JRA横山典弘「14年ぶり」夏の小倉参戦! 日本レコード連発の“魔界”で気になる「過去成績」と“ポツン”騎乗みせるか徹底予想!!

 先週に続き、函館・福島・小倉の3場開催となる今週の競馬。各場で出走馬が確定するなか、日本レコードラッシュが続く小倉競馬場に、あの騎手の参戦が決まった。

 その名は横山典弘騎手。我ら競馬ファンを唸らせるベテランジョッキーの小倉参戦は、2009年2月以来、なんと12年ぶりとなる。

 しかも夏の小倉開催に限ると、2007年7月29日以来となる14年ぶり。これはちょっとした“事件”といってもよいだろう。

 当日18日(日)の小倉競馬では、5鞍に騎乗する横山典騎手。今回の12年ぶりの小倉遠征の理由は、当日のメイン中京記念(G3)に出走するクラヴェルに継続騎乗するためだろう。

 前走マーメイドS(G3)でも同馬の手綱をとり、4角13番手から最後の直線では強烈な末脚が炸裂。5番人気ながら2着に食い込む好騎乗で魅せたのは、記憶に新しいところだ。

 横山典騎手にとって夏開催に限れば、14年ぶりとなる今回の小倉遠征。デビューした1986年以降、小倉で騎乗したのはたった71鞍しかない。通算20374回騎乗して71回というプレミア。すでに2万回以上の騎乗経験を誇る同騎手にとって、全国10場のうち小倉競馬場が占める割合は、たった0.3%に過ぎない。

 その71鞍を調べると、デビュー2年目の1987年に27鞍、翌88年に31鞍と、デビュー間もない当時は、はるばる小倉まで出走機会を求めて遠征していたようだ。

 しかし1988年を最後に、2002年まで14年間も小倉での騎乗はなく、長い“空白期間”が存在。

 14年ぶりに小倉競馬場に登場した2002年9月1日は、栗東・森秀行厩舎の管理馬で2鞍参戦。7Rのアドマイヤハッピーで2着した後、こちらが小倉遠征の目的であろう、当日のメイン小倉2歳ステークス(G3)に出走した。

 同レースでは、単勝オッズ1.3倍の断然人気を集めたチャイニングガールに騎乗。しかし結果は4着(4位入線マルブツタイクーン15着降着による繰り上げ)と、期待を裏切る結果を残している。

 さらにこの日から、今度は5年間、小倉での騎乗がなかった横山典騎手。再び登場したのは2007年7月29日で、当日は5鞍の騎乗機会を得た。

 この年の小倉遠征の目的は、小倉記念(G3)だ。しかしこの年も、騎乗したスウィフトカレントが1番人気に推されながら、7着に終わっている。

 続く次回の小倉遠征は、冬開催の2009年2月7日。2年ぶりの小倉で6鞍に参戦した横山典騎手は、なかでもメインの小倉大賞典(G3)ではサンライズマックスで登場。このときは7番人気ながら、見事に優勝を果たした。

 ここまで横山典騎手の過去の小倉遠征を振り返ると、重賞レースに出走する自身の“お手馬”に乗るために遠征する傾向がみてとれる。つまり12年ぶりとなる今回も、まるで同じパターンといえるのだ。

 ところが前述のとおり、1番人気に推されると結果が伴わないのが、横山典騎手の小倉遠征の傾向でもある。

 一方でサンライズマックスの例よろしく、低評価だと発奮するのか、その低人気をあざ笑うかのように好結果を残すケースがあることも覚えておきたい。18日の中京記念は、どちらに転ぶか。当日のクラヴェルの人気も気になるところだ。

 気になるといえば、競馬ファンの間でまことしやかに囁(ささや)かれる、横山典騎手の“ポツン”騎乗について触れないわけにはいかない。

 スタート直後、騎乗馬を馬群の最後方まで下げ、道中は独りぼっちの“ポツン”で追走。結局何もしないで見せ場なくゴールすることもあれば、最後の直線で豪快に全馬を抜き去ってゴールすることもある騎乗ぶりは横山典騎手ならでは。競馬ファンの間ではしばしば話題になっている。

 12年ぶりに再登場する小倉競馬場で、横山典騎手の“ポツン”騎乗が炸裂するか、気になるのは筆者だけではないだろう。

 あくまでも推測だが、そもそも小倉競馬場は東京・中山・阪神・京都といった中央場所に比べると小回りで、ひと回り小さなサイズ感は拭えない。

 ゴールまでの直線も短く、そう簡単に後方”ポツン”からの大マクリが決まる可能性は低いといえる。当然、横山典騎手もその点は承知しているはずだ。

 しかし今夏の小倉競馬場といえば、芝・ダート問わず日本レコードが連発。ネット上では“魔界”などと揶揄(やゆ)される、超高速馬場が話題となっている。

 そうなると前”ポツン“の出番か。スタート直後から突然の逃げを打ち、馬群の前方を“ポツン”と走り、超高速馬場の恩恵を受けて、そのまま前が止まらず、あれよあれよと逃げ切ってしまう……。そんなレース展開も考えられる。

 横山典騎手にとって「干支が一周する」12年ぶりの小倉競馬場。さらに馬場は日本レコード連発中の超高速馬場の“魔界”と、舞台は揃った。

 果たして、ベテランジョッキーがどんな騎乗をみせるのか。前”ポツン”か、後方“ポツン”か、否が応でも期待は高まる。名手だからこそ披露できる巧みな騎乗ぶりに想像を膨らませながら、日曜日を楽しみに待ちたい。(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。