今週12・13日の出走馬と騎手が確定。東京、中京の2場開催から、札幌を加えた3場開催となってレースが増えた分、騎乗するジョッキーの人数も一気に増えた。
なかでも今年3月にデビューした新人騎手にとって、今週から始まる夏競馬は、さらなる経験を積むための修行の場であると同時に、秋に向けて絶好のアピールの場となる。
新人騎手といえば福永祐一騎手と並ぶ、デビュー初勝利から4週連続勝利を記録して話題をさらった古川奈穂騎手は現在、左肩の手術を終えてリハビリ中で復帰はまだ先になりそうだ。
鮮やかなデビューを果たした古川奈騎手の離脱は残念だが、ここまでの3ヶ月を振り返れば、今年は総じてルーキー騎手の「当たり年」といっていいだろう。
今週からスタートする北海道シリーズには、新人最多の12勝を挙げている小沢大仁騎手を筆頭に横山琉人騎手、西谷凜騎手、永島まなみ騎手が滞在予定。
松本大輝騎手は騎乗停止中も、角田大和騎手と永野猛蔵騎手は、それぞれ中京と東京の主場開催で騎乗。角田騎手は土・日で15鞍も乗鞍を確保しており、デビュー2〜3年目の先輩若手騎手の嫉妬を受けそうな人気ぶりだ。
一方の永野騎手は、先に挙げた小沢騎手と並ぶ、新人最多の12勝をマーク。インパクトある名前も手伝って、日に日にその存在感は増している。
なんといっても、一部の競馬ファンから「最終のタケゾー」といわれるほど、最終レースに強い永野騎手。デビュー以来、12勝のうち5勝を最終レースで挙げているから驚きだ。
デビューからここまで、最終レースに20回騎乗している永野騎手。そのうち5勝、2着1回、3着2回を記録。勝率25.0%、連対率30.0%、複勝率40.0%は立派な数字で、「最終のタケゾー」の異名は、あながち間違っていないといえる。
この「最終のタケゾー」の恐ろしさは、ほかのトップジョッキーと比較すれば一目瞭然だ。
公平に比べるため、3月以降の成績を比較しよう。リーディングトップのC.ルメール騎手の最終レース騎乗数は、現在まで15鞍。その成績は1着と3着はともに0回。2着が5回あるだけとなっている。
続いてリーディング2位の川田将雅騎手の同期間の最終レース騎乗数は13鞍。3勝をあげているが、2着1回、3着0回と、勝率、連対率、複勝率すべての部門で永野騎手が上回っている。
最後にレジェンド武豊騎手と比較しよう。ケガなどで途中離脱の影響もあり、3月以降から現在までの最終レース騎乗数はわずか4鞍。2勝をマークしているのはさすがだが、2着。3着ともに0回という成績が残っている。
つまり、上記のトップジョッキー3人と比較しても、永野騎手の最終レースでの成績は抜きん出ており、堂々と胸を張れる成績といえるのだ。
さらにデータを紐解くと、「最終のタケゾー」のほか「第7レースのタケゾー」も侮れない。
第7レースの騎乗回数は17回で、そのうち3勝を記録。2着、3着はまだ記録していないものの、騎乗馬の平均人気は6.6番人気。これは最終レースの平均人気の6.2番人気を、わずかに上回っている。
4月18日の新潟7レースでは、5番人気アヴァニイで勝利。単勝1,220円の高配当をもたらすなど、永野騎手の第7レースは人気薄で勝利を挙げる傾向が垣間見える。
気になるところでは、「第2レースのタケゾー」だ。
第2レースには、最終レースの20回を超える22回も騎乗している永野騎手だが、実はまだ未勝利。2着、3着も記録していないという不吉なデータもある。
ほか、第5・8・9・10レースでも未勝利の永野騎手。メインレースの第11レースへの騎乗も期待したいが、秋までにはこの未勝利レースで待望の初勝利を記録したい。
今週の永野騎手の騎乗予定に目を向けると、12・13日ともに9鞍。同期の角田騎手を超える計18鞍に騎乗する予定で、両日とも、最終第12レースにその名を連ねている。
鬼門は日曜日だろう。13日の東京最終レースは、なんと芝コース。永野騎手はデビュー以来、芝のレースでは未連対というデータもある。
「最終のタケゾー」が競馬ファンに定着するには、芝の最終レースを勝利してこそ。
永野騎手をはじめ、並み居る先輩ジョッキーと鎬を削るルーキー騎手の姿は、夏競馬を熱く盛り上げてくれるはずだ。(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。