30日(日)には、東京競馬場で競馬の祭典・日本ダービー(G1)が開催される。2018年に生まれたサラブレッドの頂点に立つのは、果たしてどの馬になるのだろうか。GJ編集部独自の予想オッズからは、やはりエフフォーリアの1強ムードが漂う。
★上位人気馬の単勝予想オッズ★
・エフフォーリア 1.5倍
・サトノレイナス 5.8倍
・シャフリヤール 6.5倍
・グレートマジシャン 9.3倍
・ワンダフルタウン 14.2倍
デビューから無傷の4連勝で皐月賞(G1)を制したエフフォーリア(牡3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)。昨年のコントレイルに続く無敗の2冠馬誕生が期待される。
前走の皐月賞は、ダノンザキッド(骨折のためダービー回避)と2強を形成。最終的には1番人気を譲ったが、レースでは好位のインをうまく立ち回り、直線上がり2位タイの末脚を繰り出し2着馬に0秒5差をつけ完勝した。
1990年以降、皐月賞を0秒5以上の差で勝った馬は3頭目。1994年のナリタブライアン(0秒6)、2011年のオルフェーヴル(0秒5)はともに日本ダービーと菊花賞(G1)を制して三冠馬に輝いており、エフフォーリアにも同様の期待がかかる。
皐月賞前には「どちらかというと、(皐月賞より)ダービー向き」という声が大多数を占めたエフフォーリアなら、さらに差を広げて2冠を達成する可能性もありそうだ。
鞍上を務めるのは22歳の横山武史騎手。昨年94勝を挙げ、関東リーディング騎手に輝いた。今年はエフフォーリアとの2勝を含め、すでに重賞4勝の活躍を見せている。
皐月賞では堂々の手綱さばきを見せ、今回は単勝オッズ1倍台はまず間違いない。22歳にかかるプレッシャーは前走時の比ではないだろう。それでも2年前にはリオンリオンでダービーの空気は経験済み。騎乗停止になった父・横山典弘騎手の代打で得た経験値を生かす時だ。
気になるのはエフフォーリアの状態か。皐月賞後はノーザンファーム天栄に放牧に出され、今月13日に美浦に帰厩した。19日には美浦南Wで帰厩後初時計をマークしたが、若干物足りない動きにも見えた。
デビューからこれまで、2か月(中8週)以上のレース間隔をとってきたが、今回は皐月賞から中5週。帰厩タイミングもレース約2週前で、これまでと臨戦過程がやや異なる点だけが気がかりだ。
それでも皐月賞で世代トップの実力は証明済み。致命的な出遅れや不利がない限り、戴冠に最も近い存在なのは間違いないだろう。
皐月賞でエフフォーリアが完勝を収めたことで、別路線組に注目が集まりそうだ。そんななか、急浮上したのが桜花賞(G1)2着のサトノレイナス(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。
既定路線通りオークス(G1)に出走していれば、ソダシと並び最有力候補と目されていたはずだが、あえてダービーに挑戦してきた。牝馬の出走は2000年以降、3頭目。07年にウオッカが勝っているが、14年には同じく桜花賞2着から挑んだレッドリヴェールが4番人気に支持されるも12着に大敗している。
ただし、ここ数年は牝馬全盛の時代を迎えている。2kgの斤量差を味方につけて、重賞初勝利をダービーで飾る可能性は十分あるだろう。
桜花賞を振り返ると、道中は後方に控え直線に懸ける競馬。上がり最速となる32秒9の豪脚でソダシを急追したがクビ差及ばなかった。レース後にC.ルメール騎手が開口一番「18番枠、ありがとう」と自虐ネタを披露したように位置取りを考えれば勝ちに等しい内容だった。
前走後は在厩で調整され、1週前にルメール騎手を背に好時計をマーク。好状態をキープしている。
三冠牝馬を2頭育てた国枝調教師にとって、そして「一番勝ちたいレース」とダービー制覇に並々ならぬ意欲を見せる里見治オーナーにとっても、悲願のタイトルは見えるところにある。
G1・2勝馬のアルアインを兄に持つ良血シャフリヤール(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)も注目を浴びる一頭だ。
兄と同じく毎日杯(G3)を制覇。兄は皐月賞を9番人気で制した後、ダービーでは4番人気で5着に敗れた。弟は皐月賞を見送って、満を持してダービーに駒を進めてきた。
兄のアルアインは全勝ち鞍が2000m以下だったように、距離の壁に泣かされた。一方の弟はこれまで3戦すべてで1800mを使われてきたが、陣営からは「2400mの方がいい」という声も聞かれる。
大本命のエフフォーリアとは共同通信杯(G3)で対戦済み。その時は2戦2勝のエフフォーリアに対し、シャフリヤールは新馬戦を勝ったばかり。しかも3か月半の休み明けだった。好位を進んだ勝ち馬に対し、シャフリヤールは中団後方からの競馬。直線ではしっかり脚を伸ばしたが0秒4差の3着に敗れた。3か月半ぶりの対戦で逆転を狙う。
鞍上は、毎日杯で代打騎乗に応えた川田将雅騎手から福永祐一騎手に戻る。福永騎手といえば、18年にワグネリアンでダービー初制覇。そして昨年はコントレイルで2勝目を飾った。4年間で3度目のダービージョッキーへ、チャンスは十分あるだろう。
シャフリヤールと同じ3戦2勝のグレートマジシャン(牡3歳、美浦・宮田敬介厩舎)も、まだ底を見せていない一頭だ。
母ナイトマジックはドイツのG1を2勝した名牝で、スタミナと底力を秘める。過去9年で6勝を挙げる父ディープインパクトの血も後押ししてくれるだろう。
評価を大きく上げたのは2走前のセントポーリア賞(1勝クラス)。8頭立ての後方からレースを進め、直線で鞍上に促されると一気に加速。ノーステッキで2馬身半の差をつけ完勝した。2着に破ったバジオウはその後、プリンシパルS(L)を快勝したように、ポテンシャルが世代上位なのは間違いない。
初黒星を喫したのは前走の毎日杯。初めての長距離輸送で-8kgという馬体減が響いたのか、シャフリヤールを捉えきれずクビ差の2着に敗れた。しっかり間隔を空けて、2戦2勝の東京コースで巻き返しを狙う。
これまでの3戦は全て1800mだったが、今回は一気に600mの距離延長。しかし、騎乗する戸崎圭太騎手は「2400mという距離もこなせるイメージ」と好感触をつかんでいるようだ。
5か月ぶりの実戦で青葉賞(G2)を制したワンダフルタウン(牡3歳、栗東・高橋義忠厩舎)も別路線組の有力候補。
デビューから5戦して一度も馬券圏外なしという安定感が自慢だ。昨秋の京都2歳S(G3)勝利後は爪の不安で皐月賞には間に合わず。ダービーを見据えての余裕残しで前哨戦を制し、上積みも十分ある。
前走後には、和田竜二騎手も「状態的にはここを使ってもっと良くなる」と話し、高橋義調教師も「左回りの長い距離は、条件として合う」と自信を見せる。青葉賞馬はダービーを勝てないというジンクスを打ち破れるだろうか。
皐月賞組では、2着に粘ったタイトルホルダー(牡3歳、美浦・栗田徹厩舎)も怖い一頭だ。祖父キングカメハメハ、父ドゥラメンテに続く3代制覇が懸かる。
ステラヴェローチェ(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)は、テン乗りだった吉田隼人騎手の好騎乗で皐月賞3着に好走。デビューからマイル戦を使われていたが、バゴ産駒だけにさらなる距離延長はプラスに出る可能性もある。
皐月賞5着のヨーホーレイク(牡3歳、栗東・友道厩舎)はデビューから5戦連続で上がり最速の末脚を持つ。川田騎手への乗り替わりで勝負気配が漂う。
この他には、ディープモンスター(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)は武豊騎手と、京都新聞杯(G2)勝ちのレッドジェネシス(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)は横山典騎手というダービージョッキーとのコンビでそれぞれ一発を狙う。
NHKマイルC(G1)では、まさかの落馬で競走中止となったバスラットレオン(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が参戦を表明。展開のカギを握る存在となりそうだ。
エフフォーリアが無敗の2冠馬に輝くかどうか。その一点に注目が集まる今年のダービー。発走は15時40分を予定している。