JRA泥沼の「連敗地獄」が終わらない……関東の名門厩舎が105連敗の大不振! G1出走を果たしながら、さらに上回る「150連敗」継続中の厩舎とは?

 早いもので2021年も7月に突入。今年も半年が終わってしまった。

 新年からスタートする競馬界も、上半期が終了。下半期に突入してから、ジョッキーではC.ルメール騎手がちょうど100勝を達成。

 リーディングトレーナー争いでは、矢作芳人厩舎が30勝を挙げるなど、着実に勝利を積み上げている。

 その一方、ある厩舎の「残念な記録」が密かに続いていた。

 今年4月25日のフローラS(G3)で、管理馬のスライリーが14番人気ながら2着に入る“波乱”を演出した美浦・相沢郁厩舎。

 先週の競馬では7鞍スタンバイも、4日の函館2Rに出走したシーズナルウィンドが6着に終わり、これで今年2月に挙げた勝利を最後に、ちょうど100連敗に到達。さらに同日の福島12Rでも、1番人気に推されたサンキューレターが7着に沈み、その連敗は「105」まで伸びてしまったのだ。

 実はこの相沢厩舎、今年挙げた勝利はわずか2勝。2月20日の東京競馬場4Rでハコダテブショウが1着となって以来、約5ヶ月も勝利から遠ざかっている。

 厩舎を率いる相沢郁調教師は、1998年に厩舎を開業したベテラントレーナー。初年度からウメノファイバーで京王杯3歳S(G2)を制し、翌年にオークス(G1)を優勝。2012年と翌13年には、2年連続でJRA優秀調教師賞を受賞するなど、輝かしい実績を残している。

 近年も2019年スプリングS(G2)を制したエメラルファイトや、同年の札幌2歳S(G3)優勝のブラックホールを管理するなど、美浦の名門厩舎のひとつとして有名な相沢厩舎だが、泥沼の「連敗地獄」から抜け出せないでいる。

 しかし、今年2勝を挙げている相沢厩舎は、まだ良い方かもしれない。残念ながら半年を過ぎても、まだ白星を掴むことができていない厩舎もある。

 開業してから36年目を迎えた美浦・柄崎孝厩舎は今年未勝利。2021年は68戦して0勝、2着3回、3着2回と、泥沼の「連敗地獄」が続いている。

 実は直近で勝利を挙げたのが、なんと2020年6月28日。東京3Rの牝馬限定未勝利戦をアドマイヤチャチャで制してから、1年以上も勝ち星から遠ざかっているのだ。

 その直後、2020年7月4日の函館1R新馬戦でマイスクワッドが10着。それ以降、今年6月27日の宝塚記念(G1)に出走して12着に沈んだ管理馬のアドマイヤアルバまで、厩舎の連敗はついに「150」に到達してしまった。

 この150連敗中の戦績をみると、1番人気に推された馬は1頭もおらず、2番人気は2頭、3番人気は3頭と心許ない。これでは連敗が続くのも不思議ではなかったのかも……。

 一方で「連敗地獄」から救ってくれそうな管理馬を見渡せば、1年前に柄崎厩舎に勝利を届けたアドマイヤチャチャが、その最有力候補にあがる。4歳牝馬の同馬は15戦して1勝、2着1回、3着2回の実績を持つだけに、柄崎厩舎にとっては“エース的”な存在だ。

 ほか、障害転向を果たしたスズカユースは、5歳の牝馬。今年1月11日の中山4Rで2着した実績があるが、直近では5月23日の新潟6R障害未勝利戦で11番人気の9着に終わっている。

 果たして、「趣味はお酒」と公言する相沢郁調教師が、今年の連敗をストップして“勝利の美酒”を味わうことはできるのか。さらに相沢厩舎をも超える150連敗を継続中の柄崎厩舎が、2年越しの白星を掴むはいつの日か。

 それぞれの厩舎の出走馬を、温かい目で見守りたい。

(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール>
野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。