コントレイル「全弟」に早くもクラシック黄色信号!? 福永祐一「中長距離を走る上では理想的」無敗三冠の兄より「雄大な馬体」も……

 2年連続で無敗の桜花賞馬と皐月賞馬が誕生し、来週からはいよいよオークス(G1)・日本ダービー(G1)という世代の頂点を懸けた戦いが幕を開ける。

 昨年、18年ぶりにクラシック未勝利に終わった社台グループだが、今年は桜花賞(G1)&皐月賞(G1)のダブル制覇だけに留まらず、先週のNHKマイルC(G1)も優勝など、3歳戦で例年以上の大旋風を巻き起こしている。

 偉大な功績を残したディープインパクトとキングカメハメハの2枚看板が世を去って1年。今後、絶対王者・社台グループと、そこに属さない“非社台生産者”との争いは激化の一途を辿ることになるだろう。

 今年の3歳クラシックもたけなわといったところだが、毎年この時期になるとPOGファンを中心に気になってくるのが、今年デビューを予定している「2歳馬」たちの動向だ。

 中でも、非社台産のエース候補として真っ先に名が挙がるサンセットクラウド(牡2歳)には、早くも多くのファンが熱視線を送っている。

 昨年、史上3頭目となる無敗三冠を達成したコントレイルの全弟という、生まれながらにG1制覇を宿命づけられたサンセットクラウド。母ロードクロサイトにディープインパクトを付けられたのがコントレイルと本馬だけであり、ディープインパクト亡き今、嫌が応にも注目度は高まる。

「兄のコントレイルは青鹿毛ですが、こちらは母ロードクロサイトを受け継いで芦毛に出ました。兄は460kg前後という比較的小柄な馬体でクラシックを戦いましたが、弟は現段階で480kgを超えており、馬格は兄よりも雄大ともっぱらの噂です。

調教の進み具合も兄よりも順調とのことで、9月デビューだった兄よりも早くお披露目となる可能性もありそうです。入厩先は当然、兄も手掛ける矢作芳人厩舎。今のところ特に悪い話も聞きませんし、陣営の期待も非常に大きいでしょうね」(競馬記者)

 三冠馬にまつわる兄弟で有名なのは、やはり1994年の三冠馬ナリタブライアンと、その兄にあたるビワハヤヒデ兄弟だ。G1を5勝した弟に対して、兄もG1・3勝。兄弟で2年連続して年度代表馬に輝くなど「最強兄弟」との呼び声も高い。

「飛行機雲」の意味を持つコントレイルに対して、「夕焼け雲」と名付けられたことからも、兄への強い意識が感じられるサンセットクラウド。偉大な兄に並ぶ活躍が期待されているが「そう簡単ではない」という声もあるようだ。

「コントレイルよりも雄大な馬体といえば聞こえはいいですが、がっしりした体形は兄とは一味違うようにも映ります。実際にコントレイルの上の兄姉たちは、父こそ違いますが、マイル以下の短距離で活躍。サンセットクラウドの大きな馬体は、短い距離への適性を感じさせます。

コントレイルも、元はと言えば距離の不安と戦いながらの三冠でしたし、サンセットクラウドはどちらかと言うと母ロードクロサイトらしい産駒になる可能性も。順調に行ってもクラシックではなく、NHKマイルCに出走しているかもしれませんよ」(別の記者)

 実際に、コントレイルの主戦を務める福永祐一騎手は、昨年の菊花賞(G1)前に本馬が距離をこなせる理由として「中長距離を走る上では理想的」と比較的小柄なサイズであることを強調材料の1つに挙げていた。+16kgの472kgと一段成長した今年の大阪杯(G1)で3着に敗れてしまったことは、馬体のサイズという点を考慮すれば、気になる材料だ。

 大山ヒルズの斎藤慎取締役ゼネラルマネジャーからは「距離があっても良さそうな雰囲気」と評価されているサンセットクラウド。果たして、偉大な兄にどこまで迫り、その背中を超えていけるのか。今から期待は膨らむばかりだ。(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。