今年2月いっぱいで、34年の騎手生活に別れを告げた蛯名正義現調教師。現在は技術調教師として藤沢和雄調教師の下で研鑽を積みながら、来年の厩舎開業に向けて準備を進めている。
そんな蛯名調教師の騎手引退を記念して8月に発売されたのが『蛯名正義 勝鞍記念酒』。美浦トレーニングセンターからほど近い茨城県つくば市にある浦里酒造店が1本8888円(税込)で販売。10日足らずで完売したという。
限定販売された総数は2541本。これはもちろん蛯名調教師が騎手時代に積み重ねた勝ち鞍数である。
浦里酒造店の特設サイトによると、「1987年4月12日ダイナパッションに騎乗しての初勝利から、2021年2月28日スマートアルタイルに騎乗しての現役最終勝利までの勝鞍を1勝ごとに1本、馬名や勝利レース名の情報を競走の際に装着するゼッケンを模したラベルに記載し、全勝鞍2541勝分を発売します」とのこと。
つまり、中身は同じ日本酒だが、ラベルは2541種類に及ぶということになる。
どのレースのラベルが届くかは無作為になっており、発送が始まった8月下旬頃からTwitter上では「#蛯名正義勝鞍記念酒」というハッシュタグとともに購入者が次々と書き込みを開始……。
「ドキドキしながら確認…!一口出資していたマイネルシアター号のセントポーリア賞勝鞍記念酒」や、「No.893 マティーニ!(なのに日本酒)」などのツイートがラベル画像とともに次々と共有された。
これに対し、蛯名調教師は今月7日から一言回顧を順次ツイート。多忙の合間を縫って一日数件ずつながら、書き込みがあったレースに対しコメントを残している。
また、競馬好きで知られるお笑い芸人のビタミンS・お兄ちゃんも『【開封】この世に1本!蛯名正義勝鞍記念酒!開封動画!!』と題した動画を自身のYouTubeチャンネルにアップ。2004年2月28日の500万下を勝ったチョコパフェを引き当て「引退するちょうど17年前!」と興奮気味に報告している。
そんななか、この勝鞍記念酒をめぐって一部の購入者による残念な行動もあったようだ。
「どうやら発送が始まった直後に某フリーマーケットアプリに出品されていたようですね。いわゆる転売ヤーだと思われます。現在は確認できませんが、定価の2倍近い値で出品していたとか……。浦里酒造店さんもサイトに『転売は固くお断りいたします』と記載して注意は呼びかけていたのですが、何とも悲しい話です」(競馬誌ライター)
その後の詳細は不明だが、おそらくこの“転売”行為は「失敗に終わったはずだ」という。
「よく考えればわかりますが、今回の記念酒は1本ずつラベルが違うため、追跡するのは容易なはず。実際に浦里酒造店さんも『送付先と勝鞍は紐付けしております。転売された方の情報は筒抜けですので…』とツイートしていました」(同)
さて、今回の記念酒企画は、先月中にすでに完売していた。ところがキャンセル等もあって、再販売が18日12時から始まるという。特設サイトを確認したところ、「皐月賞×ディーマジェスティ」や「宝塚記念×マリアライト」がまだ残っているようだ。
この企画を知らなかった蛯名正義ファンは、これを機会に特設サイトを一度覗いてみてはどうだろうか。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。