“人”基点データで、顧客に新しい価値を提供する

電通による“人”基点のマーケティング「People Driven Marketing(※)」(ピープル・ドリブン・マーケティング)。

毎年アップデートを重ね、現在は「PDM5.0」に進化しています。

本連載では、電通人と企業のゲストたちが、マーケティングとデータの未来を語った「People Driven Marketing® 実践ウェビナー2021」3日間の模様を、ダイジェストでレポートします。

3日目のテーマは「PDMの拡張」(キーノートセッションはこちら)。今回は「新しい“人”基点サービス」を紹介した3つのセッションを紹介。データやデジタルテクノロジーを活用しながら、顧客視点でどのようにビジネスを変革するのか?具体的な事例を交えながらマーケティングの未来像を示した各セッションについてお伝えします。

※所属や役職はウェビナー当時の情報です。
 
<目次>
“需要予測”で、マーケティングプロセスに革命を!
多角的にデータを活用したセブン‐イレブンのマーケティングプラットフォームとは?
“人”基点のテレビプランニング。現在地と未来
※People Driven Marketing
https://www.dentsudigital.co.jp/service/pdm/summary/
電通が提唱する、データ&デジタル時代に対応した“人”基点の統合マーケティング・フレームワーク。課題を人(People)基点で捉え直し、電通グループが持つ最先端のマーケティング手法を統合して、顧客の持続的な成長を支援していく。

“需要予測”で、マーケティングプロセスに革命を!

PDMウェビナー2021

最初のセッションは、POSデータと気象データを掛け合わせて解析する“需要予測”を、マーケティングプロセス全体に活用するメリットとノウハウについて。

MCを務めた電通第1統合ソリューション局の大島聡氏は、「顧客の“この商品がほしい”と思うタイミングと、企業の“顧客が必要とするその瞬間に商品やサービスを提供したい”というニーズを、高度にマッチングさせることが重要」と述べました。

そして“需要予測”は、「大きな需要が見込まれるタイミングで広告の出稿量を増やすためだけでなく、マーケティング戦略や生産調整、店頭の品ぞろえや、棚割りなどのプランニングにも活用できる」と、その可能性を示唆しました。

電通では“需要予測”を活用しながら、企業のマーケティングプロセス全体を支援するコンサルティングサービス「ミチシロウ」をリリース(概要はこちら)。大島氏は、「設計・開発・検証」と「施策検討・実施」の大きく2つのフェーズで、“需要予測”を活用しながら具体的にどんな施策が打てるかを提案し、実施までサポートしていることを伝えました。

PDMウェビナー2021

続いて、電通データ・テクノロジーセンターの櫻木裕之氏、日本気象協会 社会・防災事業部 気象デジタルサービス課の中野俊夫氏、小越久美氏が登壇。

「ミチシロウ」のリリース以前に、日本気象協会と電通は、気象データを活用し、マーケティングの高精度化を目指すべく、“Weather Enhanced Marketing(WEM)”プロジェクトを2018年に発足。本プロジェクトにおいて、「ウレビヨリ」というソリューションを開発したことを櫻木氏が述べました。

ウレビヨリは、スポーツドリンクや制汗剤など、気象要因で生活者の需要が高まる瞬間(モーメント)が左右される約160品目の購買データと気象データを独自手法で解析し、需要の変化を指数化する予測モデル。

日々更新される全国の気象予報情報(日平均気温、日照時間、降水時間、湿度)を常時反映し、エリア別、品目別といった視点で需要の変化を、日次の場合は最長2週間前に捉えることが可能です(週次や月次の場合は、より長期予測が可能)。

生活者のモーメントを事前に予測することで、効率がよく機会を逃さないテレビプランニングやデジタル広告配信をはじめ多様なマーケティング施策が見込めると、櫻木氏は言います。(リリースはこちら)。

さらに、「ウレビヨリではエリア・時期ごとの売れ時を事前に察知することで、より細かなニーズの違いに対応したマーケティングを可能にします。これまでにアイスクリーム、清涼飲料水、アルコール飲料などさまざまなカテゴリーでご活用いただいています」と、続けました。

気象データは、“需要予測”において最も重要な要素です。中野氏は、「全産業の1/3は、なんらかの気象リスクがあります。そして気象は唯一、将来が物理的に予測可能なものである」と述べました。日本気象協会では、気象を使った需要予測を行い、さまざまな企業に提供しています。多くの効果を上げたことが評価され、日本気象協会は、平成28年度省エネ大賞で経済産業大臣賞(ビジネスモデル分野)を受賞したことを中野氏が紹介しました。

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さらに、小越氏からは、“需要予測”のマーケティング活用で重要なのは、生活者の体感を捉えることだと説明されました。

「同じ気温でも、季節によって“体感”は異なります。例えば、冷やし中華の売れ始めは、最高気温が18℃を超える頃、おでんの売れ始めは、最高気温が30℃台を切るぐらいからです。4月の18℃はとても暑く感じ、8月の29℃はかなり涼しく感じるのです。一般に、気温が30℃近いと暑いと考えますが、おでんの売り上げが伸びていることがわかれば、体感的には涼しくなっていることを客観的に把握できます」(小越氏)

POSデータと気象データを掛け合わせて解析する“需要予測”は、消費者の体感を商品需要に置き換えて具体的に表現した指標だと小越氏。この特徴を利用し、キャンペーン施策や広告出稿量の調整に活用できるのがウレビヨリなのだといいます。

小越氏は続けて“需要予測”のマーケティング活用事例を紹介。サプライチェーン部門とマーケティング部門が情報を共通利用することが、効率的な利益向上のためには重要であると強調しました。

セッションの最後には登壇者から、“需要予測”が生活者に提供できる価値と、取り組む際の秘訣(ひけつ)について語られました。

「“需要予測”は、ニーズ(需要喚起)、ウォンツ(購買喚起)、ロイヤルティ(継続喚起)の3つの点で、生活者の『発見』『解決』『満足』を効果的に醸成できます。生活者が必要とするタイミングで情報提供ができ、企業側はマーケティング効果を高めることが可能です」(櫻木氏)

「“需要予測”による業務改善は、生活者にも大きなメリットがあります。『在庫最適化』により在庫回転率が向上すれば、新鮮な商品を届けられますし、『棚割り・販促最適化』により求められる商品を最適な価格で、安定して供給が可能。食品ロス削減や消費者満足度の向上につながります」(中野氏)

「リードタイムごとに情報を使い分けることが重要です。そして短期から長期まで予想の粒度が異なるため、リードタイムごとに情報の活用を考えていくことが運用の秘訣です」(小越氏)

そして櫻木氏が「“需要予測”は、ビジネス全体を取り巻く幅広い領域で活用できます。誰に(Who)、何を(What)、どのように(How)という分析軸に加え、“需要予測”によって「When(タイミング/モーメント)」という新しい競争軸が入ってくることで、マーケティング意思決定の精度を上げることに役立つでしょう」と展望を述べ、セッションを締めくくりました。
 

多角的にデータを活用したセブン‐イレブンのマーケティングプラットフォームとは?

PDMウェビナー2021

「セブン‐イレブンアプリを基盤にした統合マーケティングソリューション」と題したセッション。

セブン‐イレブンアプリに連携する各種のデータや施策手段を活用したメーカー向けのマーケティングソリューション「セブン‐イレブンマーケティングプラットフォーム(SEMP)」の提供を開始したセブン‐イレブン・ジャパン マーケティング部(当時 販売促進部)デジタル販売促進 統括マネジャーの杉浦克樹氏、マネジャーの大石健司氏をゲストとして招き、電通の能登康之介氏が登壇しました。

PDmウェビナー2021

まず、杉浦氏がプラットフォーム開発の背景を説明。

2021年9月時点で、会員数約1,500万人以上、750万MAU(Monthly Active Users)のセブン‐イレブンアプリですが、「従来はコーヒーに全く関心のない会員にもセブンカフェのクーポンを送るというような、会員全員に同じ情報を一斉に配信するコミュニケーションをしていたため、それぞれの会員が本当に求める情報をタイミングよく送る必要を感じていました」と杉浦氏はいいます。

「そこで、セブン‐イレブンアプリに紐づくID-POSデータ(※1)を分析し、値引きやクーポンだけでなく、新商品などの情報を一人一人のお客さまに最適なタイミングで最適な内容をお送りする1 to 1のマーケティングを少しずつ進めてきました」(杉浦氏)。

※1 ID-POSデータ:顧客の固有ID(性・年代などのさまざまな顧客情報)が紐づいた購買データ。


セブン‐イレブンのID-POSデータは、「週に何度も利用するお客さまが多いのでデータの鮮度が高い」「全国の老若男女が利用するため幅広い層のデータが集まる」「顧客の嗜好(しこう)だけでなく実際の行動として購買データが取れる」という特徴があり、非常にリッチなものだといいます。

このID-POSを中心としたデータを使って各種の販促施策の設計を行い、効果検証を実行する。その一連のPDCAサイクルを、マーケティングプラットフォームとして、メーカーにも開放するというのが、「セブン‐イレブンマーケティングプラットフォーム(SEMP)」の基本的な考え方。「このプラットフォームでの取り組みを進めることで、メーカー様とセブン‐イレブン、そしてお客さまにとっての『三方良し』を目指したい」と、杉浦氏は述べました。

大石氏からは、従来のメーカー協賛とセブン‐イレブンマーケティングプラットフォームとの違いに関する説明がありました。これまでもメーカー提案によるセブン‐イレブンアプリの販促施策は実施していたそうです。しかし、その施策設計や検証プロセスは必ずしも細やかなデータ分析に基づいたものではありませんでした。同プラットフォームでは、企画段階からID-POSを中心としたさまざまなデータを使って、メーカーと一緒にPDCAサイクルを立案できることを説明。

「ID-POSデータは、個別最適なアプリ施策(クーポンキャンペーンや情報配信など)の設計だけではなく、外部の広告メディアを使った認知促進策のプランにも利用可能です。それらの施策設計や効果検証時に利用可能なデータ項目は多岐にわたり、メーカー様の日々のマーケティング活動につながるような分析をアナリストが要望を聞きながらカスタムしていくことが可能です」(大石氏)

さらに大石氏は、単なるデータホルダーではなく、事業会社であるセブン‐イレブン・ジャパンがこのようなマーケティングソリューションを提供する最大のメリットとして、売場と連携した統合的な販促施策が実践可能な点も強調しました。

続いてプラットフォームを有効活用した事例として、セブン‐イレブンが自社ブランドの「たんぱく質が摂れるローストチキン&スパイシーチリ」という健康系の商品で実践したケースが紹介されました。この事例について大石氏は、「テレビCMで訴求していたものの、より多くの方に繰り返し手に取っていただきたいと考えていました。この施策では、ID-POSデータを使った機械学習によるリピート購買の予測スコアを算出して、それに応じたクーポンの出し分けを行いました。また商品認知が足りないと思われるお客さまには、事前のA/Bテストで効果性の高かったウェブ広告素材も同時に配信を行いました。施策結果としても、狙ったような費用対効果を得ることができました」と説明。

本プラットフォームの開発及び運用をサポートする電通の能登康之介氏は、マーケティングを専門とするデータサイエンティストの立場からこのソリューションの強みを解説。

能登氏は、本プラットフォームには日用消費財のマーケティングに必要な4つの要素、「分析環境」「施策手段」「店舗連携」「集客力」が高いクオリティで揃っているといいます。

まず「分析環境」としては大規模ID-POSとそれに紐づく各種データが、ほぼ制約なく使えることで、さまざまな分析が可能で、それとシームレスに連携する「施策手段」として、ID単位でも設計できる各アプリ施策(クーポンキャンペーン、情報配信など)や広告施策が用意されていると説明。

「商品の購入者や市場環境を把握するような分析だけではなく、メーカー様が普段から考えているターゲット仮説の再現を行ったり、高次元のデータを使った機械学習による顧客セグメンテーションやデュアルファネルの各KPIを最大化するような予測モデル等によって、最適なターゲットと施策の組み合わせを検討することができます。さらに、それをRCT(ランダム化比較実験)や統計モデルを使った因果推論的手法によって検証することができるというのは、マーケティングのPDCA環境としては、最高レベルのものと言えると思います」(能登氏)

そして、オフラインでの購買が約9割を占める日用消費財では「店舗連携」が、各種の施策効果を最大化する上で特に重要であり、現在のアプリユーザーだけでも毎月7,500万回以上ある購買機会に対してマーケティングアプローチできる「集客力」という点も考えると、オフラインのマーケティングソリューションとしては、他に類を見ないと考えているとのこと。「特に、セブン‐イレブンアプリは、来店前や店頭という購買意欲が伴ったタイミングで良く見られるアプリなので、特定の商品の購買を促す手段ということに関しては、とても有効な施策手段になると考えています」という能登氏。

この後、能登氏は、実際のメーカーとの取り組み事例を紹介し、このマーケティングプラットフォームが対応できるマーケティング課題が多岐にわたること、中長期に活用していくことでメーカーにとっての価値も最大化されるということを解説しました。

そして、最後に、杉浦氏から、SEMPの利用条件に関する説明がされた上で、「メーカー様からの要望やマーケティングの潮流なども踏まえて、本マーケティングプラットフォームは、アップデートを継続的に行っていく」という意気込みを伝えていただき、本セッションは終わりました。
 

“人”基点のテレビプランニング。現在地と未来

PDMウェビナー2021
「データ革新で実現するテレビと未来の現在地」と題したセッションでは、テレビプランニング領域での新たなソリューションや最新情報について伝えました。

登壇したのは、電通ラジオテレビビジネスプロデュース局の足木勇介氏と朴泰輝氏。まず、朴氏が、テレビの現状から未来について、トピックスを交えて語りました。

世帯内での視聴の個人化やテレビを持たない若年層の出現など、テレビを取り巻くライフスタイルは変化しています。この流れを受けて、地上波の番組をネットで同時配信する動きもあります。加えてコネクテッドTV(インターネットに結線したテレビ)の普及によって、テレビが動画を見るためのデバイス化する流れは今後さらに加速するとのこと。

「電通が2021年に実施した調査では、YouTubeやNetflixなどの動画配信サービスは、PC・スマートフォンよりもコネクテッドTVの方が視聴頻度も時間も増える傾向にあることがわかりました」(朴氏)

朴氏は、Cookieフリー化の影響はテレビや動画配信の領域にも深く関わる問題だと言い、「動画配信プラットフォームは、データ領域の競争力維持のために、OneID化を進めざるを得ない」としました。OneIDとは、人基点でIDを“集約”することです。

「例えばメールアドレスを登録すれば、その一つのIDだけで各企業のさまざまなサービスが受けられるようになる、といったことを指します。テレビ放送もこの流れに乗らざるを得ず、周辺サービスでも今後OneID化に取り組み、視聴者データの集約に取り組んでいくことになると予想されます」(朴氏)

OneID化が進めば、ネット結線されたテレビの視聴ログデータがマーケティングにおいて一層重要になると朴氏は続け、「しかし、テレビのデータは、デジタルのDMP(データマネジメントプラットフォーム)の世界から隔絶しています。それをつなぐソリューションとして、電通のSTADIA(※2)などがあります。将来的には、技術革新によって、テレビ、パソコン、スマホのデータが統合される方向に向かうでしょう」と展望を述べました。

※2 STADIA:テレビをはじめとする“オフライン”メディアと、スマートフォンやPC上の“オンライン”メディアのデータを統合し、より効果的なマーケティングを実現させるオンオフ統合ソリューション。2022年2月時点で約930万台のテレビの視聴ログデータと、約1,000万台のモバイル広告IDや約1.48億件のCookie IDのオーディエンスデータ規模を有する。


さて、テレビに関するさまざまなデータを集めて、それらをどうマーケティングに活用するのか。テレビの新しい未来に対応し、広告の価値を最大化するために開発した電通の2つのソリューション、「RICH FLOW」と「CONNECTED VIEW」について、足木氏が説明しました。

「2020年にリリースしたRICH FLOW(β版)は、AI技術を活用してCM効果を高めるシステムです。複数の広告主間での広告枠の組み換え(最適化)が実現できます。

例えば、広告主のA社は、暑い日にアイスクリームのCMを出稿したい、B社は、F1(20~34歳の女性)層にCMをリーチしたいという全く異なるKPIを設定していたとします。RICH FLOWでは、両社にとって最適な広告枠をAI(人工知能)で分析し、両社ともに広告効果がアップすると予測される場合、広告枠を組み換えるというものです」

PDMウェビナー2021

続いて、足木氏は「CONNECTED VIEW」について説明。「このソリューションは、『設定したターゲット視聴に応じて、出稿料を払いたい』というニーズに応えます。視聴ログデータを基に発注生産を行う、次世代型バイイングメニューです」と述べました。

PDMウェビナー2021

テレビ放送ではたくさんの人に広告が届きますが、「CONNECTED VIEW」は、上図のように実データとして測定できた視聴ログ数(VIEW数)のターゲット視聴数に対して単価課金を行うところがポイントです。

続いて朴氏が“人”基点でテレビを活用するための3つの課題について触れ、それぞれ今後の展望を語りました。

課題1:PM(※3)視聴率との乖離(かいり)や、関東偏重、ローカルデータの不足
ローカル分析も可能な全国規模の実数データで、かつPM視聴率に近い代表性を担保しつつ、個人ベースの行動も分析できる“PM準拠のビック実数データ”が必要とされており、この課題を第一に解決しなければならない。

※3 PM(ピープルメータ):視聴率調査会社が、個人視聴率調査に使用する測定機のこと。


課題2:データクリーンルーム間の統合評価の実現
複数のデータクリーンルームを見ることができても、それぞれの結果を正しく比較できないという課題。分析結果を適切に比較するためのソリューションの開発が必要。

課題3:コンテンツをキーにしたコミュニティマーケティング
“人”基点のデータが整備されることで、コンテンツの強化に、より着目されるようになるので、「コンテンツID」をキーに、デュアルファネルに貢献できる仕組みを構築し、マーケティング支援に取り組む必要がある。

最後に朴氏は放送波の今後について、「ターゲティングができないという弱点がある」と指摘しつつ、「しかし、さまざまなデータ活用で、放送波が持つ“ターゲットの周辺層でのマーケティング効果”も判明しつつあります。周辺層が活性化すると、さまざまな購買行動にポジティブな影響がみられ、売り上げ貢献することもわかってきています。この点について今後、電通の研究結果にも注目してください」と述べ、このセッションを締めくくりました。



※本ウェビナーに関する資料を無料ダウンロードいただけます。

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カスタマーサクセスの実現に欠かせない、デジタルとデータの力

電通による“人”基点のマーケティング「People Driven Marketing(※)」(ピープル・ドリブン・マーケティング)。

毎年アップデートを重ね、現在は「PDM5.0」に進化しています。

本連載では、電通人と企業のゲストたちが、マーケティングとデータの未来を語った「People Driven Marketing® 実践ウェビナー2021」3日間(2021年10月13~15日)の模様を、ダイジェストでレポートします。

3日目のテーマは「PDMの拡張」(キーノートセッションはこちら)。今回は、「“人”起点のデジタルトランスフォーメーション」の実践に関する話題を中心に3セッションを紹介します。

※所属や役職はウェビナー当時の情報です。
<目次>
スモールサクセスの積み重ねで、大きな変革を確実に前進させる
2000社以上の「デジマ診断」から見えた、デジタルマーケティング成功の3つのポイント
急ピッチのDX変革で見えてきた、人・組織の課題とは?

 
※People Driven Marketing
https://www.dentsudigital.co.jp/service/pdm/summary/
電通が提唱する、データ&デジタル時代に対応した“人”基点の統合マーケティング・フレームワーク。課題を人(People)基点で捉え直し、電通グループが持つ最先端のマーケティング手法を統合して、顧客の持続的な成長を支援していく。

スモールサクセスの積み重ねで、大きな変革を確実に前進させる

重平氏、阿部氏

「“売らない”マーケティング『カスタマーサクセス』 データで紐解く最新のCRM」と題したセッションでは、トレジャーデータの重原洋祐氏と、電通デジタルの阿部智史氏が登壇。カスタマーサクセス実践の方法について、データプラットフォーマーであるトレジャーデータの取り組みを交えながら紹介しました。

今、世の中はモノ消費からコト消費に移り変わり、ただ効率的にモノを作るだけでなく、継続的に使ってもらうための変革が企業に求められています。こうした潮流の中で注目を集めているのが、「カスタマーサクセス」。購入・契約後にモノやサービスをより良く使い続けてもらい、顧客との信頼関係を構築することで結果的に事業を成長させるという考え方を指します。

阿部氏はカスタマーサクセスがもたらす変革を、「お客さまへの伝え方・寄り添い方が変わる“コミュニケーションの変革”に始まり、その先には新たな提供価値を創出する“サービス・プロダクトの変革”があり、最終的には“事業の変革”につながる」と述べます。そして、カスタマーサクセスの実践に欠かせないのが「断片的な価値提供ではなく、一貫した顧客体験の提供」で、そのためには「データ」を有効活用して顧客理解を深めることが重要だと話します。

カスタマーサクセス実現のために

では、カスタマーサクセスを施策に落とし込み、データを活用して成果につなげるためには、具体的にどのようなことに取り組むべきでしょうか?

セッションでは、「カスタマーサクセス思考人材・組織」と「高速の実証PDCA」、2つのポイントが紹介されました。

①カスタマーサクセス思考人材・組織
近年、企業はDX推進のためにITアーキテクトやエンジニアといったIT人材の登用に注力しています。カスタマーサクセスの実践にはこうしたIT領域に加えて、マーケティングスキルやサービスデザインのスキル、IT人材と共通言語で意思疎通が図れるデータ思考、アウトプットと検証を素早く回すアジャイル思考、そして何よりも変革のマインドセットが必要です。

カスタマーサクセス人材・組織

こうしたスキルとマインドセットを有する人材組織が出来上がることで、「顧客の成功を定義し、組織のミッションや戦略に落とし込む“カスタマーサクセスデザイン”、そのためのデータ分析・活用や具体的な企画を実行する“施策実行・推進”、業務を最適化・標準化するための“IT・業務改善”、これら3つの役割を担うことができます」と阿部氏は解説しました。

②高速の実証PDCA
カスタマーサクセスデザインにおいては、顧客の成功に値する価値を探索する必要があります。例えば、物件検索サービスであれば、便利な検索体験を提供することはもちろん、その他にもおすすめ物件のレコメンドや、引越し手続きサポート、引越し先の施設やお店の紹介、衣食住のトータルサポートなど、“豊かな生活体験”を提供するためのさまざまな価値が検討できます。

しかし、実際には「組織/部署、デジタル/リアルを越境した取り組みは、例えば部署間のミッションの違いなどでコンクリフトが起きやすいので、スモールサクセスを積み重ねて少しずつ施策の規模を拡大していくことが重要です」と述べる重原氏。

このスモールサクセスを生み出す手法として2社が提唱しているのが「カスタマーサクセス・プロトタイピング」です。これは、プロトタイピングで素早く成果を証明し、変革の規模を拡大していくという手法。重原氏は「例えば、1万人の会員基盤がある事業者であれば、まずは500人のモニターに新しい顧客体験のサービスを提供する。そこでロイヤルティや購買数などの変化を実証し、徐々に大きな変革に変えていく。このようなイメージです」と説明しました。

カスタマーサクセス プロトタイピング

なお、トレジャーデータと電通デジタルは他3社と協働で、カスタマーサクセス・プロトタイピングの実装支援を行っています。

阿部氏は、「顧客体験や顧客成功の仮説設計から、具体的な施策や指標の企画、そして施策の実行からPDCAまで、さまざまな側面で皆さまをご支援したいと思っています」と述べました。

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トレジャーデータと電通が駆動させる、DXのエンジン
 

2000社以上の「デジマ診断」から見えた、デジタルマーケティング成功の3つのポイント

一柳氏、永富氏

続いて紹介するのは、「デジタルマーケティング最前線のリアル~電通オリジナル『デジマ診断ツール』から見えた3大課題と成功事例~」と題されたセッション。電通デジタルの一柳寿一氏、電通の永富亘氏が登壇し、デジタルマーケティングの最前線で起きている課題とその解決方法を紹介しました。

デジタルマーケティングが世の中に浸透し、新しいマーケティングテクノロジーやツールが次々と登場する中、デジタルマーケティングの最前線では3つのことが起きています。

①対応業務範囲の拡大
マーケティングテクノロジーの進化によって、デジタルで対応できる範囲が広がり、結果的に一人一人の業務範囲も拡大している。

②マーケティングテクノロジーの機能の拡大と関連部署の増加
機能が増えれば、管轄する部署も広がるため、複数部署を巻き込んだプロジェクト運営が増えている。

③必要な専門知識の高度化
①、②によってマーケターに求められる専門知識も広がり、高度化している。

一柳氏は、「これらの要因から、デジタルマーケティングのハードルは以前より高く、複雑になってきています」と述べます。

さらに、デジタルマーケティングには、次の4つの落とし穴があると言います。

  1. 今あるツールやデータの棚卸しをしていない
  2. 課題整理&優先順位付けができていない
  3. 施策実施における業務整理ができていない
  4. ツールを導入すること自体が目的になってしまっている

その結果、「業務が大変という理由で、いつのまにか仕組みが使われなくなってしまった」「ライセンス費や開発費の重複が発生してコストが上がってしまった!」「他社よりも先にデジマに取り組んだはずなのに、追い抜かれている…!?」といった問題が現実に起きているようです。

これらを回避すべく、電通グループでは「業務、人材、データをコアとした設計図の作成」を推奨。独自のフレームワークを用意し、“4つの落とし穴をふさぐ”デジタルマーケティングの構想策定を支援しています。

設計図をつくるために

「例えば、一見かっこいいクルマができているように見えても、クルマはエンジンや燃料がないと動きません。デジタルマーケティングでいうエンジンは『業務・人材』であり、燃料は『データ』です。それらが整っていないとあるべき姿は動き出せないのです」と、一柳氏は「業務、人材、データをコアとした設計図」の意義を解説します。

一方で、「目の前の施策実施だけで手いっぱい」「会社に構想策定の必要性を説明するのはすごく難しそう」という声も多いとのこと。そこで、電通グループではデジマ環境構築において必要な要素を手軽に診断でき、かつ今後の戦略方針まで提示できる「デジマ診断ツール」を開発しました。

デジマ診断の目的

「デジマ診断」は、すでに業種別にスコア化している2000社以上の診断結果をもとに自社のデジタルマーケティングの状況を「戦略立案」「施策実行」「データ/環境整備」「業務定着」の4項目で診断し、結果に応じたアクション案から、構想策定の必要性を判断する材料として活用することができます。

デジマ診断の診断項目
デジマ診断サンプル

「スコアで自社のデジタルマーケティングの進捗を客観的に見えるようにし、さらに業界平均と比較することで自社の立ち位置が分かるようになります。各項目のスコアが全体的に低ければ課題が多くあることになり、個別の対処よりも構想策定に取り組み、自社のデジタルマーケティングの設計図を描く方が良いことが見えてきます。このように、デジマ診断を行うことで、構想策定に取り組むべきか、個別の改善で対応できるかが分かるので、方針立案および課題意識の社内共有にも役立ちます」と、永富氏は「デジマ診断」の活用メリットを解説しました。

さらに、セッションでは2000社以上の診断結果から「KGI/KPIの設定に納得感がない」「ナレッジを全社的にシェアできていない」「導入ツールの機能を実はよく知らない」という3つの大きな課題が見えてきたことについても言及。それぞれの解決策を提案しました。

①KGI/KPIの設定に納得感がない
→解決策:出口を設定する

今取り組んでいるデジマの目的は何か、その目的達成に近づいているかを測るために、追わなければならない指標は何かを一度突き詰めて考える。自分たちが納得できるKGI/KPIを作り、それがデータとしてどうやったら取れるのかを考えていくと、今の段階でKGI/KPIとしては何を設定すべきかの出口が見えてくる。

②ナレッジを全社的にシェアできていない
→解決策:情報共有の仕組みを作る

成功のポイントは、自社の風土をうまく活用すること。ナレッジシェアはウェブ上でテキストが良いのか、それとも動画の方が良いのか、一度マネジャーが取りまとめてから発信する方が良いのか。あらゆる方法の中からどれが自社の風土にマッチして活性化しやすいかを突き詰める。情報共有が進めば、各チームが同じ検証を繰り返す必要もなくなり、取り組みの効率化につながり、デジマのスピードアップが見込める。

③導入ツールの機能を実はよく知らない
→解決策:マニュアルを策定する

各ツールベンダーの操作マニュアルではなく、自社のデジマを進めるために必要な業務をまとめたマニュアルをオリジナルで作る。まずは企画を考える人に認識してもらえる業務マニュアルを作り、機能の詳細を知りたい場合の問い合わせ先も明記することで、利用が広がる。

実際にデジマ診断の結果から、「マニュアル作りができている」と回答している企業は、未実施の企業に比べてスコアが約2.5倍高く、「情報共有の仕組みがあり、いつでも参照することが可能」と回答している企業は、未実施の企業に比べてスコアが約3倍高くなることが分かりました。

一柳氏は、「出(デ)口を設定する」「情(ジ)報共有の仕組みを作る」「マ(マ)ニュアルを策定する」という、「デジマ」こそがデジタルマーケティング成功の3大ポイントであり、「他社と差をつけるためには先ず“マジ”(マ→ジの順)に取り組むことが成果につながるのです」と、本セッションをまとめました。

※2022年3月現在、「デジマ診断ツール」は「D-compas」という名称にてご提供しています。「compas」はCheck Of Marketing Platforms And Strategiesの略称となり、幅広くデジマ課題を発見し、解決策を導くという思いを込めています。
 

急ピッチのDX変革で見えてきた、人・組織の課題とは?

高野氏、小林氏

最後に紹介するセッションは、「お客様の笑顔の創造へ トヨタファイナンスのデジタルコミュニケーション変革への挑戦」。トヨタファイナンスの高野克之氏とファシリテーターとして電通デジタルの小林大介氏が登壇し、トヨタファイナンスのDX事例をもとにデジタルコミュニケーション変革の要諦を紹介しました。

トヨタ自動車はグローバル規模でクルマを販売すると同時に、各国で金融サービスも提供しています。その中で国内の販売金融事業を担うのがトヨタファイナンス。「期待を超える金融サービスで、モビリティ社会の未来とお客様の笑顔を創造します」をミッションに掲げ、自動車ローン事業やクレジットカード事業のほか、スマホ決済アプリ「TOYOTA Wallet」など、幅広い金融サービスを展開しています。

同社は2021年に発表した事業戦略「VISION2025」の中で、これまで手がけてきた「クルマまわりのサービス」から、これからはモビリティサービスの決済、生命保険・損害保険、旅行やECサービスなどの「生活サービス」にも拡大し、お客様一人一人のニーズに合ったバリューを提供することで、「お客様の笑顔を創造」することを宣言しています。

この「お客様の笑顔を創造」をけん引することをミッションに掲げているのが、同社のCX本部。デジタル化・データドリブン、スマートコンタクトを通じてカスタマーサクセスの最大化を目指し、そのためのアクションとして「カスタマージャーニーをベースに徹底した顧客視点で考えること」や「常にデータを事実として捉えること」など、メンバーの行動指針も明確に策定しています。

高野氏は「書類の手続きや電話受付といったアナログの顧客接点をデジタル接点にシフトさせるとともに、従来の“CRMアプローチ”に加え、これからはデータ利活用でお客さま一人一人に合ったバリューをOne to Oneで提供する“カスタマーサクセス”をデジタルアプローチで仕掛けることがポイントです」と話しました。

顧客理解にもとづくOneとOne

続いて、具体的なDX施策について紹介がありました。CX本部は2018年に「デジタルコミュニケーション戦略」を立案し、ビジネス全体のカスタマージャーニーを整備。約2年でDXに必要なデジタルマーケティングツールやデータ基盤を一気に構築しました。全社的な動きとしては、2019年に「事業構想改革プロジェクト」が立ち上がり、従来の自動車ローン・カード以外の新事業を順次展開しています。また、CX向上施策として24時間365日ウェブで照会・手続きできるメニューの拡充やFAQ更改、チャットボット導入、スマホアプリやウェブサイトのリニューアルも同時に進めました。

「現在は自動車ローン契約者向けウェブ機能の拡充や、会員サイトの統合プロジェクトを進めています」と、高野氏はさらなるCX向上に取り組んでいることを説明しました。

このように短期間でトヨタファイナンスのDX変革をけん引してきたCX本部ですが、プロジェクトを進める中で初めて見えてきた課題もあるといいます。

まず、基盤・ツールの導入に関しては、ツールやデータに詳しい有識者が社内に少なく、導入に対する理解を得ること自体も簡単ではなかったようです。さらに、急ピッチでツールの導入や組織の拡大を実施したこともあって、デジタル化が目的になってしまい、DXマインドやCX(顧客体験)視点の醸成がまだ追い付いていないという課題も生じているとのこと。「加えて、ツールを使いこなすスキル、データを分析するスキルもまだまだ足りていないと思います」と高野氏。

こうした課題を解決すべく、現在は改めて「カスタマーサクセス」という最初にやりたかったことに立ち返り、軌道修正に取り組んでいるとのことです。「まだまだアナログ接点が多いので、まずはお客さまとのデジタル接点の構築、データ取得、データ活用をしっかり行う。その上で、顧客視点で考える力、データを使いこなす力を組織全体に広げていきたいと思います」と展望を語りました。

小林氏は、「やはり人づくり・組織づくりが非常に苦労されているポイントであり、DX成功を左右するカギになるのだと感じました」と述べて締めくりました。
 


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これからのブランド開発に欠かせない、顧客体験設計

電通による“人”基点のマーケティング「People Driven Marketing(※)」(ピープル・ドリブン・マーケティング)。

毎年アップデートを重ね、現在は「PDM5.0」に進化しています。

本連載では、電通人と企業のゲストたちが、マーケティングとデータの未来を語った「People Driven Marketing® 実践ウェビナー2021」3日間(2021年10月13~15日)の模様を、ダイジェストでレポートします。

2日目のテーマは「CX企画開発実践」(キーノートセッションはこちら)。今回は、D2C(Direct to Consumer)やソーシャルコマース、アドバンステックにおける顧客体験設計の事例を中心に3セッションを紹介します。

※所属や役職はウェビナー当時の情報です。
<目次>
「イミ」消費の時代を生き抜く、パーパスドリブンなブランド開発
ソーシャルコマースで実現する、One to Oneのコミュニケーション
新しいテクノロジーを活用した、次世代CXの最適解とは?
※People Driven Marketing
https://www.dentsudigital.co.jp/service/pdm/summary/
電通が提唱する、データ&デジタル時代に対応した“人”基点の統合マーケティング・フレームワーク。課題を人(People)基点で捉え直し、電通グループが持つ最先端のマーケティング手法を統合して、顧客の持続的な成長を支援していく。

「イミ」消費の時代を生き抜く、パーパスドリブンなブランド開発

久志尚太郎氏、白鳥秋子氏、高橋和希氏

「D2C実践レポート パーパスドリブンなブランド構築における、超えるべき2つの壁」と題したセッションでは、ウェブメディア「TABI LABO」を運営し自社D2C(Direct to Consumer)事業を展開するNEW STANDARDの久志尚太郎氏と白鳥秋子氏、電通デジタル の高橋和希氏が登壇。パーパスが意思決定を左右する時代に必要な顧客体験(CX)を実現するブランド構築の方法を紹介しました。

NEW STANDARD代表取締役の久志氏は、生活者の消費行動が「モノ」消費から「コト」消費へと変化し、さらに今は「イミ」消費の時代に突入したことを指摘。「プロダクトやサービスの“イミ”、すなわちパーパスに共感できるかどうかがユーザーの意思決定に大きな影響を与えます。あらゆるブランドにとって、ユーザーとの対話を通じて自社だからこそ実現すべき“新しいイミ・価値”を磨き、顧客体験をつくっていくことが求められます」と述べました。

イミ消費時代

こうした背景から、近年注目を集めているのが「D2C」です。D2Cは自社で企画・製造したプロダクトを、自社の販売チャネルを用いて直接ユーザーに販売するビジネスモデルを指します。同時にここでは、ユーザーを起点としたプロダクトの開発や顧客体験の設計を行い、初期段階よりデジタルコミュニケーションを主としながらファンと共にプロダクトやブランドを成長させていきます。またその点において、単なるビジネスモデルの枠を超えた「イミ」消費時代にふさわしいマーケティングトレンドとして捉えることができます。

高橋氏はD2C事業の成功に欠かせない視点として、「ユーザー対話型プロトタイピング」を挙げます。これは、ブランドの企画・設計、構築・ローンチ、成長の各段階でユーザーの声やインサイトを反映しながら顧客体験をアップデートしていく手法。「ユーザー対話型のプロトタイピングを通じて、チームで共通のユーザー目線を持ち続けることで、一貫性のある顧客体験を創出することができます」、と高橋氏はこの手法のメリットを説きました。

続いて白鳥氏は、「旧来の価値観でユーザーインタビューを実施しても、なかなか本質的なインサイトを見つけることはできません。そこで、“イミ”消費時代の価値観をけん引するミレニアル世代/Z世代の反応や行動、インサイトを収集・活用することがD2Cブランド構築の手がかりになります」と話しました。

また、旧来型のブランド戦略では、製造やマーケティング、マネタイズ/販売などの各ファンクションが個別に戦略を立てているケースが多く、一貫した顧客体験を提供できないという課題があります。その解決の一手として、「パーパスドリブンなブランドアイデンティティを中核に、各ファンクションが一気通貫した戦略のもと、お互いに連携しながら顧客体験を設計・開発していくことが重要です」と久志氏。

ブランドのDX化における企業構造の課題

こうした課題を解決すべく、電通デジタルとNEW STANDARDが立ち上げたサービスが「BRAND DIGITAL TRANSFORMATION」(BDX)です。BDXでは、ミレニアル世代/Z世代のインサイトを捉えたパーパスドリブンな顧客体験を体現する新規ブランド立ち上げ・既存ブランド再創造を、ワンストップで提供。NEW STANDARDが培ってきたミレニアル世代/Z世代の研究手法と豊富なデータ、電通グループが培ってきた生活者インサイトやコミュニケーション領域の資産を掛け合わせ、ユーザー起点のブランドアイデンティティ策定から顧客設計、プロダクト開発、マーケティング、グロースまでを一気通貫で支援します。

D2CのためのBDX

「従来のブランドにおける2つの壁、“時代に沿った、ブランドのイミの再定義ができていない”“商品だけに目がいきがちで、品性を高める体験に落とし込めていない”を乗り越え、イミ消費時代に合ったモノづくりを支援していきます」と高橋氏は決意を語り、締めくくりました。

「BDX」の関連記事はこちら
スタートアップ×電通が挑戦する新たな価値創造

ソーシャルコマースで実現する、One to Oneのコミュニケーション

小川浩平氏、植田みさ氏、三橋良平氏

続いて紹介するセッションは、「ソーシャルコマースが実現する新しい顧客体験と、DX推進 ~大黒屋の売り場拡張変革~」。大黒屋ホールディングス代表取締役社長の小川浩平氏、電通の植田みさ氏、電通デジタルの三橋良平氏、が、企業と顧客が直接つながれる時代のコマース視点の売り場変革について、大黒屋と電通の取り組みをもとに紹介しました。

大黒屋は、ブランド品の買い取り・販売業を展開するリユース業界のリーディングカンパニー。創業70年の歴史を通して培ってきた鑑定力と買い取り実績を強みとする一方、若年層を中心とした新規顧客の獲得やコロナ禍でのインバウンド低迷といった課題を抱えていました。

そこで同社は、「認知拡大・ブランディング」と「顧客接点・売り場強化」の2つの軸で改革を推進。前者ではロゴ改定やテレビCM制作を行い、後者ではオンライン買い取りサービスのローンチやECサイトのUI/UX改善、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)改善などに取り組んできました。こうした改革の中で特に注目したいのが、ソーシャルコマースの強化です。

小川氏はソーシャルコマース強化の理由について、「私たちが取り扱う品物は、ブランドや商品カテゴリーごとにお客さまのニーズが大きく異なります。お客さま一人一人に合わせた接客ノウハウは各店舗に蓄積されていますが、店舗ごとに情報が分断されている点が大きな課題でした。この“アナログの知”を可視化し、ECやソーシャル上で個別のお客さまに最適な情報発信やコミュニケーションを実現すべく、ソーシャルコマースの変革を図りました」と説明しました。

こうしたクライアントの課題に対し、電通グループは「内製と自走」をテーマに、ソーシャルコマースの刷新を支援しています。具体的には、ダッシュボードを新たに導入し、ソーシャル施策における全体の販売状況や店舗ごとの販売状況を可視化。「リアルタイムで全体/各店舗の課題を洗い出し、迅速かつ適切な意思決定を行っていただくサポートをしています」と三橋氏は言います。植田氏も、「流入数や購買数がリアルタイムで可視化できるので、SNS運用をされている方の日々のモチベーションにもつながりますよね」、とダッシュボード導入のメリットを語りました。

ダッシュボードを軸に、ターゲットのニーズやペルソナを正確に把握し、個別のコミュニケーションを強化した結果、大黒屋のライブコマース機能「LIVE SHOPPING」自体の売り上げ拡大はもちろんのこと、売り上げ維持や在庫回転率の向上にもつながっています。また、クリエイティブや撮影に関するマニュアル・トンマナも作成し、社内でマーケティングを自走するためのサポートも実施しています。「この基盤をベースに、ライブコマースが浸透している中国向けの販売強化や、大黒屋の強みである鑑定力のデジタル化をさらに推進していきたいです」と、小川氏は今後の展望を語りました。

植田氏は今回のプロジェクトを振り返り、「これまで店舗で実施してきたOne to Oneのコミュニケーションをソーシャル上でも実現することで、購買に直結する点に、ソーシャルコマースの大きな可能性を感じました」とコメント。三橋氏は、「ソーシャルコマースを強化することで売り場が拡張されるだけでなく、そこで得られたお客さまの声やデータをもとに、さらなる売り上げにつなげるという仕組みを作れたことが、今回の大きな成果だったと思います」と述べました。

まとめ

「ソーシャルコマース」の関連記事はこちら
店舗とECの融合にとどまらない、未来のショッピング体験
ソーシャルコマースが、なぜマーケティングを革新する概念なのか?

 

新しいテクノロジーを活用した、次世代CXの最適解とは?

小川麟太郎氏、川村健一氏、泰良文彦氏

次のセッションでは、パネリストとして電通デジタルの小川麟太郎氏、川村健一氏、モデレーターとして電通デジタルの泰良文彦氏が登壇。「“次世代サービスの創り方”〜アドバンステック×クリエーティブで次世代のCXを目指す〜」というテーマのもと、アドバンステック(VR、ARなどの新しいテクノロジー)を活用したプロダクト・サービス開発におけるCXデザインのポイントについて語り合いました。

冒頭、泰良氏は、クライアントからよく相談されるというケースを下記のとおり紹介しました。

  • CX向上のためにVUI(音声ユーザーインターフェース)、VR、ARなど新しいテクノロジーを活用してみたいが、その効果が疑問。
  • アドバンステックを生かしたサービスやプロダクトを作ったことがないので、どう進めればいいか分からない。
  • そのうち新しいテクノロジーにトライしてみたいが、もっと先でいいと思っている。

小川氏、川村氏による“世の中にあるアドバンステックのCX好事例”をひもとくと、以下のポイントが見えてきたといいます。

CX好事例

では、電通では具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか。一例として、小川氏はNTTドコモの「my daiz(マイデイズ)」を紹介しました。「my daiz」はユーザーが求めているコンテンツを顧客へ提供するためのプラットフォームで、Siriのような音声アシストのほか、テキストチャットやタッチUIでのコミュニケーション機能も備えています。

マイデイズ

小川氏が主に担当したのは、企業・サービスとお客さまの中間に介在するAIエージェントがどういった存在であるべきか、どう接触するべきか、などを設計するキャラクターパーソナリティデザイン。「VUI(音声ユーザーインターフェース)による音声対話が可能だったので、それこそSiriやAlexa、Google Homeを調べて使い倒しました」と小川氏は振り返ります。

また、キャラクターデザインの設計プロセスについても言及。「四角い豆腐みたいなキャラクターにしたのは、日本というマーケットの特性として、人ではない何かに、独り言のように話しかけることが定着しない傾向があることが分かったからです」と話し、「これはユーザーテストを経て分かったことですが、はっきりとした実体を持つ相手さえいれば、日本人は一気に話しかけてくれるようになるのです」と解説しました。

その実体を明らかにするために取り入れたのが、「デザインスプリント」という手法。少人数かつ短期間でアイデアの発散と試作、検証を繰り返すアジャイル型のプロセスを行ったといいます。

もう一つ、ポイントとして挙げたのが、音声だけでなくテキストチャットなどさまざまなコミュニケーションの機能を実装したこと。「音声対話だと、ユーザーの問いかけに対して“よく分かりません”と返されてしまうこともあります。そこで、複数の操作方法を用意してユーザー自身が選択できるようにし、それぞれに正しいシナリオを用意することで、ストレスなく心地よい体験を目指しました」と小川氏。

続いて、アドバンステックを活用する上での課題とポイントについて、川村氏が解説しました。

アドバンステックの課題とポイントアドバンステックのワークフロー

「CM、グラフィック、ウェブ、アプリなど、完成形がイメージしやすいものは、企画・プロトタイプ→開発→ローンチ・改修と進んでいくウォーターフォール型のワークフローが一般的です。一方、アドバンステックを活用するプロジェクトの場合、アジャイル型のワークフローが有効です。なぜなら、企画時点ではゴールが不明確なため、プロトタイピングによって体験の模索、関係者のイメージ共有、フィジビリティ担保などをアジャイル型で進めていく必要があるからです。アドバンステックを単にツールの導入として捉え、従来のウォーターフォール型フローで進めた結果、イメージしたことと実現できることに差が生じ、実現不可能な企画となってしまうケースが多くみられます。アドバンステックに取り組む上では、ワークフロー自体から見直す必要があると考えています」(川村氏)

最後に本テーマのまとめとして、泰良氏が以下のようなポイントを挙げました。

  • アドバンステックを積極的に取り入れていくことで、今まで実現できなかったレベルのCXを実現できる可能性がある。
  • 新技術は期待するパフォーマンスが出ないこともあるのでアジャイル型で開発していくことが重要。
  • できるだけ技術を感じさせないアンビエントな体験、ソーシャルグッドにつながる体験を目指す。
詳しくはこちら

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経済圏データ×データクリーンルームの真価は?国内実践事例を紹介

電通による“人”基点のマーケティング「People Driven Marketing(※)」(ピープル・ドリブン・マーケティング)。

毎年アップデートを重ね、現在は「PDM5.0」に進化しています。

本連載では、電通人と企業のゲストたちが、マーケティングとデータの未来を語った「People Driven Marketing® 実践ウェビナー2021」3日間の模様を、ダイジェストでレポートします。

1日目のテーマは「CXデータ利活用実践」(キーノートセッションはこちら)。今回は「データクリーンルーム」と「経済圏データ」を活用した、次世代デジタルマーケティングの事例を中心に3セッションを紹介します。

※所属や役職はウェビナー当時の情報です。
<目次>
Cookieフリー対応の新計測基盤「X-Stack Connect」とはなにか?
自社データとプラットフォーマーのデータをクラウド上で結合させる!データクリーンルームの活用法
5000万ユーザーのデータと連携!ヤフーと取り組む「HAKONIWA」の強みとメリット
※People Driven Marketing
https://www.dentsudigital.co.jp/service/pdm/summary/
電通が提唱する、データ&デジタル時代に対応した“人”基点の統合マーケティング・フレームワーク。課題を人(People)基点で捉え直し、電通グループが持つ最先端のマーケティング手法を統合して、顧客の持続的な成長を支援していく。

Cookieフリー対応の新計測基盤「X-Stack Connect」とはなにか?

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従来の3rdパーティCookieを用いたデジタルマーケティングの強みの一つは、マーケティングデータの「効果測定」と、それらデータに基づいたPDCAサイクルを回せることでした。しかしユーザーのプライバシー保護を第一に考えると、今まで同様にCookieに頼り切ることが難しくなる今後は、どのようにしてマーケティングデータを測定し、評価すればいいのでしょうか?

本セッションでは、電通デジタルの小山千春氏が、“Cookieフリー時代”におけるマーケティングデータの新計測基盤「X-Stack Connect」(クロススタックコネクト)を紹介しました。

Cookieは「サイト来訪者のブラウザ側に保存する」という、いわばブラウザ依存型の仕組みです。サイトをまたいだ人の動きをトラッキングできるため、このCookieデータをもとに広告に接触したユーザーのCV(コンバージョン)計測や、広告の自動入札が行われてきました。しかし、ユーザーのプライバシー保護を考えた際、今後はユーザー許諾を適切に得ていないCookieに依存したサイト横断の計測は難しくなるといえるでしょう。

「そこで必要とされているのが、“サーバーサイド計測”という考え方です。アクセスログやフォーム情報といった、自社が保有するデータを最大限に活用して、それらを各広告媒体側の持つデータと突き合わせ、マーケティングに生かす仕組みが、今後主流になってくるでしょう」(小山氏)

また、小山氏は、現在多く使われている「リンク末尾にパラメータを付けて遷移させる対策手法(1stパーティCookie)」も、結局ブラウザ依存の手法に変わりはなく、いずれ規制の対象となる可能性を指摘。ユーザーの許諾を得ないブラウザ依存の対策だけを続け、規制の影響を正面から受けてしまうと、

・ユーザー単位の追跡がほぼ不可能になる
・最適化学習が阻害されるため高精度な自動入札ができなくなる
・リターゲティングができなくなる

といった問題も生じることを解説しました。

そして、こうした課題を解決するソリューションとして、電通デジタルが提供するサーバーサイドレイヤーの新データ計測基盤「X-Stack Connect」を紹介(詳しくは、こちら)。

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サーバーサイドでの計測は、CVユーザーを識別するためのデータ収集やデータ整形を実装者が行わなければならず、非常に難易度が高いところがネックです。また、広告媒体ごとに個別に対応しようとすると、莫大なコストや工数がかかる問題もあるといいます。

「ただ、アクセスログにおけるユーザーIDなど、フォーム入力情報におけるメールアドレス、氏名、住所などを指す『マッチキー』は媒体によって大きくは変わらないため、一度土台を作ってしまえば、あらゆる広告媒体に転用が容易かつ強固な基盤となります。その点で、『X-Stack Connect』は、まさに、土台をしっかりと作り込めて、かつ転用可能で、強固な計測基盤です。1回実装すれば汎用的に活用でき、また、コストを抑えて持続可能性の高い計測が行えるのです」(小山氏)

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「X-Stack Connect」は、例えばGoogleのEnhanced Conversion APIやFacebookのConversion APIなど、広告プラットフォームが提供するAPIへの対応実績があります。

実際にX-Stack ConnectをFacebookに実装した際、アクセスログを活用したことで「追えるCV数が約18%伸びた」「アクセスログ、フォームデータを関連付けることで、追えるCV数が約30%伸びた」と報告されています。

また、「X-Stack Connectは守りの側面だけでなく攻めの側面も持っている」と続ける小山氏。X-Stack Connectとデータクリーンルームを連携させれば、「会員登録」などのウェブ上のCVだけでなく、例えばその先の「店舗での購入や契約につながったか」といったところまでを対象に分析できる可能性を秘めているといいます。

つまり、「広告接触」から、「サイトの来訪」「来店/購買行動」までをカバーできることで、より本質的な“事業成長に役立つデータ”を一気通貫で分析できるようになるのです。このことからX-Stack Connectを、「単なるCookieフリー対応のためのツール」ではなく、「ビジネスの成長に寄り添うソリューション」として長く活用できるものだという小山氏。

「他のソリューションやアイデアと組み合わせることでカバー範囲を広げられる、可能性のあるソリューション」だとし、「未来のために、活用をご検討ください」と締めくくりました。

自社データとプラットフォーマーのデータをクラウド上で結合させる!データクリーンルームの活用法

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「明日から使える!Data Clean Roomを用いた統合マーケティングの実践事例のご紹介」と題したセッションでは、電通 データ・テクノロジーセンターの井上碧海氏、古池茜氏が登壇しました。

最初に語られたのが、これからのマーケティングにおいて重要な「データ」や、「生活者のファン化」という概念について。

まず古池氏から、「国内の人口が減少し、ミレニアル世代を中心にコンタクトポイントが変化する昨今。企業が従来と同様の売り上げを作るには、生活者一人一人に、企業のファンになってもらうことが重要です」とその背景が語られました。

一方で、Cookieフリー化や個人情報保護などの潮流が強まる中で、これからのデータマーケティングにおいては「生活者からデータをお預かりする」という意識が必要であると、言及。

古池氏は「このような状況において、価値あるデータを企業が活用するためには、『ポイント事業』や『使い勝手がよく便利な決済手段』など、生活者にとってのメリットのあるサービスを提供し、生活者に企業とつながり続けたい、と思っていただくことが重要である」と語ります。

そして、この状況に対応できるソリューションとして、大手プラットフォーマーが提供する「データクリーンルーム」に注目が集まっていると述べました。

データクリーンルームとは、クライアントが所有する1stパーティデータとプラットフォーマーの所有データを、クラウド上でセキュアに連携させる環境のことです。「プライバシー保護」と「企業のマーケティングニーズ」を両立させ、マーケティングの継続的なPDCAを実現させることができるデータ基盤になります。

「お客さまが『つながり続けたい』『価値がある』と思えるようなサービスを提供しているプラットフォーマーは、既に数千万規模のデータを保有しています。こうしたプラットフォーマーが提供するデータクリーンルームを使いこなせば、より早く、効率的にデータを生かしたマーケティングができます」(古池氏)

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「データクリーンルーム」関連記事はこちら
データクリーンルームは「Cookieフリー時代」のマーケティングを変える


ここで改めて古池氏が、データクリーンルーム活用のメリットについて、3つの事例とともに解説しました。

①“人”を基軸にさまざまなデータを連携することができる
これまで、自社が持つ「購買データ」と、プラットフォーマーが持つ各種データ、広告会社が持つ各種データが、それぞれ別々に管理されていました。ポリシー的にも技術的にもこれらを結びつけるのは難しく、データの連携・活用に限界があったのです。しかし、データクリーンルームを使うことでこれらを統合して、より解像度の高い分析や効果計測が可能になります。

②購買基点の「バックキャスト型」の分析ができ、売上貢献度が分かりやすい
従来は主にテレビなどのマスメディアを中心に、認知→検討→関心→購買という「トップダウン型」の分析や効果計測を行ってきました。データクリーンルームを活用することで、「どのような生活者が広告によって動いたのか」「検討まではしたけれど、購買に至らなかった生活者はどのような特徴があるのか」といった分析が可能になります。生活者にモノを買っていただくためには、究極のマーケティングゴールである「購買」を起点にしたバックキャスト型のマーケティングに変革していく必要があると考えています。

③新規顧客の獲得~顧客の育成まで、ストックしたデータでPDCAを回すことができる
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)を保有している企業であれば、自社の環境内であれば施策のPDCAを回すことは可能だと思います。ただ、外部のプラットフォームで広告配信をした場合、データ連携ができないため効果検証ができず、単発の施策になってしまうという悩みを抱えていました。データクリーンルームを活用し、データを連携、蓄積することで、キャンペーン単発の掛け捨て型の広告コミュニケーションではなく、ストック型のデータマーケティングが可能になり、新規顧客の獲得~顧客育成までの継続的なPDCAを行うことができます。

続いて井上氏から、具体的なプラットフォーマーデータの活用事例が詳しく紹介されました。ある日用品メーカーは、データクリーンルームを使うことで、実購買データで計測ができるようになり、広告想起が本当に購買につながっているか確かめられたといいます。また、ある飲料メーカーの販促の事例として、販促キャンペーンに参加した人がそのあとも継続して購買しているかどうか可視化できるようになったことを述べました。別の飲料メーカーの事例では、データクリーンルームを活用して、プラットフォーマーのデモグラデータなどを使って顧客理解を深め、さらに打ち手にもつなげていった事例を紹介。

まとめとして、「データクリーンルームを活用すれば、これまで“勘と真心”だった販促も、購買データをプラスして科学できますし、深い顧客理解を通じてスケールとパーソナライズを両立できます。Cookieフリーをピンチではなくチャンスに変える、それがデータクリーンルームなのです」と述べました。

5000万ユーザーのデータと連携!ヤフーと取り組む「HAKONIWA」の強みとメリット

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最後は、「ヤフーと取り組むHAKONIWAで、ビジネス成長につながるマーケティングの仕組みを実装する」と銘打たれたセッション。

ヤフーの重山直志氏、電通デジタルの荒川拓氏、電通の江頭瑠威氏が登壇し、ヤフーと電通が提供する「HAKONIWA」について、サービスの特徴や魅力などを語り合いました。

冒頭、電通の江頭氏はHAKONIWAの特徴について、以下のように述べました。

「HAKONIWAは、単に1stパーティデータをインプットしてプラットフォーマーのIDと突き合わせ集計値をアウトプットするというものではありません。IDと突き合わせた上で、電通が持つマス広告のデータも加味し、幅広く計測、蓄積、分析を行い、データモデリングや、セグメント作成、プロファイル作成まで行えます。より深く本質的なデータのマーケティング活用ができるところがポイントです」(江頭氏)

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これを受けてヤフーの重山氏が、“HAKONIWAの強みについて紹介しました。「HAKONIWAの強みは、Yahoo!ショッピング、PayPayモール、Tポイントをはじめとする100以上のサービスにひもづいたデータ環境であること。かつ、幅広い消費行動を行うフルファネルのオーディエンスのデータが蓄積されていることです」と重山氏は言います。

ヤフーは月間5000万人超のユーザーの、「検索」から「オンライン・オフラインの購買データ」までをストックしており、さらにLINEとの経営統合で、さらなる規模に拡大していくと予測されます。

ほかにも、「ほとんどのデータがトランザクションデータであり時系列でユーザーを解釈できる」「CookieではなくYahoo! JAPAN ID(人)に集約された多様なデータで、プランニング(戦略)から、エグゼキューション(施策)、メジャーメント(分析)まで一気通貫で行える」などの強みもあると重山氏。

また、「Yahoo! HAKONIWA経済圏でのデータは、Yahoo! JAPAN IDに名寄せされた形でストックされ続けます。“Cookieロスト”に影響されないIDベースの基盤で、次の施策の精度を高め続けることができるのです」と、Cookieのように消失しないIDを使う利点を説明しました。

続いて、電通デジタルの荒川氏がHAKONIWAの具体的な活用事例を紹介しました。「自社の商品を買いそうな人」を予測してプランニングに生かすだけでなく実際に広告のモーメント配信を行った事例や、ヤフーのデータだけでなく、電通保有のテレビ視聴データを掛け合わせ、両者の重複による効果を検証した事例なども紹介。「プランニング」「エグゼキューション」「メジャーメント」、それぞれのフェーズで実際にHAKONIWAが活用されていることを示しました。

最後に江頭氏が、「HAKONIWAは、自社だけでなく外部での顧客の動きを把握したいときに役立つソリューションです。購買やメディア接触、興味関心に関するデータを補いたい。そんなときに最高のパートナーとなる仕組みだと思っています」と力強く発言。セッションを終えました。


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データとCXの時代へ。電通のPeople Driven Marketingを知る三つの基調講演

電通による“人”基点のマーケティング「People Driven Marketing(※)」(ピープル・ドリブン・マーケティング)。

毎年アップデートを重ね、現在は「PDM5.0」に進化しています。

本連載では、電通人と企業のゲストたちが、マーケティングとデータの未来を語った「People Driven Marketing® 実践ウェビナー2021」3日間の模様を、ダイジェストでレポートします。

※所属や役職はウェビナー当時の情報です。
<目次>
Cookieフリー時代における「経済圏データ」との付き合い方
カスタマーインテリジェンス CXを成功に導く、顧客想像力の戦略
顧客接点の乱立を解決する、「顧客資産価値」起点の次世代CRM戦略
※People Driven Marketing
https://www.dentsudigital.co.jp/service/pdm/summary/
電通が提唱する、データ&デジタル時代に対応した“人”基点の統合マーケティング・フレームワーク。課題を人(People)基点で捉え直し、電通グループが持つ最先端のマーケティング手法を統合して、顧客の持続的な成長を支援していく。

1日目「CXデータ利活用実践」キーノートセッション

 


Cookieフリー時代における「経済圏データ」との付き合い方

前川駿氏、三谷壮平氏

1日目のテーマは「CX(顧客体験)データ利活用実践」。

キーノートセッションには電通データ・テクノロジーセンターの前川駿氏と電通デジタルの三谷壮平氏(現在は電通に所属)が登壇し、サードパーティクッキーに頼らない新たなデジタルマーケティングの打ち手「データクリーンルーム」(Data Clean Room)の可能性と活用方法を紹介しました(※)。

※データクリーンルーム
プラットフォームなどが企業に提供するマーケティング基盤。セキュアなクラウド環境内で、企業の持つファーストパーティデータと、プラットフォームの保有データをひもづけて分析を行い、広告配信などにつなげられる。

「データクリーンルーム」関連記事はこちら
データクリーンルームは「Cookieフリー時代」のマーケティングを変える


前川氏はまず世界的な個人情報保護意識の高まりにより、今やデジタルマーケティングの主戦場がクッキーをベースとしたオープンウェブから、大手プラットフォームによる「経済圏マーケティング」へと移りつつあると解説。

そして各経済圏ごとにデータクリーンルームを用いることで、「ユーザープライバシーを保護しつつ、従来以上に高度な分析や広告配信ができる」とし、その理由を「ID単位でマーケティングの“垂直統合”ができるから」と述べました。

「クッキーでは、同一IDのデータは、基本的にキャンペーン単位でしか活用できません。しかし、大手プラットフォームはユーザーの許諾の取れているIDデータを多数保有しているので、データを長期的に利活用できます」(前川氏)

続いて電通デジタルの三谷氏が、同一IDデータ活用の具体例を列挙。例えば「検索キーワード」「ポイントサービスにひもづくオフライン行動」「POSデータ」といったオンライン/オフラインのデータ、そして「スマホとPC」などクロスデバイスのデータも、一気通貫で分析できるといいます。

「データクリーンルーム内では、企業の保有するファーストパーティデータ、プラットフォームの保有する許諾の取れたIDデータ、さらにテレビ視聴データなどを掛け合わせた分析が可能です」(三谷氏)

データクリーンルームのいいところ

また、電通はグローバルプラットフォームと組んで、ここ数年で500件以上の実績があるといいます。「私たちはいち早くデータクリーンルームに着目し、実践知と実行体制を構築してきました。各プラットフォームからも高い評価を得て、他社に先駆けてα版の機能も多数提供されています」と前川氏。

そして実際に電通が手掛けた事例として、データクリーンルームで広告を最適化したケースを三谷氏が紹介しました。

・興味関心属性を軸としたPDCAデザイン

潜在的なニーズを持つ新規客を発掘するため、経済圏の持つ豊富な興味・関心属性のデータを用いて見込み度の高いユーザー属性を事前分析し、これによって定義したターゲット属性を、経済圏のデータクリーンルーム内で定点観測。

「企業の顧客を、ゲーム、旅行、自動車といった興味・関心属性ごとにクラスタリングした上で、各クラスタに合わせた施策を実施し、PDCAを回しています」(三谷氏)

・低コストでオムニチャネルひもづけができる「シングルソースパネル分析」

店舗を持つ企業がウェブとリアルの情報を統合する「オムニチャネル」には、大きな開発投資とオペレーションコストが必要です。

「そこで、経済圏が持つ一貫性の高い許諾済みIDを『豊富なクロス環境情報を持つ巨大なシングルソース』として活用します。コストを抑えながら、ウェブ接触後の購買可視化や購買確率予測のモデル化を実現できました」(三谷氏)

次に前川氏が、広告利用にとどまらないデータクリーンルーム活用事例として、販促やCRM(顧客関係管理)に利用したケースを二つ紹介しました。

・短期PDCAを実現する「戦略クラスタ転写」

コロナ禍で売り上げが低迷していたある食品メーカー。しかし実際にどんな顧客が離脱しているのか、復帰の可能性があるのかが、定量的に把握できないのが悩みでした。パネルデータで「世の中全体の俯瞰(ふかん)」はできるものの、それがメーカーの持つ顧客データと結びついていなかったのです。

「まずはパネルデータからクラスタ分析で顧客構造や戦略ターゲットを把握し、そのクラスタデータを各経済圏のデータクリーンルームに“転写”しました。これによりさまざまなメディアでの、ID単位の広告配信と短期的なPDCAが実現しました」(前川氏)

・ノーエントリー型で買い物体験を高める「販促最適化」

デジタル販促の参加ハードルを下げるには、自然な購買行動の中で購買証明を取得し、ポイント付与やキャッシュバックを実施するのが理想。しかし、自然過ぎると「ブランドからのオファー」だとユーザーが意識しにくく、ファンを作りにくいジレンマがあります。

「このケースでは“スケール”と“ロイヤルティ向上”の両立のため、PayPayで決済するだけでキャッシュバックを実施するノーエントリー型のキャンペーンを実施しました。データクリーンルームでキャンペーンの結果を計測し、デジタル販促のKPIとノウハウを科学的に分析できるようになりました」(前川氏)

経済圏マーケティング:ID単位でマーケティングの垂直統合

最後に前川氏は、「Cookieフリー時代はピンチではなくチャンス。先んじて導入し、データクリーンルームを使いこなすことで、先行者利益を享受できます」と視聴者に呼びかけました。

2日目「CX企画開発実践」キーノートセッション
 



カスタマーインテリジェンス CXを成功に導く、顧客想像力の戦略

谷澤正文氏、三井知佳氏

2日目のテーマは「CX企画開発実践」。電通の谷澤正文氏と三井知佳氏がキーノートセッションを行いました。

谷澤氏は冒頭、「CX推進のためにCRMツールを入れよう、データ活用をしようというのは“手段が目的化してしまっている”。それよりもまず“CXの本質”を考える必要がある」と説きます。

そして三井氏が、CXの本質に取り組んだ成功例としてカネボウ化粧品のブランド「KATE(ケイト)」の事例を紹介しました。

KATEは「NO MORE RULES.」(=なりたい自分は自分でつくる)というブランドパーパスを掲げ、「メイクの常識やKATEがこれまでやってきたことさえも疑い、メイクだけでなく、生き方も自己表現の一つとして後押しする」ことを目指しています。

このパーパスを起点に、コロナ禍でメイク機会が減る中でも、「マスクもメイク」というコンセプトで生まれた小顔マスクや、マスクにつかないリップなど、ヒット商品を続々と開発。

また、店頭接点が減る中で、公式LINEで「なりたい自分をルールに捉われず追求する」ための骨格診断をリリースし、NO MORE RULES.を体現する著名人へのインタビューをウェブマガジンで発信したり、従業員自ら出演し常識破りな商品について語る公式YouTubeチャンネルを開設するなど、顧客一人一人の自由な自己表現を応援するCXを創出しています。

谷澤氏はこのKATEの事例から、CX変革の鍵となる4つの視点を構造化して紹介しました。

顧客体験を変革する4つの視点

①WHO→PEOPLE:主役のLIFE
KATEの場合:自分らしさ追求層

Customerは顧客である前に一人の人間です。その人の人生のジャーニーに商品やサービスがどう役立ち、どこまでその人の生活や人生を豊かにすることができるのかを考えるのが、CXの最初の一歩です」(谷澤氏)

②WHY→PURPOSE:ブランドの再定義
KATEの場合:NO MORE RULES.

「ブランドパーパスとは、ブランドの究極の目的であり、存在意義そのものです。これを明確に設定することで、ブランドに関わるすべてが“手段化”され、最初に述べた“手段の目的化”という課題を解消できます」(谷澤氏)

③WHAT→SUCCESS:顧客価値イノベーション
KATEの場合:高揚感(イノベーション商品/コンテンツ)

「カスタマーサクセスは、ブランド側の“主人公(=顧客)の人生を輝かせる”という思いと行動から生まれるもの。KATEはメイクの概念を超えたパーパスを掲げることで、新しい商品やコンテンツを通して顧客の『なりたい自分に何でもなれる』という高揚感を提供しています」(谷澤氏)

④HOW→Data&Tech:画期的工夫
KATEの場合:コロナ禍でもLINEでつながる

どうやってパーパスやカスタマーサクセスを実現するのか。それこそがデータやテクノロジーが貢献する領域ですが、一方で最も“手段の目的化”が起こりやすい部分でもあります。

谷澤氏はこの④HOWに関して、パーパスと手段(データ&テクノロジー)を結び付けてCX全体を機能させるための概念として「Customer Intelligence」(カスタマーインテリジェンス)を提唱しました。

「カスタマーインテリジェンスとは、顧客のため、パーパス/サクセスのために考え尽くされた情報です。セグメント、プロファイル、インサイト、ジャーニー、モーメントの五つの視点でデータを収集し、CX全体のデータ知見をため、クリエイティブやコンテンツ、アイデアとの掛け合わせで、より強固でオリジナリティのあるCX変革を実現します」(谷澤氏)

カスタマーインテリジェンス
そしてCRMを導入する際も、クロスセル/アップセルを目的とするのではなく、例えばKATEであれば「顧客に自分らしさを発見してもらうこと」を目的にしています。

「そうなると、CRMで集めるべきデータは購買データだけではなくなります。コンテンツ接触データや『自分らしさを実現した投稿データ』も必要ですし、購入頻度よりも『なりたい自分に何回なれたか?の頻度』が重要指標になります」(谷澤氏)

谷澤氏はここまでの話をまとめ、「パーパス/サクセスの実現に向けて顧客のことを思い、想像することで、本当に入手すべきデータや活用すべきテクノロジーが見えてくる。そこにブランド独自のアイデアが生まれ、CXもブランド独自のものへと変革します」と、CXの本質をひもときました。

三井氏もこれに同意し、「人生100年時代、みんなが生き方そのものを考え直している今、ブランドはパーパスやカスタマーサクセスを考え直す必要があります。その時に大切なのが、カスタマーインテリジェンス、すなわち想像力。顧客一人一人の人生の輝きを想像し、その実現を追求し続けることが、ブランドへのロイヤルティやLTV向上につながります」と締めくくりました。

3日目「PDMの拡張」キーノートセッション


顧客接点の乱立を解決する、「顧客資産価値」起点の次世代CRM戦略

魚住高志氏

3日目のテーマは「PDMの拡張」。キーノートセッションは、電通デジタル(現在は電通コンサルティングに所属)の魚住高志氏による「“顧客資産価値”起点の次世代CRM戦略」でした。

魚住氏は「フィジカルなプロダクトを販売する」従来型の事業から、「デジタルサービスの中にフィジカルなプロダクトが内包される」形へのDXを目指す企業が増えているとし、「現状は、フィジカルなプロダクトとデジタルサービスが並走するフェーズにいる企業が多い」と続けました。

例えば自動車会社なら、「車」というフィジカルなプロダクトを販売する従来型の事業がありつつ、データとテクノロジーを活用して長期的に顧客関係の構築(CRM)を行い、快適なカーライフを提供する「コネクテッドサービス」が事業化されています。

魚住氏は前者を「売り切り事業(たくさん買ってもらう活動)」、後者を「コト売り事業(長く使ってもらう活動)」と定義。こうした変革の中で顕在化してきた課題が、コト売り事業へのシフトに伴う顧客接点組織の乱立による「統合マネジメント」の難しさだと指摘します。

同氏はクライアントから「顧客接点が増えて、それぞれがサイロ化している。全社的なKPIを策定しないと投資の意思決定を最適化できない」「宣伝組織とCRM組織が分断していて、顧客の“期待”と“満足”に大きなギャップが発生している」という相談を受けていると述べ、解決法として、電通の「顧客資産価値マネジメント」を提案しました。

顧客資産価値マネジメントは、プロダクトやサービスをこれから購入する顧客の「期待価値」を軸に置きつつ、購入後の「満足価値」という非財務指標を全社的にマネジメントする概念です。

例えばとある自動車会社では、今まで「事業・組織」を軸に財務を管理していました。しかし顧客資産価値マネジメントでは、「顧客がその企業に期待するさまざまな価値」を軸に財務指標を設計します。

基本思想


魚住氏は現在のトレンドを、①顧客接点組織の統合②全社KPI構造の策定の二つに整理しました。

①顧客接点組織の統合

顧客の期待と満足のギャップを解消するために、“期待”のマネジメントと“満足”のマネジメントを一つの組織、一つの業務として統合するトレンドです。

「例えば“期待”を担っていた宣伝部と“満足”を担っていたCS部を統合したり、“期待”を担っていた営業部の機能にカスタマーセンターの機能を拡張して“満足”もカバーするような組織再編を促すことが重視されています」(魚住氏)

②全社KPI構造の策定

“期待”と“満足”を作る組織全体のKPIを構造化し、「顧客資産価値KPI」として中長期的な計画に生かすトレンドです。

「顧客資産価値KPIは非財務指標で、主に顧客ロイヤルティを指標に置くケースが多いです。例として、とある航空会社では顧客の『感動の出会い資産』を数値化しています。また別のヘルステック企業では『自社のデバイスで顧客が健康のためにどのくらい汗をかいたのか』を数値化しています。いずれも財務指標と同じぐらい重要な経営指標としてステークホルダーに開示しています」(魚住氏)

顧客資産価値KPI

最後に魚住氏はセッションのまとめとして、顧客資産価値マネジメントを大きな組織で推進することの難しさに触れ、電通では「組織の統合・再編の構想から、指標設計の支援、マネジメント基盤と業務プロセスの設計、そして人材開発までを一気通貫で支援できる」と聴講者に語りかけました。


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