JRA C.ルメールや武豊は「圏外」、狙い続けるだけで儲かる騎手を検証!トップジョッキーでお買い得だったのは誰? 買える騎手、買えない騎手が浮き彫りに

 競馬にはスポーツとしての側面もあるとはいえ、ファンが購入した馬券の売り上げがJRAの最たる収入源となっている。人気馬同士のガチガチの決着でも、単勝万馬券クラスの大穴が大波乱を起こしても、JRAは、いわゆる寺銭(馬券購入時に控除される収益)で安定収入を得られる。

 これに対し、馬券を購入するファンは、最初から4分の1近くの赤字(寺銭)を背負った状態で始める。そのため、長く続ければ続けるほど、プラス収支に持っていくのは至難の業ともいえるだろう。

 そんなファンがなんとか攻略しようと努力した結果、生まれたのが様々な競馬の格言であり、馬券術だ。夏競馬のシーズンになると、「夏は牝馬や芦毛を狙え」といった話を誰しも耳にしたことがあるのではないか。

 また、特定のコースや条件でどういったタイプの馬が来やすいなど、データからアプローチする方法もレースの度に採り上げられている。

 ただ、今年は東京オリンピックによる開催変更や京都競馬場の改修などの関係で、コースだけではなく距離まで変更された先週の小倉で行われた中京記念(G3)のような例もあった。これには、過去の傾向を重視するデータ派にとっては苦しい。

 そこで注目してみたいのが「騎手買い」だ。

 これは同じ騎手の単勝を買い続けて、儲けられるのかがポイント。通常なら特定のコースや条件という要素も含まれることが一般的だが、今回はシンプルに特定の騎手の単勝のみを買い続けた場合の回収率を調べてみた。

 以下は、先週の18日までの結果(2021.1.5~7.18)を基に集計した主な騎手の単勝回収率(総合)。※障害除く、レース機会数200回以上が対象。敬称略。

■単勝回収率トップ10
順位、騎手、勝率、単勝回収率
1位、亀田温心、5.9%、177%
2位、菊沢一樹、3.5%、146%
3位、西村淳也、9.3%、133%
4位、北村宏司、7.7%、125%
5位、石川裕紀人、4.8%、120%
6位、川田将雅、28.8%、110%
7位、鮫島克駿、8.8%、108%
8位、藤井勘一郎、4.2%、104%
9位、横山和生、13.5%、103%
10位、菅原明良、9.0%、102%
――――――――――
50位、池添謙一、7.5%、46%
51位、三浦皇成、7.9%、43%

 プラス収支の目安となる100%超えの騎手は10人。圧倒的なトップとなったのは、2位を大きく離した亀田騎手だった。これに菊沢騎手、西村騎手が続いてトップ3を形成した。勝率に比べて回収率が高いということは、イコール穴馬を勝たせた回数が多いということになる。池添騎手、三浦騎手は50%に届かず、苦戦している。

 ちなみにリーディング10位以内の騎手でランク入りしたのは、川田騎手と横山和騎手の2人のみ。C.ルメール騎手や武豊騎手だけでなく、福永祐一騎手や松山弘平騎手なども圏外に終わった。

 勿論、トップクラスの騎手の騎乗馬は、人気になることが多く、単勝オッズは必然的に低くなる。そのため、数値が低いからといって乗れない騎手という訳ではないことは、念頭に置きたい。

 そんな中で上位人気馬への騎乗機会の多かった川田騎手の回収率が、群を抜いていることには驚かされるばかりだ。前述したルメール、武豊、福永、松山らライバル騎手の回収率は60%~70%台なのだから、100%を超える川田騎手の優秀さは一目瞭然である。

 これは重賞も含めた総合の成績でもあり、極端な話、何も考えずに川田騎手の単勝だけを買い続けていれば、今年ここまでの馬券収支はプラスになった計算。騎手リーディングでは、107勝でトップのルメール騎手に対し、86勝と離されているものの、勝率ではライバルの24.0%を上回る28.8%と優位に立っている。

 馬券的な妙味に関しては、川田騎手の方が実質トップを独走しているといっても過言ではないようだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。