JRAに存在する全国10の競馬場にはそれぞれ馬主協会があり、地元の馬主や縁のある馬主などが所属している。馬主協会に所属していない馬主もいるようだが、基本的にはほとんどの馬主がどこかの馬主協会(馬主によっては複数の馬主協会)に所属しているようだ。
馬主協会に所属すれば様々な恩恵や行事、交流があり、例えば中山馬主協会は有馬記念(G1)前にアイドルグループのAKB48を招いてイベントを開催したこともある。また、それぞれの馬主は開催中の地元競馬場で勝利をあげることに力を入れる傾向にあり、それが馬券的にも美味しい結果に結びつくことも多々あるようだ。
先週から開幕した札幌競馬は、JRAの中でも函館とともに夏しか開催されない特別な競馬場。ゆえに地元札幌馬主の勝負度合いは高い。
例えば先週も土曜2Rで2頭が馬券に絡み、3Rは11番人気エレファンティネが勝利(単勝6770円)。その後も6Rでワンツーフィニッシュを決め、7Rも勝利。10R、11Rの特別戦でともに2着と、札幌馬主協会に所属するご当地馬主の馬が好走した。
やはりご当地馬主の勝負度合いを把握することは重要……そんな「ご当地馬主の勝負馬」をチェックするのが、当コラムの目的だ。ぜひ馬券の参考にしていただければと思う。
札幌馬主協会に所属する大物馬主はやはり現会長の吉田照哉氏だ。社台ファームの代表であり、日本生産者のリーダー的存在。系列の社台レースホースも協会に所属し、さらにノーザンファームの吉田勝己氏も常務理事に就いている。
前会長で現名誉会長は、今年の宝塚記念(G1)に出走予定の菊花賞馬キセキを生産した下河辺牧場代表の下河辺俊行氏。ゴドルフィンのモハメド殿下は名誉顧問。さらに岡田牧雄常務理事、浅沼廣幸常任幹事も札幌馬主協会の重鎮。
そしてビッグレッドファーム、ラフィアン、ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオンといったクラブや牧場系列の馬主も目立つ。今週行われる札幌競馬場のレースから、特に推奨するご当地馬主の勝負馬は以下の通りだ。
【土曜】札幌ご当地馬主の狙い
札幌3R 3歳未勝利(芝2600m)
本命ご当地馬主
◎グレイシャーベイ(ゴドルフィン)
ご当地馬主
エルディアブロ(社台レースホース)
コーズウェイヘッド(ゴドルフィン)
ジャストフィット(嶋田賢)
ポンフー(ラ・メール)
ご当地馬主の出走馬5頭の中で、中心は札幌馬主協会名誉顧問・ゴドルフィンのグレイシャーベイ。先行有利のコースで同馬の脚質と2kgの減量は大きなプラス。4枠5番も乗りやすいだろう。エルディアブロは初芝だが父キングカメハメハ母の父ジャングルポケットなら一変も期待できる。他の3頭は成績的に今一つだが、ライバルが低レベルなので激走も可能。札幌馬主の上位独占で高配当を狙いたい。
札幌11R STV賞(芝1500m)
本命ご当地馬主
◎シュバルツカイザー(ゴドルフィン)
ご当地馬主
バルトリ(ゴドルフィン)
このレースは2頭のゴドルフィンに注目。特にシュバルツカイザーは札幌芝1500mで絶対的に有利な1枠1番をゲットしたのが大きい。2戦2勝と相性抜群の鞍上を確保したのも勝負気配の表れ。3歳馬で斤量も有利であり中心は不動。バルトリは外目の枠に入ったが、もともとルメールが重賞でもやれると高く評価していた馬で、芝1400mを1分21秒で勝利した前走から昇級しても即通用か。
【日曜】札幌ご当地馬主の狙い馬
札幌4R 3歳未勝利(芝2000m)
本命ご当地馬主
◎ロックオブエイジズ(吉田勝己)
ご当地馬主
コーストライン(吉田照哉)
前走ダートで大敗した札幌馬主協会常務理事・吉田勝己氏のロックオブエイジズは芝に変わって負けられないレースだろう。芝2000mは2戦2着2回と今の3歳未勝利では一枚上の存在。前走は喉に問題もあったようで、2月に全身麻酔で喉の手術をした。立て直した今回は喉の不安もなく好走できる状態とのこと。札幌馬主協会会長・吉田照哉氏のコーストラインは減量騎手への乗り替わりが魅力。前々走で3着の実績があり今回の2kg減で前進が見込める。この2頭は吉田勝己氏と吉田照哉氏の名義だが、実際は社台グループオーナーズのクラブ馬。ワンツーフィニッシュを期待したい。
札幌7R 3歳以上1勝クラス(芝1200m)
本命ご当地馬主
◎コスモサンレミ(ビッグレッドファーム)
ご当地馬主
テネラメンテ(吉田勝己)
ビッグレッドファームのコスモサンレミが絶好の狙い。3歳牝馬で斤量は52kg。鞍上もビッグレッドファームのお抱え勝負騎手で、この相手なら先手を取って一気の逃げ切りを狙っているはず。小倉で勝っているように平坦小回りがベスト。吉田勝己氏のテネラメンテも同じ3歳牝馬で斤量は52kg、同クラスで2度の2着があり好勝負は間違いなさそう。日本ダービー以降不調の横山武史騎手だが、札幌の騎乗馬を見ても特にノーザンファームが期待をかけているだけに、今週のレースで浮上のきっかけを掴んでほしい。(文=山藤太一)
<プロフィール>
競馬好きの友人の影響で競馬に興味を持ち、ナリタブライアンとマヤノトップガンの阪神大賞典がきっかけで人生を競馬に捧げることを決意。国内全競馬場の制覇、ブリーダーズCや凱旋門賞、香港競馬の現地観戦。多くのクラブ馬主を経験し、自らも個人馬主として登録。趣味の馬券にさらにのめりこむようになり、その人脈と経験で馬主をテーマとした馬券術を独自に考案。知人の馬主には内緒で今日も研究を続けている。