2026年3月、ニデック(旧・日本電産)の第三者委員会による調査報告書が公表された。総勢約200人の専門家が半年以上かけてまとめたこの報告書は、「不適切な会計処理」ではなく、まっすぐに「会計不正」と言い切っている。
そして、報告書にはこう記された。「最も責めを負うべきなのは永守氏である」。200ページ超の報告書をもとに、日本のモノづくりを牽引してきたカリスマの、もう一つの顔に迫る。
前編に続き、3月に公表されたニデック(旧・日本電産)の調査報告書をひもといていく。調査の結果、複数の拠点で会計不正が行われていたことが明らかになった。その責任を追及する一方で、もう一つ注目すべき事実がある、と筆者は感じている。
今回は、産業ガス大手の東証プライム上場企業、エア・ウォーターで発覚した、ある意味「不正会計史上最悪」ともいえる事件の裏側をご紹介する。現場の従業員からの悲痛なSOS、そして経営トップが取った信じられない行動……。真相をひもといていくと、「数字をいじること」の本当の恐ろしさが見えてくる。
通信大手のKDDIは2026年2月6日、子会社などで架空取引が複数年にわたって行われていたことを明らかにした。詳細は現在調査中であり、この日予定されていた26年3月期第3四半期の決算発表は延期された。なぜ日本を代表する大企業の傘下で巨額不正が行われ、見逃されてしまったのか。その背景に見えた問題を解説する。