4月24日に行われたオリックス・バファローズ対千葉ロッテマリーンズで、白井一行球審がロッテの佐々木朗希投手に詰め寄った行動が物議を醸している。
問題の行動が起きたのは2回裏。外角低めの投球をボールと判定された佐々木投手の態度を問題視したのか、白井球審がマスクを取り、何か言いながら、マウンドの佐々木投手に向かって近づいていく。異変を察知した松川虎生捕手が間に入り、白井球審と一緒にホームベースに戻っていったが、その後、白井球審はロッテの井口資仁監督と言葉を交わし、この日の責任審判である二塁塁審にもなだめられるような場面があった。
「すでにさまざま報じられている通り、スムーズな試合進行を促す立場の球審が、タイムもかけずに選手に詰め寄っていくという行為はいただけません。しかも、怒ったような表情で喧嘩腰のようにも見受けられました。44歳の白井球審に対して、佐々木は20歳、キャッチャーの松川は18歳のルーキーという若いバッテリーということも、球審の大人気なさを際立たせてしまいました。
そもそも、ピッチャーが投球の判定に不満を表すケースはよくあることで、ベテランともなればもっと露骨に嫌な顔をしたり、それこそ球審をバカにしたような態度を取ったりすることもあります。もちろん、そうした行為も許されるものではありませんが、今回のケースで球審が佐々木に詰め寄ったのは、やはり“若手だから”という事情も大きかったのでしょう。つまり、“あんまり調子乗るなよ”と釘を刺したということです。
一方、全盛期の江川卓などは、わざとストライクゾーンを外しておいて、球審が『ボール』と言ったら驚いたような表情することもあったようです。すると、球審は『江川ほどのピッチャーが不服なら、ストライクだったのかも……』と不安になる。そこで江川は、次にボール半個分、ストライクゾーンに近づけてきて、球審は思わず『ストライク』と言ってしまう……そんな逸話もあります。江川の並外れたコントロールがあってこそなせる技ですが、そうやって球審の心理を手玉に取っていたわけです。そうした駆け引きも、プロ野球の醍醐味のひとつでしょう」(スポーツライター)
佐々木投手といえば、直近2回の登板でいずれもパーフェクトに抑えており、登板する試合はプロ野球界を超えて社会全体の注目が集まる事態ともなっていた。それだけに、白井球審も気負ったところがあったのだろうか。
「確かに、ある意味で日本シリーズ以上に日本中の注目が集まる試合ということで、白井球審もいつも以上に張り詰めていたり、一種の興奮状態だったりしたのかもしれません。もちろん、井口監督が言っていた通り、だからこそもっと冷静に振る舞ってほしかったですが……。いずれにしても、球審が感情的になって選手に自ら詰め寄っていく姿は初めて見ました。しかも、前述したように、タイムもかけずに試合の進行を妨げている。さらに、20歳の佐々木に詰め寄り、18歳の松川に止められるという構図も前代未聞。佐々木朗希が、またもプロ野球界の歴史をつくってしまったといえます」(同)
一方、この件に関して、サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手はツイッターで「野球の審判って無茶苦茶難しいのに叩かれることはあっても褒められることはほとんどないよなぁ」「元プロ野球選手が審判とかすると誤審連発なので、自分からするとプロ野球の審判は全員化け物です笑」という見解を示している。
「ストライク・ボールの判定にしても、アウト・セーフの判定にしても、正直プロのレベルで瞬時に見極めるのは神業に近い。ましてや、佐々木の場合は160キロ台連発ですからね。それぐらいギリギリの判断を迫られているプロ野球の審判は、確かに激務のわりに軽んぜられているとは思います。現役の、しかも一流選手のダルビッシュのツイートが、すべてを言い表しているでしょう。
また、今回の騒動では、瞬時の判断で球審と佐々木の間に入ったキャッチャーの松川の対応が称賛されています。佐々木が完全試合を達成したゲームでも松川の好リードが注目されましたが、これでさらに評価を上げたことは、ベンチに帰った際に労われる様子を見ても明らかです。昨年7月には、試合中のサイン盗み疑惑について、当時21歳のヤクルト・村上宗隆が阪神ベンチに毅然とした態度で注意したことで、男を上げました。冷静な対応力と実力を兼ね備えた若い選手が育ってきていることは、球界にとって明るい要素といえるでしょう」(同)
いずれにせよ、今後も佐々木投手の活躍は注目の的となりそうだ。
(文=Business Journal編集部)