JRA函館SS(G3)カレンモエ「消し」で高配当狙い!本命はあの“暴走”から矯正間近のアノ馬「デビューから一貫コンビ」の“絆”を信頼【八木遊のフォーメーション馬券予想】

 今週から3週間ぶりに3場開催となった中央競馬。予想を任されたのは、13日に行われる第28回函館スプリントS(G3)だ。

 今年は東京五輪開催の影響で、札幌競馬場で行われる電撃の6ハロン戦。過去にも札幌開催は4度あった。特筆すべきは、そのうちの3つを牝馬が制していることだ。

「夏は牝馬を狙え」とは昔から言われる競馬の格言。今年の函館SSにも6頭の牝馬が出走する。中でも注目は良血カレンモエ(牝5歳、栗東・安田隆行厩舎)で、1番人気に支持されるだろう。

 昨秋にオープン昇級後はスプリント重賞で2戦連続2着とそのポテンシャルの高さは認めざるを得ない。しかし、結論から言うと、今回のカレンモエは「消し」という判断を下した。

 その一つの理由が関係者から出たコメントだ。

「間隔を取りながら成長を待っているのですが、成長曲線が少し緩やかです。その為、最後のもう一押しが課題になっています」

 前走のオーシャンS(G3)から3か月以上の間隔を空けて、ここを目標にじっくり仕上げてきたのは間違いないだろう。しかし、重賞で勝ち切れていないのも事実で、その成長力にはクエスチョンマークが投げかけられている。もちろん期待の高さからにじみ出たコメントかもしれない。しかし、今回は大外16番枠も大きなマイナスになるとみて無印とする。

 そこで「◎」に推すのは14番ビアンフェ(セン4歳、栗東・中竹和也厩舎)だ。

 デビューから藤岡佑介騎手が一貫して手綱を取り続け、スプリント重賞2勝を挙げている実績馬だ。そんなコンビがエリート街道から脱落したのが昨秋のスプリンターズS(G1)。ゲート入りに手こずること5分あまり。ようやくゲートに収まったが、肝心のレースではモズスーパーフレアに暴走気味に絡んでしまい、シンガリに大敗した。

 その後は陣営が必死に立て直しを図り、去勢も施された。5か月ぶりとなった前走はカレンモエも走ったオーシャンS。ここで逃げ粘って3着に好走。復活へのきっかけをつかんだ。

 レース後に藤岡佑騎手が発した「厩舎サイドの協力により、スムーズにゲートに入れましたし、スタートも出てくれました」というコメントが全てだろう。洋芝適性は証明済みで、絶対に逃げたい馬も他にいない。陣営の約半年間にわたる立て直しが、ここで結実する。

「○」は5番ケープコッド(牝4歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)だ。

 これまで13戦して掲示板を外したのは3度だけという堅実派。しかも1200m戦は10戦すべて掲示板と、この距離での安定感はピカイチだ。

 陣営は「開幕週の馬場にどこまで対応できるかですね」と慎重な姿勢を見せているが、「札幌に入厩後は体調も良く調整も順調です。北海道は昨年に好走している舞台なので、期待している」とも。ビアンフェとは昨年の葵S(重賞)で対戦し、0秒2差という接戦を演じている。3戦2勝、2着1回という洋芝なら当然上位争いは必至だ。

「▲」は11番コントラチェック(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)。

 前走のオーシャンSで1年3か月ぶりの勝利を挙げ、長い不振からようやく脱出した。スプリント路線に転向後3戦目で速い流れにうまく対応してみせ、カレンモエをゴール前で計ったように差し切った。

「前走はスタートを決めてリズム良く運べたのが良かった。開幕週の馬場に加えて洋芝も向くと思うので、うまくゲートを出てスムーズならチャンスはある」と陣営も自信をのぞかせる。最終追い切りの動きも抜群で、重賞2連勝の可能性は十分あるだろう。

「△」は3番シゲルピンクルビー(牝3歳、栗東・渡辺薫彦厩舎)。

 キャリア4戦とまだこれからの馬だが、1400mで2戦2勝、1600mはどちらもG1で2戦して17着、16着と距離は短い方がいいのは明らか。そして、最大の魅力はやはり桜花賞から5kg減の50kgという斤量だ。「開幕週の馬場だと余計にプラスアルファがある」とスタッフ。好枠からロスなく運べれば馬券圏内に食い込む力は持っている。

「×」は2頭を押さえる。6番リンゴアメ(牝3歳、美浦・菊川正達厩舎)と1番アスタールビー(牝5歳、栗東・南井克巳厩舎)だ。

 前者は、シゲルピンクルビーと同じく50kgの軽量が魅力の3歳牝馬。デビュー2連勝後は惨敗続きも前走の葵Sは着順(12着、0秒5差)ほど負けていない。絶好枠に収まり、インの好位でうまく立ち回れば面白い。

 後者は、キャリア16戦のうち実に7戦が洋芝でのレース。通算4勝のうち3勝を挙げるなど、「3-1-0-3」という好成績を残している。テン乗りの池添謙一騎手の存在も心強い。

 以上、出走する牝馬6頭のうちカレンモエ以外の5頭に印が回った。本命はセン馬のビアンフェで、牡馬はノーチャンスという見立てだ。馬券は三連複フォーメーションと上位評価3頭のワイドボックスで勝負する。

三連複フォーメーション 14点
◎○→◎○▲△→◎○▲△×
ワイドボックス 3点
◎○▲

<筆者プロフィール>
八木遊
競馬、野球ライター。スポーツデータ会社、テレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、Twitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中。