豪雪地帯の雪を溶かして発電。 一石三鳥を目指す「雪発電」の実証実験が成功

北海道のニセコエリアで、「雪発電」の実証実験が25年1月19日~2月19日の1カ月間にわたり行われた。この発電システムは、雪と高温熱源の温度差でピストンを動かすスターリングエンジンを使って発電する仕組みだ。高温熱源には化石燃料に依存しない燃料から得られた熱エネルギーを使用。雪を発電に使用することで融雪を同時に行い、さらに、溶けた水を集めて再利用をする。「再生可能エネルギーによる発電」「豪雪地帯の融雪」「水不足の解消」という、一石三鳥を目指す取り組みだ。

実証実験は、発電システムを共同開発している電気通信大学・東急不動産R&Dセンター・東急不動産によって行われ、エンジンの容量は実験を始めた昨シーズンの6倍ほどに増強されたという。

実証実験の結果、発電した電気の活用はもとより、道路・屋根の融雪の成功、溶けた雪水のトイレなどに使用可能な簡易ろ過を実証した。また、飲用レベルまで対応できるろ過方法の検証も行われ、溶けた雪水の再利用への展望が見えた結果となった。

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地面の融雪の様子。左:融雪前 右:融雪後(5時間後)完全に路面が乾燥する程度(写真出典:電気通信大学 榎木光治研究室)
 
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屋根の融雪の様子。左:融雪前(積雪20cm程度) 右:融雪後(4時間後)中央部のステンレス蛇腹管に不凍液を流して融雪を行っている。雪を溶かして冷えた不凍液と高温熱源の温度差によってエンジンが動き、発電する仕組みだ。(写真出典:電気通信大学 榎木光治研究室)

道路の除雪は莫大(ばくだい)なコストがかかり、屋根の雪下ろしは危険が大きく、豪雪地帯で暮らす人々にとって大きな課題となっている。「雪発電」は、それらの解決につながる可能性が見えた結果となった。また、今回の実証実験で、電線が引かれていない環境下でも独立した発電施設として機能したため、専門家からは「電源や熱供給だけでなく、水の供給も可能な非常用の小型インフラ施設として期待できる」との意見もみられた。

電気通信大学の榎木光治研究室の成果報告によると、「屋根融雪は単に融雪をするだけでなく、落雪防止の工夫をしていることも特徴で二次災害を防ぐ仕組みも併せて実証した。雪を連続的に供給することで、“広範囲の融雪”を行いながら必要な水を得ることが可能」とのこと。榎木光治准教授からは、「今回の実証実験ではこれまでにない手応えを得た。実用化までもう一歩のところまできていると思う」と今後の展望に向けたコメントがあった。

東急不動産開発企画グループ 課長の白倉弘規氏は「温度差を生かした発電というのは、すでに海洋深層水で社会実装されている。高温熱源については、今回バイオマスボイラーを活用したが、地中熱や温泉熱などさまざまな熱源の可能性があり、寒冷地で問題になっている雪の融雪に新たな可能性を感じることができた。引き続き社会実装に向けて、よりこの技術の有効性を確認しながら検討を進めていきたい」と語った。

また、この取り組みの事業化に向けて支援をしている電通の荒木丈志氏も「高温熱源と低温熱源の組み合わせによってもさまざまな可能性を秘めており、今回の雪発電の取り組みは、これまで豪雪地帯の生活に影響を及ぼしていた雪を溶かしながら再生可能エネルギーを生み出せるということが魅力。再生可能エネルギーは、さまざまな産業と衝突が生じる発電方法もあるが、雪発電は生活の利便性向上の点で大きなメリットが設計されており、大変価値が高いのではないか」と、同取り組みの価値と可能性の高さを語った。

実用化に向けた今後の発展が期待される。

電気通信大学 榎木光治研究室による成果報告はこちら:
【速報】雪発電(2025年)の成功報告

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