【マーメイドS(G3)展望】JRA「善戦ウーマン」フローレスマジック今度こそ! 強豪ひしめくハンデ戦!

 6月9日(日)に阪神競馬場で、牝馬限定のハンデ重賞であるマーメイドS(G3)が開催される。2006年以降ハンデ戦となったが、過去13回中実に9回で3連単の配当が10万円を超えており、波乱の起こりやすいレースとして知られている。その1戦に出走予定の注目馬を紹介しよう。

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 前走の福島牝馬S(G3)で2着に入り、惜しくも重賞ウィナーの仲間入りを果たせなかったフローレスマジック(牝5歳、美浦・木村哲也厩舎)の走りに注目したい。

 昨年、C.ルメール騎手とともに自己条件戦を勝ち上がったフローレスマジック。勢いそのまま、ターコイズS(G3)で古馬重賞に初挑戦したが、人気を裏切って11着と惨敗を喫した。

 今年に入ってからは、ルメール騎手から石橋脩騎手に乗り替わり。新コンビ初戦となった中山牝馬S(G3)で早めに上がって5着と掲示板を確保すると、前走の福島牝馬Sでは2着と好走。クセ馬デンコウアンジュの激走の前に敗れたものの、徐々に存在感を示しつつある。

 関東の厩舎に所属していることもあり、今回が阪神競馬場、初挑戦。初めて足を踏み入れる舞台で、力を発揮できるのだろうか?

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 迷走が続くランドネ(牝4歳、栗東・角居勝彦厩舎)は、ここからの巻き返しが期待されている。

 昨秋の紫苑S(G3)では逃げて3着に入り、秋華賞(G1)への出走権をゲット。本番でも積極的に前に出て6着と健闘した。その後、自己条件戦の修学院S(1600万下)でも逃げて古馬を相手に勝利。明け4歳初戦となった愛知杯(G3)では、果敢にハナを奪うと3着と馬券圏内に好走。世代牝馬屈指の逃げ馬として、その名を轟かせていた。

 ところが中山牝馬(G3)ではカワキタエンカがハナを主張したため、インの2番手で競馬を展開するも包まれてしまい、13着の大敗。前走の福島牝馬S(G3)でも得意の形に持ち込むことができず、スローペースに巻き込まれ、最後の直線で挟まれる不利も受け6着に終わった。

 近走は自身の得意とするスタイルでの競馬ができないでいるランドネは、今回M.デムーロ騎手と初めてコンビを組んで挑戦。デムーロ騎手は迷える素質馬を上位に導けるか。

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 センテリュオ(牝4歳、栗東・高野友和厩舎)は、ここが古馬重賞初挑戦となる。

 昨年、牝馬クラシック出走が叶わなかったセンテリュオ。今年初戦の4歳上1000万下で勝利すると、尼崎S(1600万下)に挑戦。ここではメールドグラースの後塵を拝して2着に終わったものの、その約3カ月後に挑戦した下鴨S(1600万下)では、最後方から上がり最速となる32.8秒の末脚を繰り出して見事勝利。OP入りを果たした。

 今回の阪神競馬場は、4走して[1.2.0.1]と得意にしているようだ。慣れ親しんだ舞台で、切れ味鋭い末脚を武器に上位進出を狙う。

 同じ舞台で行なわれた鳴尾記念(G3)で2着だったブラックスピネルの半妹モーヴサファイア(牝5歳、栗東・池添学厩舎)。

 早くから期待されていたものの、3歳時にアクシデント発生。ノドを手術することになり、長期に渡る戦線離脱を余儀なくされてしまう。復帰は昨年の5月の西海賞(1000万下)。ここを8着で終えるも、その後は1戦ごとに勝利と2着を繰り返し、6戦6連対でOP入り。2年以上ぶりに大舞台に駒を進めた。

 今回は2走ぶりに川田将雅騎手が手綱を握る。ここで結果を残して、今後の活躍に繋げたいところだ。

 これら以外にも善戦が続くクィーンズベスト、前走のパールSで約2年ぶりの勝利をあげたスカーレットカラー、苦戦が続くも最も軽い斤量49キロで挑戦するウスベニノキミらが虎視眈々と上位をうかがう。

 今年、勝利の女神はどの馬に微笑むのだろうか? マーメイドSは9日15時35分の発走を予定している。

【JRA日本ダービー】ディープ級?サートゥルナーリア徹底検証!関係者コメントまとめと最新情報!

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日本ダービーの有力馬サートゥルナーリア

 平成を代表する競走馬といえば誰もが共通の名を挙げるだろう。そうディープインパクトである。無敗で三冠馬となり、有馬記念、ジャパンカップ、天皇賞(春)、宝塚記念とG1レースを7勝。産駒もワグネリアン、キズナ、マカヒキが日本ダービー馬となった。その強さと功績は未来永劫語られていくだろう。

 今週行われる第86回日本ダービーには、そのディープインパクトに匹敵する素質馬としてサートゥルナーリアに注目が集まっている。ここまで無敗の同馬だが、果たしてその実力と将来性はディープインパクト級なのか。デビュー前から直前までの関係者コメントや、騎手の評価についてまとめてみた。

 同馬はノーザンファームの生産馬で会員制馬主クラブであるキャロットファームの所有馬。母シーザリオは2005年に優駿牝馬(オークス)を制し、アメリカに遠征してアメリカンオークスも優勝。引退後は繁殖牝馬として、エピファネイアとリオンディーズといったG1馬の母となっている。クラブの募集額は1億4000万円とキャロットファームではかなりの高額募集馬。デビュー前からかなりの期待馬だったことがわかる。そしてデビュー前の追い切りを見た関係者はこう評価している。

「デビュー前の2歳馬が坂路1本目を馬なりで破格の時計。それ以降も古馬のオープン馬を圧倒していたし、これはモノが違う。かなりの素質を感じる」

 そしてデビューを迎えた2018年6月10日。岸本助手は「パワーとスピードを兼備しているし、折り合いに不安もなく決め手も持っている。心配は何もない」とコメント。そしてレース後のデムーロは「力が全く違った」と能力を絶賛していた。さらにホープフルステークス(G1)では、「越えなければならない課題は多いが、クリアするだけの能力は持っている。力さえ出し切れば結果はついてくると思う」と辻野助手は余裕のコメント。見事勝利に導いたデムーロも「今年で一番強い2歳馬に乗れて最高の気分」「歴史を変える一頭になる」と上機嫌だったが、その後まさかの乗り替わりに...。

 そして一冠目となった皐月賞は断然の人気に支持されながらも、思った以上の強さを見せられず辛勝。「仕上がりは良かったが、直線で先頭に立ったときに物見して内にモタれ、最後も休み明けのぶん疲れていた」「急ピッチで仕上げたから少し硬さがあった」といった関係者のコメントからも、100%の状態ではなかったのは明白。その後はダービーに向けて調整され、関係者のコメントを見ると順調に思える。しかし果たしてサートゥルナーリアは「万全」なのか?皐月賞の前、多くの報道を見ると、どのマスコミもサートゥルナーリアが圧勝するような見出しだった。しかし蓋を開ければ降着ギリギリのレースで辛勝という結果。「万全ではなかった」というレース後のコメントを見ても、やはり報道と現実は乖離しているように思える。

 ならば、ここはマスコミのニュースに惑わされず、関係者の本音をしっかり把握して馬券勝負に挑むべきだろう。そこで着目したのが、競馬に関する情報をほとんど網羅し、そして分析力に定評がある「ホースメン会議」だ。ホースメン会議は競馬の神様と言われた故大川慶次郎氏が創設し、弟子の能勢俊介氏を総監督に、日刊スポーツの本紙予想を25年にわたって務めた堀内泰夫、大阪スポーツ本紙歴37年の米原聡、元JRA騎手でG1ジョッキーの東信二など、まさに業界最強のオールスターが勢揃い。圧倒的な情報網を通じて入手した情報を、自慢の予想陣が徹底分析し、厳選に厳選を重ね至高の買い目が完成。その結果、圧倒的な的中率でファンを魅了しているのだ。

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ホースメン会議の豪華予想陣

 まさに日本ダービーへ向け、すべての競馬ファンが必要とする情報力と予想力を兼ね揃えているといっていいだろう。そのホースメン会議はサートゥルナーリアに関して、衝撃の内部情報を独占入手しているという。

「皐月賞の勝利は、着差的には辛勝でも内容は良かった。血統的に距離延長とコース替わりはプラスだが、懸念すべき重要な要素も判明している」(ホースメン会議スタッフ)

 さらに特筆すべきは、このサートゥルナーリアに「待った」をかける注目情報馬が存在することが判明。

「日本ダービーの特徴として、マスコミは注目度の高い馬に偏った報道になる傾向があります。その方がスポーツ紙も競馬専門紙も売れるからです。今回はレーンのサートゥルナーリアや川田将雅のヴェロックス、そしてダノンキングリーや武豊騎手など。しかしその裏で、ほとんどのマスコミがノーマークとなる影の実力馬がいるのが毎年のダービー。昨年は何故か皐月賞馬が人気薄となっており、結果として285万馬券に繋がりました。今年も同様のケースで、マスコミがノーマークとしている激走注目馬がいます。この注目馬を狙い撃ちすることが、このダービーを歓喜で終える最善策といえます」(ホースメン会議スタッフ)

 馬券を的中させる上で大事なのは、前述したように「情報力と予想力」だ。日本ダービーのようなビッグレースともなれば、様々な情報が蔓延して何が正しいかわからなくなる。しかし、競馬関係者と密接な関係にあるホースメン会議であれば、正確な情報を掴んでいることは間違いない。そして、どこにも負けない豪華予想陣による完璧な分析があるのだ。この2つを兼ね揃えたホースメン会議の最終決断であれば、これは何を差し置いてもチェックすべきものだろう。

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桜花賞の万馬券も的中と3歳戦に強い!

 しかもホースメン会議によると、日本ダービーの前哨戦である皐月賞や、牝馬クラシック1冠目の桜花賞(3万1810円的中)を含め、2019年は20週連続で重賞・メインレースを的中させているようだ。波乱続きのメインレースをこうも簡単に的中させるとは、やはり彼らの実力は本物と認めざるを得ない。

 なおこの日本ダービーは、多くの競馬ファンと的中の感動を共有するために【ダービー・3連複10点勝負】を無料で公開する特別キャンペーンを実施するとのこと。しかも、仮にこのキャンペーンが不的中の場合は、6月23日の宝塚記念当日まで、ホースメン会議予想陣が【1日1鞍の渾身予想】を無料で公開してくれる。よほどの自信がなければできないこのキャンペーン。絶対に聞き逃すことなく、この大勝負に参加しよう。

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JRA日本ダービー(G1)「未開の魅力」シュヴァルツリーゼは穴男・石橋脩次第?

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 26日に東京競馬場で開催される日本ダービー(G1、芝2400メートル)。今年は勝ち馬サートゥルナーリアをはじめ、皐月賞(G1、芝2000メートル)で馬券圏内に入った3頭が人気を集めると見られている。そこに割って入ることが期待されているのが、シュヴァルツリーゼ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。

 父ハーツクライ、母ソベラニア、母父はドイツで活躍したMonsunという血統。サンデーレーシングでは1口125万円で40口が募集されるなど、期待をかけられていた。

 シュヴァルツリーゼは藤岡康太騎手を背にデビュー。新馬戦では4番手につけると、最後の直線で上がり最速33.6秒の脚を使い、後続に2馬身半差をつけて快勝。今後の活躍を予見させる走りを見せた。

 だが、そこからがなかなか続かない。翌年の共同通信杯(G3、芝1800メートル)に登録していたものの回避。そして翌週のフリージア賞(500万、芝2000メートル)へ向かうと発表されたが、結局こちらへの出走も叶わなかった。その後、陣営は弥生賞(G2、芝2000メートル)に登録し、3度目の正直とばかりになんとか出走にこぎつけている。

 二転三転しながらも、ようやく今年の初戦を迎えたシュヴァルツリーゼ。出遅れ気味にスタートしたものの、残り600メートルを切った辺りから進出。4角で鞍上の石橋脩騎手が進路を大外に向けると、多少ふらつきながらも猛然と脚を伸ばして2着。皐月賞(G1)のキップを手に入れた。

 だがその皐月賞では12着と大敗。石橋騎手は思うようなポジションを確保できず、そして「外を回すよりはと思い、インにこだわりました。最後も間を割ろうとしたのですが、それが裏目に出てしまいました」とレースを振り返っている。

「ちょっと調整が難しい馬のようですね。そのため、思うようにローテーションをこなすことができず、弥生賞も直前までドタバタしていたみたいです。しかしそのような状況にもかかわらず、2着に入って素質の片鱗を見せました。

 前走ではスタート直後に接触したため、後ろからの競馬となり、まったく展開が向きませんでしたね。力はあるはずですので、今回はチャンスがあると思います」(競馬誌ライター)

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 シュヴァルツリーゼは1週前追い切りで、石橋騎手を背に南WCコースで5F68.1秒、ラスト12.1秒をマーク。最終追いでも石橋騎手が騎乗して南WCコースで、4F53.3秒、ラスト12.8秒をマークしている。今年の初旬とは違い、調整はうまくいっているようだ。

「石橋騎手は昨年の日本ダービーで、16番人気のコズミックフォースで3着に入り、波乱の立役者となりました。そして今年もNHKマイルCで14番人気のケイデンスコールを2着に導くなどその手腕は健在。

 シュヴァルツリーゼは8枠18番の大外枠を引いています。8枠は過去10年で【1.0.1.27】という成績です。これだけ見ると期待薄の気がしますが、それは一昔前のこと。昨年はワグネリアンが17番で勝利し、一昨年も18番のアドミラブルが3着に入るなど、8枠の馬が2年連続で馬券圏内に入る好走を見せます。外というだけで切るわけにはいかないですよ」(競馬記者)

 昨年に続き石橋騎手は波乱を巻き起こすことができるのか。シュヴァルツリーゼの好走に期待したい。

【日本ダービー(G1)枠順確定】JRAサートゥルナーリア×レーン、ヴェロックス×川田将雅らの枠は?

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 日本ダービーの枠順が決まった。サートゥルナーリアが2冠を達成するのか。はたまた、ヴェロックス、ダノンキングリーらがそれを阻むのか。枠順は下記の通りだ。

日本ダービー(G1)枠順

【1枠】1番  ロジャーバローズ   浜中 俊
【1枠】2番  ヴィント       竹之下 智昭
【2枠】3番  エメラルファイト   石川 裕紀人
【2枠】4番  サトノルークス    池添 謙一
【3枠】5番  マイネルサーパス   丹内 祐次
【3枠】6番  サートゥルナーリア  D.レーン
【4枠】7番  ダノンキングリー   戸崎 圭太
【4枠】8番  メイショウテンゲン  武 豊
【5枠】9番  ニシノデイジー    勝浦 正樹
【5枠】10番 クラージュゲリエ   三浦 皇成
【6枠】11番 レッドジェニアル   酒井 学
【6枠】12番 アドマイヤジャスタ  M.デムーロ
【7枠】13番 ヴェロックス     川田 将雅
【7枠】14番 ランフォザローゼス  福永 祐一
【7枠】15番 リオンリオン     横山 武史
【8枠】16番 タガノディアマンテ  田辺 裕信
【8枠】17番 ナイママ       柴田 大知
【8枠】18番 シュヴァルツリーゼ  石橋 脩

JRA日本ダービー(G1)ダノンチェイサー回避。まさかの戦線離脱に衝撃

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 NHKマイルC(G1)4着から日本ダービー(G1、芝2400メートル)への出走を予定していたダノンチェイサー(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)が回避を発表した。報じた「サンスポ」によれば、左寛跛行が判明したためだという。

 ダノンチェイサーは今年のきさらぎ賞(G3、芝1800メートル)を勝利。その後、NHKマイルCから日本ダービーへ向かうローテ―ションを発表し、一部で話題となっていた。

「『3週間でG1レースを2走』するこのローテ―ションは、主に松田国英調教師が管理する有力馬に好んで使っていたこともあり、マツクニローテとも呼ばれていました。

 過去にキングカメハメハやディープスカイがマツクニローテで変則2冠馬に輝いたものの、このハードスケジュールは当時から『無理をさせている』など批判の声もあがっていました。

 そのためダノンチェイサーにも故障を心配する声があがっていたのですが、まさかそれが現実のものになってしまうとは......」(競馬誌ライター)

 日本ダービーを前に戦線離脱することになってしまったダノンチェイサー。関係者たちはさぞ無念だろう。ダノンチェイサーが無事に復帰してくれることを祈りたい。

JRA日本ダービー(G1)クラージュゲリエ「65年ぶり偉業へ」三浦皇成にチャンスあり?

クラージュゲリエの画像1

 日本ダービー(G1、芝2400メートル)への出走を控えるクラージュゲリエ(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)。高い素質を秘めていると評価されているが、それが大舞台で開花することはあるのだろうか?

 父キングカメハメハ、母ジュモー、母父タニノギムレット。さらに母母はトゥザヴィクトリーの全妹ビスクドールと、稀に見る良血として誕生したクラージュゲリエ。

 新馬戦は2着に2馬身差をつけて快勝するも、続く札幌2歳S(G3、芝1800メートル)ではニシノデイジー、ナイママを捉えることができず3着に終わっていた。

 だが3戦目の京都2歳S(芝2000メートル)。J.モレイラ騎手を背に道中6、7番手でレースを進めると、4角手前から進出開始。最後の直線で馬群を縫うように進み、ワールドプレミア、ミッキーブラックなど素質馬を相手に勝利を収めた。

 今年は共同通信杯(G3、芝1800メートル)から始動。武豊騎手とともに2歳王者アドマイヤマーズらに挑戦するも3着。勝ち馬のダノンキングリーには0.8秒差も離されるなど、力の差を見せつけられた形で終わっている。

 そして迎えた皐月賞(G1、芝2000メートル)。新たに横山典弘騎手とコンビを組んで迎えた1戦では、中団からしぶとく脚を伸ばして5着。前走の結果からか戦前は14馬人気と評価を落としていたが、掲示板に載り、日本ダービーへのキップをもぎ取ることにも成功した。

「皐月賞の下位人気は追い切りでの動きが悪かったのも影響していたのかもしれません。最終追いで3歳のアヴァターラ、6歳のフォイヤーヴェルクとの3頭併せで先着を許していましたからね。ですが、本番の皐月賞では5着と健闘し、ファンを驚かせていました。稽古駆けはしない本番に強いタイプなのかも」(競馬記者)

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 そのクラージュゲリエは1週前追い切りで、僚馬サトノルークス、アイスバブルと3頭併せ。アイスバブルには2馬身半先着したものの、サトノルークスには少し遅れ気味でゴールし、6ハロン82.8秒、ラスト11.8秒を記録している。

「池江調教師は『距離が延びるのもいい』と距離延長を歓迎していました。またこれまでは気性難を抱えていたようですが、前走の皐月賞で騎乗した横山典騎手も『乗りやすかった』と話すなど、徐々に改善傾向にあるようです。

 ですが、気になるのはやはり乗り替わり。これまで『乗り替わり』で日本ダービーを制したのはふたりしかいません。さらに今回は三浦皇成騎手がテン乗りで挑戦しますが、その場合は1度しかなく1954年のゴールデンウエーブまで遡ることになります。条件的にはちょっと厳しいといえます」(競馬誌ライター)

 三浦騎手は実に65年ぶりとなる偉業をクラージュゲリエと達成することができるのだろうか? 好走を期待したい。

JRA日本ダービー(G1)エメラルファイト「下位人気活躍」の波に乗れ! 石川裕紀人腕の見せ所

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 26日に開催される日本ダービー(G1、芝2400メートル)に出走するエメラルファイト(牡3歳、美浦・相沢郁厩舎)。ここでなんとか結果を残して存在感を示したいところだ。

 エメラルファイトは父クロフネ、母セトウチソーラー、母父スペシャルウィークという血統を持つ。生産したのは金成吉田牧場。今は夫婦ふたりで6頭の繁殖牝馬を繋養する金成吉田牧場だが、かつてはウオッカの母タニノシスターなども生産していた。

 6月の新馬戦(芝1600メートル)を勝利したエメラルファイトは2戦目の札幌2歳S(G3、芝1800メートル)で4着と健闘すると、続くアイビーS(OP、芝1800メートル)で3着と馬券圏内の好走を見せる。そして暮れには朝日フューチュリティS(G1、芝1600メートル)に挑戦。後方から上り最速33.5秒の脚を見せるも6着とG1の壁に跳ね返されていた。

 今年は白梅賞(芝1600メートル)から始動してウオッカ産駒のタニノミッションらを抑えて勝利。皐月賞トライアルのスプリングS(G2、芝1800メートル)に駒を進めた。

 レースは、序盤から先行勢が激しい主導権争いを繰り広げ、エメラルファイトはそれを見る形で先団後方につけた。そして鞍上の石川裕紀人騎手の手で4角から外へ出されると、最後の直線でライバルたちと追い比べを開始。横一線の一進一退の攻防から、なんとか抜け出したエメラルファイトが優勝。混戦を制し、皐月賞(G1、芝2000メートル)への切符をゲットした。

「スプリングSは過去の勝ち馬にマイルCS覇者ステルヴィオ、QE2世Cを勝ったウインブライト、さらに最強と称されたキタサンブラックに3冠馬オルフェーヴルなどが名を連ねる出世レースとして知られています。

 その1戦を制したこともあり、エメラルファイトには本番の皐月賞でも大きな期待がかけられていました。ところが、右前脚の捻挫をしたとして陣営が回避を発表。なんとも悔いの残る終わり方となりました」(競馬誌ライター)

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 挑戦権を得たものの出走が叶わなかったエメラルファイト。1週前追い切りでは主戦の石川騎手を背に南WCで、5F69.3秒、ラスト12.5秒を記録。相沢調教師は多少時計が遅くなったものの「脚元は問題ありません」と復調をアピールしていた。

「相沢調教師はここ10年で重賞を8勝、そのうち5勝を中山競馬場であげています。できることならば、日本ダービーではなく皐月賞に挑戦したかったというのが本音ではないでしょうか。またエメラルファイトスプリングSで競り勝ったファンタジストがその後、低迷していますからね。実力は未知数ですがちょっと厳しそうです。

 鞍上の石川騎手は騎乗技術の高さが多くの関係者から認められています。そして彼を担当するエージェントは、ノーザンファーム系とつながりが深いことで知られるやり手。そのため昨年は飛躍が期待されていたのですが、故障の影響もあったのか、どうも伸び悩んでいる印象を覚えます。そろそろ改めて存在感を示してもらいたいところなのですが、人馬ともにあと一歩という感が強いですね」(競馬記者)

 大手競馬ポータルサイト『netkeiba.com』の事前予想で、現在エメラルファイトは単勝133.1の14番人気と大穴扱いを受けている。だが、今年はNHKマイルC(G1、芝1600メートル)では14番人気だったケイデンスコールが2着に入り、ヴィクトリアマイル(G1、芝1600メートル)でも11番人気のクロコスミアが3着。そしてオークス(G1、芝2400メートル)でも12番人気のカレンブーケドールが2着に入るなど今年の春のG1戦線は下位人気馬の台頭が著しいことで知られる。

この流れに乗ってエメラルファイトも馬券圏内に入り、人馬ともに存在感を示すかも!?

JRA日本ダービー(G1)横山典弘「騎乗停止撤回」を申し出るも却下に不満の声。息子「やってやりますよ!」に期待

JRA日本ダービー(G1)横山典弘「騎乗停止撤回」を申し出るも却下に不満の声。息子「やってやりますよ!」に期待の画像1

「統一感がまったくないじゃないか!!」

 またしてもJRAが下した"裁決"に多くの競馬関係者たちが怒りの声をあげている。

 先週はふたりの騎手が騎乗停止となった。まずは18日に東京競馬場で行われた2R(3歳未勝利)で、横山典弘騎手が外側に斜行したとして5月25日(土)、26日(日)の2日間の騎乗停止処分。そして翌日、オークス(G1)直後に行われた丹沢S(1600万下)では松山弘平騎手が内側に斜行し、後続の進路を妨げたとして25日から6月2日(日)まで9日間(開催4日間)の騎乗停止処分が下された。

「まず松山騎手の件ですが、騎乗したカラクプアが2着だったフリーフリッカーと接触。それに3着アドラメレク、4着シロニイが巻き込まれる形になりました。被害を受けた馬が上位入線しただけに『降着』との声も上がったものの、結局審議のランプが灯ることすらありませんでした。

 ある騎手は『2、3着馬はかなり減速してましたから、先々週に降着となった田中健騎手の騎乗より酷い騎乗だと思いました』と明かし、『着差がついたので問題ないとの判断だったのかもしれませんが、併せ馬だったキワドかったはず』と話していましたよ」(競馬記者)

 多くの関係者たちが首をかしげる結果となった。そしてこれ以上に大きな問題となっているのが、横山典騎手の騎乗停止の件だという。

JRA日本ダービー(G1)横山典弘「騎乗停止撤回」を申し出るも却下に不満の声。息子「やってやりますよ!」に期待の画像2

「横山典騎手はアサクサアンデスにまず右ムチを入れ、そして手前を替えて左ムチを入れたところ、大きく外側へ斜行。後続の進路を塞ぐことになりました。ただこれは同馬のクセによるところが大きいのだとか。

 そのため酌量の余地は十分にあり、管理する加藤征弘調教師も日本ダービーに騎乗できないのは気の毒だと思ったようで、裁決委員に事情を話して過怠金か騎乗停止を土曜日だけにするよう掛け合ったようなのですが、けんもほろろに断られてしまったみたいです。『全く基準が見えない』など不満の声が続々とあがっていますよ」(競馬誌ライター)

 思い虚しく横山典騎手の騎乗停止は覆らず。日本ダービーで騎乗予定だったリオンリオンは、息子の横山武史騎手が騎乗することになった。

「息子へのスイッチには横山典騎手の要望もあったようです。ただ当然、日本ダービーという大きな舞台ですし、父親からのプッシュだけで決まったわけではないですよ。

 横山武騎手は、今年の第1回小倉競馬開催で10勝をあげてリーディングに輝くと、第1回新潟競馬開催でも7勝をあげてこちらでもリーディングジョッキーとなりました。ローカルが主戦場とはいえ、すでに父の横山典を上回る25勝をあげ、全国でも18位につけているんです。伸び盛りということもあり、オーナーもこの乗り替わることを了承してくれたようですね。

 本決まりになって横山武騎手は『やってやりますよ! 逃げてアッと言わせてやります』と気合い十分だったと聞いています」(別の競馬記者)

 関係者たちにとっては不本意な形だと思うものの、結果的に父から息子へとバトンが託された。横山武騎手にはみなを驚かすような騎乗を見せてもらいたい。

JRA「サートゥルナーリア母」偉大なる"superstar"シーザリオ。エピファネイア・リオンディーズら「華麗なるファミリー」を形成

JRA「サートゥルナーリア母」偉大なるsuperstarシーザリオ。エピファネイア・リオンディーズら「華麗なるファミリー」を形成の画像1

 日本ダービー(G1)で1番人気が予想されるサートゥルナーリア(牡3歳、栗東・角居勝彦厩舎)。ここまで4戦4勝で、そのうち2勝はG1競走。実績で言えば、今回のメンバーでサートゥルナーリアを上回る馬は当然いない。

ディープインパクト以来となる無敗の二冠馬誕生の期待も高まる中、改めて同馬の母馬シーザリオに注目が集まっている。

 シーザリオは2004年12月の新馬戦(芝1600メートル)で、福永祐一騎手を背にデビュー。後続に1馬身半差を付けて快勝すると、続く寒竹賞(2000メートル)では後にその年の日本ダービーで4着に入るアドマイヤフジを抑えて勝利。その才能が認められはじめた。

 そしてフラワーC(G3、1800メートル)では1番人気に支持されると、レースレコード・タイの1分49秒0で圧勝。本番の桜花賞(G1、芝1600メートル)に駒を進める。だが桜花賞では主戦の福永騎手は先約があったラインクラフトに騎乗。相棒不在のシーザリオは吉田稔騎手とともに出走し、後方から猛然と追い上げるも、アタマ差届かず2着。勝ったのはラインクラフトだった。

 そしてオークス(G1、芝2400メートル)。ラインクラフトがNHKマイルC(G1)を圧勝した影響もあり、シーザリオは単勝1.5倍の圧倒的1番人気に支持された。だがレースではやや立ち遅れると、即座にエアメサイアと武豊騎手が進路をカット。後方からの競馬を強いられてしまう。

 1000メートルの通過タイムが63.1秒と異例のスローペースで進む中、シーザリオは最後の直線を迎えてもトップから離れた位置にいた。ここからはさすがに届かないと思われたものの、そこから33.3秒の異次元の脚を見せ、エアメサイアをクビ差交わして劇的な逆転勝ち。レース後の勝利騎手インタビューで福永騎手は「すいません。かわいそうな競馬をさせてしまいました。今日は馬に勝たせてもらいました」と振り返っていた。

 オークス後、陣営はアメリカンオークス(米G1、芝2000メートル)への挑戦を決定。海を渡ったシーザリオは福永騎手を背にレースで好スタートを決めると、今度は邪魔されることなく3番手の好位をキープ。先を行く2頭の脚が鈍ってきたと見るや猛然と先頭に立ち、最後の直線でさらに後続を突き放して勝利。実況アナウンサーが直線半ばで『Japanese superstar Cesario!!』と勝利を確信したかのように絶叫したことが、競馬ファンの間で語り草となっている。

 その後、シーザリオは繋靭帯炎を発症。復帰を目指したものの、繁殖牝馬としても期待されていたこともあり、陣営は同馬の引退を決定した。

 繁殖牝馬となったシーザリオ。だが、キングカメハメハとの間に誕生した産駒は弱い体質だったようで、第一仔トゥエルフスナイトは1戦して引退。全妹のヴァイオラはデビューする前にこの世を去ることになり、第二の馬生は順風満帆とはいい難いスタートとなった。

JRA「サートゥルナーリア母」偉大なるsuperstarシーザリオ。エピファネイア・リオンディーズら「華麗なるファミリー」を形成の画像2
※エピファネイア/『競馬つらつら』より

 しかし3年目、シンボリクリスエスとの交配で誕生したエピファネイアが悪い流れを一変させる。

 福永騎手とともにクラシックに挑戦すると皐月賞(G1、芝2000メートル)と日本ダービー(G1、芝2400メートル)でともに2着。夏を挟んで挑んだ菊花賞(G1、芝3000メートル)ではついに産駒初のG1初制覇を達成。翌年のジャパンカップ(G1、芝2400メートル)では、世界最強と評価されたジャスタウェイに4馬身差を付けて圧勝してみせた。

JRA「サートゥルナーリア母」偉大なるsuperstarシーザリオ。エピファネイア・リオンディーズら「華麗なるファミリー」を形成の画像3
※リオンディーズ/『競馬つらつら』より

 その3年後、再度キングカメハメハとの交配に挑戦するとリオンディーズが誕生。朝日フューチュリティS(G1、芝1600メートル)を勝ち、日本ダービーでも5着と掲示板を確保。今後の活躍が期待されたものの、故障のため惜しまれつつも引退。種牡馬入りとなった。

 そしてリオンディーズからさらに3年後。今度は"竜王"ロードカナロアとの間にサートゥルナーリアが産まれる。同馬のこれまでの活躍は言うまでもなく、秋には凱旋門賞挑戦も視野に入れられているなど、これからさらに飛躍を遂げるとも考えられている。

 繁殖牝馬としても確固たる地位を築いたシーザリオ。今年はキングカメハメハ産駒のファーストフォリオ(牝)がデビュー予定。さらに翌年はモーリスとの産駒(牡)がスタンバイしている。

 そして2019年で17歳になるも、まだ衰えを知らず、今年はロードカナロアと交配済み。順調に行けばサートゥルナーリアの全弟か全妹が誕生することになるだろう。

 競走馬として史上唯一の日米オークスを制覇し、繁殖牝馬としても有力馬を輩出し続けるシーザリオ。今後、誕生する産駒がどんな活躍をしてくれるのか。今から楽しみである。

JRA日本ダービー(G1) 「令和初重賞馬」レッドジェニアルが酒井学で嵐を呼ぶ

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 26日に東京競馬場で開催される日本ダービー(G1)。"ダービー最終便"とも呼ばれる京都新聞杯(G2、芝2200メートル)を勝ったレッドジェニアル(牡3歳、栗東・高橋義忠厩舎)が上位を狙う。

 父キングカメハメハ、母レッドアゲート、母父マンハッタンカフェという血統を持つレッドジェニアル。馬主は東京ホースレーシングで、1口5.5万円で400口の出資者が募られた。

 今年の1月に北村友一騎手と新馬戦(芝2000メートル)を迎えるも3着。次走の未勝利戦(芝2000メートル)も同じコンビで臨んだが、またも3着に終わった。

 3戦目から鞍上を酒井学騎手にスイッチ。この未勝利戦(芝2000メートル)で初勝利を飾ると、アザレア賞(500万下、芝2400メートル)に向かう。ここでは中団追走から、最後の直線で大外から強襲するなど見せ場を作るも4着に終わった。

 そして迎えた京都新聞杯。11番人気と下位人気ながらウチをロスなく進み、最後の直線では上がり最速34.7秒の脚を発揮。逃げるロジャーバローズをクビ差交わして、新元号『令和』初となる重賞レースを見事に勝利。高額払戻の立役者となった。

「酒井騎手にとってこの重賞勝利は、14年のトーホウジャッカルで勝った菊花賞(G1)以来約4年半ぶり。デビュー当初から精神的な幼さが指摘されることも多かったレッドジェニアルですが、成長分に加え、酒井騎手が辛抱強く競馬を教えたこともあり、徐々に大人になりつつあるようです。

 デビュー後は2000メートル以上をメインに走っているため、ダービーの距離もこなせるはず。末脚には光るものがありますし、展開が向けば上位にも顔を出すこともあるでしょうね」(競馬誌ライター)

JRA日本ダービー(G1) 「令和初重賞馬」レッドジェニアルが酒井学で嵐を呼ぶの画像2

 過去10年、前走が京都新聞杯の日本ダービー出走馬は【1.1.1.19】。だが12年にはトーセンホマレボシが3着に入り、翌年はキズナがダービー馬に輝いた。そして15年にはサトノラーゼンが殊勲の2着に入っている。

「1週前追い切りは坂路で、僚馬と併せ馬。強めに追われて4F53.2秒、ラスト12.5秒を記録。その後はひき運動をメインに行ない、最終もあまり強くは追わないようですね。陣営はアザレア賞の敗因のひとつに『レース前にテンションをあげすぎた』点を悔やんでいました。まずは落ち着いて本番に臨めることを念頭に調整しているようです」(競馬記者)

 レッドジェニアルは京都新聞杯に続いて波乱の立役者となることができるのだろうか? 好走を期待したい。