JRA ルナシオン「仕上がり問題なし」も大誤算!? C.ルメール起用で勝負気配も二桁着順、スワーヴリチャード半妹が謎の大敗

 12日、13日に苫小牧のノーザンホースパークで、2021年セレクトセールが行われる。今年も将来有望な若駒たちが、高額な値段で取引されることだろう。

 ディープインパクトやキングカメハメハなど歴代の名馬もセレクトセールの出身馬だ。同セールで落札された馬は、全体で見れば数こそは少ないものの、目覚ましい活躍をしている。

 最近のセール出身馬で活躍した馬では、デアリングタクトやサトノダイヤモンド、カレンチャンなどがいる。18年大阪杯(G1)と19年ジャパンC(G1)を制したスワーヴリチャードもそんな活躍馬の1頭だ。14年に1億5500万円で落札されている。

 そのスワーヴリチャードの半妹ルナシオン(牝4歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が、セレクトセール前日に函館11R五稜郭S(3勝クラス・芝1800m)へ出走した。

 同馬は、一口クラブ馬主「シルクレーシング」の所有馬で、募集価格は一口16万円×500口。同馬主の主な代表馬に挙げられるアーモンドアイが一口6万円、サリオスが一口14万円で、それぞれ500口であったことを考えると、育成段階からかなりの期待を寄せられていたことが分かる。

 新馬戦では、直線で前が壁になる不利がありながら、外へ出されると猛スパートで前を追い抜き勝利。派手な勝ちっぷりからも多くの注目を集めていた。

 その後は、重賞勝利こそはないが、間隔を空けながら大事に使われ5戦3勝の成績を残していた。今回の出走は、6戦目で初めての関東圏以外でのレースとなった。

 ルナシオン陣営はレース前に、「気性的に滞在競馬は良さそう。体は前走より少し減るくらいで、仕上がりに問題ありません。当日のテンションが鍵ですが、力はありますし、スムーズに乗れば、変わり身はあると思う」とデキの良さと同馬の力量の高さをアピールした。

 しかし、レース発走の約1時間前に発表される馬体重発表から、徐々に藤沢厩舎の目論見が崩れていく。同馬の馬体重は、470キロと発表されたが、これは前走から18キロも少ない数字だったのである。

 この馬体減が調整ミスによるものか、万全な仕上がりの結果だったのかは定かではない。しかし、大幅減の馬体重を嫌われたのか、発走1時間前までは単勝オッズ3.6倍の1番人気に支持されたものの、最終的に単勝オッズ4.8倍の3番人気まで支持を落とすことになる。

 さらにレースで同馬はスタートで出遅れ。スムーズにレースの流れに乗ることは叶わず、殿からの追走を余儀なくされる。勝負どころに入っても、行きっぷりは変わらないまま、前との差は縮まらない。最後の直線に入っても見せ場すら作れず、バテた逃げ馬を交わしただけの15着に惨敗した。

 鞍上は今年の藤沢和厩舎の主戦であるC.ルメール騎手だ。厩舎コメントの勝負気配と合わせると、勝算あっての出走だったと思われる。

 それだけに、勝ち馬から3秒6も離された大敗で、前の馬から10馬身も離された15着という結果に何かあったのではと勘繰るファンも、少なからずいたことだろう。

 450キロでデビューしたルナシオンだが、4戦目の2勝クラスを勝利した際には、前走の466キロからから26キロ増の492キロ。馬体重の増加とともに好成績を残してきた馬が、近2走はマイナス体重で連敗を喫してしまった。

「馬第一主義」や「一勝より一生」がモットーの藤沢和師としても、まるで別馬になってしまったかのような二桁着順での連敗は、大きな誤算だったといえそうだ。

(文=寺沢アリマ)

<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。