26日に東京競馬場で開催される日本ダービー(G1、芝2400メートル)。今年は勝ち馬サートゥルナーリアをはじめ、皐月賞(G1、芝2000メートル)で馬券圏内に入った3頭が人気を集めると見られている。そこに割って入ることが期待されているのが、シュヴァルツリーゼ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。
父ハーツクライ、母ソベラニア、母父はドイツで活躍したMonsunという血統。サンデーレーシングでは1口125万円で40口が募集されるなど、期待をかけられていた。
シュヴァルツリーゼは藤岡康太騎手を背にデビュー。新馬戦では4番手につけると、最後の直線で上がり最速33.6秒の脚を使い、後続に2馬身半差をつけて快勝。今後の活躍を予見させる走りを見せた。
だが、そこからがなかなか続かない。翌年の共同通信杯(G3、芝1800メートル)に登録していたものの回避。そして翌週のフリージア賞(500万、芝2000メートル)へ向かうと発表されたが、結局こちらへの出走も叶わなかった。その後、陣営は弥生賞(G2、芝2000メートル)に登録し、3度目の正直とばかりになんとか出走にこぎつけている。
二転三転しながらも、ようやく今年の初戦を迎えたシュヴァルツリーゼ。出遅れ気味にスタートしたものの、残り600メートルを切った辺りから進出。4角で鞍上の石橋脩騎手が進路を大外に向けると、多少ふらつきながらも猛然と脚を伸ばして2着。皐月賞(G1)のキップを手に入れた。
だがその皐月賞では12着と大敗。石橋騎手は思うようなポジションを確保できず、そして「外を回すよりはと思い、インにこだわりました。最後も間を割ろうとしたのですが、それが裏目に出てしまいました」とレースを振り返っている。
「ちょっと調整が難しい馬のようですね。そのため、思うようにローテーションをこなすことができず、弥生賞も直前までドタバタしていたみたいです。しかしそのような状況にもかかわらず、2着に入って素質の片鱗を見せました。
前走ではスタート直後に接触したため、後ろからの競馬となり、まったく展開が向きませんでしたね。力はあるはずですので、今回はチャンスがあると思います」(競馬誌ライター)
シュヴァルツリーゼは1週前追い切りで、石橋騎手を背に南WCコースで5F68.1秒、ラスト12.1秒をマーク。最終追いでも石橋騎手が騎乗して南WCコースで、4F53.3秒、ラスト12.8秒をマークしている。今年の初旬とは違い、調整はうまくいっているようだ。
「石橋騎手は昨年の日本ダービーで、16番人気のコズミックフォースで3着に入り、波乱の立役者となりました。そして今年もNHKマイルCで14番人気のケイデンスコールを2着に導くなどその手腕は健在。
シュヴァルツリーゼは8枠18番の大外枠を引いています。8枠は過去10年で【1.0.1.27】という成績です。これだけ見ると期待薄の気がしますが、それは一昔前のこと。昨年はワグネリアンが17番で勝利し、一昨年も18番のアドミラブルが3着に入るなど、8枠の馬が2年連続で馬券圏内に入る好走を見せます。外というだけで切るわけにはいかないですよ」(競馬記者)
昨年に続き石橋騎手は波乱を巻き起こすことができるのか。シュヴァルツリーゼの好走に期待したい。

