フジテレビは5日、10月期の番組改編会見を開催。人気男性5人組YouTuber「コムドット」の初の冠番組『コムドットって何?』を、今月27日より放送することを発表した。
秋改編によってネクストクリエイターの育成を掲げる『水曜NEXT!』枠が『火曜NEXT!』(火曜24:55~)に移行し、その第1弾にコムドットが抜擢された。『突然ですが占ってもいいですか?』チームによる制作で放送は全6回を予定し、地元・西東京でデヴィ夫人をもてなす企画などが用意されるという。
コムドットは、2018年に「地元ノリを全国へ」をスローガンに結成。やまと、ゆうた、ひゅうが、うらた(前・ゆうま)、あむぎりの5人組で、メンバーたちの地元・西東京を拠点に活動し、2021年にチャンネル登録者数300万人を突破するなど大ブレイク。炎上騒動をたびたび起こしつつも、Z世代を中心とした若者たちのカリスマ的な存在になった。
同年末に発売したグループ初の写真集『TRACE』(講談社)は累計発行部数30万部を突破し、男性グループ写真集の歴代1位を獲得。リーダー・やまとのエッセイ本『聖域』(KADOKAWA)も40万部を超す大ヒットになり、今春には初のテレビCMに出演するなどYouTubeの枠を飛び越えた活躍を見せている。
だが、テレビ番組については4月に『突然ですが占ってもいいですか?』で地上波初登場を果たしたものの、ほとんど出演したことがなかった。グループとしては「テレビ本格進出」でいきなり冠番組という大きなチャレンジとなる。
フジの「コムドット起用」の狙いは?
フジ側の狙いは明確で、人気YouTuberを起用することで「テレビ離れ」が叫ばれている若者層の視聴者を獲得したいということに尽きるだろう。近年は広告業界のターゲットとして若者層の重要度が高まり、テレビ局としても若年層の視聴者を増やすことが大きな課題となっている。
最近の若者たちの消費活動を左右するのはネットで活躍するYouTuberやTikTokerたちだが、彼らの大半は一般の認知度が低いので地上波のメインで起用するのは難しい。
しかし、コムドットの場合はYouTubeだけでなく書籍の売上などでも結果を出し、炎上騒動でメディアを騒がせたことでよくも悪くもファン以外からの認知度が比較的高いため、フジにとってうってつけの人材だったのだろう。全6回という放送回数からは「ひとまずお試しでやってみて、好評なら本格起用したい」という、局の思惑も感じられる。
だが、これにネット上では疑問の声が続出。「もう自由に発信する場があるのにYouTuberが規制の多い地上波番組をやる意味がわからない」「YouTubeのノリをテレビでやっても面白いとは思えない」「テレビ局は意地を見せてYouTuberに頼ったりしないでほしかった」といった否定的なコメントが飛び交った。
その一方で「テレビとYouTubeが相乗効果で盛り上がってくれたらうれしい」「コムドットは今までと違ったファン層を獲得できるし、テレビ局は普段テレビを観ない視聴者を引き込めるからwin-winでは」「今後のTV界を占う試金石。これが成功すれば人気YouTuberがMCの番組が続々と登場するかも」といった好意的な意見もあり、賛否両論となっているようだ。
やまとの名言のひとつに「遅せぇよ時代」というフレーズがあるが、今回の冠番組は新たな時代を切り開くきっかけとなるのか、それとも「やっぱりYouTuberとテレビは合わない」という評価になってしまうのか。視聴者だけでなく、テレビ業界や広告業界などからも番組の成否に注目が集まりそうだ。