先週に続き、中山と中京の2場開催が予定されている今週の競馬。神戸新聞杯やオールカマー(ともにG2)に注目が集まる中で、比較的マイナー視されているのが、25日(土)の中京9Rに組まれている野路菊Sだ。
2歳オープンの格付けながら、過去5年の優勝馬はその後、全ての馬が重賞勝ちを収めている同レースは、いわば知る人ぞ知る“超”出世レース。
昨年の優勝馬ホウオウアマゾンは今年4月のアーリントンC(G3)を制し、一昨年のマイラプソディは次走の京都2歳S(G3)で優勝。2018年のカテドラルは今年9月の京成杯AH(G3)で重賞初制覇を飾り、17年のワグネリアンはご存知ダービー馬に。5年前の16年優勝馬アメリカズカップも、明け3歳できさらぎ賞(G3)を制している。
過去5年だけでなく、後にG1レースを4勝するメイショウサムソンや、G1・2勝馬ラブリーデイなどが優勝している野路菊S。昨年と一昨年はわずか5頭と、毎年のように少頭数ながら“濃い”メンバーが参戦する、いわば玄人好みのレースでもある。
そんな少頭数が定番の野路菊Sだが、今年は8頭が参戦予定。話題を集めているのが、武豊騎手が騎乗するロン(牝2歳、栗東・石橋守厩舎)だ。
逃げて上がり最速を記録した新馬戦の勝利後、同騎手が「これから楽しみな馬です」と絶賛。実際にラスト3ハロンは全て11秒台と内容も素晴らしく、“超”出世レースでの走りに俄然、注目が集まる。
1987年にデビューした武豊騎手は、前述したマイラプソディのほか、過去の野路菊Sでは4勝をマーク。現役騎手の中で同レースの勝利数は第2位をキープしている。
その武豊騎手を抜き、野路菊S「現役最多勝利」の5勝を記録しているジョッキーが、今年はロードリライアブル(牡2歳、栗東・清水久詞厩舎)で参戦する福永祐一騎手だ。
前出のワグネリアンでそのままダービー(G1)まで上り詰めたほか、カテドラルも勝利に導くなど、その戦績は先輩・武豊騎手を一歩リードしている。
過去から現在まで、将来有望な2歳馬が激突する野路菊Sで「最多勝争い」を演じるトップジョッキーの2人。ただ、今年デビューした2歳世代にまつわる中心的ジョッキーといえば、福永騎手に軍配が上がる。
なんといっても、今夏の新馬戦で圧倒的な勝利数を誇る福永騎手。2歳馬への騎乗依頼は引く手あまたで、野路菊Sでロードリライアブルへの継続騎乗が決定するや否や、同馬のファンから「本当に良かった」など、ファンから歓喜の声があがるほどだ。
実は同馬の新馬戦に騎乗していたのは、デビュー3年目の岩田望来騎手。逃げて2着に終わったレース後は、「今回は逃げた分、次走では教えないといけないこともあります」と、やや反省も垣間見えるコメントを残していた。
一方、2戦目の未勝利戦で同馬を勝利に導いた福永騎手は「道中は馬のリズムを守って大事に乗って、切れるか分からなかったので早めに外へ出しましたが、いい内容で勝てました」とコメント。
経験の浅い2歳馬を気遣いながら、大事に騎乗して勝利に導く確かな騎乗技術を披露するなど、同馬のファンの支持を大いに集めている理由がわかる発言を残している。
武豊騎手や福永騎手が参戦するだけでなく、グーデンドラークやマテンロウスカイら評判馬が集結した野路菊S。今年も少頭数ながら“濃い”メンバーが集まった2歳のオープン戦に、是非とも注目して欲しい。
(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。