おまたせいたしました。おまたせしすぎたのかもしれません。
2019年、久方ぶりの新台にしてP機初となる羽根物として登場した『スカイレーサー』。スカイラッシュと呼ばれる時短機能や直撃大当りの設定差などの事前情報によってデジパチ要素もわりと強い羽根物、正確には1種2種混合機かと思っていた。
しかし、圧倒的に羽根物だったのである。
デジパチ色が強いと推察する要因となったのが公表されたラッシュ継続率が設定によって変化する点にあった。つまり、ラッシュ突入時はデジタル抽選メインに変化し、そっちで連チャンと出玉を楽しむゲーム性かと。
実際には、ラッシュ中も役物抽選による継続となっていて、まあたぶん設定1だろうとは思うが、今回の実戦中に直撃大当りはほとんど発生しなかったのである。
とはいえ、やはりラッシュに入れないとまとまった出玉の確保は難しい印象である。実戦値では役物確率が約1/18と辛め。1開放あたりの大当り確率は約38.6%で、拾い率が約47.6%となった。
特に厳しさを感じたポイントはスペシャルルートで、相当に手前傾斜にしているのか、役物奥にある中段ステージの中央にある「くぼみ」で玉がまったく静止せず、勢いのままにすぐに溝を飛び出して左右にずれるのである。スペシャルルートのV入賞率はおおむね1/3らしいが、この台は1/5ほど。
それでも長時間遊べたのは、やはり「ラッシュ」による出玉の確保ゆえである。先に述べた実戦データからも容易に想像できると思うが、初当り時に突入する4回転の時短「スカイチャレンジ」はかなり高い壁である。
4回がすべて2開放だとして8開放のチャンスとなる。そのうち、拾い率を加味すると3.76個が拾われるので、役物確率1/18なら約20%である。意外に高いと感じるかもしれないが、すべてがうまくいっての20%である。4回がすべて1開放だったら約10%の期待値となる。
しかし、その期待値を少しでもあげる方法がある。実戦前に細かい仕様を確認していなかったのだが、明らかに電チュー入賞時のほうが2開放の選択率が高い印象を持った。そこで時短中は単発打ちで電チューを狙ったほうが得なのではないかと思い至ったのである。
のちに確認したところ、ヘソ10%に対して電チュー60%とかなりの差で、やはり電チュー入賞時の2開放割合が高く設計されていたのである。
電チューが盤面左上部に搭載されている構造上、普通に打っていると玉はヘソ方向にも流れ、時短中でもヘソに入賞し、そのまま開放の抽選となってしまう。そしてヘソの9割が1開放なので、チャンスが減るのである。
そこで、電チューを狙いながらあわせてヘソへの入賞を最大限に防ぐ単発打ちが効果的となる。
ただ、注意してほしいのは1開放が抽選された時。2開放時は1回目の開放までわりとタイムラグがあるので少しくらい再度打ち出しに時間がかかっても充分に羽根開放に間にあうが、1開放は7セグ表示後すぐに羽根開放するパターンもあるので、「1」が表示された瞬間にすぐに打ち出しを開始しないと貴重なチャンスをみすみす逃すことになる。
そのリクスがあっても積極的に電チューを狙う理由がもうひとつ。実は電チューの開放で大当りすると必ず10R(実質9R)になるのである。
この出玉面でのベネフィットは非常に大きい。本機のラウンド振り分けは3R(実質2R)、5R(実質4R)、10R(実質9R)と少出玉域の割合が多くなっている。これはラッシュに出玉配分を割いた分のしわ寄せなので仕方がないが、ユーザーに「辛さ」を印象づけている要因でもある。
しかし逆にいえば、時短中のその恩恵を享受しない手はないわけである、ラッシュ中も同様に単発打ちが良いだろう。
ただ、20回と回数に余裕もあるので、時間や状況による使い分けも必要となる。もちろん普通に打っていてもラッシュの楽しみや破壊力は充分に味わえるし、本機のゲーム性はこれまでの時短付き羽根物とは違う面白さとなっている。
従来の時短付き羽根物といえば100回転の強力な時短によるもので、抽選は役物とはいえ、ほぼ大当りが確定している状況でラウンド抽選による格下げ、転落をもって時短が終了するというデジパチ的なゲーム性であった。
時短突入も直撃やラウンド振り分けのデジタル要素に依存する面からもそれが色濃く印象づけられる。
しかし本機は、時短4回で役物大当りすることによる突入条件や20回に設定された時短回数によってスリルやドキドキ感が倍増され、より玉の動きに夢中になれるのである。
特にスカイチャレンジ中のV入賞した時のカタルシス、やったった感と突き抜ける歓喜は格別である。
まだまだ話し足りないが、ひとまずここで筆を置く。『羽根モノ スカイレーサー』、必打すべきマシンである。
(文=大森町男)