漫才日本一を決めるコンテスト『M-1グランプリ2022』(テレビ朝日系)が18日に放送された。この日行われた決勝戦では、エントリー数としては過去最多となる7261組のなかから勝ち上がった真空ジェシカ、ダイヤモンド、ヨネダ2000、男性ブランコ、さや香、ウエストランド、キュウ、カベポスター、ロングコートダディの9組に、敗者復活戦を勝ち抜いたオズワルドを加えた計10組が激突した。
「昨年は優勝候補とみられていたオズワルドを破り錦鯉が優勝したが、過去最高といわれるほどレベルの高い戦いが繰り広げられた。今年は、過去に決勝進出を果たしたものの優勝を逃していた真空ジェシカ、ウエストランド、ロングコートダディがかなりクオリティを上げてきていると評判。さらに決勝出場歴のあるオズワルド、ミキ、からし蓮根、『キングオブコント』(TBS)優勝者の『かもめんたる』、ビスケットブラザーズなどがひしめき合う敗者復活戦から勝ち上がる組も注目される」(週刊誌記者)
出場者たちの戦いの行方に加え、審査員の言動も『M-1』の見どころの一つだが、昨年まで審査員を務めていた上沼恵美子とオール巨人が「卒業」し、代わりに山田邦子と博多華丸大吉の博多大吉が務めることが発表され、話題を呼んでいた。博多大吉はコンビで『THE MANZAI』(フジテレビ系)での優勝経験があるベテラン漫才師なので順当な人選といえるが、山田は本業で漫才の経験がほぼなく、さらにここ数年はテレビでその姿が見られる機会も少なくなっていたことから、さまざまな声が飛び交う事態となっている。
山田は売れっ子女性ピン芸人の草分け的存在でもある。1980~90年代、『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)や『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』(同)、昼の帯番組『山田邦子のしあわせにしてよ』(TBS系)など数多くのレギュラー番組を持ち、95年にはNHK大河ドラマ『八代将軍吉宗』にも徳川吉宗の母・お紋(浄円院)役で出演。当時は「天下を取った」といわれるほどの人気を誇った。
だが、その後は不倫騒動などもありメディア出演が減り、17年の『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)出場辞退をめぐり所属していた太田プロダクションとの溝が表面化。19年には太田プロを退所して独立後、最近では後輩芸人のYouTubeチャンネルにたびたび登場してニュースに取り上げられたりもしている。
その山田が『M-1』審査員に選ばれた理由について、テレビ局関係者はいう。
「要は、昨年まで審査員を務めていた上沼恵美子の代わりを引き受けてくれる女性芸人が、山田しかいなかったということ。自分の尺度でズバズバ発言する上沼は『M-1』に欠かせない存在で、番組を盛り上げる重要な要素だった一方、『自分の好き嫌いで審査している』などと何かと批判を浴びることも多かった。その上沼の後任ともなれば、相当荷は重く、注目を浴びる分、視聴者から批判を浴びるリスクも高い。さらに忖度のない発言も求められるとなれば恐いもの知らずの大ベテランに限られ、候補となる女性芸人は自ずと絞られるし、オファーを受けても二の足を踏む芸人がいてもおかしくはない。
そこで山田に白羽の矢が立ったということだろうが、漫才経験のほぼない山田なら、はなから『適切なコメント』など求められないので審査員としての期待値はなきに等しい。なので『審査基準がおかしい』『コメントが的外れ』などという批判がそもそも成立しないともいえ、ある意味で巧妙な人選ともいえなくもない。また、より素人である一般の視聴者側に近い目線の審査員が一人くらいいてもよいとも感じるが、出場者たちにしてみれば、山田の点数で今後の芸人人生が大きく左右される可能性もあるので、いろいろと思う部分はあるだろう」
<山田邦子の点数無しで審査して欲しいわ>
放送前から注目された山田の発言だが、トップバッターとなったカベポスターの採点では他の審査員が軒並み90点以上をつけるなか、山田は84点と辛めの評価。コメントを求められると、
「とても面白かったですね。うーん、かわいらしいネタで、こういうネタは大好きです。私としてはすごい高い点数つけたつもりが、一番辛かったですね。ハッハッハッ」
と大きな笑い声をあげ、他の審査員たちを苦笑させた。
2組目の真空ジェシカでは一転して95点と、1組目を11点も上回る高得点をつけると、
「大爆笑、何回するかなって思ったら、もう最後はやめてくれっていうほどおかしくなっちゃったんで、笑いました。面白かったです」
とコメント。そして敗者復活戦から勝ち上がった3組目のオズワルドでは、全審査員のなかで最低点となる87点をつけたにもかかわらず、
「一番優勝候補と思ってる2人なので、とっても大好きです。ちょっと辛め目に付けましたけど、(ファイナルステージに)残ってほしい」
と発言。これを受け、オズワルドの伊藤俊介から「大好きな点数じゃないですよね?」とツッコまれる場面もみられた。
他の審査員が、採点の根拠を聞かれると、細かい技術的な論評や改善すべきポイントについてアドバイスなどを述べるなか、山田だけはそうした解説は口にせず、自身の感想を短く話すことに終始したため、Twitter上では以下のように山田への批判が続出する事態となっている。
<山田邦子のコメントど素人やん>
<山田さんは技術うんぬんとかではなく 自分が笑えるか笑えないかで、好きか嫌いかで採点をしてる>
<コメントは実に抽象的>
<これ山田邦子さん大丈夫なんか?>
<点数のつけ方が理解不能>
<漫才師でもないし なんだこれ>
<1組目は邦ちゃんの不慣れな点付けの割りを食ったな>
<まじでメチャクチャな点数の付け方。人の人生左右する番組でこれは無いわ>
<山田邦子の点数無しで審査して欲しいわ>
<山田邦子は辛めに付けた理由を言えって、、、笑って誤魔化すな>
<カベポスターが「人の人生何だと思ってんだ!」とほんとに言うべきは松本人志ではなく山田邦子>
<山田邦子さんのせいでM1面白くなくなったな 一点の重さ考えろ>
<紳助がM1始めた理念が崩れるような。山田邦子の点数の付け方だったら放送作家でいいかな>
<真空ジェシカ好きだから嬉しいがシルバー人材の山田邦子が10点も差つけるボケしてカベポスターがかわいそう>
テレビ局関係者はいう。
「山田は点数の根拠を説明しないので『面白かったです』などと感想を繰り返すだけ。きちんと審査ができていないのが見え見えで、視聴者を興ざめさせてしまっている。出場者も審査員も真剣勝負ゆえに生まれる緊張感をぶち壊してしまっており、明らかにミスキャストといえる」
(文=Business Journal編集部)