テレビ朝日系の朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』で事実に基づかない発言をしたとして謹慎処分を受けたコメンテーターで同局社員の玉川徹氏が、復帰予定の19日放送回で自身の処遇について説明する予定だと複数のメディアで報じられた。「降板の意思を固めた」「コメンテーターはやめるが番組出演は継続する」といった情報が入り乱れており、ネット上でも波紋が広がっている。
玉川氏は9月28日の放送で、安倍晋三元首相の国葬の進行や世間で絶賛された菅義偉前首相の弔辞について「当然これ、電通が入ってますからね」とコメント。大手広告代理店の電通による「演出」だと断言したが、翌日の放送で「事実ではありませんでした」と全面謝罪した。ちなみに、国葬の企画・演出業務は安倍氏の首相在任中に「桜を見る会」で会場設営業務を担当したイベント会社「ムラヤマ」(現在は日本テレビ子会社)が受注したことが公表されている。
また、玉川氏は菅前首相の弔辞に政治的意図が隠されているとして「僕は演出側の人間として、テレビのディレクターをやってきましたから、そういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように制作者としては考えます」と発言。テレ朝が政治的意図を隠して偏向した番組を放送し、印象操作によって世論を誘導していると思われかねない言葉だとして、こちらも大きな問題になった。
ネット上で猛烈な批判が起きたこともあり、同局は今月4日付で玉川氏に出勤停止10日間の謹慎処分を下した。これにネット上では「処分が軽すぎる」「ただの遅い夏休み」といった声もあがったが、やはり「10日休んで終わり」というわけにはいかなかったようだ。
「番組降板」めぐって異なる報道
13日付の「NEWSポストセブン」(小学館)は、玉川氏が来年で定年ということもあって「番組を降板する意向を固めた」と報道。19日の放送回はあくまで「謝罪のための出演」だとしており、それを最後に番組から姿を消すとみているようだ。一方、14日付のスポーツニッポンは「番組の顔としてのコメンテーターの立場からは退くことになる」と伝えたが、降板については「本人にその意思はなく、退社することもないと聞いている」と報じ、復帰後は「そもそも総研など企画コーナーでの参加が考えられる」としている。降板に関しては異なる報じ方だが、19日以降は番組コメンテーターでなくなるという見方は共通しているといえそうだ。
玉川氏の謹慎後、ネット上では「モーニングショーが物足りなくなった」「偏った発言も多かったけど、いないと寂しい」「玉川さんあってのモーニングショーだったんだな」といった声が少なからず上がり、一部メディアでは「玉川ロスが起きている」とも伝えられた。ただ、玉川氏の謹慎後も番組視聴率は変わらずに高水準を維持しており、むしろ以前より上がるという「焼け太り」傾向すらある。
番組を降板するかどうかだけなく、19日の放送回でどんな謝罪の言葉を口にするかも大きな焦点となる。これが「電通への謝罪」だけで終わり、ディレクター時代に「政治的意図を隠して番組を作っていた」と思われかねない失言についての説明がなければ視聴者は納得しないだろう。玉川氏の進退と共に「謝罪の内容」に注目が集まりそうだ。