる上に、秋の始動に尾を引く6月下旬の日程に加え、荒れた馬場を嫌ったトップクラスの馬が回避することも珍しくないのも特徴の一つである。

 暮れのグランプリ・有馬記念(G1)に比してメンバーが手薄になりやすく、少頭数で行われることも多い。このレースで初G1勝ちとなる馬が出やすいこともこのような背景もあってだろう。

 古くはメジロライアン、マーベラスサンデー、サイレンススズカ、メイショウドトウ。直近の10年でも2011年アーネストリー、15年ラブリーデイ、18年ミッキーロケットがこのケースに該当する。

 また、芝2200mという紛れのある非根幹距離の条件も、波乱の決着を後押ししているかもしれない。過去10年でも3連単の払戻が10万円を超える大波乱となった例が4度もあるほどだ。

 なかでも最も競馬ファンを狼狽させたのは15年の宝塚記念だろう。この年の1番人気は横山典弘騎手とゴールドシップのコンビである。ゴールドシップは13年、14年と連覇し、絶大な相性の良さを誇った。しかも、2年連続で人気を裏切った春の天皇賞(G1)を三度目の正直で見事に優勝したこともあり、単勝オッズ1.9倍の断然人気にファンが支持したのも無理もない。

 だが、この日のゴールドシップはいつも以上に破天荒な姿を見せた。目隠しされたゴールドシップは最初にゲート入り。しばらくは落ち着いていたが、内隣のトーホウジャッカルがチャカついたことも影響したのか徐々に冷静さを欠いていった。

 最後にラブリーデイがゲートへ入る頃には、トーホウジャッカルを威嚇するように立ち上がった。一度目は横山典騎手が「待ってくれ」と声を上げたことで事なきを得たかに思われたが、ゲートが開くと同時に再び立ち上がってしまった。

 その後、何とかゲートを出たものの、10馬身以上も出遅れる致命的なロス。ゴールドシップに一体何があったのか。大本命馬のまさかの光景を目の当たりにした観衆からは、悲鳴、怒号、落胆の声が響き渡った。

 結局、レースでも最後まで後方のまま15着に大敗。6番人気の伏兵ラブリーデイの勝利で3連単の払戻は52万8510円の大波乱となり、ゴールドシップ絡みの馬券「約117億円」は、一瞬にして紙くずへと変わったのである。

 レース後、ゴールドシップに騎乗した横山典騎手でさえ「彼に聞かなきゃ分からない」と苦笑い。1頭だけ離れた後方で競馬をする様を一部のファンから「後方ポツン」といわれる横山典騎手ですら予想外のアクシデント。管理する須貝尚介調教師も「普段から突拍子もないことをするが、この馬だけは本当に分からん」とコメントしたほどに頭を悩ませた。

 この不可解な凡走がきっかけとなったのか、ターフを沸かせた芦毛の怪物は秋のジャパンC(G1)を2番人気で10着、有馬記念でも1番人気の支持を受けながら8着に大敗し、このレースを最後に現役生活と別れを告げる。

 その一方で、レースでは破天荒なゴールドシップだが、それ以外では愛くるしい姿を見せる一面もあり、そのギャップにゾッコンのファンも多かった。危うさを感じさせながらも決めるときは決める“クセ馬” だけに、なにをやっても許せてしまいそうなところもまた、大きな魅力だった。

 引退式で一番思い出されることについて横山典騎手が「宝塚のゲートですか。一瞬にして何十億と紙くずにしてすみませんでした」とコメントをした際、見守ったファンがドッと沸いた辺りもどこか憎めないゴールドシップの人柄ならぬ“馬柄”の伝わってくるシーンといえる。

 種牡馬としても今年のオークス馬ユーバーレーベンを出したように、第二の人生でも期待されるゴールドシップ。これからもファンを楽しませ続けてくれるに違いない。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。