JRA 巻き返し期すテルツェットにC.ルメールは「逆効果」!? クイーンS(G3)で初コンビも、リーディング騎手が歓迎できない理由

 8月1日に行われる日曜札幌メイン・クイーンS(G3)にC.ルメール騎手とテルツェット(牝4歳、美浦・和田正一郎厩舎)のコンビが出走する。

 1年前は、まだ1勝馬の身だったテルツェット。昨年8月に新潟の自己条件戦で2勝目を挙げると、今年4月のダービー卿CT(G3)にかけて怒濤の4連勝を飾った。

 勢いそのままに臨んだのが前走のヴィクトリアマイル(G1)。M.デムーロ騎手を背に、グランアレグリア、レシステンシアに次ぐ3番人気に支持された。

 スタートはいつも通り後手を踏み、道中は後方内ラチ沿いで脚を温存。直線にかけたが、伸びを欠き、人気を大きく裏切る14着に敗れた。

「出遅れはいつものことですが、初のG1で気負いもあったのでしょう。パドックではかなり入れ込んでいたので、本来の実力を全く出し切れていなかったと思います。

前走後はノーザンファーム天栄に放牧へ。その後、美浦には戻らず直接函館入りし、調整されています。人馬ともにリフレッシュされた状態で、前走からの巻き返しに期待したいですね」(競馬誌ライター)

 テルツェットはヴィクトリアマイルから2か月半ぶりの実戦となるが、これまで同じような間隔で結果を残しており、心配無用だろう。

 一方で、“休み明け”のルメール騎手には一抹の不安が残る。

「ルメール騎手はアイビスSD(G3)が行われた先週末は騎乗せず、恒例の夏休みを取っていました。暑さ嫌いは有名ですからね。大好きなゴルフを楽しんだり、海岸で乗馬をしたりバカンスを満喫する様子がインスタグラムにアップされていましたよ。

今年上半期の激戦の疲れをしっかり癒やすことはできたと思います。しかし、ルメール騎手はこれまで夏休み明けは少し成績を落とす傾向にあるのは気になります」(同)

 ルメール騎手がJRAの通年騎手免許を取得したのが2015年。それ以降、16年、17年、19年の3度、夏休みを取得して英気を養っている。しかし、夏休み前後の成績を比較すると、リフレッシュは逆効果になっているようだ。

【ルメール騎手“夏休み”前後の成績、2016年以降】
●2016年
前 4- 3- 3- 7/17(勝率23.5%)
後 1- 3- 3-10/17(勝率5.9%、中京記念ダッシングブレイズ=1番人気10着)

●2017年
前 2- 3- 1- 9/15(勝率13.3%)
後 1- 1- 1- 8/11(勝率9.1%、函館記念サトノアレス=1番人気6着)

●2018年は夏休みを取らず、年間215勝の大記録につなげた。

●2019年
前 3- 4- 1- 4/12(勝率25.0%)
後 3- 5- 3- 5/16(勝率18.8%、函館2歳Sタイセイビジョン=2番人気2着)

●2020年はコロナ禍の制限もあって夏休み取得せず。

 ご覧のように、“休み明け”のルメール騎手は調子がいまいち。特に重賞レースでは、1番人気を2度も裏切っている。

 今週末の函館は30度の真夏日が予想されているが、ルメール騎手は“暑さ”と“休み明け”の両方を克服することはできるか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。