俳優の山崎賢人が主演するTBS系日曜劇場『アトムの童(こ)』の第1話が16日に放送され、不祥事で降板した香川照之の代役として主人公と敵対する“ラスボス”役を務めるオダギリジョーの演技力と存在感に絶賛の嵐が巻き起こっている。
同ドラマは、現代のゲーム業界を舞台に、若き天才ゲーム開発者が大資本の企業に立ち向かい、周囲の人々と関わりながら成長していくオリジナルストーリー。日曜劇場およびTBS連ドラで初主演となる山崎は、大手資本に頼らないインディーで素性を伏せて「ジョン・ドゥ」名義で活躍していたことから“ゲーム業界のバンクシー”と称され、現在はある事情でゲーム開発の世界から離れた主人公・安積那由他(あづみ・なゆた)を演じる。
第1話では、老舗玩具メーカーの「アトム玩具」が海外との価格競争や工場の火災で廃業寸前になり、近年オンラインゲーム事業にも力を注いでいる大手インターネット検索サービス「SAGAS」(サガス)の社長・興津晃彦(オダギリ)がアトム玩具の特許を狙って買収を持ちかける。そんな中、アトム玩具社長の一人娘・富永海(岸井ゆきの)は勤めていた銀行を辞めて会社を継ぐことを決意し、一発逆転の経営再建策としてゲーム業界に参入するべく、伝説のゲーム開発者「ジョン・ドゥ」を捜し始めた。
那由他はゲーム業界から離れて自動車整備工場で働いていたが、ひょんなことから出会った海が「ジョン・ドゥ」と必死にコンタクトを取ろうと奮闘している姿に心を動かされ、ゲーム開発への復帰を決意。那由他がゲーム開発をやめるきっかけになった興津との因縁が明らかになり、2人が対峙する場面があった。
当初、SAGASの社長・興津役は香川照之がキャスティングされていたというが、8月に過去のホステス女性への「性加害」が報じられたことで降板。すでに山崎との共演シーンなどを数日分は撮影していたそうだが、すべてお蔵入りとなってオダギリが代役として発表された。クランクイン済みの作品の代役ということで、かなり急なオファーだったとみられる。
しかし第1話の放送後、ネット上の視聴者からは「オダギリジョーの悪役演技めっちゃよかった」「存在感あってラスボスにぴったりだし、うさん臭いIT社長の雰囲気がすごく出てる」「オダギリジョーの嫌みなIT社長、リアリティあって本当にいそうw」「カムカムエヴリバディでジョーさんやってた人とは思えん……役者さんってすごい」などと、オダギリの演技を称賛する声が殺到。主演の山崎を差し置いてTwitterで「オダギリジョー」がトレンドワード入りするなど、急なピンチヒッターとは思えない大反響となった。
オダジョー絶賛で香川照之がピンチ?
一方、これで逆風がさらに強まりそうなのが香川だ。香川は「替えの利かない唯一無二の個性派俳優」として業界や世間に認識されていたが、オダギリが見事に代役をこなしたことで図らずも「替えが利く」ということが証明されてしまった。無論、演技力の高いオダギリだからこそではあるのだが、無理してまで香川にオファーする必要性は薄れたともいえる。
さらに、今作の大手IT企業を経営する敏腕実業家という役柄については、「香川照之だったらミスキャストだったと思う」「もし香川照之がやってたらIT社長じゃなくて『半沢直樹』の大和田常務になってたのでは」「絶対にオダジョーの方が適役」といった声すら上がっている状況だ。
『アトムの童』の初回の平均世帯視聴率は8.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と二桁割れで決して数字は高くなかったが、ネット配信などで高く評価される可能性もある。今後、評判が高まってオダギリの演技に称賛が集まれば集まるほど、香川の復帰が遠のいてしまうかもしれない。