ホンダ技研工業 五感で探る体験イベント「ここちよさ展」開催

ホンダ技研工業は2月13日~3月14日、東京・港区の「Hondaウエルカムプラザ青山」で、体験型イベント「ここちよさ展」を開催する。
同展は“ここちよさって、なんだろう?”をテーマに、日常の生活で無意識に感じる“潜在的な心地良さ”を五感で探る体験型イベント。

会場
視覚ブース
触覚ブース

視覚、聴覚、臭覚、触覚の各ブースには、さまざまな写真や音、香り、素材が用意され、音を聴いたり、素材に触れたりしながら、自分にとっての「心地よい物」を選択していく。その結果を基に、その人が感じる気分の発見や、心地良い暮らしのヒントやアイテムなどが提案され、味覚として「心地良い味わい」の飲料が提供される。

同社は長年、商品・技術を開発するに当たり人の研究を重視。その中で、数字では表せない人間が持つ感性価値を追究し「ここちよさ」というキーワードにたどり着いたという。同展の期間中は、「ここちよさ」をコンセプトに開発した新型車「FIT」(2月14日発売)も展示する。

味覚ブース
臭覚ブース
聴覚ブース

ホンダ技術研究所の落合愛弓氏(新型FIT CMFデザイナー)は「企画展のテーマ“ここちよさ”は、新型FITのコンセプト。普段クルマに関心がない方々にも興味を持ってもらえるよう企画した。同展では、自分の心地良さを知ることができる。ここでしか体験できない内容なのでぜひ来場いただき、自分の五感で潜在ニーズの発見を楽しんでほしい」とコメントしている。

公式サイト:
https://www.honda.co.jp/welcome-plaza/contents/event/2020/kokochiyosaten/

 

電通のクリエイターによるアート展「ONE CREATIVE」vol.2が開催

電通の第1CRプランニング局に所属するアートディレクター、クリエイティブディレクターによるアート作品の展示会「ONE CREATIVE」。1月26日~2月8日に開催されたvol.1「畑野憲一 中澤真純 展」に引き続き、vol.2として「くぼたえみ 平田優 若田野枝 展」が、東京・日本橋のgalerie H(ガルリアッシュ)で2月16~29日に開催される。

「ONE CREATIVE」ロゴ画像

展示会では、普段広告に携わるアートディレクター、クリエイティブディレクターの、日々の仕事では見ることができない、アーティストとしての作品が披露される。


「ONE CREATIVE」vol.2
くぼたえみ 平田優 若田野枝 展

会期 :2020年2月16(日)~29日(土)
休廊日:2月17日(月)、25日(火)
開廊 :12:00~19:00 (最終日は17:00まで)
会場 :galerie H(ガルリアッシュ)
    東京都中央区日本橋小舟町7-13 東海日本橋ハイツ2階

くぼたえみ作品画像

くぼたえみ
1CRP局アートディレクター。1986年生まれ。東京都出身。2009年東京藝大デザイン科卒、同年電通入社。プライベートワークとアートディレクターとしての仕事、両方を通じて、さまざまな表現に挑戦している。

 

平田優作品画像

平田優
1980年東京生まれ。2004年武蔵野美術大絵画科油絵卒、同年電通にアートディレクターとして入社。2010~15年 新宿眼科画廊 個展など。
HP: https://yuhirata.wixsite.com/sakuhin

 

若田野枝作品画像

若田野枝
神奈川県横浜市生まれ。東京芸術大美術学部デザイン科卒。電通にアートディレクターとして勤務。グッドデザイン賞 等受賞。2019年漆によるアートワークを開始。

第2回「HaHaHa Osaka Creativity Awards」 グランプリに大日本除虫菊ラジオCM

大阪広告協会は1月30日、第2回「HaHaHa Osaka Creativity Awards」(ハーハーハーオオサカクリエイティビティアワード)の最終審査会と授賞パーティーを大阪市中央区の味園ユニバースで開催した。

同アワードは「全国から“人を動かす『おもろい』コンテンツ”を大阪に集め、それを創り上げたクリエイターを発見し、思い切り賞賛しよう」との狙いから2019年に創設。広告だけでなく、放送、音楽、映画など多くのジャンルから「ハッと驚かせた」「ハハーと唸らせた」「ハハハと笑わせた」という3カテゴリーのクリエイティブを募集した。

最終審査会では審査委員長の茂木健一郎氏(脳科学者)をはじめ、酒井藍氏(吉本新喜劇座長)、浜崎慎治氏(CMディレクター)、西田二郎氏(讀賣テレビチーフプロデューサー)、Mika+Rikaさん(フリー素材アイドル)らが、ファイナリストを前に、計27作品を審査した。

審査員の茂木氏、浜崎氏、酒井氏、Mika+Rikaさん、西田氏
審査員の茂木氏、浜崎氏、酒井氏、Mika+Rikaさん、西田氏(左から)

各作品の発表を終えた後、最も“ハッ”と驚かせた作品に「Ha賞」が、最も“ハハー”と感心させた作品、うならせた作品に「HaHa賞」が、最も“ハハハ”と笑わせた作品に「HaHaHa賞」を授与。受賞者にはトロフィーと副賞の賞金8万8888円が贈られた。
さらに、それらに該当しなかったものの審査員が賞を授与したいと思った作品には「特別賞」が贈られた。受賞作は以下の通り。

◆Ha賞
クボタ「クボタLOVE米プロジェクト/特別映像米米米米」(電通)

クボタ「クボタLOVE米プロジェクト/特別映像米米米米」
Ⓒ窪之内英策/小学館 Ⓒ高橋留美子/小学館 Ⓒのりつけ雅春/小学館 Ⓒ畑健二郎/小学館 Ⓒ山本崇一朗/小学館

◆HaHa賞
ベルフェイス企業CM「新人加入編、暴風雨の午後編」(株式会社17)

ベルフェイス企業CM「新人加入編、暴風雨の午後編」
◆HaHaHa賞
田辺三菱製薬「おいでよ田辺三菱製薬」(電通)

田辺三菱製薬「おいでよ田辺三菱製薬」
◆特別賞
関西電気保安協会「関西電気保安グルーヴ」(タイガータイガークリエイティブ)

関西電気保安協会「関西電気保安グルーヴ」

◆特別賞
福井県大野市Carrying Water Project「大野を超え、世界に関係人口を作っていく」(電通)

福井県大野市Carrying Water Project「大野を超え、世界に関係人口を作っていく」

その後、総合的な視点から最も優れていると評価された「HaHaHaグランプリ」が決定。大日本除虫菊のラジオCM「G作家の小部屋シリーズ」(ヒッツコーポレーション)が選出された。

審査員と「HaHaHaグランプリ」受賞者の記念撮影
審査員と「HaHaHaグランプリ」受賞者の記念撮影。金封を持つヒッツコーポレーションの谷道忠氏(写真下列中央)とトロフィーを持つ電通の古川雅之氏(写真下列左から2番目)らが並ぶ

詳細は大阪広告協会ウェブサイト内で近日中に公開予定。

東京2020大会開閉会式 アシスタントキャスト2200人募集

東京2020組織委は2月7日、東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式におけるアシスタントキャストを募集すると発表した。
同キャストは、両大会の開閉会式で、選手団の入場時に選手たちの出迎えや誘導などのサポートを行うもの。

募集バナー
写真はイメージで、役割や内容は変更になる可能性あり。

オリンピックで1000人程度、パラリンピックで1200人程度の採用を予定している。募集期間は2月7~28日で、公式募集サイト(https://tokyo2020.org/jp/games/ceremony/assistantcast/)から応募できる。
対象は、2002年4月1日以前に生まれた人で、2020年4月1日から同年9月6日までの期間、日本に在住し、日本国籍または日本滞在の在留資格がある人。また、本番時にスタッフらとのやりとりが必要なため、日本語で意思疎通が可能な人が応募できる。

募集終了後、3月下旬に結果通知があり、説明会やリハーサルを経て、それぞれの開閉会式本番を迎える。
大会のチーフ・エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターを務める野村萬斎さんは「世界中から、大勢の人々が東京という一点に集まる奇跡の時間を、ぜひ未来への力にしたい、との思いを日増しに強めてきた。そしてこの機会に協力したい、という声をたくさんもらった。そこで、開閉会に選手の近くで、多くの人が直接参加できる機会を準備した。たくさんの人に応募いただき、世界中の選手を暖かく笑顔で迎え、共に“TOKYO”と“2020”を盛り上げましょう」とコメントした。

 

 

「セイコー ルキア」ウェブ動画 95年当時のファッションにも注目

セイコーウオッチは2月6日、今年で発売25周年を迎える女性用腕時計ブランド「セイコー ルキア」のウェブ動画「あなたの好きを、もっと。1995 to 2020」編を、特設サイトで公開した。
3月1日からは、新テレビCMを放送する。

テレビCM

主演には、イメージキャラクターの女優・綾瀬はるかさんを起用。ルキアが誕生した1995年の同社のオフィスを舞台に、綾瀬さんがブランド開発のチームリーダーを演じ、奮闘しながらブランドを作り上げる様子を描いている。
楽曲は、ミレニアル世代を中心に圧倒的な支持を集めるiri(イリ)さんの新曲「24‐25」。

1995年は、男女雇用機会均等法が施行されて約10年がたち、多くの女性が社会進出した時代だった。ところが、当時の女性用腕時計は、きゃしゃなデザインで実用性が伴わないものも少なくなかった。そこで同社が“実用性とデザインをどちらも諦めない”ものを作ろう、と生まれたのがルキアだという。

テレビCM

動画で綾瀬さんが演じる同社社員は、強い意志で同僚や後輩らを引っ張り、上司にも臆せず、新ブランドの開発に携わった実在の女性社員をモデルにしている。
見どころは、当時のブランド担当者に取材し、開発時の社内の雰囲気を反映したストーリー展開と、大ぶりなアクセサリーやスカーフ、肩パッド入りのジャケット、パンツスーツなど登場人物たちのファッション。
また、隔世の感がある大きなパソコンやOA機器、ワープロなどが並ぶオフィスのセットにも注目だ。

「ANA」が東京パラリンピック 聖火リレーサポーティングパートナーに

全日本空輸(ANA)は2月6日、東京2020組織委と契約を締結し、東京2020パラリンピック聖火リレーサポーティングパートナーに決定した。
同社は東京オリンピック聖火リレーのサポーティングパートナーでもある。
パラリンピック聖火リレーは、オリンピックの熱気と興奮をつなごうと、オリンピック終了後の8月13日から25日の開会式まで行われる。

平子裕志社長は「サポーティングパートナーとして当社らしく“あんしん、あったか、あかるく元気!”にパラリンピック聖火リレーをサポートする。また、東京大会のオフィシャルエアラインパートナーとして“HELLO BLUE, HELLO FUTURE ~2020を、みんなの滑走路にしよう」をキャッチコピーとして、大会の成功に向けた取り組みを進めている。今夏、多くのお客さまを東京に迎えることを楽しみにしている」とコメント。

組織委の森喜朗会長は「2020年を契機に共生社会を実現すべく、人と人、人と社会との“新しいパートナーシップ”を考えるきっかけとなることを目指すパラリンピック聖火リレーの一端を担ってもらえることは大変うれしく思う。同社と協力しながらリレーの成功に向けてチャレンジしていく」とコメントした。

 

「SoftBank学割」ウェブCM 受験生応援でハッピーエンドと思ったら…

ソフトバンクは2月5日、「SoftBank学割」のメリットを伝える新ウェブCM「がんばれ受験生(と親)」編を、同社公式ユーチューブチャンネルで公開した。
受験生の子どもを持つママ役にタレントのMEGUMIさん、その息子役に俳優の城桧吏さんを起用した。
https://www.youtube.com/watch?v=MLBEIew4Eho

CMカット

CMは、息子と共に受験を乗り越えた母親の回想から始まる。「合格」の張り紙を前に猛勉強する息子や、神社で祈願する母親、息子のための夜食作り、テスト結果に二人で一喜一憂する様子、ささいな言い合いなどが描かれる。
そのかいあって合格し、うれし泣きでハッピーエンドのはずが、親には入学金や制服代、授業料など切実なお金の問題が降りかかる。それに気付いた瞬間のMEGUMIさんの変貌ぶりがコミカルだ。
“大切なことはいつも、後になって気がつく”というメッセージの下、家族のスマホやネット料金、電気代をソフトバンクにまとめると家計が助かる「SoftBank学割」の魅力を紹介している。

楽曲はZARDの「負けないで」。また、ママインフルエンサーの二宮こずえさんや敦子さん、教育系ユーチューバーの葉一さんらがカメオ出演する他、人気漫画「二月の勝者‐絶対合格の教室‐」とコラボしたカットなど、さまざまな演出がされている。

「SoftBank学割」サイト:
https://www.softbank.jp/mobile/special/gakuwari/

ボス「地球調査シリーズ」CM第71弾 ハリウッドスター、名バイプレーヤー、ギャル モデルが共演

サントリー食品インターナショナルは2月4日から、ハリウッド俳優のトミー・リー・ジョーンズさんが出演する缶コーヒー「ボス」のテレビCM“地球調査シリーズ”第71弾「宇宙人ジョーンズ・漁港」編を放送している。

同シリーズCMでは、とある惑星からやってきた宇宙人ジョーンズが、地球人としてさまざまな職業を体験しながら、未知の惑星・地球を調査する。
毎回、それぞれの仕事を体験したジョーンズの思いを元に、“働く人の相棒”「ボス」から全ての働く人にエールを送る。

CMカット
CMカット
CMカット

今回の舞台は、宮城県の石巻漁港。このところ妙に騒がしい東京を離れたジョーンズは、魚市場で働き始め、そこで新入りを温かく迎え入れてくれた先輩(俳優の光石研さん)と出会う。ジョーンズは、世の中がどうあれ、この町にしっかりと足を着けて働くことにプライドを持つ先輩に強く心を動かされる。
ジョーンズは、早朝に出港する漁船を見ながら先輩とボスを飲み「この惑星の東京以外の場所は、今年も負けてはいないようだ」とレポートする。

CMカット
CMカット

 市場の同僚役で、タレントのゆきぽよさんも出演。ハリウッド俳優、日本を代表する名バイプレーヤー、売れっ子のギャルモデルという異色の組み合わせながら、自然な仕上がりで、背景には2020年のビッグイベントの存在も感じさせる。
公式サイト(https://www.suntory.co.jp/softdrink/boss/cm/)ではCMが視聴できる。

 

 

「明治」 東京2020大会のエスコートキッズを募集

東京2020大会ゴールドパートナーの明治は2月3日、大会組織委が主催する「東京2020みんなのエスコートキッズプロジェクト」に参画し、大会で選手入場のエスコートキッズを体験できる計7つのコースの参加者を募集すると発表した。

プロジェクトロゴ

同プロジェクトは、未来を担う子どもたちに、スポーツへの興味関心を持つきっかけにしてもらおうと、大会に参加する機会を提供するもの。
応募期間は同日から3月13日までで、オリンピック3競技(サッカー、ホッケー、テニス)とパラリンピック2競技(5人制サッカー、ゴールボール)のエスコートキッズ計150組300人(子どもと保護者で1組)を募集する。

応募資格は、大会時に小学1~6年生で大会期間中に日本在住であること。参加者は、エスコートなどをした前後の試合を観戦できる他、オリジナルユニホームが渡される。
同社はこれより先、スタジアム観戦と特別体験プログラムをセットにした2泊3日の「meiji ドリームキッズfor TOKYO 2020」(https://dentsu-ho.com/articles/6931)への参加者を募集(1月31日まで)したところ、大きな反響があったという。
エスコートキッズ特設サイト:
https://www.meiji.co.jp/power/olympic/dream-kids/escort-kids/

 

イノベーションの本質を、イノベートする。 その方法論の一端を、公開します。

グローバルで年間1000社を超えるスタートアップ企業とのプログラムを展開するplug and play社(以下、PnP社)Japanの代表取締役社長を務めるヴィンセント フィリップ氏に、ビジネスにおけるイノベーションの本質について、パートナーである電通・京都ビジネスアクセラレーションセンターの志村彰洋氏がさまざまな角度からの質問を投げ掛けた。二人をつなぐ場は、engawa Kyoto(※)。

engawa京都:京都にある電通のイノベーションオフィス。engawa Kyotoは個人・企業を対象とし、そこに集う人々の“縁”をつなぎ、これからの日本の活力となる事業創造支援を行う場となることを目的とし、2019年7月に開設されました。世界トップクラスのアクセラレーターであるPlug and Playも、日本での二つ目の拠点“Plug and Play Kyoto”として入居し、京都という地の持つ発信力を味方につけた今までにない事業共創拠点として期待されています。

 

左から、plug and play社Japan代表取締役社長・ヴィンセント フィリップ氏、電通京都ビジネスアクセラレーションセンター・志村彰洋氏
左から、plug and play社Japan代表取締役社長・ヴィンセント フィリップ氏、電通京都ビジネスアクセラレーションセンター・志村彰洋氏

イノベーションを起こすには、「出会いの場」と、
それを膨らませる「座組み」が必要


 

志村:ウェブ電通報で過去に4回、engawaのことが紹介された。今回は、engawaにオフィスを持ち、engawaの「共創パートナー」ともいうべきPnP社について迫っていきたい。フィリップとの出会いは、2年半くらい前かな?それこそPnP JAPANができる前からの付き合いなので今さらなんだけど、そもそもPnP社とはどういう会社なの?

plug and play社Japan代表取締役社長・ヴィンセント フィリップ氏

フィリップ:僕らは「イノベーション・プラットフォーム」と呼んでいるんだけど、一言でいうなら「世界中のベンチャー、スタートアップ企業に対して、業態別にアクセラレータープログラムを行っている会社」ということかな?バッチという名の3カ月間のプログラムを、年間グローバルで1000社以上、日本では年間200社近く提供している。パートナー企業がグローバル300社以上。いうなれば、イノベーションを起こすための「出会いの場の提供」だね。

志村:その会社が、電通が立ち上げたengawa京都を第2の共創拠点に選んだ。まず伺いたいのは、なぜ京都だったのか?ということ。

フィリップ:イノベーションというと、日本ではどうしても東京に集中しがち。対して京都は、「産・官・学」のバランスがいい。まず、京都という街には、グローバルな大手企業が密集している。行政との連携もとりやすい。そして、もっとも重要なポイントは、京都大学を始めとする「学」の要素。

志村:欧米では、スタートアップ企業が「学」と密接に関わっているケースが多いからね。

フィリップ:バッチという3カ月のプログラムを通して、スタートアップ起業をめざす人に対して、大手企業とのコネクションをつくってあげる、と考えてもらうとイメージしやすいと思う。

志村:その説明は、分かりやすいね。イノベーションのための出会いの場を提供するだけでなく、「産・官・学」と連携した大きな「座組み」をつくるというわけだ。

イノベーションを、ビッグビジネスへ。
その際、もっとも有効なのが「産・官・学」の連携
 

フィリップ:「産・官・学」との「座組み」をつくる上で、「カテゴリー」を立てることが重要なんだ。

志村:冒頭で説明してくれた「業態別にアクセラレータープログラムを提供していく」の部分のことだね?

フィリップ:京都では、バッチを行うための「カテゴリー」が立てやすかった。たとえば、engawaと組んで最初に実施したプログラムのテーマは「ハードテック&ヘルス」。単なるヘルスケア事業じゃない。京都に集まっている企業や産業を巻き込むことを視野に置き、プログラムを構成した。

志村:ハードテックまで幅を広げることで、最先端技術を持つBtoB企業、不動産業社、保険会社など、一見すると「ヘルスケア産業と、なんの関係があるの?」という企業が協賛しやすくなる。そうすると理系文系を問わず、さまざまな分野の人たちが興味をもって集まってくる。

フィリップ:企業にとっても、メリットがある。例えば、学生たちとプログラムを共にすることで、その企業の魅力をアピールできる。違った業種の企業とのつながりも生まれてくる。

志村:単なる研修や、就活セミナーとは違って、PnP社のプログラムに参加した時点で、すでに新たなビジネスが生まれやすくなっている、と。

フィリップ:そういうことなんだ。

志村:そうしたプログラムを実施していく上で、京都という街の持つ独特な文化は、やっぱり大きいよね。100年、200年続く老舗の「したたかさ」というか。
その「したたかさ」を街全体がつくっている、というか。

フィリップ:歴史とか、文化とか、雰囲気、みたいな言葉で表現すると、それがこれからのビジネスにとって何の意味があるのか?という話になっちゃうけど、みんなの心を引き寄せる「磁場」みたいなものだと考えると、分かりやすい。
京都という街がもつ「磁力」が多くの人を引き寄せ、そこから新しいビジネスの「グローバルフォーマット」が生まれていく。

PnP社が電通、あるいはengawaに期待することとは?

engawaKYOTO

志村:改めて質問するのはちょっと照れ臭いけど、PnP社にとって、engawaとはどういう存在?

フィリップ:プログラムを運営していく上で欠かせない「出会いの場」。それが、engawa。ぼくらはイノベーションの爆発を、「0→1」「1→10」「10→100」と表現するんだけど、PnP社が得意とするのは、その中の「1→10」。生まれた芽を育てる、ということだね。engawaにはビジネスのタネを芽吹かせる「0→1」を生む「場」を、電通にはPnP社が育てた10を100の規模のビジネスに広げてくれることを期待している。だから、engawaと組んだ。

志村:別のいい方をすると、クリエーションとアクセラレーションの二つの部分でのプロデュース力を買ってくれた、と。

フィリップ:イノベーション・プレーヤーと接触できる「場」があって、そこで出た芽を、プログラムを通じて育てて、ビッグビジネスにしていく。

志村:それぞれの段階で大切なことは、コミュニケーションということになるよね?

フィリップ:そう。そこが、ポイントなんだ。イノベーションというと、ひとりの若き天才が、突然ひらめいたアイデアで事業を起こして大成功する、みたいなイメージでしょ?ノーベルとか、エジソンとか。でも、天才の才能を発見して、それを育てて、事業に昇華していくどの段階でも、最も大事なことは、実はコミュニケーションなんだ。

志村:イノベーションを生んで、育てていく原動力はコミュニケーションにあるのだ、と。

フィリップ:その意味で、engawaも電通も、PnP社のビジネスにとって「ハブ」となる存在といえるだろうね。

志村:今日も、企業との提携を目指しているスタートアップ企業のプレゼンテーションを電通のプロジェクトメンバーが受けたよ。

企業との提携を目指しているスタートアップ企業のプレゼンテーション風景
企業との提携を目指しているスタートアップ企業のプレゼンテーション風景

キーワードは、「オープン・イノベーション」

志村:イノベーションを生む「場」と「座組み」の話が明らかになったところで、世界のビジネスの潮流について、聞かせてもらえるかな?

フィリップ:よくいわれることだけど、「大きい魚が小さい魚を食う時代」は
もう、終わった。これからは「大きい魚より、速く動ける魚」が生き残る時代なんだ。

志村:多くの、それも大企業が頭を抱えている問題だね。

フィリップ:速く動ける魚には、情報やコネクションがどんどん入ってくる。だから、余計に速く動ける。

志村:意思決定の速さも、大事だよね。

フィリップ:そう。スピード(速さ)も大事だけど、アーリネス(早さ)も大事。ライバルに先んじて、もう動いちゃってるという行動の早さ。意思決定を待っている間に、その先までいっちゃってる、という速さ。そのためには、常にフロントにいないとダメ。

志村:これからの企業に求められるスピードとは、実は「速さ」と「早さ」のことなんだ。

フィリップ:そのスピードを生むのが「オープンイノベーション」ということ。

志村:いよいよ、核心の部分だね。

フィリップ:「1+1=2」ではなく、「1+1」を3に、10に、100にしていかなければ、イノベーションとはいえない。日本人は、「1+1=2」をやらせたら世界一だと思うけど、それではダメ。イノベーションは生まれない。

志村:「1+1=2」は、オポチュニテイー・ロスともいえるよね。

フィリップ:そうなんだ。先ほど、コミュニケーションこそが大事、という話をしたのも、そこ。つまり、情報を抱え込んで、ひた隠しにして、自分だけ成功しようとするのではなく、初期段階でアイデアをオープンにすることが大事なんだ。オープンにするからこそ、そのアイデアに乗っかる人が出てくる。そのアイデアを膨らましてくれる人が出てくる。そこにスピードとスケールが生まれる。これが、オープンイノベーションということ。

イノベーションのゴールは、「ビッグディール」にあり

志村:オープンイノベーションというマインドが、日本になかなか根付かないのは、どういうわけなんだろうね?やはり、既得権益を守りたいとか、そういうことなんだろうか?

フィリップ:オープンイノベーションの「リターン」が何なのか、あるいはオープンイノベーションを起こす上での「リスク」をどう対処すればいいのか、が
分からないということだろうね。

志村:ぼくらでさえ、分からないことだものね。

フィリップ:そう。その「分からないもの」に人材とリソースをとお金をどこまで投じられるかが、勝負だと思う。

志村:いわゆる「ビッグディール」というやつだね。

フィリップ:「小さく立ち上げて、コツコツ育てる」みたいなことをしていては
イノベーションは起こらない。

志村:フツーの「ロジック」から生まれないものこそが、イノベーションの本質だからね。

フィリップ:でも、ギャンブルではないんだ。ひとつのアイデアにいろんなひとが「いいね」と乗っかってくる。そうしたコミュニケーションの力が、「ビッグディール」を生んでいく。この仕事をやっていて一番楽しいのは、いろんな人と会えるということ。

志村:フィリップは、誰と会わせても、物怖じせずに分かりやすく話をしてくれるからね。

フィリップ:だって、楽しいんだもの。物怖じしてる場合じゃない。

志村:考えてみれば、ラッキーだよね。フツーでは絶対に会えない人に会えちゃうんだもの。

フィリップ:フツーでは絶対にありえない出会い。そこから生まれるコミュニケーションこそが、イノベーションを生み、ビッグディールを可能にする。

志村:うまくまとめたね。今日は、ありがとう。