2回目の気象予報士試験に落ちた永浦百音(清原果耶)は、2015年の年末も亀島に帰省する。地元では母・亜哉子(鈴木京香)のあらぬ噂が流れていて、7月5日(月)~9日(金)のNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』は波乱の週となった。
「母が浮気」の噂の真相を探る百音
妹の未知(蒔田彩珠)から母が浮気しているという噂を聞いた百音は、2人で亜哉子を追跡する。亜哉子が向かった喫茶店にいたのは、百音の幼なじみの及川亮(永瀬廉)の父親の及川新次(浅野忠信)だった。亜哉子は、帰省する亮のために、新次が住む仮設住宅の部屋の掃除の手伝いをしていたのだ。
そして、親しげに話す2人の会話から、百音の父・耕治(内野聖陽)の初恋の相手が、亮の母親の及川美波(坂井真紀)だったことに気づいた。
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新次と美波と耕治は幼なじみで、両家は家族ぐるみで親しくしていた。2010年4月。新次は1億円以上をかけて新しい船をつくる予定で、耕治がその資金繰りの計画を立てていた。しかし、船が完成した直後に震災が起こり、新次は船と美波を失った。
2011年10月。震災から立ち直れない新次を見かねた耕治は、金を返すためにも船に乗れ、と発破をかけた。補助金で船を購入して返済する計画も考えたと説得するが、新次は耕治の知らないところで複数の借り入れをしていたことが発覚。
耕治は父の龍己(藤竜也)に、新次たちを永浦家に住まわせたいと相談するが、「漁師の生きざまを潰すな」と叱咤され、声を殺して泣いた。
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2016年1月。新次が行方不明になったという噂が流れ、海に落ちたのではないかとも言われたが、実際は亀島の自宅があった場所にいた。酔いつぶれていたところを保護されて永浦家に連れてこられ、酔いがさめた頃に耕治が「何かあったのか?」と聞いた。
震災から5年が経っても前に進めずにいたが、最近、亮から「メカジキを50本上げた」という連絡があった。自分に似て筋がいいのかとうれしくなったが、「そんな小さなことを一緒に話す人がいない」と美波の不在を嘆いた。そして、気づいたら亀島の自宅のあった場所にいたという。
新次が「迷惑をかけてすまない」と涙を流す中、亮が笑顔で「お祝いに1曲歌おう!」と入ってきた。美波が好きだった曲を歌おうとしたが、新次をなぐさめることはできなかった。
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その日の夜、「きっと、亜哉子以外の言うことは聞かなかったと思う」と耕治。そして、「新次はこれからも同じことを繰り返し、そのたびに付き合わせるだろう」と詫びると、亜哉子は「幼なじみ3人だけの問題にしないで」とふくれた。
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百音が勉強をする横で、幼なじみたちは将来の話をしていた。野村明日美(恒松祐里)は上京、後藤三生(前田航基)は大学にいる間に何か大きなことをやる、早坂悠人(高田彪我)は亀島の市役所に就職。すると、亮が「俺たちは親とは違うから、好きなことをして生きていっていい。前を向くしかない」と熱く語った。
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その日の夜、百音が仏壇を拝んでいると、亜哉子が「好きなことをしなさい」と言ってきた。これは、亜哉子が亀島に来るときに祖母の雅代(竹下景子)から言われた言葉。耕治の単身赴任中に妊娠した亜哉子が亀島に行きたいと伝えたところ、「来るのは大歓迎だけど、先生の仕事は続けなさい」と言われたという。
先生の仕事も牡蠣の養殖も好き。自分は好きな仕事をさせてもらっているから、娘たちにも好きな仕事をしてほしいと伝えた。
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登米に帰る途中、百音は港で海に落ちかけている新次を見つけた。身を投げるのかと思ったが、氷で滑っただけだと言われて一安心。
「けあらしがきれいだったから船を見にきた」と言われ、百音は「けあらしは蒸気霧といって、冬は海の水の方が温かいから蒸発した水が海面近くで霧になる」のだと説明。
そして、海を見てつらくならないのかと聞くと、「海に恨みはないから」と新次。亮も同じことを言っていたと伝えると、新次は「そうか」と笑った。
サヤカを演じる夏木マリのスゴい経歴
今週は、ついに百音が気象予報士試験に合格。誰かの役に立ちたいという夢に一歩近づいた半面、お世話になった登米を離れることに寂しさを感じて、新田サヤカ(夏木マリ)に試験は不合格だったと嘘をついてしまう。
森林組合を経営するサヤカは豪快で懐が深く、百音の憧れの人物でもある。そんなサヤカを演じる夏木マリは、日本を代表する実力派女優。
1971年に歌手としてデビューしたが、なかなかスポットライトが当たらない下積み時代を経て、単身ニューヨークへ。そこでさまざまなことを学び、1993年に企画から出演までを手がける舞台「印象派」を立ち上げた。また、2008年にはパフォーマンス集団「Mari Natsuki Terroir(MNT)〔マリナツキテロワール〕」も立ち上げている。
女優としてさまざまな作品に出演しており、朝ドラには1996年の『ひまわり』、2011~12年の『カーネーション』に出演している。ヒロインの晩年を演じた『カーネーション』はギャラクシー賞など各賞を総なめにしたことでも注目を浴びたが、ヒロインがバトンタッチしたことも話題となった。
さらに、映画や舞台でも活躍する一方で、声優としても活動している。『千と千尋の神隠し』の湯婆婆役と言われれば、「あの人か!」となるだろう。
プライベートでは、長年のパートナーだったパーカッショニストの斎藤ノヴと59歳にして結婚。日本のしきたりに縛られない独自の関係性を育み、結婚10周年にあたる今年の5月に挙式して大きな話題となった。
師弟のような親子のような、不思議な関係のサヤカと百音。2人が新しい道へ歩き出す姿を見届けよう。
(文=安倍川モチ子/フリーライター)