10月期・話題の連ドラ総ざらい…意外な注目作はドクターX姉妹版&エルピス?

 10月から、今年の締めくくりとなる民放テレビ各局の秋の連続テレビドラマが一斉にスタートする。今回は各局の連ドラを総ざらいしつつ、注目すべき作品を紹介していきたい。

 まず、日本テレビ系では「水曜ドラマ」枠で『ファーストペンギン!』(奈緒主演)、「土曜ドラマ」枠で『祈りのカルテ~研修医の謎解き診察記録~』(Kis-My-Ft2・玉森裕太主演)、「日曜ドラマ」枠で『霊媒探偵・城塚翡翠』(清原果耶主演)が放送される。

 このなかで注目なのは、玉森が研修医・諏訪野良太役を演じる『祈りのカルテ』。原作は知念実希人氏の医療ミステリー小説『祈りのカルテ』(KADOKAWA)シリーズで、人の顔色を読むことに長けている諏訪野がワケありな患者たちと真摯に向き合っていく姿を描くドラマ。玉森以外のキャストとしては、池田エライザ、矢本悠馬、濱津隆之、元乃木坂46・堀未央奈、YU、椎名桔平、松雪泰子の出演が発表されている。

 7月期の日テレ「土曜ドラマ」枠で放送されたのは『初恋の悪魔』(林遣都と仲野太賀のダブル主演)で、第1話の世帯平均視聴率6.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で発進後、3.8%(第3話)まで落ち込んだことも。9月10日に放送された第8話も4.7%と、不調が続いている。

 同枠は、21年10月期放送の『二月の勝者-絶対合格の教室-』(柳楽優弥主演)が全話平均7.5%を記録して以降、22年1月期の『逃亡医F』(成田凌主演)で同7.4%、『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』(ディーン・フジオカ主演)で同5.7%と、歴代ドラマの最低視聴率を更新中で、このままいくと『初恋の悪魔』がワーストに躍り出る見込み。

 だが、『祈りのカルテ』は人気の医療モノでミステリー要素を含むという、比較的数字を取りやすい作品になりそう。同じ医療ドラマでも『逃亡医F』はコケてしまったわけだが、シリアスな雰囲気の同作に対し、『祈りのカルテ』は「ハートウォーミング・ミステリー」を掲げているとあって、まったく毛色が違うだろう。

 また、玉森は今年7月期の深夜ドラマ『NICE FLIGHT!』(テレビ朝日系)から2クール連続主演と勢いがある。彼なら、日テレ「土曜ドラマ」枠の視聴率不振を食い止められるかもしれない。

TBS

 お次はTBS系。「火曜ドラマ」枠にて『君の花になる』(本田翼主演)、「金曜ドラマ」枠にて『クロサギ』(King&Prince・平野紫耀主演)、「日曜劇場」枠にて『アトムの童』(山崎賢人主演)を放送予定。そんなTBSの新ドラマで注目すべきは、『クロサギ』と『アトムの童』だ。

『クロサギ』の原作は、黒丸氏の作画と夏原武氏の原案で「週刊ヤングサンデー」や「週刊ビッグコミックスピリッツ」(ともに小学館)で連載していた同名漫画シリーズ。2006年、当時ジャニーズ所属でNEWSのメンバーだった山下智久主演で連ドラ化され、全話平均視聴率15.7%を記録。08年には、やはり山下主演で『映画 クロサギ』も公開された。

 22年版の『クロサギ』では、現役ジャニーズの平野が主人公の「詐欺師を騙す詐欺師=クロサギ」こと黒崎高志郎役に抜てき。クロサギの関係者として黒島結菜、三浦友和も出演すると発表されている。ネット上では山下主演の『クロサギ』人気が根強いが、平野による新たな『クロサギ』が受け入れられるか、見守っていきたい。

 一方、『アトムの童』が放送される「日曜劇場」は、TBSの看板枠として知られる。素性不明の天才ゲーム開発者・安積那由他(山崎)が潰れかけの老舗玩具メーカー・アトムとタッグを組み、経営陣らと本物のものづくりを追求していくという内容で、同枠で初主演を務める山崎のほか、松下洸平や岸井ゆきの、ハナコ・岡部大、馬場徹、六角慎司、玄理、飯沼愛、戸田菜穂、皆川猿時、ドランクドラゴン・塚地武雅、でんでん、風間杜夫といったキャストの出演が決定している。

 なお、同ドラマには当初、香川照之もキャスティングされていたというが、8月24日発売の「週刊新潮」(新潮社)で東京・銀座の高級クラブでホステスに暴行を行っていた過去が報じられ、9月1日発売の同誌でもクラブママの髪を鷲掴みにして笑う香川の写真が公開された影響により、降板。

「日曜劇場」をめぐっては、7月期に放送された『オールドルーキー』(綾野剛主演)も、動画投稿者としてネット上で話題になった参議院議員が、綾野にまつわる数々の情報を暴露していた。そんな『オールドルーキー』もなんとか最後まで放送を終えたため、香川の件でゴタゴタしてしまった『アトムの童』も、頑張ってほしいものだ。

フジテレビ

 続いて、フジテレビの10月期は「月9」枠で『PICU 小児集中治療室』(吉沢亮主演)、「月10」枠で『エルピス-希望、あるいは災い-』(長澤まさみ主演/カンテレ・フジテレビ系)、「水曜10時」枠で『親愛なる僕へ殺意をこめて』(Hey!Say!JUMP・山田涼介主演)、「木曜劇場」枠で『silent』(川口春奈主演)を放送。

 注目は、長澤にとって4年半ぶりの連ドラ主演作となる『エルピス』。スキャンダルによりエースの座から転落したアナウンサー・浅川恵那(長澤)が、バラエティ番組の若手ディレクターらと連続殺人事件の真相を追っていくというストーリー。長澤の脇を固めるのは眞栄田郷敦、鈴木亮平、三浦透子、三浦貴大、岡部たかし、筒井真理子、近藤公園、梶原善、片岡正二郎、山路和弘と、豪華な顔ぶれだ。

 近年は映画を中心に活躍している長澤。今年5月公開の出演映画『シン・ウルトラマン』(斎藤工主演)も大きな話題になった。連ドラ主演は18年4月期の月9『コンフィデンスマンJP』のダー子役以来。同作はスペシャルドラマが放送されたり、劇場版も3本公開されたりと、人気シリーズに発展。『エルピス』はまた雰囲気が異なるドラマだが、長澤には期待が寄せられる。

テレビ朝日

 最後は、今年7月期をもって「木曜ミステリー」枠を廃止したテレ朝。10月期のゴールデン・プライム帯ドラマとしては、「水曜21時」枠の『相棒season21』(水谷豊主演)、「木曜ドラマ」枠の『ザ・トラベルナース』(岡田将生主演)の放送を控えており、注目はやはり『相棒season21』である。

 警視庁特命係係長の杉下(水谷)が、相棒とさまざまな難事件を解決していく『相棒』シリーズは、00年から放送を開始。歴代の相棒役には寺脇康文、及川光博、成宮寛貴(16年に芸能界を引退)、反町隆史が順次起用されていたが、このたびの最新作『相棒season21』で初代相棒・亀山薫を演じた寺脇が復活するということで、情報解禁時、ネット上には同シリーズのファンによる歓声が飛び交っていた。

 ただ、一部からは「薫ちゃんの復帰は、『相棒』終了の布石か」「初代のコンビでシリーズの幕を閉じるのかもしれないなぁ……」など、長年続いた『相棒』シリーズの終わりを予感するような声も。もし本当に“最終章”に入ったのだとしても、今シーズンで終わるとは限らないが、ファンはやや落ち着かない状況。それでも今は、久々の“右京さん&薫ちゃんコンビ”が活躍する『相棒season21』の放送を楽しみに待ちたい。

「業界的には『ザ・トラベルナース』も注目されている。テレ朝としては年末の締めくくりとして鉄板の人気を誇る『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』を持ってきたかっただろうが、主演の米倉涼子の事情もあり難しい。そこで『ドクターX』を手掛けた脚本家の中園ミホ氏を起用して、フリーランスの男性看護師とベテラン男性看護師を主人公に据えるという異色の設定の作品を持ってきた。一癖も二癖もある病院長や外科医、看護師長に松平健、柳葉敏郎、寺島しのぶというベテラン俳優を配し、『ドクターX』の姉妹版みたいなテイストになると予想されるが、テレ朝は『ドクターX』同様に人気シリーズに育てていきたい考えでは」(テレビ局関係者)

 10月期、大ヒットドラマが生まれることに期待したい。

(文=Business Journal編集部)