7月4日、福島競馬場ではJRAで唯一の世代限定ハンデ戦という珍しい条件で行われる重賞・ラジオNIKKEI賞(G3)が行われる。昨年は53kgの8番人気バビットが逃げ切って波乱を演出した。
まず注目したいのは牡馬クラシック第1弾・皐月賞(G1)に出走したアサマノイタズラ(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。
その素質をうかがわせたのは、2走前のスプリングS(G2)。7番人気の気楽な立場だったが、中団前目から早め進出の強気な競馬で、直線でいったん抜け出すシーン。しかし、最後はヴィクティファルスに交わされ、アタマ差の2着に敗れた。
1勝馬の身で臨んだ皐月賞は12番人気。ゲートの出は一息だったが、ここでも果敢に先行策をとった。結果的にインを走った馬が上位を占めるなか、外々を回ったアサマノイタズラは、4角5番手から、直線はまったく伸びず。勝ったエフフォーリアから3秒0差という屈辱の最下位16着に敗れた。
12月のデビュー戦からほぼ休みなく5戦を消化。前走後には、陣営も「馬もきつかったのかも」とタフなローテーションを敗因の一つとして挙げていた。
皐月賞から2か月半ぶりの今回はリフレッシュ効果にも期待できるだろう。1週前追い切りを終えて手塚調教師も「リセットした今回は体調がいい」と手応えを感じ取っている様子だ。
鞍上は引き続き嶋田純次騎手に委ねられる。11年目で臨んだG1初騎乗は残念な結果に終わったが、その経験を糧に2走前に届きかけた重賞初勝利を狙う。
リッケンバッカー(牡3歳、栗東・西村真幸厩舎)がデビューしたのは昨年6月。惜しい競馬が続き、ようやく勝ち上がったのは今年3月の6戦目だった。
格上挑戦で臨んだ続くアーリントンC(G3)で2着に入り、NHKマイルC(G1)の権利獲りに成功。本番では11番人気という低評価だったが、道中は後方待機策から最後の直線で上がり3ハロンメンバー最速の末脚を繰り出して4着に好走した。
この時の3着馬が2歳マイル王のグレナディアガーズ。その差は僅か半馬身という大健闘だった。
これまで8戦中7戦がマイルで、今回と同じ1800mはデビュー2戦目で1度だけ経験。その時は6着に敗れたが、4角で他馬と接触し、外に大きく膨れる不利もあった。近走の充実ぶりから1ハロン延長は問題ない。近走の充実ぶりから主役を張るチャンスは十分ある。
モーリス産駒のノースブリッジ(牡3歳、美浦・奥村武厩舎)はひと叩きされ、巻き返しを図る。
昨秋に新馬戦、そして葉牡丹賞(2歳1勝クラス)を逃げ切ってデビュー2連勝。その後は両前脚の挫石などのアクシデントで休養していた。
ようやく復帰したのは5月の青葉賞(G2)。2戦2勝と底を見せていない魅力が評価され、4番人気に支持された。ここでも果敢にハナを切ったが、結果的に差し決着となって13着に惨敗。距離も少し長かったため、一気に600mの距離短縮で一発を狙う。
鞍上は2度目のコンビとなる岩田康誠騎手。もし勝利すれば、史上7人目の全10場重賞制覇を達成する。
前走のプリンシパルS(L)で1番人気を裏切り4着に敗れたヴァイスメテオール(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)も素質はメンバー最上位かもしれない。
前走は1~3着馬が道中2~4番手を進んだ先行馬が占めるなか、ヴァイスメテオールは4角10番手から上がり3ハロン最速をマーク。先行できていれば、上位争いに加わっていたはずだ。
近2走はC.ルメール騎手とのコンビでゲートの出が今一つ。今回はデビューからの2戦に騎乗した丸山元気騎手に手が戻り、逆襲を誓う。
この他には、皐月賞11着のシュヴァリエローズ(牡3歳、栗東・清水久詞厩舎)、祖母がアドマイヤグルーヴという良血のボーデン(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)、ジュニアC(L)勝ちヴェイルネビュラ(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)などが出走を予定している。
飛躍の秋に向けて新たなスター候補は誕生するか。今年のラジオNIKKEI賞は7月4日15時45分に発走を迎える。