今年1月のAJCC(G2)の勝ち馬で、宝塚記念(G1)9着後、休養に入っていたアリストテレス(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)。10月に阪神競馬場で行われる京都大賞典(G2)で復帰し、鞍上にはM.デムーロ騎手を予定していることが分かった。
デムーロ騎手とアリストテレスのコンビはこれまで2戦2勝。昨年9月の小牧特別(2勝クラス)以来、約1年1ヶ月ぶりの再タッグとなる。
昨秋に挑戦した菊花賞(G1)でアリストテレスは抽選対象だった。デムーロ騎手としては、後ろ髪を引かれる思いもあっただろうが、確実に出走可能なマンオブスピリットを選択。しかし、そんなデムーロ騎手の懸念とは裏腹に、アリストテレスは抽選を突破する。
さらに、乗り替わったC.ルメール騎手とのコンビでアリストテレスが2着に入り、コントレイルの三冠を脅かすほどの健闘を見せたのに対し、デムーロ騎手のマンオブスピリットは11着に惨敗。結果的に、デムーロ騎手の選択は裏目となってしまった。
アリストテレスが、古馬となっても重賞戦線で活躍したこともあり、一部のファンからは、菊花賞前の選択ミスが大きかったという声も出た。
また、デムーロ騎手には以前も似たようなケースがあった。
同世代は最も強いとお気に入りだったサートゥルナーリアとホープフルS(G1)を制したが、皐月賞(G1)を前に陣営はルメール騎手への乗り替わりを発表。見事にクラシック1冠目を制し、アドマイヤマーズとコンビを続行したデムーロ騎手は、4着と敗れたことは苦い記憶となったに違いない。
一度は袂を分かつことになったパートナーとのコンビ再結成に成功した今回。デムーロ騎手にとっては“泣きの1回”のチャンス到来といえる。
一方で、デムーロ騎手の“嬉しい誤算”を後押しする形となったのが、武豊騎手だ。前走の宝塚記念で手綱を執っていたが、わずか1戦で乗り替わり。
この背景には武豊騎手が夢と公言する凱旋門賞(G1)挑戦が関係していると考えられる。
「武豊騎手とともに凱旋門賞を勝つのが夢」と公言しているキーファーズ松島正昭代表の共同所有馬ブルームとジャパンが、今年の凱旋門賞出走を視野に入れているからだ。
「武豊騎手は以前から、凱旋門賞(仏・G1)のオファーがあれば、2週間の隔離期間などに関係なく参戦したいと話しています。仮に参戦して隔離期間が発生したとなれば、その翌週に行われる京都大賞典での騎乗は非常に難しくなります。
今回、アリストテレスが京都大賞典で武豊騎手からデムーロ騎手への乗り替わりが決まった背景には、あるいはそういった事情も含まれているのかもしれませんね」(競馬記者)
実際の事情はまだ定かではないといえ、二人の想いがどのような結果をもたらすのか。
再び巡ってきたチャンスをモノにしたいデムーロ騎手、夢を追い続ける武豊騎手。それぞれの健闘を祈りたい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。