スタートして早や8カ月。谷原章介が司会を務める『めざまし8』(フジテレビ系)の視聴率は、一向に上昇の気配が見られない。そればかりか、11月2日にはさらに数字を下げてしまったという。
「2日の全体世帯視聴率は4.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、個人視聴率は2.4%でした。また、4日は世帯5.0%、個人2.5%と同時間帯の民放ワイドショーで最下位です。一方、王者を独走している『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)を見ると、2日は世帯9.4%、個人5.0%。4日は9.6%、5.2%と盤石です」(芸能ライター)
3月29日の初回は世帯6.2%、個人3.2%と、前4週の平均(世帯5.9%、個人2.9%)を上回る幕開けだった『めざまし8』だが、以降は低空飛行を続けている。前の番組『とくダネ!』時代より数字を落としてしまっては、クビを切られた形の小倉智昭も浮かばれないだろう。停滞の原因としては、どういったことが考えられるのだろうか?
相次ぐ谷原章介の“発言スルー”問題
致命的なのは、谷原がコメンテーターに話を振った後、投げっぱなしのまま締めくくろうともせず、別の話題に移ってしまうことだという。
「11月1日の放送では、前日に発生した京王線の刺傷事件について、元大阪府知事の橋下徹氏が『これ、身勝手なんですよ。身勝手なんですけど』と容疑者の凶行を断罪しながら『どこか受け皿的に支援というか対話をしてくれるような場所があれば、ここまでの犯罪にならなかったという可能性はある。社会の孤立・孤独対策のネットワークが必要』と言及しました。
それに対して、谷原は『確かに予防措置・予防対策、必要だと思うんですけど』と返しただけで、『同じように電車内でこういう凶行な事件が突発的に起こった場合、鉄道会社でマニュアルとかあったりするんですか』と、いきなり視点を変え、専門家に事件対策について質疑したのです」(同)
こうした“スルー”は時間の制約もあるため仕方ない面もあるだろうが、別の日にもコメンテーターの発言を受け流す場面が見受けられた。
10月6日の放送では、地球温暖化や気候変動の予測モデルを開発したことが評価されてノーベル物理学賞を受賞した、米プリンストン大上席研究員・真鍋淑郎氏の特集が組まれていた。
谷原はコメンテーターで元衆議院議員の金子恵美氏に「金子さん、僕たちにとって気候変動は生活に大きく関わっていますよね?」と質問すると、金子氏は「いち早く環境問題や気候変動について、こういう要因があると示したのは意義深い」と真鍋氏の功績を称えた。さらには、同氏がアメリカで研究を続けることになった背景として、日本の研究環境の遅れを指摘。「基礎研究というのは時間がかかるんですけど、こういう形で花開くんだということを示してくださったので、目先のことだけではなくて、若い研究者の方々への投資もしていかなければならない」と訴えた。
金子氏が鳴らしたこの警鐘について、谷原は何か一言受けるのかと思いきや、いきなり「研究も内助の功あってこそだと思うんですよ」と真鍋氏の妻・信子さんの話題に切り替え、真鍋夫婦の関係性について3時のヒロイン・福田麻貴に聞いたのだ。
福田のコメントの後、元水泳選手で元スポーツ庁長官の鈴木大地氏が金子氏の話にあえて戻し、「金子さんも先ほど指摘されてましたけど、これを機に、基礎研究への配分も考えて、素晴らしい研究者が生まれるように考えないといけないと思います」と主張した。
しかし、この直後、谷原はまたもや鈴木のコメントを受けることもせず、「(真鍋氏は)ご自身もおっしゃってましたけど、『まさかこの分野でノーベル賞もらえると思っていなかった』と。逆に裏返せばそこまで今、地球が危機的状況にあるのかもしれない。僕たち一人ひとり何をできるか、これを機会に考えたほうがいい」と、今度は地球全体の話にスライドしていた。
「つまり、谷原が司会として各々の意見を集約して締めくくってくれないため、それぞれの発言が宙に浮いたままになってしまっているのです。当然、議論にもならない。これによって視聴者も高い満足感を得られず、フラストレーションがたまってしまって、谷原のちょっとした言葉にも引っ掛かるようになってしまうのです。また、谷原が時折、腕組みしながら人の話を聞くのも気になります。
そもそも、番組が当初謳っていた企画コンセプトは『朝8時、目が覚める一番のニュースを谷原章介&永島優美が分かるまで解説する』というものですが、『分かる前でシャットアウトされてしまう』ため、このコンセプトも反故にしていることになります」(同)
一方、『モーニングショー』の羽鳥慎一は、コメンテーターが言った意見をわかりやすく咀嚼して言い直し、軽く締めくくりながら次のコメンテーターに振るという芸当を見せるため、テンポ感も出て、見ていて“妙に引っ掛かる点”もなくスムーズに見られる。
『めざまし8』は番組構成も疑問だらけ
さらに、『めざまし8』は番組構成的にも疑問点がいくつかあるという。
「オープニングでは毎日、『最新ニュースHOTワードランキング』というコーナーが放送されています。これはSNS、さらにAIがそれぞれ集計した記事を元につくった番組オリジナルのニュースランキングなのですが、そもそもSNSとAIの2つを集計する意味がわからない。特にAIが集計した記事に、それほど重要性があるのか。『とくダネ!』とは変わったことを印象付けるため、そして『何か変わったことをやりたい』という思いから生まれたコーナーなのかもしれませんが、視聴者的にはどうでもいい企画です」(同)
また、ハプニングにしか目が行かない報道姿勢もネックになっているようだ。
「11月2日の生放送中、東京・吉祥寺の道路が陥没し、ごみ収集車がその穴に転落したというストレートニュースが入ってきたのですが、番組では通常の放送を中止し、穴を隔てた両方の道路にそれぞれ2人もリポーターを出動させて状況説明させ、CMをまたいで7分にもわたって報じていました。
一方、同日の『モーニングショー』では、新型コロナの感染者数がなぜ少なくなったのかを解説している最中に道路陥没のニュースが入ってきたのですが、斎藤ちはるアナが一報を読み上げると、羽鳥は『また情報入りましたらお伝えするということでいいですかね』と、特集に戻っていました。この間、わずか1分です。
番組の制作者によってニュースの優先度が違うことは当たり前ですし、むしろそれが健全ともいえます。しかし、どちらの番組が支持されているのかは視聴率という結果で表れている。それを鑑みても、『めざまし8』は視聴者の感覚とズレてしまっているといえるでしょう」(同)
今後、『めざまし8』が浮上する可能性はあるのだろうか?
(文=編集部)