TBS『THE TIME,』視聴率が民放最下位の大誤算…視聴者との感覚のズレか

 10月1日に朝の情報番組『THE TIME,』(TBS系)がスタートし、約3週間経過した。9月30日に終了した『あさチャン!』の後継番組として、「ニッポンの朝がみえる。」をキャッチコピーにスタートし、月~木曜の総合MCはTBSの安住紳一郎アナウンサー、金曜MCは俳優・香川照之が起用されているが、『あさチャン!』時代と同様、『THE TIME,』も視聴率に悩まされているようだ。

 TBSは2014年4月から、平日朝6~8時台に『あさチャン!』を放送していたが、視聴率が振るわず、しばしば“打ち切り説”が浮上していた。そんななか、番組のMCを務めていたフリーアナウンサー・夏目三久が、お笑いタレント・有吉弘行との結婚を機に、9月末をもって芸能界を引退。これと同時に、TBSは『あさチャン!』を終了させ、10月から『THE TIME,』をスタートさせた。

 安住アナは、今や“TBSの顔”ともいえる売れっ子であり、08年から『新・情報7daysニュースキャスター』の総合司会や、『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』の進行(不定期)も務めているほか、05年から放送されているラジオ番組『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ)も継続中。ちなみに、オリコンが毎年発表している「好きな男性アナウンサーランキング」では、5回連続での1位獲得を経て、09年に殿堂入りを果たしている。

 一方、『THE TIME,』の金曜MCに抜擢された香川もまた人気俳優であり、TBSの大ヒット連続ドラマ『半沢直樹』シリーズのメインキャストを務めるなどしてきたほか、現在放送中の10月期ドラマ『日本沈没-希望のひと-』にも起用されている。

『THE TIME,』が始まった10月1日は金曜日だったが、初回ということで、安住アナと香川が揃って出演。TBSが、世間の好感度、また局への貢献度が高い2人を選出したところからも、『THE TIME,』に対する“気合い”が感じられ、放送初日は朝7時台の平均世帯視聴率6.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。前日に放送された『あさチャン!』最終回の同時間帯がマークした6.1%を上回るスタートを切った。

視聴率4%台で推移

 とはいえ、他局と比べると決して“好スタート”とはいえない。『THE TIME,』初回が放送された10月1日、テレビ朝日系で坪井直樹アナと新井恵理那アナが総合司会を担当する『グッド!モーニング』は8.1%(朝7時台)、フジテレビ系で井上清華アナが総合司会を務める『めざましテレビ』が7.7%(朝6時10分~8時)、日本テレビ系で水卜麻美アナが総合司会を務める『ZIP!』も6.8%(朝5時50分~8時)を獲得しており、『THE TIME,』は、同時間帯の情報番組のなかで最下位となっていた。さらに、ここ最近の『THE TIME,』は、4%台を推移するようになっている。

 ネット上の反応を見ても、視聴者が“大盛り上がり”している様子はない。初回放送後、ポジティブなコメントとしては、

「安住さん&香川さんコンビのゆる~い雰囲気に癒された」

「朝から堅苦しいのも嫌だし、でもくだけすぎてない感じで良かったよね!」

「おじさん2人で、適度に落ち着きがあって好きだな」

といった書き込みが見られた。

 その一方、

「最初だから局側も力入れすぎてるのか、なんかガヤガヤ、ゴタゴタしてる感じ」

「せっかく安住さんと香川さんを起用したんだから、もっともっと落ち着いた雰囲気でいくべき。思ってたよりもエンタメ色が強くて意外だったわ」

「『バズったワード デイリーランキング』のコーナーとかいらない。“バズり”とかそういうのは『THE TIME,』が終わってから、後継番組の『ラヴィット!』でやればいいじゃん」

という意見も。『ラヴィット!』は、今年3月からTBSの朝8時台で始まった情報バラエティ番組で、MCは麒麟・川島明と同局の田村真子アナが担当。公式サイトで「今の暮らしが10倍楽しくなるライフアイデア発見バラエティ!」「ニュースなし!ワイドショーなし!」などと謳っている通り、バラエティ色全開で放送中だ。

「『ラヴィット!』は当初、ネット上で『朝からうるさい!』などといわれていましたが、『暗いニュースや、出演者同士のワイドショー的なやり取りを見たくないとき、「ラヴィット!」に救われる』という声も多くなっていき、視聴率はイマイチながら、他局の情報番組との差別化に成功しているようです。TBSは、このことを踏まえて『THE TIME,』にも明るいノリを取り入れたのかもしれませんが、視聴者は新番組にまで“ラヴィット!感”は求めていなかった様子。『THE TIME,』は、やはり安住アナと香川の“おじさんコンビ”ということで、おじさんならではの落ち着き、安心感、安定感に期待が寄せられていたのではないでしょうか」(メディア関係者)

危険なハプニングも

『THE TIME,』の視聴率がアップすれば、続く『ラヴィット!』も恩恵を受けられそうだが、TBSに策はあるのだろうか。

「安住は“TBSの顔”的な存在であると同時に、総合編成本部アナウンスセンター局長待遇という役職を持つ管理職でもあり、現社長の覚えもめでたい。一方、香川はTBSの多くのヒットドラマに出演してきた人気俳優。この2人を揃えたところに局としてのこの番組への強い意気込みが感じられ、今の視聴率はかなりの誤算でしょう。実際に視聴者からは“ゴチャゴチャしていて落ち着きがない”という感想も多く、根本的な番組づくりの方針が、視聴者が朝の情報番組に求めているものと乖離しているのかもしれません。

 前の『あさチャン!』が、夏目の所属事務所との関係で7年にもわたり低視聴率ながら続けざるを得なかったこともあり、各局による朝の情報番組戦争で再び存在感を示すべく力を入れているわけですが、これでもしコケれば、まさに“万策尽きた”ということでシャレにならない状況に陥るといえるでしょう」(キー局関係者)

 ちなみに、『THE TIME,』には地方と生中継をつなぐコーナーもあるのだが、10月7日放送回では、CBCテレビ(中京広域圏)の若狭敬一アナがリハーサル中に池へと落ちてしまい、濡れたままのシャツで本番に臨むというアクシデントが発生。さらに、10月19日放送回ではテレビ山口・原千晶アナが山口県長門市の元乃隅神社を紹介中、カメラマンが転倒。ネット上で話題になってはいたものの、心配の声も寄せられていただけに、番組サイドは何よりもまず、こうした危険なハプニングの再発防止を優先すべきなのかもしれない。

(文=編集部)